OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

国民年金法等改正法について

2014-06-29 23:44:33 | 法改正

正しくは「政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案」が6月4日に成立しました。

ポイントは、以下の通りです。

①国民年金保険料の納付特例(平成27年10月1日施行予定)

平成27年10月1日~平成30年9月30日までの間、国民年金の被保険者又は被保険者であったもの等は、厚生労働大臣の承認を受けて承認日属する月前5年以内の保険料徴収事項が過ぎた期間について、後納保険料を納付することができる。

・・・過去10年間の未納保険料を納付することができる平成24年10月から平成27年9月までの時限措置に代わって、過去5年間の保険料を納付することができる制度(年金機能強化法により受給資格期間が25年から10年に短縮されることに鑑み、納付期間は10年から5年に短縮)を、平成32年9月までの時限措置として創設するものです。まじめに毎月保険料を納めている人との公平性を考慮し、現行の後納保険料額より高い保険料額(納付額)とすることが予定されています。

②年金個人情報(国民年金及び厚生年金保険の原簿記録)について、被保険者等による訂正請求を可能とし、民間有識者からなる合議体の審議に基づき厚生労働大臣(地方厚生局)が訂正する手続整備(平成26年10月1日・平成27年1月1日・3月1日・4月1日施行予定)

・・・行政処分ではなく事実の確認行為にすぎない総務省年金記録確認第三者委員会のあっせんとは異なり、被保険者の請求権として位置付けられますので、厚生労働大臣の決定に不服がある場合は、不服申立手続きや司法手続き(訴訟)にも移行することが可能になります。

③国民年金の保険料の免除の特例(平成28年7月1日施行予定)
平成28年7月から平成37年6月までの間において、30歳から50歳に達する日の属する月の前月までに被保険者期間がある第1号被保険者又は第1号被保険者であった者であって本人及び配偶者の所得が一定以下のものからの申請に基づき、保険料の納付を要しないものとする。

・・・30歳未満の被保険者を対象に平成17年7月から平成37年6月までの時限措置として行われている保険料納付猶予制度(若年者保険料納付猶予制度)について、若年層に限らず、全年齢層において非正規労働者が増加している状況を踏まえ、当該制度の対象年齢を30歳未満から50歳未満に拡大するものです。

その他及び詳細は以下の通りです。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000035443.pdf

6月とはいえ、ひどい雨には悩まされますね。今日も地下鉄が落雷により止まってしまいどうしようかなと思ったのですが、持っていた資料をじっくり読む時間に使うことができて良かったです。地下から地上に上がってみたらほとんど降っていなかったので少し得した気がしました。

 


平成26年度年度更新ポイント

2014-06-23 01:04:57 | 労働保険

いよいよ年度更新と算定が佳境に入ってきました。今や社労士は一番忙しい時期といって良いと思います。支部の研修もこの時期はまだ開業して日が浅い会員を中心にした年度更新と算定の実務的な研修が中心です。

とはいえそれぞれ毎年細かな部分で変更があり油断できないなといつも思います。今年の年度更新のポイントは、一般拠出金の変更と消費税の変更だと思います。ベテランであっても必ず研修等で確認した方が良いと思います。

1)一般拠出金について

まず一般拠出金は、平成26年4月1日より一般拠出金率が次のとおり引き下げられることとなりました(環境省告示第111号)

一般拠出金率  0.05/1,000(平成26年3月31日まで)→改正後一般拠出金率  0.02/1,000(平成26年4月 1日施行) 

しかしこれが一筋縄ではいかず、申告事由(年度更新、事業廃止など)が生じた時点により、適用する率が定まるため、平成26年度の年度更新時における一般拠出金の算定の取扱いは、以下の通りとなるのです。

1 事業継続の場合・・・申告事由が年度更新(平成26年度)であるため、平成25年度の賃金総額に新拠出金率(0.02/1,000)を乗じた額で算定します。 

2 平成25年度中に事業を廃止した場合・・・申告事由が廃止(平成25年度)であるため、平成25年度の賃金総額に旧拠出金率(0.05/1,000)を乗じた額で算定します。

