OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

年収の壁・支援強化パッケージ(106万円の壁対応)の利用を考える

2023-11-12 21:56:33 | 労働保険

年収の壁・支援強化パッケージのキャリアアップ助成金のQ&Aやリーフが出揃い、だいぶ具体的に見えてきたので、パートさんの就業抑制が特に多い12月を前に利用を考えてみたいと思います。10月2日のブログを書いた時点では、助成金であるため先に計画書を提出する必要があると考えていたのですが、リーフレットを見ると1月末までに計画書を出せばよいということですので、かなり利用しやすくなったと思います。まず、今回は年収の壁・支援強化パッケージ3つのうち「106万円の壁」対応についてイメージできればと思います。

●106万円の壁対応(手当等支給メニューの場合)

10月からキャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」ができました。これは被保険者が101人以上の企業のパートタイマーさんの年収が106万円を超えた場合、社会保険の資格取得をすることになり保険料を納付することでパートさんの手取りが減ってしまう現象を解消し、壁を意識せず働いてもらうための助成金です。利用法を以下の例で考えてみました。

・11月に通常のシフト勤務で年収106万円を超え120万円まで働くことにしたパートさんは12月に新たに社会保険の資格取得。

・被保険者になったことで発生する保険料本人負担分相当額(年額17.7万円)を会社が「社会保険適用促進手当」として支給(月額手当又は賞与でまとめて支払う)。

月額93,000円~101,000円未満の働き方であれば標準報酬月額は98,000円であるため厚生年金保険料は8,967円(健康保険、厚生年金保険、介護保険の保険料合計は年額17.7万円
 なお、月額88,000円~93,000円未満の働き方であれば標準報酬月額は88,000円で保険料合計は年額15.9万円、月額101,000円~107,000円未満の働き方であれば標準報酬月額は104,000円で保険料合計は年額は18.8万円
 社会保険適用促進手当の対象は、標準報酬月額が104,000円以下の者であるため、会社が負担した社会保険適用促進手当は必ず助成額20万円の範囲内となる

・社会保険適用促進手当は、標準報酬月額・標準賞与額の算定にならないため、上記パターンの場合月100,000円(年収120万円)まで働くと本人の手取りは月額100,000円となり社会保険に資格取得した社会保険料の影響なし。

・会社は社会保険適用促進手当を持ち出しで支払うが、その分は助成金を申請することで負担が事実上ゼロとなる。ただし、対象者が被保険者の資格取得した分の事業主負担の保険料は負担する。

・キャリアアップ計画書を1月末までに提出。
(これは特例期間であるため2月以降取組みを開始する場合は取組み開始前日までに提出の必要がある)。
支給申請は6か月継続した後2か月以内。
助成額の支払は6か月ごとに10万円×2回(大企業は7.5万円×2回)。

●上記を考えると、パートさんが12月に就労抑制を希望したが人手不足のため困ってしまった企業は、被保険者になっても手取りが減らない10.4万円までの働き方を提案し、社会保険の資格を取得させて、社会保険適用促進手当を月額手当又はまとめて賞与として支払い、キャリアアップ計画書を1月末までに提出しその後申請、受給することで、12月の繁忙期を乗り切る、という利用方法がイメージできます。以下リーフレットです。

https://www.mhlw.go.jp/content/001162661.pdf

年収の壁・支援強化パッケージは難しい!
急に寒くなりましたが風邪などひかないように。


フリーランス労災保険適用

2023-11-05 23:19:06 | 労働保険

11月1日の日経新聞「労災保険、全フリーランスが加入可能に」という記事が載りました。今回のフリーランスの労災適用は、労災保険法の施行規則を改正して2024年秋の施行を目指すとされています。

労働政策審議会労災保険部会の資料なども時々見ているので、その考え方はある程度押さえていましたが、いよいよかという感じです。大学院で修士論文に取り上げたテーマが「雇用によらない働き方に対する労災適用について」でしたが、その方向性としてはあまりずれてはいなかったなと改めて修士論文をとり出してみて感じたところです(実は、修士論文を提出してから思い残すことが沢山あり、見るのが恐ろしい気がして、ほとんど読んでみることがありませんでした)。

労災の特別加入は労災の適用である「労働者(雇用されている人)」ではない人に特別に加入の道を開き適用させるもので、第1種の中小事業主等、第2種の一人親方と特定作業従事者、第3種の海外派遣と3種類があります。この中でも第2種のうちの特定作業従事者についてはこれまで「危険有害である業務」として認められた業務のみが加入可能で、長年かけて少しずつ対象が増えてきました。しかし時代と共にほとんど加入者がいなくなった業務が残っていたり、業界団体が強い場合や最近事故があった業務が認められる等、加入対象範囲の拡大に整合性が認められないこと、今後働き方の多様化に対して労災や労災の特別加入はどのように対応していくかが整理していく必要があるということが問題意識としてありました。

10月4日の審議会資料を見ると、いわゆるフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が2023年4月に成立し、成立過程での国会審議等により特別加入の対象拡大への取り組みが求められていること、また同法の附帯決議で希望するすべての特定受託事業者が加入できるよう対象範囲を拡大することが決定されていることで審議会での審議が決まっていました。

検討課題としては、①特定受託事業者を労災適用することについての検討、②既存の特別加入の対象者との関係、③保険料率をどう整理していくか、また④第2種特別加入に必要な特別加入団体の在り方について、これまでも求められていた特別加入団体が実施すべき災害防止措置の内容を今回の拡大でどのように考えるか、が示されています。

具体的には、特別加入の成り立ちが労基法の適用労働者に準じて保護すべきものであり特例として労災適用するという制度の根幹にかかわる部分の中で、特別加入の対象範囲や運用方法についてどのように考えるか。既存の特別加入と選択制にした場合に保険料率の低い方に流れるのではないかという点など、今後の審議会の審議に着目したいところです。

冒頭の記事によると現在70万人ほどのフリーランスの加入が、約270万人が対象となり、新制度の特別加入者はかなり増加する可能性があるようです。フリーランスの業務委託で働いてもらっている人の保険料は今は本人負担ですが、多様な働き方の拡大や人手不足を考えると企業が保険料を負担することも将来的にはあり得そうな気がします。

