OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

就業可能な育児休業改正について

2021-06-27 23:54:04 | 産前産後・育児・介護休業

来年の育児介護休業法の改正ですが、今のところ政省令が出ていないので詳しい点はまだわからないのですが、なかなか難しいけれど男性の育児休業取得は進むかもしれないと感じるのが「休業中の就業可能」です。

以下のリーフにもありますが、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業が可能であるということで、就業したとしても育児休業中ということで育児休業給付金の対象となるということです。この育児休業中の就業が認められるのは、改正条文を読むと産後8週間の範囲内で取得できる「出生時育児休業」の期間のようです。

また、就業可能日等の上限は、労働日・所定労働時間の半分ということですので、だいたい月10日又は80時間程度になるのでしょうか。これは施行規則等で定められることになるということです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf

現在も育児休業中の就業が全く認められていないというわけではなく、「子の養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的にその事業主の下で就労」できることになっています。 
就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下であれば、育児休業給付金が支給されることになっており、就労しても育児休業期間中であるという点については改正による就業可能と同じです。

ただ、「恒常的・定期的に就労させる場合は、育児休業をしていることにはなりません」ということになっており、条文に「就業可能」と定められる今回の改正とは決定的に異なるといえます。
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000706037.pdf

改正によりこのあたりの整理はどうなるのかまだ不明ではありますが、働くことができる育児休業という考え方は、育児短時間勤務との違いも分かりにくくなりそうで、なかなか複雑な気がします。

先週は久しぶりにリアルのセミナーを顧問先で行いました。テーマは管理職セミナーということで、主に中間管理職の役割の話なのですが、なかなか面白い内容なのです。これは、TAC時代からの同僚で法人社員にも10年ほど就任してもらっていた島中先生から引き継いだもので、中間管理職がどのような役割をもって仕事をしていくか、認識してもらう内容になっています。皆さん真面目に熱心に聞いて頂きました。


傷病手当金、育休中の保険料免除等健康保険法の改正

2021-06-20 18:47:36 | 産前産後・育児・介護休業

かなり長くて覚えにくい名称ですが「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が、令和3年6月4日に可決・成立、6月11日に公布されました。かなり実務的な改正が含まれているのでポイントをあげてみたいと思います。

①任意継続被保険者に関する改正(令和4年1月1日施行)
これまで任意継続被保険者の資格喪失事由には「本人が希望したとき」という事由はありませんでしたが、改正により任意継続被保険者でなくなることを希望することを保険者に申出た場合に、資格喪失することが可能になりました。

これまで任意継続被保険者の標準報酬月額について、①退職者の従前の標準報酬月額又は②所属する保険者の全被保険者の平均の標準報酬月額のうち、いずれか低い額」とされていましたが、改正により健保組合の規約により「従前の標準報酬月額」することができることになりました。

②傷病手当金に関する改正(令和4年1月1日施行)
これまで傷病手当金は支給開始から1年6か月の期間内を限度に支給されることとなっていましたが、改正により支給開始日から通算1年6か月分支給されることになりました。

傷病手当金の支給を行う場合に、労災保険等の給付の支給状況について必要は資料の提出を求めることができることが明記されました。

育児休業中の保険料免除に関する改正(令和4年10月1日施行)

これまで月中において育児休業開始日と終了日の翌日が同月内であった場合には保険料の免除は行われませんでしたが、改正により育児休業の日数が14日以上であれば保険料が免除されることになりました。
なお、育児休業期間が1か月以下である場合な賞与保険料は免除されないこととされました。

④その他
高齢者医療確保法の改正により、後期高齢者医療における窓口負担がこれまで1割負担であった被保険者で一定所得以上である場合の窓口負担については「2割負担」となりました。(政令で定める日施行予定)

健康の保持増進のために必要がある場合事業者等に対して、保険者が40歳未満の者も含めた定期健康診断に関する記録の写し等の提供を求めることができるとされました。(令和4年1月1日施行)

※概要その他新旧対照条文などは以下をご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000733601.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/204.html

7月に株式会社 ニッセイコム / 三菱電機ITソリューションズ株式会社様共催のオンラインセミナーで話をさせて頂くことになっているのですが、テーマがDX時代の総務・人事についてです。DXは以前から気になっており本を読んだりしていたのですが、今回準備をするにあたり、ガイドラインなどを読んでだいぶイメージができたような気がします。特に「2025年の崖」は面白く、Win7など様々なサポートが終了し、基幹システムが21年以上経過するのが6割に達し、IT人材が不足するのが2025年。顧問先の基幹システムは、建増しに次ぐ建増しで複雑になり、手作業部分も多くなったため昨年から今年にかけて新規のシステムの入れ替えに忙しく、自分の頭の中でのパズルがピッタッとはまった感じです。お話の中ではちょっとクスッと笑える話も交えて楽しくいきたいと考えています。


山の手メンター塾(オープン勉強会)について

2021-06-13 21:31:37 | 雑感

2015年の山手統括支部長時代に念願のメンター制度をどうしても支部で導入したくて作ったのが「山の手メンター塾」です。メンター制度ということで登録したばかりの開業・勤務問わず先輩社労士が面倒を見るというコンセプトです。始まった当初はリアルで集まりゲストに来てもらって話を聞いた後グループディスカッション、さらにその後「仕事の話をする飲み会」と夜10時ころ解散というスケジュールでやってきました。当時も人数的には30人くらいが集まっていたと思います。

