OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

60歳以上の処遇再検討のススメ

2025-04-07 00:48:56 | 労務管理

60歳以上の処遇については、再検討を模索する企業がとても増えてきていると思います。というのも1994年に創設された高年齢雇用継続給付ですが2025年4月から給付率が15%から10%に縮小されることとなり、将来的には廃止も視野に入ってきたというタイミングがあると思います。また人手不足が明らかになってきて、60歳定年後の社員も補助的な仕事ではなくそれまでの役割を担う必要が出てきたこと、また60歳以上であっても健康面、能力面で特にそれまでの仕事をするのに問題がないことなどいくつかの要素があると思います。最近ちょっとした就業規則の改定の依頼で多いのは65歳の再雇用上限年齢に達しても問題がなければさらに継続して雇用する場合があるという文言を追加したいというものです。

高年齢雇用継続給付の創設当初はまだ老齢厚生年金が60歳から65歳まで特別支給として支給された時代だったので、賃金と賃金との合計により上限がある高年齢雇用継続給付と高年齢雇用継続給付を受給することにより一部支給停止される年金額(賃金+高年齢雇用継続給付+年金)の合計額をにらみつつ賃金を決めることが当たり前でした。要するに60歳以上で働くことに対する賃金の考え方が、担当する仕事や役割に対してではなく、定年後緩やかに仕事をしつつ本格的に年金が支給されるまでのの補償額のようなものだったと思います。従って賃金額も今よりずいぶんと低い額が一般的でした。その後60歳以上の賃金は徐々に上がってきたのを実感しています。肌感覚ではその頃から比べると10万円近く上がったのではないかと感じます。

60代の一般労働者の平均賃金の推移(第8階社会保障審議会年金部会2023.10.24資料)をみると、男性2006年の30.3万円が2022年は34.2万円、女性は同年比較で20.8万円~24.8万円と約4万円の上昇です。年金の支給停止基準額の上昇も影響していると思いますが、60歳代の社員が担当する役割や仕事の内容が変化してきていることもあるであろうと推察されます。

「60歳以降の社員に関する人事管理に関する調査(高齢・障害・求職者雇用支援機構)」2017年の調査の「高齢社員の人事管理の制度進化の方向性-60歳第前半層と65歳以降の人事管理の継続性に注目して-」は非常に興味深くしっかり読んでみようと思います。その中で高齢社員全体の管理施策の適用状況という観点から、現役社員との継続性を意識した人事管理整備の転換点を捉えると「教育訓練」と「就労条件(労働時間」が戦力活用の初期段階から整備され、その後活用が進むと「福利厚生」と「評価制度」、更に現役に近い活用を志向する段階では「配置・異動」や「報酬管理」が整備されるようになるということです。

また65歳以降の人事管理に注目し、人材活用上の課題や60歳代前半層の人事管理との類似性を捉えるというテーマを扱っています。それによると、現役社員と60歳代前半層の人事管理の継続性が高い場合、65歳以降の活用評価が高まる関係にあり、また特に教育訓練管理において現役社員との継続性を意識する必要があること、65歳超の雇用を積極的に考える場合、定年を機に活用戦略や報酬の支払方法を変えるのも良いが、60歳代前半層も教育訓練投資の回収期間と捉えず、成長機会を提供して活躍を希求するニーズを充足させることが重要な対策、としています。これはなかなか面白いテーマだと思いますので、少し自分の中で意識しておこうと思います。

高齢・障害・求職者雇用支援機構「60歳以降の社員に関する人事管理に関する調査(2017.10.1(時点)」
https://www.jeed.go.jp/elderly/research/report/document/q2k4vk000002ru8u-att/q2k4vk000002ruc4.pdf

このブログも平成21年の法人化を機に基本的にお正月、5月の連休、夏休みを除き毎週日曜日を基本に脈絡なく書いてきたわけですが、よく15年以上続いてきたものだと思います。どのくらいの記事の数になるかみてみたところ800件弱となっていました。テーマは本当に思いつきの時もあり、前週に頂いたご相談や経験に関連したものもあり、又は翌週ご質問の回答を作るための準備という場合もあります。大学院に通学していた時期はレポートに追われていたこともあり、レポートから引用したこともあります。時々顧問先の方や同業の社労士に「読んでます!」と言われるとやはり励みになり、「よく続きますね」と言われて「なかば意地です」と答えて笑われたこともあります。またこのテーマの後の雑感だけ見ているという方も結構多く、生存確認になっているのかなと思うこともあります。