週末コロナワクチンを受けて、3連休の1日はつぶれることを覚悟していたのですが、今回は副反応はほとんど出ませんでした。しばらくしたらインフルエンザの予防接種設もうけようと思います。いよいよ11月に入り今年もあと2か月になりましたので、年末年始の準備を考えたり、衣替えをしたり、やらねばならないと思っていたことがだいぶ片付き充実した3連休になりました。


労災メリット制に係る不服申し立て

2023-09-18 23:20:04 | 労働保険

昨年12月に「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会報告書」が発表され、労災保険のメリット制について事業主が不服申し立てができる仕組みに見直す方針が了承されました。メリット制は労災と認定された場合に事業所が負担する労災保険料が引き上げられる制度です。これまで労災認定について、事業主が不服申し立てはできなかったのですが、今回の検討会報告書でも認定についての不服申し立てが認められることになったわけではありません。あくまで不服申し立てできるのは労働保険料についてということになります。

今回の報告書では、以下のように取扱うことが適当であることが取りまとめられました。
(1)労災保険給付支給決定に関して、事業主には不服申立適格等を認めるべきではない
(2)事業主が労働保険料認定決定に不服を持つ場合の対応として、当該決定の不服申立等に関して、以下の措置を講じることが適当。
 ア) 労災保険給付の支給要件非該当性に関する主張を認める
 イ) 労災保険給付の支給要件非該当性が認められた場合には、その労災保険給付が労働保険料に影響しないよう、労働保険料を再決定するなど必要な対応を行う。
 ウ) 労災保険給付の支給要件非該当性が認められたとしても、そのことを理由に労災保険給付を取り消すことはしない

今のところどのような不服申し立ての方法になるのかは具体的に整備されていないようですが、メリット制の仕組みについては理解しておくと良いと思います。と言っても非常に複雑な仕組みなのでごく簡単に説明すると以下の通りです。

メリット制は、継続事業、一括有期、単独有期でそれぞれ異なりますが、継続事業については以下のような計算方法で「労災保険率を上下させる仕組み」となります。労災給付に要した費用が少なければ労災保険率は下がり、多ければ労災保険率は上がるということです。

・まず適用される労災保険率から非業務災害率(一律0.6/1000)を減じた率を±40%の範囲で増減させる仕組みが大前提です。従って通勤災害で労災認定されたものについては労災保険率に影響しないわけです。
・この上下幅40%の範囲はメリット収支率により決まります。例えばメリット収支率が10%以下であれば40%減となりメリットが効きますが、150%を超えると40%増ということでデメリットが効く(要するに保険料率が上がる)ことになります。
・それではメリット収支率とはどのように決まるかですが、以下の計算式で算出されます。
(連続3保険年度中の)業務災害に係る保険給付及び特別支給金/(同)確定保険料×第1種調整率×100=メリット収支率
つまり、メリット制の適用に必要な収支率が出るのは3保険年度後であり、その間に給付した給付額が払った保険料に対してどのくらいの割合であったかを算定するわけです。(第一種調整率は年金を一時金に換算した保険給付に合わせた調整のための率です)

やはりなかなか複雑な仕組みですね。大きな労災事故があっても3年経過後に保険料率に影響するので事業主は今頃なぜとびっくりすることがあるようです。

いよいよあれこれ沢山の仕事を抱えて走っている最中で、それでも何とかスケジュール通りこなせているので快調な気分です。コロナ禍の半年間の自粛期間に行けなかったとき、蟻に家がやられて大変なことになっていたので、月に1回は小淵沢の家の様子を見にいくのですが、今回は流石に向こうでも出かけずPCに向かっていました。ただ窓の外の景色に癒され、時々外に出て深呼吸をしたり結構ワーケーションも仕事が捗ると感じました。まだまだ昼間は夏の空気なのですが、夕方になるとかなり涼しく秋の気配です。以前から仕事の途中で見つけて買ってみたいと思っていたコージーコーナーさんのプチケーキの詰め合わせを行きがけに購入しました。こちらも秋のシリーズになっていました。可愛さ満載なのでぜひ一度!お勧めです。

     


自己都合退職の場合の失業給付の給付制限期間

2023-04-23 23:59:38 | 労働保険

デジタルやグリーンといった成長産業などへの労働移動を促すため、政府は、自己都合で離職した人への失業給付のあり方を見直す方針。自己都合で離職した後、原則2か月間受給できない制限措置の扱いが焦点となるという報道(2月18日NHKニュースより)ありました。岸田総理大臣は、先に、構造的な賃上げの実現には、グリーンやデジタルといった成長産業などへの労働移動を促す必要があるとして自己都合で離職した人への給付のあり方を6月までに見直す方針を明らかにしたということです。

現在雇用保険法第32~34条において給付制限が定められており、その中で「被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合」には、待期期間満了後1箇月以上3箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。」と定められています。
 1箇月以上3箇月以内と定められているものの、正当な理由がない場合の自己都合退職については2か月又は3か月間が給付制限されます(3箇月の給付制限が令和2年10月1日以降の離職については「5年間のうち2回までは給付制限を2箇月とする」ということになりました)。この給付制限期間は法や施行規則に定められているのではなく、雇用保険業務取扱要領に載っている行政手引52205(5)給付制限期間に定められています。
 
調べてみたところ、給付制限期間については、元々1箇月であったものの昭和59年の改正により3箇月に延長されたようです。経緯としては、①受給資格者の6割が正当な理由のない自己都合退職であり、その傾向は若年者層において顕著(29歳以下82.2%)、②これは、給付制限期間が1箇月と短期間であることが安易な離職を誘う結果となっているのではないかと指摘されていることから、給付制限期間を延長することにより、離職を決意する際の慎重な判断を期待し、安易な離職を防止するとともに、離職後の再就職意欲を喚起するため、給付制限期間を延長することとしたもの、とあります。
 