その後もここまでコロナ禍にもめげず支部の中で委員会として引き継がれ続いており、特に目黒支部の今井さんは熱心に取り組んでくれて、さらに当初から参加してくれているメンバーが支えてくれています。集まる人数もそれほど変わっていないような気がしています。ここ1年間はリアルは無理なのでzoomでの開催と、ブレークルームの活用でなかなかこれはこれで楽しい会が作り上げられています。ある意味リアルの時よりさらに気軽に参加しやすい面もあるような気がしています。HPやTwitterなどもできているのですが、今さらながらHPを見ると第1回からの内容もしっかり記録されており、継続は力なり、本当に有り難く感謝の気持ちでいっぱいになります。

山の手メンター塾HP
https://sr-mentor.com/?fbclid=IwAR3gExRnoI48jCJ8reQcYUlDetmXAceE0FnUD_h0nVT8_R6Zf1Q1YDVQEao

塾の1期生は、3年間メンター塾で勉強した後卒業して既にメンター役に回ってくれているのですが、卒業記念に寸劇を披露してくれて、それを作る過程で非常に連帯感ができて今も色々なことを聞いたり話したりできるチームになっているということです。

今年度は、zoomの利用が一般的になったこともあり、山の手メンター塾のスピンアウトというものまで作られて、山手統括支部所属の会員以外も参加可能の「オープン勉強会」となっています。先週の金曜日に開催されたのですが、特にテーマを決めずざっくばらんに色々な情報交換を行うことができて、開業1年生だけでなく私のように開業30年近い者でも楽しく有意義な時間になりました。富山からのご参加もあり、地方のお話も今後も色々と聞くことができれば視野も広まるだろうと感じました。

山手統括支部メンバーだけではなく参加頂けるスピンアウトは、次回7月9日(金)20時からです。開業したばかりの方から、ベテランまで参加可能です。また20時からということで食事は終えてしまい、お酒を片手の参加で気軽に参加できますので、一度覗いてもらえると良いと思います。

 

「人は財産なり」、とこれまで社労士をやってきてつくづく感じます。山の手メンター塾とBBクラブの両方とも、みんなで勉強していけたらと考えて作ったものですが、両方とも貴重な集まりにみんなで育ててきたのだと嬉しく思っています。

話題は変わりますが、コロナワクチンの大企業での職域接種が始まりました。職域接種の仕組みは以下のようになっていますが、うちの事務所のように30人未満といった中小企業はたくさんあると思われ、何とかならないのかなと考えています。東京商工会議所で対応してくれると耳にしたのですがスタッフからの情報で、「産業医の設置義務のない50人未満の会員事業所のうち、コロナ禍により企業経営に大きく影響を受けている業種を優先的にご案内させていただきたい」ということでもう少し先になりそうです。
【職域接種】
https://www.mhlw.go.jp/content/000789163.pdf
【東京商工会議所HP】
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1024941


国家公務員の定年引上げ

2021-06-06 22:18:05 | 法改正

国家公務員の定年を65歳に延長する改正国家公務員法は4日の参院本会議で可決、成立しました。そもそも昨年、会期末を迎えた衆院本会議で継続審議の手続きが取られず、審議未了で廃案となった法案です。廃案の要因となった野党の批判の対象部分である「内閣等の判断で検察幹部定年を延長できる特例」を削除して、今国会に再提出されていたものです。内容としては民間の70歳就業確保措置に向けて参考になるものだと感じます。

①定年については、段階的に引き上げられるため、61歳定年は令和5年度からということになります。2年ごとに1歳ずつ定年年齢が引き上げられ、完成するのは令和13年度65歳ということになります。

②役職定年制が導入され、管理監督職の職員も60歳に到達すると年度末までの間に管理監督職から外れることになります(特例あり)。
③60歳以降の俸給月額は70%の水準になります。
④退職手当の算定は、60歳の時に行うことになります。
⑤本人の希望により、短時間勤務を選ぶことができます。

【法案の概要】
https://www.cas.go.jp/jp/houan/210413/siryou1

65歳定年制をひいたとしても65歳までそれまでの労働条件が維持されるのではなく、どちらかというとこれまでも民間企業で行ってきた60歳定年再雇用とあまり違いがないと感じます。この改正は民間の70歳までの就業確保措置の前哨戦であることは間違いなく、60歳以上の社員に対する労働条件の設定方法の参考にはなると思います。ただ今後70歳まで働くという社会になるとすると、60歳以降も評価制度を導入し、個々人の能力や成績により賃金設定をする方向になるのではないかと考えていただけに、若干足踏みのような戸惑う面もあります。

今日の山縣選手の9秒95はとても嬉しかったです。以前から応援していたのですが大きなけががあったり、年齢的にも厳しくなったのではないかと残念に感じていた時期もありました。先日渋谷のよく行く中華に夜打合せで立ち寄った際、コロナでお客様が少なかったこともあり、もう一組が山縣選手だとすぐ気が付きました。「応援しています。頑張ってください!」と言えばよかったなあと悔やんでいます。苦しい時期を長く沢山経験しているだけに、オリンピックに出場して活躍して欲しいと思います。