土曜日は日帰りながら中高のテニス部のOB会に出るために神戸に行ってきました。先輩から後輩まで10年間くらいの幅のOBが集まって毎年顧問の先生を囲みとても楽しい時間を過ごすのですが、今回は年金の質問でかなり盛り上がりました。サラリーマンの夫が退職後もらう年金額、自分がもらう年金額などみんな真剣でした。特に振替加算のことなど説明が難しく、また遺族年金についても興味津々でした。
そこでサラリーマンが引退後どのくらいの年金額を受給し生活設計して行くのか頭に入れておく必要があると思いましたので調べてみました。
モデル世帯の年金額は月額約22万8,000円だそうです。中身は夫が受給する2階部分の老齢厚生年金が約9万8,000円で1階部分の老齢基礎年金が約6万5,000円(平成27年4月分からの満額の年金額780,100円)、妻の受給する1階部分の老齢基礎年金は約6万5,000円になります。※モデル世帯とは、夫が厚生年金に40年加入、妻が第3号被保険者を含め、国民年金を40年加入等した場合です。これが基本の額になります。
●例えば妻は57歳、夫は64歳(65歳前)で2階部分の特別支給の老齢厚生年金を受給しているような場合の特別支給の老齢厚生年金は2階部分のみの約9万8,000円が支給されると考えればよいと思います。
…夫婦ともに継続雇用やパートで収入を得ていないと生活はできない年金額です。
●夫が65歳に達すると2階部分の約9万8,000円に加えて老齢基礎年金の約6万5,000円の支給が開始され、さらに加給年金月額約32,500円が加算されるようになり、合計19万5,500円が支給されることになります。
・・・夫が完全に引退しても妻はパートで収入を得ているとよい額でしょうか。
この加給年金とは、言ってみれば生計を維持している妻に対する加算を夫の年金に行うものであり、妻が65歳に達して老齢基礎年金を受給するまで加算されるものです。224,500円に特別加算額165,600円が加算されることになるため、月額約32,500円になります。
●さらに妻が65歳になり老齢基礎年金が支給されることになると、この加給年金額は夫の年金には加算されなくなりその代わりに振替加算(※)として妻の老齢基礎年金に加算されることになります。従って世帯の年金額として、前出の22万8,000円(夫の老齢厚生年金約9万8,000円+老齢基礎年金約6万5,000円+妻の老齢基礎年金約6万5,000円)になります。
…この額で2人が生活するには少し少ないでしょうか。どの程度生活費がかかるか試算して貯金をしっかりしておくか、民間の年金を加算できるようにする必要があるかもしれません。
(※)この振替加算というのはそれまで男性中心の年金制度が、男女の区別なく一人一年金という考え方になった昭和61年4月時点で、「老齢基礎年金」がいきなり満額受給できる人は少なくそれを補てんするための仕組みと考えればよいと思います。従って振替加算額は妻の生年月日が遅くなるほど次第に金額が少なくなっていきます。昭和61年4月の時に20歳の人は、国民年金に60歳まで40年間加入できるためすべて保険料納付済みの場合満額の老齢基礎年金を受けられます。そのために、昭和41年4月2日以降に生まれた人から「振替加算額」は加算されなくなります。「振替加算」の要件は、妻が国民年金だけ加入し「老齢基礎年金」を受給しているか、厚生年金保険に「20年未満加入した老齢厚生・基礎年金」を受給している妻ということになります。振替加算の額は、今後受給を開始する場合は既に非常に少なくS32.4.2~S33.4.1生れの場合年額38,800円です。加給年金の月額とほぼ同じ額であるためこれはあまりあてにはできないのです。
なお、妻が例えばOLで5年間厚生年金に加入したとした場合の年金額は約13万円となり月額1万円強の加算となります(女性の場合男性より一般的には標準報酬額が低めであるため厚生年金に40年加入した場合の老齢厚生年金の月額は約8万円として、8万円×5/40=1万円ということになります)。上記妻の試算に加算してみるとよいと思います。
遺族年金のこともとても関心が高かったです。現在65歳以上で遺族厚生年金を受け取っている女性の場合自分の老齢基礎年金が月額約4万円~5万円、夫の遺族年金を7万円の計11万円~12万円程度受給している人が多いということです。そう考えると自宅が持ち家であってもかなり厳しいですね(妻の老齢基礎年金は未納期間があったりでなかなか満額(月額6万5,000円)とはいかないため4万~5万円ということになります)。