自己都合退職の場合の給付制限期間が、給付制限がかからない会社都合の離職に比べて3箇月とされているのは、自分の都合で会社を辞めたのだから合理的と考えてきましたが、確かに労働移動を阻害する要因になることは否めません。
2023年2月16日付日本弁護士連合会は「雇用保険の抜本的な拡充を求める意見書」を出しています。「給付制限は、自己都合退職の場合、保険事故を自ら作り出す側面があることからモラルハザードを防止すること、また、離職が予見可能であることなどを理由に正当化されてきた。・・・失業手当受給者の半数以上が『正当な理由のない自己都合退職』として給付制限をかけられている現状は、不合理である。これは、転職の自由(職業選択の自由や勤労権に含まれる)が不当に制約されていると評価され得る。
※モラルハザードとは、「保険によって補償される」という意識により保険事故(ここでは失業状態)を回避する努力が阻害される現象のことである。
上記意見書においては、「離職理由による受給資格の区別の廃止」も上げています。
 
終身雇用が当たり前とされていた時代とは異なり、新たな産業に労働力が移転していかなければならない現状においては、これまで合理的とされてきた仕組みが不合理となるわけで、社労士としても様々点検していく必要があると思いました。
 
今年初めて小淵沢の家に行ってきました。久しぶりにおいしい空気を吸ってくることができた感じです。小淵沢はまだ寒くて、あちらこちらで桜が咲いていました。家の前の畑にあるまだ小さな桜も咲いていました。また山の斜面には藤の花が沢山咲いており真っ盛りでした。先日「藤の花はなかなか強いのよ」と先輩がご飯を食べながら話してくれたことを思い出して、苗木を買ってみようかなと思っています。

休業補償給付受給時の保障について

2022-12-19 00:20:13 | 労働保険

労災保険の休業補償については、休業(補償)給付が給付基礎日額の60%に休業特別支給金の20%が上乗せされるので、80%が休業日数について補償されることになります。その際会社が100%まで補償しようと考える場合はどのような扱いになるかということですが、ある程度の補償は可能だと考えて問題ありません。

休業補償給付の受給要件は、①療養のために休業する日であること、②労働不能であること、③賃金を受けない日であること、となります。会社から生活保障等が支給された場合には、③の賃金を受けない日に該当するかどうかがポイントになります。

所定労働時間の全部を労働不能であり休業した場合に、平均賃金の60%以上の生活保障を受ける場合は、「休業する日(賃金を受けない日)」に該当しないということで休業(補償)給付は支給されません。従って平均賃金の60%未満の生活保障を受ける場合は、「休業する日」に該当するため、休業(補償)給付の支給には影響がありません(昭和40.9.15基災発14号)。つまり、休業(補償)給付が60%+休業特別支給金20%+会社からの生活保障が50%支払われる場合は、合計130%が保障されることになります。

労災の休業(補償)給付が支給されない待期期間の3日間については労基法の災害補償の規定を根拠に会社が補償する必要がありますが、4日目以降については、労基法84条に、労基法の災害補償の事由について労災保険に基づく災害補償に相当する給付が行われる場合は補償の責めを免れる、という規定があるため、会社の補償は義務ではありません。

ただ、近年民法536条の規定により、会社に安全配慮義務違反があれば、労働者は100%の賃金請求権があるという判決も出てきているようです(長崎地判平成30.12.7)。これに関してはかなり勉強しなければなりませんが、研究者の間では反論も多くあるようですので、今後どのようになるかは注視しておきたいと思います。なかなか興味深いテーマだと思いました。

民法536条2項(債務者の危険負担等)
債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

大学院を修了してからそろそろ3年が経とうとしているのですが、労災保険のテーマを考えていると、やはり労災保険は解釈していくことが面白いなと思いました。判決文を読むのはあまり得意ではないのですが、時間ができたらまた興味のあるテーマをじっくりと研究したくなりました。

今年もいよいよ押し迫ってきましたので、何となく落ち着かないというか、新たな年に向けてワクワクするというか、いやその前にクリスマスがあると思いだし、慌ただしいような気分になります。寒くなりましたので、体調管理に注意して元気で年末とお正月を迎えられるようにしたいと思います。


精神障害の労災補償

2021-08-22 20:19:58 | 労働保険

最近メンタル疾患で労災申請をしたいという社員からの申し出があり、どうすればよいかというご相談が多くあります。以前より数的には多くなったように思います。実際に申請に至る場合もあれば、まずは労働基準監督署の窓口に相談に行ってもらい労災申請はしないという本人の結論に至ることもあります。以前労災申請をしたとしても認定される件数は10%から20%くらいと聞いたことがあり、実際のところどうなのか令和2年度過労死等の労災補償状況」が厚労省から発表されているので今回調べてみました。

精神障害の労災補償状況を見てみると、令和2年度は請求件数2051件(決定件数1906件)のうち支給決定件数608件で、認定率31.9%(支給決定件数÷決定件数)と聞いていたより高い率で認定されています。ちなみに令和元年度の認定件数は32.1%、平成30年度の認定件数は31.8%ということで、おおむね3割が支給決定されているようです。

色々とみていくと、支給決定件数の多い業種としては「医療福祉(社会保険・社会福祉、介護事業)」と「医療福祉(医療業)」が圧倒的といってよく、職種としては「専門的・技術的職業従事者」の支給決定件数が多くなっています。また年代別には、40~49歳、30~39歳、20~29歳の順に多くなっています。

労災認定されるかどうかの判断の大きな要素となる「出来事」については、支給決定件数のうち多い順に①上司等からのパワハラ、②悲惨な事故や災害の体験・目撃、③同僚からの暴行又はいじめ・嫌がらせ、④仕事の内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった、となっています。

ただ決定件数を見ると、上司からのパワハラ180件より上司とのトラブル388件が多くなっています。決定件数とは、請求があった件数から取り下げ等があったものを控除した件数ですので、労災申請を行った実質の件数といえます。要するに認定されるかどうかは別として、精神障害の原因は「上司のパワハラや上司とのトラブル」という訴えが非常に多く占めているということがわかります。ちなみに令和2年度の、上司とのトラブルの決定件数388件に対して支給決定件数は14件ということで認定率は3.6%と想像以上に少ないと感じました。

