OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

派遣はなぜ3年ルールなのか

2022-04-24 21:27:42 | 労働法

派遣法はこれまで本当に改正が多くかなり業務の中でも難しく感じる分野ではありますが、一貫した考え方として「3年を超えて働くこと」についての制限があります。現状の「3年ルール」の制限としては、①派遣先の「事業所単位」の期間制限と②派遣労働者の「個人単位」の期間制限の2つとなっています。

①事業所単位の期間制限は、同一の派遣先事業所の派遣可能期間は3年を超えて就業させることはできないこととなっています。ただし、派遣先の事業所の過半数組合等から意見を聴くことで延長が可能です。

②個人単位の期間制限は、派遣先の事業所における同一の組織単位で3年を超えて派遣就業させることはできないこととなっています。

ただしこの期間制限については、派遣元で無期雇用されている派遣労働者、60歳上の派遣労働者、月10日以下の日数限定業務・有期プロジェクト業務・産前産後育児介護休業代替業務に就く派遣労働者は対象外とすることとされています。

また期間制限が来ても3か月超のクーリング期間を置くことで継続派遣が遮断され、新たな派遣就業が開始されることになります。クーリング期間についてはそもそも平成11年の改正でできたようで、当時の記録をみると「3か月ぐらい空ければ企業がなんとかしのぐというには限界があり、本当であれば常用労働者をそこに配置するのではないか」とあり興味深いです。「あくまで派遣の働き方は臨時的なものであり、恒常的な仕事であれば直接雇用が本来の姿」という考えにもとづいており、派遣就業は臨時的、本来は常用雇用の社員を置くべきという考え方がはっきりと見えると思います。ゆえに法趣旨を考えると原則としてはクーリング期間を繰り返すことは避けるべきと考えます。

もし同一の業務に3年を超え就業させたい(したい)ということであれば、派遣先の直雇用か派遣元での無期雇用で対応すべきであろうと考えます。

知床の観光船の事故は残念に感じます。以前家族旅行で知床の観光船に乗りたいと思ったのですが予約が取れず断念したことがありましたが、是非一度行ってみたいコースでした。今回事前に事故を防止ができたのではないかという問題もあるようですが、新聞で時系列を見ると、通報があってから救助までの時間がかなり長く感じます。関係者の方のいら立ちや無念がわかるような気がします。リスクへの対応は日頃の準備が大切ということでしょうか。

戦争、コロナと本当に数年前は想像しなかったことが起こり、世の中が今後どのように変化していくのかまだまだ分からないところではありますが、環境が凄いスピードで変化していくことを念頭に置きながら常に今社労士として、また法人の代表として何をすべきなのか考えるようにしようと思います。


オフィスの新たな潮流

2022-04-18 01:20:33 | 雑感

先週シェアオフィスを見学に行きました。高層ビルの高層階にあるシェアオフィスは新しい働き方を絵にかいたようなオフィスでした。コロナ前、オフィス家具メーカーのオカムラさんのショールームを見学したときは新しい働き方はこのようなオフィスの雰囲気なのかとまだまだ真新しい感じを受けましたが、その後顧問先もだんだんいわゆるデスクが島で並んでいるオフィスから、フリーアドレスで個別ブースが設置されていたり、様々にソファ―やスツールなどがレイアウトされているオフィスに変わっていくのも珍しくなくなりました。今回見学に行ったシェアオフィスはまだ事業を始めたばかりのいわゆるスタートアップに適した区画が沢山あり、やはりコミュ二ケーションの場としてのスペースが広くとってあり、そこでお昼などを食べても良く、また集中して疲れたときに場を変えて気分転換を図りPCを開いて仕事を続けても良くというスペースになっていました。またスペースではミニセミナーなども開くこともあり、スタートアップ企業の交流の場にもなりビジネスの機会創出にもなるということです。