ただひたすら「継続は力なり」を信じて、これからも続けていこうと思っております。まずは目指せ1000件ですね。


育児休業給付金延長審査について

2025-03-30 23:20:27 | 労働法

今年もあと1日で4月に入りますが、既に1年の1/4が過ぎ、本当に時間の経過の早さに驚きます。4月施行分の法改正は育児介護休業法、雇用保険法の改正が中心になりますが、その中で育児休業給付金の延長申請の際の審査をハローワークで行うこととなり、これまでより厳しくなるというものがあります。育児休業は1年が原則とされており、1年6か月又は2年までは(認可)保育所に入所できない等の理由があれば延長ができることが育児介護休業法で定められており、法定の育児休業であれば延長も含め、雇用保険法の要件に該当することにより育児休業給付金が支給されます。

保育所に入所できないための延長による育児休業給付金の申請には、市区町村が発行する「不承諾通知書」が必要ということで、これまで市区町村の窓口へのクレームやトラブルがかなり多かったようです。そこで今回本来の給付をする主体であるハローワークが審査を厳格化して延長の可否を判定するということにしたわけです。

4月からは申請の際に「不承諾通知書」等に加えて「延長事由認定申告書」と「保育所等の利用申込書の写し」が必要になるのですが、延長事由認定申告書には、入所保留を希望するなどの意思表示をしていないか、合理的な理由なく遠い保育所に申し込んでいないか、内定を辞退したことがないか、などをチェックする欄があります。要するに育児休業を延長するため恣意的に保育所の落選を狙っていないかをチェックするということになります。これは原則としての育児休業延長の考え方としては特におかしなことではなく、詳細が決まる前に、ハローワークが最終的に判断することになると聞いた時点で果たしてそれができるのかと感じたことを考えると、かなり今回の審査の厳格化の項目は納得できるものと思いました。

ただ、3月13日付の日経新聞の記事によると、これまで市区町村が本当に保育所に入所を希望する人に優先的に枠を割り当てる等役所の負担を減らすということもあったようです(確実に落選するための相談などもあったということです)。今回の審査の厳格化後も、100自治体の運用についての調査では71自治体が育休延長の可否を確認し、延長可能なら保育の優先度を下げると回答したそうです。延長希望を直接的には聞けなくなったものの、延長が許容できるかという確認を行う(ほとんど変わらない印象ですが)ということで、確認しない自治体は15%にとどまるということです。この記事にはちょっと驚いてしまいました。やはり育児休業が1年では短いと感じる人が多いということなのでしょうか。それであればいっそ最長2年までの任意の期間(子の誕生月にかかわらず1歳以降に必ず保育所に入所しやすい4月が来るわけですし)として育児休業給付に対する保険料率を上げる(これはおそらくそれほどの率にはならないと思われ)ということを検討して、むしろ変な手間をかけない方が良いのではないかと考えてしまいました。

桜咲きましたね。今日はお天気も良かったので日本三大桜の一つと言われている「神代桜」を見に行きました。花見は外国人も結構来ており、屋台なども出ており、フランクフルトも美味しく、北杜市の花見は東京とは違い人出もちょうど適度で楽しめました。また宇宙に約8か月行った桜の種子が若田光一さんの手で地球に戻り118粒中2粒が発芽して咲いたという「宇宙桜」もありなかなか堪能できました。

ただ近くに郷土資料館があり、そちらも見学したのですが、我々以外1人の見学者しかいなくて、立派に色々展示がされており勉強にもなる施設だったのですが、いかんせん下関と同様に日曜日にすら人がいないのに驚きました。人口減少についての本を読んでいることもあり、地方の人口減少を実感し、危機感を強く持ちました。


出向元と出向先の休日日数差等への調整

2025-03-23 22:12:40 | 労務管理

ここのところご質問が多いので、前回と同様出向について取り上げてみたいと思います。在籍出向の場合の賃金の負担については、少し古い統計ですが労政時報の記事(2009.12.11「労務行政」)では、出向元の賃金規程を適用するのが一般的で、統計でも9割以上が出向元の賃金規程を適用となっています。ただし賃金が出向元から支給されていても出向元が出向先に負担を求めている場合があるということで、「出向先が最終的に全額負担」が60.0%と最も多く、実際に労務提供を受ける出向先が賃金を負担するケースが多いということです。ただし、この負担割合は企業規模により差があり、出向先が最終的に全額負担が65.6%に対して300人未満の企業では50.0%となっており、出向先との関係や出向目的でも負担状況は違ってくるという結果です。これらは実際の感覚としてもしっくりきます。

労働時間や休日日数の差についてはどのように対応しているかも調査がされており、その調整では出向手当が充てられていることが多いようです。例えば「年間休日数が出向先の方が少ない場合の調整(68.3%)」や「所定労働時間が出向先が長くなる場合の調整(66.7%)」といった補填の意味合いに出向手当が使われているということです。