3 平成25年度中に事務組合委託(又は委託解除)となった場合等については、事務処理上、申告事由前の旧労働保険番号は一旦廃止の扱いとなりますので、平成25年度の廃止申告に係る一般拠出金は、平成25年度の算定期間における賃金総額に旧拠出金率(0.05/1,000)を乗じた額で算定します。

 ①  個別事業場が平成25年度中に事務組合に事務処理を委託した場合

 ② 事務組合委託事業場が平成25年度中に委託替えをした場合

 ③事務組合委託事業場が委託解除し、個別成立した場合 

なお、委託替え等以降事業が継続している場合については、委託替え等以降の部分は平成25年度の賃金総額に新拠出金率(0.02/1000)を乗じた額で算定します。また、単独有期事業に係る一般拠出金率は平成25年度中に終了した事業は0.05/1000、平成26年度以降に終了した事業は0.02/1000となります。

2)消費税について

消費税が関係するのは請負による建設の事業のいわゆる特例による賃金総額の算出方式です(賃金総額=請負金額×労務費率)。この請負金額は消費税を含む金額なのですが、労務費率はまだ消費税が5%に対応した数字であるため、5%に割り戻して計算する必要があるということになります。 

しかし、請負金額に108分の105を乗じる暫定措置を講じることになっているのは施行日である平成26年4月1日以降に終了する事業とされていますので、基本的には確定保険料の計算には影響はありません

概算保険料については100分の50以上又は100分の200以下である場合は直前の保険年度に使用した賃金総額により計算することになっています。従って大幅な変更がない限りは確定保険料の算出で使用した賃金総額を使えばよいということになり、今年度は影響はないということになります。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000044597.pdf#search='%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E%EF%BC%98%25%E3%80%81%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%9B%B4%E6%96%B0'

忙しい中でも、日々の暮らしは丁寧に行きたいと思っています。例えば洋服の季節の入れ替えは順々にきちんとしておき、季節が廻ったときに新たな気持ちで気に入っている洋服に袖を通したいと思います。仕事が忙しくてそういう身の回りのことが雑になると、結局仕事もうまく回らない状態になってパンク寸前ということがこれまでもありました。ですから毎日の生活はやはり大切にしていかなければならないといつも思っています。


60歳以上再雇用時の同日得層について

2014-06-16 00:54:43 | 社会保険

厚生年金保険の被保険者が60歳以上で定年または定年以外の理由により退職後継続して再雇用された場合の扱いについては、月変ではなく同日得喪をすることにより標準報酬を3カ月待たずして変更することができる仕組みになっています。以下日本年金機構のHPからの抜粋です。

平成22年8月末までは、定年制がある事業所に勤務し年金(特別支給(60歳台前半)の老齢厚生年金)を受けられる厚生年金保険の被保険者(以下「特老厚受給の被保険者」といいます。)が、定年により退職し継続して再雇用される場合(注)に限って、事業主は被保険者の資格喪失届と資格取得届を同時に事務センター(年金事務所)へ提出することができました。
平成22年9月からは、さらに次に該当する特老厚受給の被保険者についても同様の提出ができるようになりました。

 ①定年制の定めのある事業所において定年退職以外の理由で退職後継続再雇用(注)された場合

 ②定年制の定めのない事業所において退職後継続再雇用(注)された場合

平成25年4月からは、さらに特老厚受給の被保険者に限らず、60歳以上の被保険者全てについて同様の提出ができるように対象者の拡大が図られました。

  (注)1日も空くことなく同じ会社に再雇用されることをいいます。

これは実務上契約更新ごとに「退職→継続再雇用」としてこの扱いが認められることになっていますが、契約期間満了前に労働条件が変わり新たに契約を結ぶことになった場合にも適用があるかどうかというご質問がありました。確認したところ、やはり契約期間満了前に労働条件変更が行われた場合であっても同日得喪の扱いとなるが、その場合契約満了前に破棄された契約の終了日を証明するものが必要であるということでした。この証明については会社が証明書面を作成することになると思いますが、新たな契約書に「従前の契約については〇年〇月〇日を持って終了するものとする」というような文言が入っているのでも認められるということです。とにかく従前の契約の終了日と新たな契約の開始日が継続しているということを確認する必要があるということでした。

http://www.nenkin.go.jp/n/www/faq/detail.jsp?id=5032&faq_genre=122

サッカーは残念でした。きっと日本中がっかりしているのではないかと思います。今回のワールドカップは時間的にはちょうどよく、今日は家でのんびり休んでいたので久しぶりにゆっくり観戦しましたがなかなか選手起用や点の取り方取られ方など見ていると面白いなあと思いました。