コロナ禍在宅勤務が拡大しオフィスは働く場というよりはむしろ社員同士のコミュニケーションの場としての存在になりつつあるという記事などもよく目にします。4月14日の日経クロステックの記事では、「企業オフィス内のカフェやラウンジといった場所に、新たなワークスペースを設置。ここに、常時オンライン接続するデバイスを組み込んだオフィス家具を配置する。オフィスにいる社員がこのワークスペースに行くことで、テレワーク中の社員と気軽に会話できる。」という実証実験もスタートするようです。

フリーアドレスを導入した顧問先は、とても素敵なオフィスに大変身されこちらも案内していただきました。フリーアドレスはほっておくと同じ場所に座りがちなので、そうならないような仕掛けなどもあり驚きました。

確かに会議や打ち合わせがほとんどzoomなどオンラインになった今、個別ブースをいくつか置いたり、一人で集中できるような椅子を並べたり、小さな打合せをできるスペースがもっとあると良いなあと常に感じていますが、コミュニケーションの場でランチをしている人の隣でPCを広げて仕事をするのは今のところ気が進まないというのが正直な気持ちです。フリーアドレスの場合電話は誰がとるのかななど、いまだ電話当番制を引いているOURSとしては疑問も残ります。新たなオフィスに憧れはあるのですが、もう少し様子見です。

久しぶりに株を買いました。おそらく上がるであろうという予測があり購入したい会社もあるのですが、今のところ株価急上昇といった感じになっており、そちらはまだ買えていません。どちらにしても沢山買うのではなく少しずつなのですが、ちょっと楽しみが増えた感じです。

 憧れている集中用の椅子


保育所に入所できない場合の育児休業給付金の延長について

2022-04-10 19:12:27 | 産前産後・育児・介護休業

このブログは2009年の11月から毎週日曜日始めているのですが、アクセス解析を見ると不動の閲覧数トップは「育児休業不承諾通知」ですでに何回か取り上げています。令和3年4月から取扱いが緩やかになったとはいえ、育児休業を1歳6カ月まで延長する際には、やはり注意が必要であることに変わりはないと思います。ポイントは2つです。

➀保育所への入所申込みを1歳の誕生日の前日以前に行っていること
②入所希望日が1歳の誕生日以前であること

よく整理されたリーフレットを見つけたので以下確認されると良いと思います。

「保育所に入所できない場合の育児休業給付金の延長について」リーフ
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/content/contents/000900009.pdf

リーフレットに書かれていますが②は誕生日が月の後半である場合でも、不承諾通知は前月末で申込みを締切り毎月1日付で発行されるという仕組みの自治体が多くあるようです。例えば8月25日が誕生日の子については8月1日付の保育園の不承諾通知を受けておく必要がある(9月1日付不承諾となると誕生日のあとになってします)ということなので、誕生月が近づいてきたら念のため前々月くらいには住所地の自治体によく確認されると良いと思います。

これまで「労働法」というカテゴリーでくくっていたのですが、検索しやすいように「産前産後・育児・介護休業」というカテゴリーを作りました。

いよいよ春になりましたね。気持ちの良い季節で散歩なども楽しめるのが嬉しいです。年度末まで3か月間が毎年忙しく、4月になると少し余裕ができるので、これまで懸案としていた提案書の作成やモデル就業規則の整備など楽しみながらやっています。やはり余裕があると丁寧に仕事ができるので気分的にも良いです。ただ事務所はいつもながら有難いことではありますが仕事の依頼が多く担当が増えそうなスタッフや、また担当によっては大変な作業をやっているスタッフもいるので、OURSも私もみんなに支えられているということは忘れないようにしなければいけないと思っています。