在籍出向者の勤務は、一般的には出向先の所定労働時間、所定休日によることが9割となっていますが、出向元より出向先の労働時間が長くなる場合は、「時間外扱いとして時間外手当を支給(37.0%)」、「出向手当で対応(33.1%)」また「特に何も手当をしない(26.8%)」という状況です。年間所定休日日数が出向元より出向先の方が少ない場合は、「出向手当で対応(34.1%)」、「時間外(休日出勤)手当を支給(25.4%)」また「特に何も手当をしていない(34.9%)」と約6割の企業が休日差の補填を行っているようです。ただしこれらは企業規模によっては状況が異なり、「特に何もしていない」は、所定労働時間の補填については1000人以上では16.7%に対し、300~1000人未満では36.4%、300人未満は31.0%、所定休日日数の補填については、1000人以上は23.1%に対して300人~1000人未満では40.9%、300人未満は46.7%ということです。

今日は久しぶりにのんびりして家で本を読んだりベランダに咲いた花の手入れなどもできました。花粉症や咽頭炎もだいぶ良くなってきましたので、明日からまた気分を一新して頑張ります。

今さらといわれながら、最近スターバックスのモバイルオーダーを愛用しています。だいたい12時半ころまでデスクで仕事をしておき、目途がついたときにモバイルオーダーで注文、5分後くらいたってからビル1階のお店に行くと既にできている、という段取りです。お昼のお弁当を探すのも日比谷は渋谷より豊富でお値段もちょっと驚くくらい安いので楽しいですが、忙しいときはモバイルオーダーは有難いです。


出向命令の有効性について

2025-03-17 00:53:03 | 労務管理

出向も様々な論点がありご相談が多いテーマです。出向は在籍型出向と転籍と一般的にはよばれている移籍型出向があります。転籍は転籍元企業と本人との間の雇用契約が終了するため、本人の合意が必要とされていますが在籍出向の場合は転籍と異なり出向元企業の従業員の地位を確保したまま他の企業の業務に就く形態になり、出向元及び出向先両方の二重の労働契約関係の上に成立していることになります。在籍出向についても以前は本人の個別的な同意が必要とされていたようですが、安西弁護士の書籍を読むと、昭和56年東京高裁の判決等に始まり平成4年の最高裁の判決により包括的合意という考え方が定着するに至ったようです。

最高裁の判決では、「出向に関する改正就業規則及び出向規定の各規定はいずれも有効なものというべきであり、その運用が規定の趣旨に即した合理的なものである限り、従業員の個別の承諾がなくても、控訴人の命令によって従業員に出向義務が生じ、正当な理由がなくこれを拒否することは許されないものと解するのが相当である(平成4.1.25最高裁(ニ小)判決、ゴールド・マリタイム事件)」として、原審である大阪高裁の判決を正当として是認することができるとしました。

従って、在籍出向については、就業規則において人事異動の一つとして定められていれば、配転と同じように包括的合意がされていると考えるのが一般的です。また出向の有効性については以下の判決(昭和52.8.10東京地裁判決、東京エンジニアリング事件)があります。

三 本件出向及び配転命令の効力
(一)出向命令、配転命令が有効であるためには、出向又は配転につき業務上の必要性の存在及び当該労働者を出向者、配転者として選択したことの妥当性の存在が認められなければならず、もとよりこれに便乗して思想、信条等を理由とする差別的取扱をしたり、出向等を命じることにより従業員を生活上著しく不利な立場に追込むことは許されないが、出向命令、配転命令が使用者の人事権(労務指揮権)の行使の一環としてなされるものである以上右に述べた業務上の必要性及び人選の妥当性(以下出向等の合理性という)の判断に際しては使用者の裁量権を無視することはできない。そして、使用者が使用者としての立場において出向等の合理性を立証し得たならば、労働者の側においてその合理性を直接にくつがえすに足るか又はその存在を疑わしめるに足る事情を立証しない限り、使用者には当該出向等に関しては前記のような不法な差別意思はなかったものと推認すべきであり、また、右合理性を犠牲にしてでも出向等の拒否を正当ならしめる事由(例えば病弱のため通勤が著しく困難となる、出向業務に耐えられない等)を労働者の側において立証しない限り出向命令等を無効であるということはできない。

上記から考えると、在籍出向(及び包括的合意)が有効となるには、業務上の必要性、出向者選定の妥当性、差別的な取扱又は著しく不利にな立場に追い込むものではないこと、使用者の人事権の行使として包括的合意が行われるための就業規則等の規程が必要ということになります。