この統計を見ているとだいたいの労災申請の認定状況が見えてくることがわかりましたので、今後も毎年追って傾向等を把握しておきたいと思いました。

https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/000796022.pd

8月も後半に入りましたがまだまだ暑いものの、吹いてくる風は若干秋めいた感じがすることがあります。今日は年1回の社労士試験ということで、事務所からも10名弱の受験生が頑張ったと思います。受験生の皆様お疲れさまでした。まずはゆっくり休んで久しぶりの解放感を味わってください。合格していればこれからが本番、残念な結果であっても決してあきらめないこと、これだけは忘れないでもらえればと思います。


5月、6月の雇用調整助成金について

2021-04-18 19:34:15 | 労働保険

4月16日の労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会)で、雇用調整助成金の特例措置など5月以降縮小する案が了承されました。変更点としては以下の通りです。

新型コロナウイルス感染症関係事業主が行った令和3年5月1日から同年6月 30 日までの期間中の休業等について
1.雇用調整助成金
①1日当たりの支給上限額  13,500 円(現在15,000円)
②助成率 令和2年1月 24 日以降解雇等を行っていない場合には、中小企業事業主9/10(現在、10/10)
まん延防止等重点措置の対象区域で知事からの時短要請を受けて事業主に休業させられた場合は特例が設けられ、上限15,000円、助成率10/10が維持される場合があります。詳しくは、以下概要の2ページ目を確認ください。

2.休業支援金等
新型コロナウイルス感染症等の影響により休業させられた労働者のうち、休業手当の支払いを受けることができなかった場合(大企業はシフト制労働者のみ対象)に支給される休業支援金等については上限が原則9,900円(現在11,000円)になります。

・雇用保険法施行規則の一部改正する省令案概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000769708.pdf

7月以降の雇用調整助成金についてはお問い合わせも多いため、調べてみたのですが特に記載されたものは見つかりませんでした。4月1日に発表された「令和3年度地方労働行政運営方針」では、 雇用の維持・継続に向けた支援として、新型コロナウイルス感染症の影響及びそのまん延防止措置の影響により、休業を余儀なくされた労働者の、雇用の維持・継続のために、雇用調整助成金により、引き続き休業のほか、教育訓練、出向を通じて雇用維持に取組む事業主を支援する。産業雇用安定助成金により、在籍型出向を活用した雇用維持を促進するとあり、雇用調整助成金がなくなるわけではないとしても、産業雇用安定助成金に軸足が移ることも考えられます。

・令和3年度地方労働行政運営方針
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17792.html

・産業雇用安定助成金
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000735076.pdf

連休中も家でおとなしく過ごすことになるので、テレビを買いなおしたところ、簡単にNetFlixやYouTubeを見れることになり、かなり楽しめています。夜はテレビを消してカフェミュージックなどを流すと良い雰囲気です。ついでにゆっくり映画を見るために一人掛けの椅子を買ってしまおうかと思案中です。実は、自分用の小さなソファーはあるのですがそこに座るとすぐコロッと眠くなり寝てしまうということもあるのですが、なんでかわからないのですが椅子が大好きで見ているだけでワクワクしてしまうのです。


高年齢雇用継続給付の見直しについて

2019-12-09 00:14:02 | 労働保険
高年齢雇用継続給付の見直しが労働政策審議会雇用保険部会で検討され、2025年度から段階的に廃止する改正法案が来年の通常国会に厚生労働省から提出されることになりました。以下、12/6 日本経済新聞電子版より抜粋です。

厚生労働省は、賃金が現役時代に比べて大幅に下がった60~64歳の高齢者を対象に支払う高年齢雇用継続給付金を見直す。65歳までの継続雇用が2025年度から完全義務化されるのに合わせ、25年度から段階的に廃止する。
25年度に60歳になる人から段階的に給付額を減らし、30年度をメドに廃止する。
25年度には、希望者全員を65歳まで雇用する高年齢者雇用安定法が企業に全面適用される。そのため、同給付を25年度以降も維持する必要性は薄いと判断した。(12/6 付日本経済新聞)
 
そもそも平成6年の高年齢者雇用安定法の改正による60歳以上の定年年齢義務化(平成10年施行)にあわせて平成6年に創設された高年齢雇用継続給付は、平成19年までの措置とされていたところを、平成24年まで延長され、さらに平成25年度以降についても、高年齢雇用継続給付は高年齢者の雇用促進に重要な役割を果たしているという現状を踏まえ、当面の間は存知することとし、今後の高齢者雇用の動向を注視しつつその在り方について改めて再検証すべきと平成24年1月に雇用保険部会報告書で示され、ここまで来たものです。
 
経団連は、「雇用保険制度見直しに関する提言」を9月 17 日 に発表しており、「定年後再雇用者をめぐっては、同一労働同一賃金に関する法改正に対応するため、基本給や賞与、諸手当等の個別待遇ごとに、公正処遇の確保が要請されている。こうした状況に鑑みると、高年齢雇用継続給付の見直し議論は避けられない。仮に高年齢雇用継続給付の見直しを行うにしても、受給者への十分な配慮とともに、企業における人事賃金制度見直しの動向とあわせて考えることが不可欠であり、十分な経過措置を講じるべきである。」としています。
 
統計(厚生労働省「雇用保険事業年報」)を見てみると、支給延べ人数はそれほど多く変わっているわけではないようですが、初回受給者数は2009年から比較して2017年まで下降傾向を示しておりベビーブーマーがほぼ70歳以上となった今、5年後からの5年間でかなり支給延べ人数は減っていくと思われます。2030年に完全廃止ということであればそのころは70歳まで当然働く世の中になっており、抵抗がないかもしれません。ただ、今後60歳以上の賃金制度の見直しはする必要が出てきました。
 
金曜日は顧問先様向けセミナーということで、同一労働同一賃金の対応についてお話しさせて頂きました。各企業が検討される際に、事前に説明させて頂きたいことが沢山あったのですが、自分の中で、派遣の同一労働同一賃金まで説明できるほどにこなれるには時間がかかり、12月になってしまいました。少し遅くなりましたが、やっと説明できてホッとしました。あとは各企業で検討された内容についてフォローのご相談に乗らせて頂ければ、大企業は来春までには間に合うかなと思います。