昨日はBBクラブの幹事会がありました。zoom参加と事務所に来てくれたメンバー半々程度になりましたが、やはり会場開催はまだまだ難しそうです。会社が大勢集まる集会などの参加を認めていないという意見がかなりありました。またBBクラブは法改正の勉強も大事なのですがやはり懇親がとても重要なので、研修だけでリアルに集まってもそのまま解散ではやはり侘しく、それであればむしろzoomでの勉強会後zoom懇親会でお話しする方が良いように思うので、心おきなくリアルで懇親会ができるまでは辛抱しようということを提案して、了承されました。本当は20周年記念のお祝い会をしたいと思っていましたが、この調子では25周年になってしまうかもしれません。とにかくみんなが元気で集まれる日を心待ちにしています。

都内の散歩で撮った写真です。まだまだ知らない沢山良いところがありそうです。旅行はいけない分近くで楽しみたいと思います。


配偶者転勤等同行休職について

2022-04-04 02:12:41 | 労務管理

先日顧問先様より配偶者の海外転勤に同行するための休職制度を作ることを検討しているということで留意点についてのご相談を受けました。一般的に就業規則に定められた休職事由の中で一番よく使うのは傷病休職ではありますが、会社によって出向休職、公職就任休職、起訴休職、自己都合休職などが定められています。

配偶者の海外転勤に同行する場合や、留学を認める場合は上記の中で「自己都合休職」を適用しても良いと考えますが、最近の傾向としては配偶者の転勤に同行する社員が退職するのは人材損失であるという考え方から、休職を認めたいということも増えてきているように感じますので、規程を独立させて定めることも良いのではないかと考えます。

留意点について調べてみたところ、人事院のホームページに国家公務員の「配偶者同行休業制度」があることを知りました。この制度は有為な国家公務員の継続的な勤務を促進するため、外国で勤務等をする配偶者と海外において生活を共にするための休業制度ということで、職員が家庭責任を全うしながら、能力を最大限に発揮して勤務するために、仕事と家庭生活の両立支援の一つとして設けられたとしています。

休業の対象となる配偶者の外国に滞在する事由としては「外国での勤務」「事業経営など個人が外国で行う職業上の活動」「外国の大学等における修学」の3つで、期間が6か月以上にわたり継続するものとされています。

上記3つの事由はさらに具体的に示されており、「外国での勤務」は国際貢献活動(海外ボランティア)は認められますが、団体に属さず個人で行うボランティアは認められないとしています。また「事業の経営等」については、弁護士や医師等の専門業務、報道上の活動、作曲家や画家などの芸術上の活動としています。「大学等修学」は大学の学部や大学院の過程を履修する場合ということで、やはり語学学校での勉強は認められないようです。

休業の期間は3年以内、配偶者と同時に休業を開始する必要はなく例えば配偶者の年間の海外赴任のうち最後の5か月など休業することも認められます。

また延長は認められること、配偶者が職員の配偶者ではなくなったときは失効し、配偶者と生活を共にしなくなったときは取消しになること、休業期間中の給与は支払われないこと、復職したときの給与なども定められています。

配偶者同行休業期間中の「兼業」は所轄庁の長の許可を受けて行うことが可能であり、ただし許可を受けることができない事由が決まっています。また配偶者同行休業期間については退職手当の計算の際の勤続期間からは除かれるということです。

上記の内容は民間企業の配偶者転勤等同行休職や留学休職を検討する際の参考になると思います。

配偶者同行休業制度(人事院HP) 
https://www.jinji.go.jp/doukou/haiguusya.html

3月は本当に毎年忙しく、セミナーや年度末までにという顧問先からのご依頼が集中しかなりハードなのですが、4月に入ると急にパタッと落ち着くのも例年の傾向のような気がします。ここ数日余裕ができて、今後の目標やOURSの組織体制を考えたり色々と考えを巡らせることができました。また、週末今年初めて小淵沢の家に行きました。3か月以上留守にしたのにやはり冬はあまり変化がなく(春過ぎからはハチが巣を作っていたり色々な事件が起こるのですが)家の中も周りも落ち着いていました。東京と比べてやはりかなり寒くて、今日は雪が降っていました。

東京も今日は寒かったですけれど、いよいよ4月に入り気持ちも新たに新年度を迎えたいと思います。