社労士になる前は、野球は高校野球は予選大会から、また日本シリーズなどは外出中でも喫茶店に入ってわざわざ見たり(今はなき近鉄が好きでした)、ラグビーは秩父宮や国立競技場にひざ掛けを持ってよく見に行くくらいスポーツ観戦をしていました。社労士になってからは仕事一筋、日曜日に講義があったりもして、すっかりそんな時間を取れていなかったので今日はちょっと新鮮な気持ちで見ることができました。これからも厳しい状況のようですが頑張ってほしいですね。

 


東京都社労士会 2014・6・23ワークライフバランスセミナー

2014-06-08 22:02:34 | 雑感

6月は「男女雇用機会均等月間」です。東京会では「ワークライフバランス推進強化月間」とし、以下及び別添資料の通り、セミナー及び無料相談会を開催します。 

また、当日は東京都から企業のワークライフバランス推進の取組みに対しての「助成金」の説明を予定しており、助成金の活用についての相談ブースを設けます。 

第1部:ワークライフバランス取組のポイント

  講 師:大野正美氏(株式会社中村屋執行役員 CSR推進部門統括部長  東京都社会保険労務士会勤務等部会部会長、特定社会保険労務士)

第2部:東京都社会保険労務士会会員による無料相談 

  日   時:平成26年6月23日(月) 14:00~16:00 

  場   所:東京都社会保険労務士会 地下1階 会議室 (定員70名)

  申込締切:平成26年6月13日(金)

  受 講 料:無料

  主  催:東京都社会保険労務士会社会貢献委員会

 http://www.tokyosr.jp/wp-content/uploads/2014/05/20140623_worklifebalance_seminar.pdf

上記の内容のプレスリリースを先日厚生労働省の記者クラブ3つと都庁の記者クラブに投げ込みました。新聞記事などになるのはそれほど簡単ではないと思いますが、今後できるだけプレスリリースの投げ込みを行い「社労士」を前面に出したいと思っています。そういう情報発信により世間に「社労士」を知ってもらい社労士全体の底上げになるとよいと思います。

記者クラブの投げ込みと同時にFacebookも立ち上げました。

https://www.facebook.com/pages/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%8A%B4%E5%8B%99%E5%A3%AB%E4%BC%9A/452104068259184?fref=ts

1年前から東京会の広報戦略会議に所属して、「社労士」の広報についてあれこれと考えてきました。これまであまり外に向けて発信することを得意としてこなかった社労士会ですが、やはりもう少し我々の職域を知ってもらわないといけないという強い思いが執行部にあり情報発信ルートを作るということになりました。初めてのプレスリリースの投げ込みでしたので、連合会のものを参考にフォーマットを作り、都庁の記者クラブに見学に行き、内容を検討し各方面に確認を取り、何度も原稿の微調整をして投げ込みをする日を6月3日と設定し、万全を期してその日は仕事を入れず臨みました。

たまたまその準備をしているところに「東京都労働相談情報センター」の方の助成金の広報についてのご相談に載って欲しいということで千代田支部長からご紹介いただいた担当者の方にお願いし、上記のワークライフバランスに参加いただくことになり、かなり頑張ってきたのですが、今のところ申し込み状況はかなり厳しいようです。

厚生労働省の記者クラブへの投げ込みは100部程度持参する必要があり、事務所のスタッフSさんにいっしょに来てもらいました。厚生労働省の中に入るのはめったに機会がないので各記者クラブに必要部数をお渡しした後地下の食堂に行きコーヒーブレークをしたりなかなか楽しい経験でした。これからはもう少し東京会の事務局や広報委員会を始めとした他の委員会も巻き込んでトータルにマスコミへの情報提供を行って社労士の認知度を高めて行きたいと考えています。マスコミが小さくとも取り上げてくれる日を夢見て!