確定申告終わりましたか?私はぎりぎり土曜日にオンラインで申告を終えてホッとしています。例年3月は年度末ということで法改正対応の規程の確認や、セミナーが多くその中で確定申告も行わなければならずなかなか忙しい月ですが、ここを乗り越えれば桜をはじめとして5月の気持ちの良い季節が来るということで気持ちは軽いです。花粉症で喉をやられ、鼻をかみながら仕事をしているとやはり頭がすっきりしないのは困りますが、もう少しの辛抱と思ってます。


社員旅行について

2025-03-12 01:59:25 | 労務管理

毎週日曜日にブログを更新しているのですが、先日の土曜日例年のごとく花粉症から咽頭炎を起こして寝込んでしまい翌日曜日と月曜日は下関に顧問先企業の船を作る現場と資料館見学のための社員研修旅行に行ったため更新が遅れました。

ということで無理をしたため本調子とはいえない状況なので手短な記事になりますことお許しください。社員旅行はコロナ前は日帰りから始まり1泊で主に顧問先の工場見学など、25周年記念の際は台湾へも行ったのですが、コロナ以降は泊りは初めてでした。造船の現場などは東京にいる我々にとっては一生に1度見ることができるかどうかという体験で、そのスケールの大きさや製造工程のご説明に感動しました。

ところで社員旅行はどの程度実施されているのか調べてみたのですが、『賃金事情』で執筆のお世話になっている産労総合研究所さんの2020年の調査では、「実施率は27.8%。前回調査から9.1%ポイントの下落となった。旅行の実施頻度は「毎年1回」が最も多く社員旅行実施企業の52.3%」だということです。実施率が3割弱ということで、今回参加したOURSスタッフ総勢27名の中でも多くが社員旅行は初めてだったのも当然だったようです。前回2014年の調査では36.9%で比較すると大幅下落ということですが、調査期間に2020年1月~3月が含まれておりコロナの影響があったかもしれない、とありOURSもその時期企画した1泊の社員旅行を中止しており今後の数字が待たれるところです。

感想としては、幹事さんの企画から段取り、運営がとても良かったことが大きな要因ですが、地方の顧問先を見学することで社労士業務がどういった会社に繋がっているのかを体感してもらえたこと、参加者がとても楽しんでくれていると感じられたこと、またなかなか行くことのない下関の歴史を満喫できたこと、フグの夕食では日頃育児に忙しい男子が心置きなく飲んでリフレッシュできたようだったことなど、それぞれ大きな収穫を得たのではないかと思うので、やはり重い腰を上げて社員旅行やイベントを行うことは価値があることだと思いました。

「2020年 社内イベント・社員旅行等に関する調査」(産労総合研究所)
https://www.e-sanro.net/share/pdf/research/pr_2101.pdf

  

2日間お世話になった貸し切りバス  壇の浦古戦場址  乗ったことのあるヴァンテアン号模型


在職老齢年金支給停止解除の時期

2025-03-02 21:22:53 | 年金

在職老齢年金の支給停止については、65歳未満の低在老と65歳以上の高在老に区分されてきましたが、今年の春から一部の特例を除き65歳未満の特別支給の老齢厚生年金は支給されないことになりますので、65歳以上在職者(70歳未満は厚生年金の被保険者)の年金が支給停止される場合が在職老齢年金といえます。

在職老齢年金の計算は、支給停止調整額が基準になりますが、令和6年度の支給停止調整額50万円は令和7年度は51万円に引き上げられます(以下令和7年度の調整額で説明します)

支給停止は、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が51万円以下であるかどうかが基準になります。基本月額とは加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額をいい、総報酬月額相当額とは標準報酬月額+その月以前1年間の標準賞与額の1/12をいいます。基本月額と総報酬月額相当額の合計が51万円以下であれば年金は支給停止されず全額支給されますが、51万円を超える場合は基本月額と総報酬月額の合計額から51万円を控除した額の1/2が月額年金額(基本月額)から控除されて支給されます。この支給停止は厚生年金保険の被保険者を喪失する70歳以上になっても在職している限り続きます。

それでは65歳以上で退職することになった場合に、在職停止はいつ解除されるかということなのですが、退職日が月末か否かにより異なってきます。

退職して支給停止が解除されることを「退職改定」といいますが、在職停止がかかっていた年金の停止解除は厚生年金保険の被保険者の資格を喪失(70歳以上であれば退職)し、かつ、被保険者になることなくして「被保険者の資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月」から行われることになります。

資格喪失日は退職日の翌日であるため、月末退職の場合は資格喪失日は翌月の初日となりますので1か月経過後の退職月の翌々月から、月末退職でなければ退職月の翌月から支給停止が解除されます。