雇用保険の基本手当の受給期間の延長について

2019-10-12 22:31:01 | 労働保険

雇用保険の基本手当は、原則、離職日の翌日から1年以内の受給期間内の 失業している日について、一定の日数分支給されます。この受給期間内に、妊娠、出産、病気等の理由で引き続き30日以上職業に就くことができない場合は、雇用保険法の「失業」の定義である労働の意思及び能力を有していないということで、その期間は基本手当は受給できません。

そこで、ハローワークに申請することにより、受給期間を延長することができます。どのくらい延長することができるかというと、本来の1年の受給期間にプラスして職業に就けない期間を加えることができるわけです。離職日の翌日から4年以内まで延長することができることになっていますが4年を超えて受給期間が延長されることはありません。離職日翌日から4年間、30日以上職業に就くことができない理由が継続すれば受給期間の延長をしても基本手当は受給できません。例えば1年間の受給期間うち離職日翌日以後の当初の6か月後、例えば2引き続き4か月職業に就くことができなくなった場合の受給期間は1年+24か月ということになり、事実上の受給期間は当初の6か月とその後24カ月(その間は病気であるため受給できない)経過した後の6か月間ということになるわけです。

受給期間延長のハローワークへの申請は、妊娠、出産等の理由により引き続き30日以上職業に就 くことができなくなった日の翌日以降、延長後の受給期間の最後の日までの間であれば、申請が可能です。以前は1か月以内でしたが改正により平成29年4月から1か月経過しても延長申請は可能となっています。ただし、申請が遅い場合は、受給期間の残日数が不足して、受給期間延長を行っても基本手当の所定給付日数の全てを受給できない可能性があり、注意が必要となります。少なくとも所定給付日数の未受給の日数分は受給期間内に確保した上で申請する必要があり、そのためにはできるだけ職業に就くことができない理由が30日を経過した日の翌日以降早めに延長申請を行い受給を開始することが肝要です。

引き続き職業に就くことができない理由については、雇用保険法20条と施行規則30条に定められており、①妊娠、②出産、③育児、④疾病又は負傷、⑤①~④のほか管轄職業安定所長がやむを得ないと認めるものとなっています。

今回の台風は東京は土曜日に来ましたので、仕事がお休みという方が多かったのは幸いでしたが、いろいろなイベント等が中止となってしまいました。それでも大きな災害が起きていないと良いのですが、明日朝起きたときが少し心配です。

昨日(金曜日)仕事を終えて帰り道にスーパーで2日分の食料を買いこもうとしたところ、流石に8時過ぎに行ったのでは遅すぎて、パンもお惣菜もすべて棚は空っぽでした。それでもどうしても買いたかったシャインマスカットはまだ残っておりちょっと嬉しかったのと、卵があったのは救われました。電車も計画運休を早めに決めましたし、日本人も最近は何かと早めに安全を確保する習慣がついてきたように思います。 


「雇用類似」の働き手に対する保護のあり方について、検討会中間報告

2019-07-16 01:55:03 | 労働保険

 7月4日付け労働新聞に、「厚生労働省は、『雇用類似』の働き手に対する保護のあり方について、検討会中間報告(案)を明らかにした。」という記事が載っています。

 副業・兼業を認めていくという国の方針もあり働き方が多様化する中で、「雇用類似の働き手の保護」という観点から厚労省では検討会を行っています。その中間報告がまとめられ以下のような概要となっています。

雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会 中間整理について

https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000523663.pdf

 修士論文のテーマはかなり焦点を絞ることにしましたが大きく括ればテーマといってよく、興味があるところですが、「労働基準法の労働者性判断基準を拡張して、雇用類似の働き手を保護すべき」という意見に対して、「これまでに確立された知見を抜本的に見直す必要が生じる」ということで短期的には結論を出すことはできないということになりました。今後、保護ルールを検討する考えである、ということです。保護対象となる雇用類似の働き手の定義としては、「発注者から委託を受け、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者」が中心になる、としています。

 厚生労働省のhpにある検討会の資料をみると、中間報告に至るまでにかなり詳細なヒアリングと分析がなされていて、その中では契約条件の明示、契約の締結・変更・終了などに関しては「書面等での明示」、報酬の確実な支払い確保、水準設定、最低報酬額などが課題とされており、最低報酬の設定、その他、安全衛生、就業時間、損害賠償の予定などについて優先的に検討するということです。

 検討会の検討内容とは違った視点からの切り口で自分なりの研究をしてみようと考えており、特に影響を受けるということはないのですが、「労働基準法上の労働者」についての判断基準については、確かに拡大するには大きな転換が必要だとは感じます。しかしヨーロッパは特に国によっては拡大を図っているケースもありその転換のきっかけや考え方のプロセスなど調べてみたいことは色々とあります。

先週のゼミの後で、修士論文の報告をして概ね方向性は良いでしょうという菊池教授のアドバイスを頂いて、かなりホッとしたためというわけではないのですが、週末は小淵沢に行ってきました。ほとんど雨でしたし、先月からひいている風邪が抜けないのでゆっくりしようと思ったのですが、ウィンブルドンの決勝があまりに凄い試合で、ジョコビッチが勝利するまで寝ることができず結局夜更かしをしてしまい、まだ咳が残っています(それにしても本当にすごい試合でした!)。

今週末のBBクラブの予習・本番と7月末の学期末までのレポートを仕上げたら、修論についてはどこから何をして書き出すかという方向性も決まりましたので安心してふと気が付いたら既に7月中旬になっており、社労士本試験にあと約1か月ということに気が付きました。

受験生とっては、いよいよここからが本当、勝負のかかった大事な時期になるので、集中して力をあげていって欲しいです。


労災特別加入の加入状況

2019-07-07 21:14:25 | 労働保険

 平成29年度末の数字ですので少し古いものですが、特別加入の加入状況をみると、中小事業主等が1,089,983人(中小事業主650,953人及び家族従事者439,030人)と圧倒的に多く、次いで一人親方等が569,918人、特定作業従事者が112,499人、海外派遣者が98,774人となっています。