労働契約法 別段の定めについて

2014-06-01 21:48:54 | 労務管理

金曜日は顧問先企業のグループ会社様に労働契約法の対応セミナーをさせて頂きました。前半の概要の説明は事務所スタッフのなかでもベテランになりつつある中村が行い、そのあと実務事例や対応を検討するために留意することなどを私が説明しました。今後少しずつ事務所スタッフにセミナーの一部を分担してもらい育成を図っていきたいと考えています。

ここの所このセミナーの準備に時間と頭がかなりとられていましたので、勢いブログもそのテーマになってしまい申し訳ないのですが、準備の段階でご質問等を頂いてその中で興味深いものがありました。

昨年改正された労働契約法の一番の大きなポイントである有期労働契約から無期労働契約への転換ですが、転換後の労働条件は以下の通達にあるように「原則 従前の労働条件と同一」とされています。「無期労働契約への転換は期間の定めのみを変更するもの」とされているからです。しかし「別段の定め」として従前と異なる労働条件を就業規則で定めたり、労働契約において労使で合意の上定めることはできるものとされています。

無期転換後の労働条件は有期契約時代と期間の定めがあるかないか以外は同一というのも一つの考え方であるとは思いますが、無期転換後は定年まで例えば30年間勤務する人も出てくる等を考えると、別段の定めをしようかと会社が考えても不思議はありません。実際無期転換後の労働条件についてのご質問はこれまでのセミナーでもとても多かったと思います。別段の定めとしての労働条件の変更については、どのような変更なら認められるのかということが一番知りたいところではありますが、その点は通達等も出る予定はなくあくまで裁判例で基準が決まるということになります。

ご質問については、別段の定めをする際に複数の労働条件を提示し労働者に選んでもらうというのは可能なのか?ということでした。これは労働局に確認したのですが、従前と同一の労働条件が選択肢の一つに含まれているのであれば良し、ということでした。なるほどと思いました。以下の通達にもありますが、無期転換後における労働条件は職務の内容が変更されないにもかかわらず従前より低下させることは望ましいものではないとはいえ一概に低下ということではなく、従前の労働条件も含めいくつかの労働条件の設定をして本人が合意の上選択が可能という中で、労働条件の設定はそれなりに会社も工夫ができそうです。

平成24年8月10日基発0810第2号「労働契約法の施行について」
4有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(法第18条関係)
(2)内容 

カ 法第18条第1項の規定による無期労働契約への転換は期間の定めのみを変更するものであるが、同項の「別段の定め」をすることにより、期間の定め以外の労働条件を変更することは可能であること。
この「別段の定め」は、労働協約、就業規則及び個々の労働契約(無期労働契約への転換に当たり従前の有期労働契約から労働条件を変更することについての有期契約労働者と使用者との間の個別の合意)をいうものであること。この場合、無期労働契約への転換に当たり、職務の内容などが変更されないにもかかわらず、無期転換後における労働条件を従前よりも低下させることは、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではないこと。

今日は、私が社労士になるきっかけを作って下さったカネボウディオール時代の顧問社労士であった永島セツ先生の葬儀がありました。カネボウディオールに就職して、資格取得届の書き方を教わったのも、結婚後社会復帰を考えた時に女性でも独立開業しておられるロールモデルであったことも、開業してみたら女性社労士として東京会でもトップを行く先生だったことも、昨年カネボウの先輩である山田副会長のはからいで会長も含め4人でお食事をすることができたことも、考えてみると社会人になってから今の自分になるまで常に遠くて近い、近くて遠い存在であったと思います。

先生の社労士としての人生の中で一番の根っこになっているのは、淡路島の洲本高校に鐘紡に勤務しながら通った高校時代だということを著書で書かれていたということです。永島先生はその根っこである洲本高校の同窓会に出られた翌日逝かれました。

私にとっては、これまでの社労士としての人生の中で様々な方達に助けて頂いたり教わったりということが本当に多く言い尽くせない感謝を感じていますが、やはりTACで講師をした15年間の勉強と受講生との交流、これがなければ今の自分はないといつも思っています。そういう大切なものを得たこと、そういう人生があることを教えて頂いた永島先生に心から感謝いたします。