なお、退職して1カ月以内に再就職し、厚生年金に加入したとき(転職など)は、年金額の再計算は行われません。

今日は暖かでした。自宅近くの公園の河津桜も4分咲きになっていました。ただ明日からまた寒いということなので油断は禁物です。しかし時々くしゃみも出て、いよいよ春(花粉症の時期も)到来を感じます。

週末は、ダイナボアーズの試合を応援に行き、マンションの内見、孫のひな祭り、また髪の毛がだいぶ伸びてしまったのでカットに行ったりと大忙しでしたが無事予定していたことはできました。最近住み替えを模索して自宅近くのマンションをぼちぼち見に行っていますが、今のマンションは20年以上住んでいるのでかなり荷物が増えていることに引っ越しを考え始めて気がつきました。不要なものは引っ越しの際整理するつもりですが、思い出を捨てない方が良いということが書かれている本もあり、あまり大胆に捨てるのはやめておこうと考えています。事務所の移転でもTAC時代の受講生の成績表など捨てられず、事務所に来られた受講生OBに驚かれたりしています。授業の際受講生の名前を覚えるためメモ帳などもまだとってあります。しょっちゅう見るということはないのですがなぜか捨てられないんです。


休職期間中の定年到達

2025-02-24 23:14:09 | 労務管理

休職期間中に契約期間が満了になった場合には「契約期間満了と同時に休職期間も満了とする」「休職期間が満了した場合には退職とする」等と有期契約社員就業規則に規定されている場合は多いかと思います。それでは休職期間中に定年が到来した場合は、契約期間満了と同様に休職期間が終了し再雇用なく定年退職になるのかという点ですが、こちらについては休職が法律上の定義でないためある程度会社の考え方に任されるものと考えます。

個人的な考え方としては、休職期間中に定年が到来した場合には、契約社員の契約期間満了とは異なり休職期間を打ち切ることは控えた方が良いと考えます。高年法では高年齢雇用確保措置として65歳までの雇用義務を定めており、定年到来の際に休職期間中であったとしても65歳までの高年齢雇用確保措置の義務が消滅するわけではないと考えるからです(ここでは高年齢雇用確保措置は継続雇用制度を選択したとします)。もし定年到来時点で休職をしていたとしても再雇用契約を締結して、その契約期間中に休職期間が満了となる又は(例えば1年後の)更新の際にまだ休職期間中ということであれば、冒頭の規定により契約期間満了と同時に休職期間も終了=休職期間終了時点で退職とするという規定を適用する、ということになります。

なぜ定年退職時に休職中であっても再雇用する方が良いと考えるかというと、休職も様々であり、例えば休職期間が最長1年6か月であった場合に、たまたま定年退職前に病気やけがをして定年到達時には3か月程度の休職期間中だったということであれば、定年再雇用をすべきと考えるからです。もし定年前から休職期間に入り定年到達時点で1年間の休職期間が経過し残り6か月という場合、再雇用した上で6か月経過時復職できなければその時点で休職期間満了として退職とすることになります。そういう意味では定年到達時点で休職を打ち切ることは、休職理由及び期間だけでなく休職に入るタイミングによって不公平が生じるためと、やはり65歳までの継続雇用義務が休職により消滅するわけではないという考え方であるため避けたいところです。

ただ高年法の65歳までの継続雇用義務は「就業規則に定める退職事由(年齢に係るものを除く)又は解雇事由に該当する場合を除く」と就業規則に定めることを認めており、退職事由の中に定年年齢到達(定年年齢到達時点で休職期間中で復職ができない場合を含む)などと規定している場合は、定年到達時点で休職期間満了により再雇用しないとすることも考えられなくはないと思います。ただやはり定年到達時点で休職中だからといって再雇用はしないというのはかなり長い休職期間を経て復職の見込がない場合に限るとする方が良いと考えます。

毎日お天気は良いですが、空気が冷たくまた風が吹くと本当に寒いですね。乾燥もしており草木にとってもなかなか厳しいのかもしれません。いつも母とランチに行く散歩道で椿がまだ花をつけた状態で枯れていました。家の近くの河津桜は少し蕾がついていますが、まだまだという感じです。


同性パートナーシップ制度社内規程について

2025-02-16 23:29:25 | 労務管理

同性パートナーを認めようと考えているという顧問先からのご相談を受けたのは今回で3回目であったと思います。まだまだ勉強中ですが、どのようなことがポイントになるのか、勉強を兼ねてまとめてみたいと思います。おそらく今後も色々な検討課題なども出てくると思いますがあくまで現時点でということでご承知おきください。

