最近「メールの時間が遅いですね」と言われることが多々あり、若干問題意識を持っています。本屋さんに行って本を眺めるのが至福の時間ではありますが、つい手に取ってしまうのが「仕事をスピーディーに片づけるには」というような本です。
ブログにも書いたことがあるかと思いますが、「佐藤オオキのスピード仕事術(幻冬舎)」とか「ハイパフォーマー思考(KKベストセラーズ)」とかを読むと自分の仕事もどんどん片付いたりするイメージになるのは良いのですが、実際はそんなわけでもなくかなり夜遅くまで、また休日も仕事をしている状況もたびたびです。
今回購入したのは「仕事に追われない仕事術(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」です。今日は東京会の旅行で鬼怒川に行きましたのでその行きかえりに読んでみたのですが、印象に残ったのは以下の部分でした。
●オーナーの「本当の仕事」とは「オーナーにしかできない仕事」です。会社の方針の決定や戦略立案がそれに当たります。日常業務に入り込み過ぎて、「本当の仕事」を忘れているオーナーが実際には多いのではないでしょうか。…忘れているわけではないのですが確かにその傾向は大です。
●手に負えないほど仕事を抱えれば、仕事の質が落ちるのは当然ですが、それを気にかける人はあまりいないのはなぜか?私のクライアントの中にも、手いっぱいの仕事を抱えているのに「もっと仕事がしたい」という人がたくさんいます。…私もこれですね。
この問題は単純で、仕事の能力と実際の仕事量との兼ね合いに気を配れば解決できます。効率の向上にも限度がありますから、その先は仕事を減らすしかないのです。
ここでは仕事を抱えた原因、つまり、あなたのコミットメントに注目しましょう。上に頼まれたにしろ、自分で引き受けたにしろ、結局はあなたのコミットメントが問題の源泉です。「仕事を減らすこと=コミットメントを減らすこと」です。…色々と面白そうに思うのでついコミットメントしたくなるんですね。
この本に「マニャーナの法則」というものが載っているのですが、「1日に発生する仕事を集めて、必ず次の日にやる」という考え方です。常に仕事に1日分の「バッファー・ゾーン」を設ける考え方ということです。
①今日、新たに発生した仕事を集めておく ②仕事を類別する ③類別した方針に従って、翌日まとめて処理する という方法でメールや書類を翌日集中して処理すると同時にすぐに処理できない手間のかかるタスクは細分化して管理する、ということなのです。
整理してから処理する、というのは確かに良い方法かもしれません。またタスクを細分化するというのは確かに仕事が進む方法だと認識しています。重要な論文がなかなか取り掛かれないという医師には、毎日仕事の開始5分でもよいので書くことを進めるそうです。それはかなり効果的な感じがします。
先週弁護士の渡辺岳先生に東京会の会報に登場いただくためのインタビューに同行してお話を伺う機会がありました。いつも的確な内容で素晴らしいなあと思うのですが、インタビュー後の雑談の中での労働時間のお話は楽しかったです。
労働時間が長いのがすべて悪いかというと、何かを成し遂げるためにはそれに没頭して時間を忘れるということもあるはずで、やらされている仕事と自分で率先して取り組んでいる仕事では心身の負担も異なるのではないかというのは同感でした。
その線引きをどのように設けるのが良いかということをしきりと考えておられる様子で、確かにそこまで考える必要があるのだと目からうろこでした。私ももっともっと深い思考ができるようにならなければいけないなと感じました。