専業主婦が、被扶養配偶者として国民年金第3号被保険者である場合に「会社員の夫が退職した場合」、また「自身がパートで働くことにより130万円以上の収入を得て被扶養配偶者でなくなった場合」には、第1号被保険者への資格変更を自分で行い国民年金の保険料を払わなければなりません。
それを行わず、再び第3号になることにより未納になった第1号被保険者の期間が埋もれてしまい、結果第3号被保険者として扱われ老齢基礎年金を本来より多く年金を受け取っている受給者は約5万3000人いるとのことです。
今年の始めに「運用3号」として騒ぎになった件の一部既に年金を受給している受給権者についての対応が11月4日に閣議決定された後臨時国会に法案提出されるようです。
それが驚いたことに過払い分の返還を一切求めない方針を固めたとのことなのです。
厚労省は今月13日、民主党厚生労働部門会議に次の提示したそうです。
(1)年金の過払い分のうち時効にかからない過去5年分を今後の年金額から減額し、返還を求める
(2)将来の年金額は正しい記録に合わせて減額する
(3)減額幅は支給額の1割以内とする
減額を避けるため、納付期限(2年間)を超えて10年間まで保険料の後払いを認めたり、切り替え漏れ期間を年金加入期間に算入し無年金とならない措置も盛り込んだ。・・・至って妥当な案だと思います。
しかし、(1)について民主党内には「所得の低い人の生活に配慮すべきだ」との意見が強く、厚労省は住民税非課税世帯の人を対象から除く方向で調整していた。にもかかわらず、28日の同部門会議で過払い分の返還自体を求めるべきではないとの意見が大勢を占め、一切の請求を見送るよう求める意見が相次いだことから、同省も方針転換を余儀なくされた、とのことです。
なぜ未払いの部分についての返還を求めないのか理解に苦しみます。保険料を払わなかったのだからその分の年金を返還するのは当たり前のこと。それについて文句を言われても、そのために票が失われることがあっても、通さなければならない筋というものがあるはず。筋を通すことが積み重なってこその信頼だと思います。民主党の場当たり的な、人気取りとしか思えない考え方が年金制度への信頼をますます失わせ、自身の党も傷つけてしまうとなぜ気が付かないのでしょうか。とても残念です。
参考まで「運用3号問題についての大臣談話(平成23年3月時点)」 ↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000013s6c.html
金曜日にOURSセミナー第8回が無事に終了しました。今回は60名の方が申し込んでいただいて会場が満席となりました。今回は労働時間シリーズ第3回目の、時間外・割増賃金(36協定と特別条項)がテーマでした。36協定の過半数代表者の選出、特別条項の手続きなどセミナーの中で実務対応をお話ししましたが、アンケートで役に立ったとの声が多くありました。せっかく来て頂いたので何か一つでも気づきがあれば、といつも考えているためとてもうれしく思いました。また次回もがんばります。