まずパートナーシップ制度社内規程をなぜ作るのかということですが、「社員のパートナーの性別を問わず、事実上婚姻関係の事情にあるものとして法律上の配偶者と同等の権利を付与する」ためといえます。しかしこれはあくまで会社内のルールを適用する場合に法律上の配偶者と同様に権利があるというだけで、法律上の権利まで付与されるわけではないという点に留意が必要です。また法律上の配偶者がいる場合は対象から除くことになります。

まずは、社内でパートナーシップ制度を導入しても、以下の法的権利については適用がないという点については誤解がないように社員にも説明が必要です。①健康保険の被扶養者、②国民年金第3号被保険者、③厚生年金保険の遺族年金、④労災保険の遺族給付、⑤育児休業給付・介護休業給付、⑥所得税の配偶者控除

それでは社内では法律上の配偶者と同等の権利を持つとして、どのようなことが認められるかという点ですが、社内で任意に持つルールを認めることになります。例えば以下の権利について付与されることにになるかと思います。①配偶者出産休暇や育児休暇、②慶弔休暇、慶弔見舞金、③その他法律で定められた給付は受けられませんが法律上の配偶者と同様に育児休業、介護休業又は子の看護休暇や介護休暇を認めることも可能です。退職金についても「「性別を問わず、事実上婚姻関係と同様の者を含む」と規定することは可能ですが、遺言や相続の問題などが絡むことも考えられるので慎重に決める必要があります。

パートナーであることを確認するためにはどのような方法で証明するかですが、一般的には自治体の発行しているパートナーシップ証明書だと思います。日本で初めて条例でパートナーシップ証明を導入することにしたのは我が渋谷区で2015年のことです。渋谷区・虹色ダイバーシティ 全国パートナーシップ制度共同調査をみると2024年6月28日時点で459自治体が導入しており、なんと人口カバー率は85.1%となっています。ちなみに交付件数は同年5月末時点で7351組だそうです。もしパートナーシップ証明書が出ない場合は、社員とパートナー2人の住民票、結婚式の案内状なども証明書としては考えられます。

またパートナーシップ制度を規程化する場合には、制度を利用する場合の申請書と利用を停止する場合の届書も準備する必要があります。以下ご参考まで。

渋谷区・虹色ダイバーシティ 全国パートナーシップ制度共同調査
https://nijibridge.jp/wp-content/uploads/2024/08/20240628_infographic2_ND.pdf

先日、そういえば愛知県会の研修に伺った際に久しぶりにカラオケをしました。喉や声に負担をかけるためすっかりご無沙汰していたのですが、この頃喉のケアの方法をだいぶマスターしたので(今さらですが)大丈夫かなと思い、昔よく歌っていた中山美穂など結構気分よく歌いました。講師時代にはよく講師室の親しい仲間とカラオケに行ったのでちょっと歌が古かったのが課題ですが、新しい歌を覚える気力も能力もなく、仕方ないですね。


4月改正育児介護休業法Q&Aより➀

2025-02-09 23:34:23 | 法改正

育児介護休業法関連のテーマがここのところ続いてしまいますが、4月改正法施行目前ということでお許しください。ということでまだまだ実際の対応にあたり色々とありそうなので今回は①としたいと思います。

今回の育児関係の改正の中では一番の目玉と言える2025年10月1日施行の「3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置」として育児と仕事の両立支援のために企業が2以上の措置を選択し、労働者がそのうち1つを選ぶという改正法23条の3についてです。

その措置の一つ、始業時刻変更等の措置であって厚生労働省令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるのはフレックスタイム制と時差出勤(1日の所定労働時間を変更することなく始業又は終業の時刻を繰上げ又は繰下げる制度)ですが、時差出勤について、シフト勤務の場合に自分で入るシフト(時間帯)を選べるのであれば該当するのかというご相談を受けていました。

労働局に質問したところ回答が保留となり、その後4か月ほど経過した今年の1月23日のQ&Aの追加版にシフトについての考え方が載りました。それによると、まずシフト制を含む交替制勤務の形態が多岐にわたるため一概に答えることは困難と前置きしながらも一般論は書かれています。以下概略となります。

1)通常いずれの時間帯にも勤務が求められる場合に早番のみとするのは、措置したとする。
2)交替制勤務により各労働日の始業終業時刻が異なることを以って措置したことにはならない。
3)繰上げ繰下げの時間の範囲に制限はないが保育所等の送迎等を考慮してある必要がある。

その他Q&Aが出た後で再度確認したところによると、時差出勤については「あくまで始業終業の時刻についてのみ該当するかどうかを見る」ため、例えば上記1)の早番のみととするが休日についても同じ早番勤務とするのであれば、休日にシフトを入れてもらうことについては関係がない(休日出勤を求めたとしても措置をしたと認められないわけではない)ということでした。まだまだ色々なケースが出てきそうです。