 一人親方等においては、建設業の一人親方が556,634人とほとんどを占めており、個人タクシー・個人貨物運送業者が9,311人、漁船による自営漁業者が1,539人、林業の一人親方が1,704人、医薬品の配置販売業者が178人、再生資源取扱業者が450人、船員法第1条に規定する船員が102人です。

 また、特定作業従事者においては農作業従事者が98,768人、訓練従事者が10,377人、家内労働者が481人、労働組合等常勤役員が86人、介護作業従事者が2,787人となっている。

 この中で気になるのが家内労働者です。家内労働者とは、家内労働法等に基づき、通常、自宅を作業場として、メーカーや問屋などの委託者から、部品や原材料の提供を受けて、一人または同居の親族とともに、物品の製造や加工などを行い、その労働に対して工賃を受け取る人をいいます。「内職」と理解してよいと思います。この家内労働者のうち労災保険の特別加入に加入することができるのは、特に危険度の高い業務及び作業とされています。内訳をみてみると、金属等の加工の作業329人、洋食器・刃物等加工の作業25人、履物等の加工の作業65人、陶磁器製造の作業0人、動力機械等による作業62人、仏壇・食器の加工の作業0人となっています。いつからなのか分かりませんが、0人という作業が2種類もあるということで、見直しの必要性を感じます。 

※業種別、事業及び作業の種類別中小事業主等特別加入状況(平成29年度末時点 速報)

梅雨だから仕方がないのかと思いますが、雨の日が続きますね。意外に外に出ると暑くなく寒くもなくさわやかな感じがすることもあります。梅雨が明けたらきっとものすごく暑くなるんだろうなと想像しながら少しこの気温を楽しみたいような気がします。

来週は修士論文の2度目の経過報告をすることになっており、準備に苦心しています。試しに一部分ですが書き出してみたところ、あっという間に4,000字になってしまい、少し細かなところまで書きすぎなのかなと考えています。調べたことを全てアウトプットしたいというクセはTACの講師時代からですが、昨年医療の講義のレポートを作成する際に島崎教授に言われた「簡にして要を得ている」ということを念頭に頑張ってみます。 


請負事業の一括について

2019-06-10 00:29:32 | 労働保険
労働保険の保険料の徴収に関する法律(徴収法)で労働保険料の徴収について一括ができるものとして定められている保険関係の一括は、「有期事業の一括」「請負事業の一括」「継続事業の一括」の3つがあります。このうち継続事業の一括については、労災保険及び雇用保険に係る保険関係を一括することができますが、有期事業の一括と請負事業の一括については労災保険に係る保険関係のみを一括することになります。
 
この中で、請負事業の一括は、数次の請負で行われることが通常である「建設業のみに適用」されるものです。家を建てる時などの建設の仕事を思い浮かべてみるとイメージしやすいと思うのですが、下請けやさらにその下請けである孫請けなど混在して仕事をします。このような数次の請負で仕事が行われる場合、下請負事業ごとに分割して保険適用することは現実的には困難です。そのため、法律上当然に下請負事業を元請負事業に一括して、元請負人のみを適用事業の事業主として取り扱うこととされています。

この場合注意しなければならないのは、請負事業の一括の対象となるのはあくまで「労災保険の対象者である労働者」ということになります。元請事業の事業主だけでなく、下請負事業の事業主や孫請事業の事業主や一人親方についてはこの一括の対象にはならないわけです。従って請負事業の一括の仕組みがあっても下請負事業の事業主等については労災保険の特別加入をしなければ、労災保険の補償を受けることはできないということになります。

下請事業の実質的経営者が元請事業の労働者であったとして労災保険の休業補償給付を申請したところ「労働者」に該当しないとして不支給処分とされ、それを不服として裁判に訴えたもののやはり労働者性が否定された判決があります(「呉労基署長〈浅野建設〉事件、広島地判平成4.1.21)。元請けが下請負人に行った指示、指導については、労働者性の判断基準となる指揮命令ではなく「請負契約の内容に沿うよう債務の履行を求めているにすぎないもの」と判断されています。
 
なお、「下請負事業の分離」といって一定以上の規模の下請負事業である場合については、元請負人及び下請負人の共同の申請により元請負事業に一括することなく下請負事業を分離して保険関係を成立させることが可能ですが、そのためには厚生労働大臣の認可が必要です。この認可を受ける一定規模とは、下請事業の概算保険料の額が160万円以上又は請負金額(消費税相当額を除く)が1億8,000万円以上になる場合です。
 
久しぶりに小淵沢に行ってきました。昨年秋にお風呂をリニューアルして外の景色を見ながら露天気分になる予定だったのですが、前回までは寒くて寒くて窓を開ける気に全くならず、やっと今回はわざわざ陽のあるうちにお風呂に入ることにして、少し露天風呂気分を味わうことができました。家の前は畑とその向こうは森なので窓を開けてもたいがい大丈夫なのですが、いきなり畑の様子を見に来たのか軽トラが走ってくるのが見えて慌ててブラインドを下ろしてドキドキしました。天気が良い夏なら星を見ながらの露天気分になれるはずと楽しみにしています。

特別加入申請書内容の重要性について

2019-05-26 21:57:12 | 労働保険

特別加入制度は、労働基準法の適用労働者に準じて保護するにふさわしい者に対し労災保険を適用しようとするものです。その場合の業務上外の認定基準は、以下の通達に定められています。

特別加入者の業務上外の認定基準について(昭和50.11.14基発671号、平成14.3.29基発0329008、)

特別加入に関係する裁判例を調べているのですがこの業務上外の認定はかなり厳しいものがあります。業務上と認定されるためには特別加入申請書に記載された内容が基礎となりますので、記載内容については慎重に記載する必要があります。実務では意外に簡単に記載していることが多いと思われますが、社労士としてはその点のアドバイスはきちんとしていく必要があります。