先週はセミナー週間と言って良く3つのセミナーをこなしたのでかなり週末はホッとしています。特にOURSセミナーは120名を超える参加を頂き、非常に熱心に聴講頂いたことにちょっと感動を覚えてしまいました。今回は移転先の日比谷国際ビルのコンファレンススクエアでの開催でしたので少し高級感があり、終了後も参加された方がコーヒーを片手にロビーで談笑されている姿を拝見して、なんだか嬉しい気持ちになりました。

まだ今週も1つセミナーがあるのですが、久しぶりに少し解放感を感じる週末だったので、以前から買いたかったベランダの花を購入して癒されました。

昨日は年に2回のBBクラブの勉強会の日でした。概ね参加者は変わらないのですがこちらも100名を超える参加者も依然として変わらず、BBクラブの会員の熱心さが私のやる気の源になっていることは間違いないと確信しています。TACの講師を卒業することにしたとき、一番心配だったのが15年間ひたすら追ってきた法改正をこれからどこまで追えるかということでした。確かに講師時代ほど細部にわたり追えているわけではないですが、ある程度の水準でのフォローはできているような気がします。ここまで欠かさず年に2回の法改正の内容を話すことが力になったと思っています。ほかのテーマと異なり法改正は毎年新たな内容になるため、レジュメ作りをはじめとして大変といえば大変なのですが、私の社労士としての核になっているような気がしています。


育児休業給付金 延長手続きが厳格に

2025-02-02 21:13:25 | 法改正

雇用保険の育児休業給付金は法律で定められた育児休業について支給されるものです。子が1歳までの法律で定められた育児休業及び保育所に入所できないため復帰が困難など「雇用の継続のために特に必要と認められる場合」については1歳6か月又は2歳までの休業です。この延長の規定ができてからこれまでもトラブルが起きやすく見直しがあったのですが、今回の改正の要因もトラブルだったといってよいと思います。厚生労働省のHP「育児休業給付金の支給期間延長手続き」というサイトには、新たに提出することになった「延長事由認定申告書」や解説用リーフレットが掲載されていますが、スクロールすると見直しの背景・経緯が載っています。

まずは今回の改正による注意点に触れたいと思います。上記「延長事由認定申告書」は当初予想していたより詳しいものでしたが、保育所の利用(入所)申込みについて、以下➀~⑧について選択又は記載してくださいとあり、育児休業給付金の支給対象期間延長は・・・やむを得ず職場復帰できない方を対象とした制度であり、改定された業務取扱要領によると「速やかな職場復帰を図るために保育所等における保育を希望しているものであると認められること。」としており、かなりこれまでより厳しくなると思われます。以下質問の項目がどのように判断されるか特に気になる項目の内容を見てみます。

1)利用(入所)申込みに当たり、入所保留を積極的に希望する旨の意思表示をしていませんか。[3の④]→市区町村に対して、入所保留扱いとなることや育児休業を延長することを積極的に希望する旨の意思表示を行っていないこと(「入所を保留したい」などと言うとやむを得ず職場復帰できない状況とは認められません)。

2)利用(入所)内定を辞退したことがありますか。[3の⑥]→当該子について、これまでに住所や勤務場所等の変更などやむを得ない理由なく保育の利用を辞退した場合を除き(理由なく内定辞退をしたことがなく)保育が実施されないこと(合理的な理由がなく保育所入所の内定辞退をするとやむを得ず職場復帰できない状況とは認められません)。

3)利用(入所)申込みをした保育所等の中で、自宅から最も近隣の施設名と通所時間(片道)[3の⑦]→利用(入所)希望の保育所等が、被保険者又は配偶者の通勤の途中で利用できる場所にあるなどの合理的な理由なく通所に片道 30 分以上要する保育所等ではないこと(こちらも合理的な理由がない場合2)と同様です)。

なお、合理的な理由は、(理由欄)を利用して説明することができます。今回の改正内容は、これから育児休業を取得する社員だけでなく、育児休業を今取得中の社員にも説明しておく必要があると思います。

また4月以降のかなり厳密な確認ですが、「見直しの背景・経緯」にある議事内容をみるとこれまであった地方自治体におけるトラブルが載っており、今回の改正がそれらの解消を目指していることが理解できます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00040.html
具体的な支障例としては、「保育所等の入所申込みの相談・受付を行う窓口に、『確実に保留になるためにはどのようにすればよいのか』という相談があった場合、入所意思のない者に対して制度の説明を含めて一から案内することになり、窓口対応に 30 分~1時間程度の時間が割かれる・・・」とか「入所申込を行っていない(忘れていた)者から、育児休業延長のために保留通知の交付を求めらることがある。しかし、入所申込があっていないため、入所保留通知は交付できない旨を伝えると逆ギレされる等の不要なトラブルに巻き込まれ、対応に時間を割かれるケースがある。」等読んでみるとかなり現場感のある生々しい感じがします。