まず、中小事業主等における特別加入の場合、申請書別紙の業務の内容欄に記載された所定労働時間(休憩時間を含むものとする。)内において、事業主の立場において行う事業主本来の業務を除いた特別加入の申請に係る事業のためにする行為及びこれに直接附帯する行為(生理的行為、反射的行為、準備・後始末行為、必要行為、合理的行為及び緊急業務行為をいう。)を行う場合が前提となります。

その上で、労働していた時間について以下の要件が定められています。

1)特別加入申請書に記載した労働者の所定労働時間内において業務行為を行っている場合は、労働者を伴っていたか否かにかかわりなく、業務遂行性を認めるものである。

2)労働者の時間外労働又は休日労働に応じて就業する場合。

3)1)又は2)に接続して行われる業務(準備・後始末行為を含む。)を特別加入者のみ行う場合。

申請書別紙の記載内容の問題ではないですが、3)の「接続して行われる業務」についてはかなり厳しく、中小事業主が従業員の出社前に準備作業をしている最中に誤った機械操作をして死亡した事故については、始業時刻には取引先への訪問事業主としての業務)を予定していたということで「接続」の要件を満たさず、業務上と認定されなかったという裁判例があります(「所沢労基署長〈田中製作所〉事件、浦和地判昭58.4.20」)

申請書に記載した所定労働時間等から間隔があくと業務上の認定がなされない場合があることは、中小事業主等の特別加入申請をする際には説明しておく必要があると思います。

また、業務内容についても漏れのないように丁寧に記載することも大切ですので、そういう意味で申請書は慎重に作成する必要があります。

先週は支部で「同一労働同一賃金」の研修を受講しました。そろそろ夏のBBクラブやOURSセミナーのためにも少しずつ整理をして何をすべきか特定していきたいところですが、もう少し勉強してみたいところです。

法改正に対しての勉強については、TACの講師時代の一般常識セミナーの準備と同じような方法で行っています。一般常識セミナーの準備では数カ月間あれこれと資料を集めておき、頭の中で少しずつ熟成しておいて、集中して講義内容を考える、ということをしていました。いまはパワーポイントがありますので準備もしやすくなりましたので、整理していく楽しみもないわけではありません。頑張ります。


技能実習生の労災について

2019-05-19 22:14:56 | 労働保険
新たな在留資格の導入で、外国人労働者のこれまでにない増加が見込まれています。社労士として企業にアドバイスするするためにどのようなことを準備しておけばよいか気になっていましたが、連合会の委員会に参加させて頂くことになり、先日の初回の打ち合わせは大変勉強になりました。今後も研究を進めていきたいと思っています。外国人労働者であっても日本で雇用されて働く以上もちろん労災は適用されるのですが、技能実習生の労災適用状況が先日新聞に載っていました。今後新たな在留資格の受入れについては、現在日本で働いている外国人労働者に起こる課題から推察していくことができますが、技能実習生の労災事故が全体の労災事故と比較してどのような状況になっているかは今後の労務管理上有効な情報だと思われます。まずは働く場所の安全対策の徹底と雇用した労働者については外国人であっても、たとえ1時間しか働かない場合であっても、労災保険の適用対象であることを企業に認識してもらうことからでしょうか。

外国人の労災事故2847人 最多更新、技能実習生も増加 (2019.5日経新聞記事)
厚労省によると、18年の外国人の死傷者数は前年の2494人から14.2%増えた。10年前(1443人)と比較するとほぼ倍増した。
この間、外国人労働者数は3倍に膨らみ、約146万人となっている。
死傷者のうち技能実習生が784人(27.5%)で、過去最多を更新。
外国人労働者における技能実習生の割合(18年は21.1%)を上回る状態が続いている。
4月に改正出入国管理法が施行され、新たな在留資格制度「特定技能」が始まった。
外食業や宿泊業など対象14業種について、技能と日本語の試験に受かるなどすれば、通算5年在留可能なビザを取得できる。
外国人の受け入れ拡大が加速する中、安全対策が課題だ。
日本人も含めた国内全体の労災事故では、死傷者数は前年比5.7%増の12万7329人。3年連続で増えた。
一方、死亡事故に限れば同7.1%減の909人で過去最少だった。

昨年1月の日経新聞にも以下の記事が載っています。

労災による死亡と認定された外国人技能実習生が2014~16年度の3年間で計22人に上ることが14日、厚生労働省のまとめで分かった。
大半が事故とみられるが、過労死も1人いた。
政府統計で実習生の労災死の実態が明らかになったのは初めて。
労災保険の給付対象となる休業4日以上の労災件数は3年間の平均で年475件だった。(2018/1/14日経新聞記事)
政府統計で実習生の労災死の実態が明らかになったのは初めて(東京・霞が関の厚労省)
実習生は職種が限られており、労災死比率が日本の雇用者全体の労災死比率を大きく上回っている。
実習の名の下に日本人より危険で過酷な労働を負担している現実が示された。
厚労省によると、死亡した実習生のうち労災認定されたのは14年度が8人、15年度が9人、16年度が5人。
労働基準監督署に報告があった実習生の死亡事案の中で、労災認定されたものを集計した。
実習生の国籍や都道府県別の人数は不明。

法務省によると、実習生の数は14年16万7641人、15年19万2655人、16年22万8589人。
集計が年と年度で違うが、単純計算すると3年間の労災死は10万人当たり3.7人になる。
一方、日本全体では厚労省の集計で14~16年の労災死は計2957人。
総務省統計局による雇用者数の3年間合計(1億6964万人)で計算すると、労災死は10万人当たり1.7人。

実習生の仕事は農業、機械加工など70余りの職種だけという違いはあるものの、差が大きい。
実習生に詳しい自由人権協会の旗手明理事は「慣れない日本の労働現場、
しかも労働安全衛生への意識が低い中小企業で働くことが多い上、実習生は日本語での意思疎通がうまくできない」と労災が多い背景を分析。
「けがで働けなくなった実習生を強制帰国させるケースもあり、労災隠しは横行している」と話す。
 
今の事務所に引っ越してから、とても嬉しいのはパン屋さんの移動販売車が週2回来てくれることです。昨年夏まで青学西門付近に15年くらい事務所を構えており、そのあたりも結構ランチができるお店や隠れ家的お店もあったので楽しかったのですが、今の事務所はヒカリエのお隣なのでヒカリエの美味しそうなお弁当を購入してくるスタッフもいますし、宮益坂にもたくさんランチをできるお店があるのでその点はとても恵まれた環境ではあります。ただ外出から戻ってきたばかりであったり、またお客様のご相談が午前中いっぱいあった場合などは移動販売のパン屋さんはとても助かります。かなりたくさんの種類が並んでおり、美味しいパンです。
昔(私が子供時代)は、お魚屋さんや八百屋さんが家の近所に移動販売できていたことを思い出します。母や近所のお母さんたちが家から出てきて買っていたのをよく覚えています。今後高齢化社会であまり遠くに買い物が行けない、また車の運転も免許返上、という人たちが増えたときのヒントにならないでしょうか。

出向者の労災保険の適用について

2018-12-17 00:56:27 | 労働保険

出向者の労災保険の適用について、これまで当たり前のように出向元から賃金額情報を頂いて出向先で保険料を納付するという扱いをしてきたのですが、レポートを作っている中でその根拠の通達に触れましたので一応ここにあげておこうと思います。

出向労働者に対する労働者災害補償保険法の適用について(昭和35.11.2基発932号)
ある事業(以下「出向元事業」という。)に雇用される労働者(以下「出向労働者」という。)が、その雇用関係を存続したまま、事業主の命により、他の事業(以下「出向先事業」という。)の業務に従事する場合における労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)の適用は、左記のとおりとするので、関係事業主に対し、この旨指導されたい。

一 出向労働者に係る保険関係について
出向労働者に係る保険関係が、出向元事業と出向先事業とのいずれにあるかは、出向の目的及び出向元事業主と出向先事業主とが当該出向労働者の出向につき行なった契約ならびに出向先事業における出向労働者の労働の実態等に基づき、当該労働者の労働関係の所在を判断して、決定すること。
その場合において、出向労働者が、出向先事業の組織に組み入れられ、出向先事業場の他の労働者と同様の立場(ただし、身分関係及び賃金関係を除く。)で、出向先事業主の指揮監督を受けて労働に従事している場合には、たとえ、当該出向労働者が、出向元事業主と出向先事業主とが行なつた契約等により、出向元事業主から賃金名目の金銭給付を受けている場合であつても、出向先事業主が、当該金銭給付を出向先事業の支払う賃金として、労災保険法第二五条〔現行徴収法第一一条第二項。以下同じ〕に規定する事業の賃金総額に含め、保険料を納付する旨を申し出た場合には当該金銭給付を出向先事業から受ける賃金とみなし、当該出向労働者を出向先事業に係る保険関係によるものとして取り扱うこと。
二 前記一の後段に係る事務取扱
(一) 保険料の納付について
出向元事業主が、出向先事業主との契約等により、出向労働に対して支払う賃金名目の金銭給付を、出向先事業に関する労災保険法第二五条に規定する賃金総額に含めたうえ、保険料を算定し、納付させること。
(二) 平均賃金の算定について
出向労働者につき業務上災害が発生し、保険給付のため平均賃金を算定する必要が生じたときは、出向元事業主が、出向先事業主との契約等により、出向労働者に対して支払う賃金名目の金銭給付を、出向先事業が支払つた賃金とみなし、出向先事業の出向労働者に対し支払つた賃金と合算したうえ、保険給付の基礎となる平均賃金を算定すること。この場合には、出向元事業主の上記金銭支払明細書(ただし、前記平均賃金を算定するための所要時間内に支払われたものに限る。)について出向先事業主の承認をうけ、これを補償費請求書に添付して提出するよう受給権者を指導すること。
なお、前記平均賃金の算定が、労働基準法第一二条第二項の規定によるべき場合で、出向元事業の賃金締切日と出向先事業の賃金締切日とが相違するときは、それぞれに係る部分について各別に計算し、両者の合算額を、保険給付の基礎となる平均賃金とすること。
(三) 休業補償費のスライドについて
労災保険法第一二条第四項の規定による労働基準法第七六条第二項の規定の適用については、「出向先事業場における同種の労働者」を「同一の事業場における同種の労働者」として取り扱うこと。従つてたとえ、出向労働者が災害後出向元事業に復帰している場合であつても、同様であること。
(四) 保険料率のメリツトについて
労災保険法第二七条〔現行徴収法第一二条第三項〕の規定の適用については、出向労働者に対する保険給付を、出向先事業に対する保険給付として取り扱うこと。
(略)

上記アンダーラインにある、「保険料を納付する旨申し出た場合」とあるのが気になります。確かそのような申し出はなかったと思うのですが。また平均賃金の算定方法が詳しく記載されているのも発見ではありました。

大学院の秋学期は1科目だけテストをする授業があります。大学院の勉強の目的からいってちょっと違うのではという気がするのと、以前はあまり苦にならなかった記憶というものが最近非常に難しく、困ったことになったものだと思いました。案の定、前回のテストは準備をしたもののいざ解答用紙に向かったら頭が真っ白で、それでも何とかいくつか思い出したキーワードを書いてしのぎました。

前回はヤマをはったテーマに対して作った「文章」を覚えようとしたのが失敗だったかなと思い、今回は、文章はサッと2度ほど読んだだけで、とにかくキーワードをお風呂の中で、布団の中で、電車の中繰り返し、解答用紙が配られたらまず覚えたキーワードを書き出して、それからおもむろにキーワードを入れながら文章を考えるという方法にしてみました。キーワードを覚えるのも以前に比べると苦労でしたが、それでも今回はほとんどのキーワードを入れることができて、まだまだ何とかなりそうだと少し自信になりました。

それにしてもTACで講師をしていたころ今の私くらいの年齢の受講生がかなりおられ、一生懸命勉強されていた姿が良く思い出されます。あの膨大な記憶力を要求される社労士試験によく皆さん合格されたと本当に今更ながら尊敬の念を覚えます。