趣味はと聞かれるとちょっと困ってしまうのですが、読書、まあ旅行かなあと思います。母が70代の頃は父が早く亡くなったため老後の夫婦の旅行を味わえなかった分、家族で色々行こうよと企画し10年間礼文島から鹿児島まで毎年旅行したのはとても良い思い出です。その後はコロナの時期を除き海外に行くことにしていますが、プラス研修講師の仕事で時々色々な地方に出張させて頂いて、時間がないときでも楽しみではあります。先週は愛知県社労士会の研修に呼んで頂いてその日は県会の皆さんと楽しい時間を過ごし、翌日はのんびりと昼まで少し贅沢なホテルの部屋で過ごしただけなのですが、食事やお店、街など名古屋らしさを味わえただけでも十分楽しめました。これからも小さなことも楽しみを見つけて味わっていきたいです。


さらに細かくなる育児休業給付関係

2025-01-26 22:06:40 | 法改正

今年の4月と10月に施行される育児介護休業法ですが併せて雇用保険の育児関係の給付が新たに創設されます。育児介護休業法の改正は前回が男性の育児休業取得率向上目指したところですが、かなりここに来て男性の育児休業取得については率もさることながら取得日数も伸びてきており、政策効果が目に見えて上がってきていると感じます。今回の改正は男性だけではなく男女ともに仕事と育児の両立がしやすくなるような両立支援策が中心になっています。特に育児関係の措置については3歳未満が主流だったものが、今回は小学校就学前までに措置が延期になるものも多く、また考え方としてはできる限りフルタイムで働きながら育児をするというものになっています。

その中でちょっと驚くのが、これまで妊娠・出産等の申出があった場合に行うこととされていた個別の意向確認と周知が、3歳になるまでの適切な時期にも行うこととされているのですが、実施する時期は子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間とされており、更にその具体的な考え方として「1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで」とし、誕生日応当日の翌日から誕生日応当日までをQ&Aで図入りで解説しています。そこまできっちりと再度の意向確認の時期を決めるというのはどうなんだろうという気がしますがどうでしょうか。

また今回新設される出生後休業支援給付金については、被保険者の配偶者がする育児休業は、被保険者の配偶者が雇用保険被保険者の場合は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金が支給される休業を取得し給付金が支給決定されていることが原則の条件ですが、例えば配偶者が自営業者やフリーランスなど、配偶者の育児休業を要件としない場合も定めています。この配偶者の育児休業を要件としない場合に該当するかどうかの確認書類も非常に細かいものです(以下パンフP20)。これは実務的にはかなり時間を取られそうな気がしますが、書式なども載っています。

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001374955.pdf

上記パンフP5に載っているのは、
出生時育児休業給付金を受給する場合の申請期間について、子の出生日(出産予定日前に子が出生した場合は出産予定日)から起算して8週間を経過する日の翌日から申請可能となります。
ただし今年の4月から、以下の場合は本来の支給申請期間を待たず、4月から以下のように前倒し申請が可能になります。

①出生時育児休業の取得日数が28日に達した場合は達した日の翌日から
②2回目の出生時育児休業をした場合は2回目の出生時育児休業を終了した日の翌日
これは実務担当者としては少し楽になる改正です。

同じくパンフP36に載った4月から施行される確認書類のうち育児休業入所の申込みを確認できない場合の事例などが詳細に載っています。これもかなり細かく注意事項が記載されており、どんどん細かくなっていく事務処理等に若干クラクラするのは私だけでしょうか。

なお、もう一つ新設される給付である育児時短就業給付金については、別冊ということでまだこのパンフレットには、載っていません。どこまで細かくなるのか心配になります。

夜型の私は、よく遅い時間にメールをお送りして皆さんにご心配をおかけしています。申し訳ないと思いつつその時間に送信しておかないと翌日の朝はギリギリまで寝ることを優先しているため、バタバタしてお送り損ねてしまいそうなのです。だいたい夜型なのは今に始まったことではなく、おそらく10代のころから夜になってイキイキしてくるタイプで、社労士試験の勉強をしているときも家族が寝てしまってからの11時ころから2、3時間が最大の集中タイムでした。その後仕事を始めてからも夕食の準備があるので残業はできなかったため、後片付けしてからまた残りの仕事をするのが通常だったので、やはり夜型。ただ最近は22時ころにどうしても眠くなってしまうのでそこで仮眠をとってからまた起きだすためますます遅い時間になってしまうのです。

朝型にいつも憧れているのですが、つい最近嬉しい本を見つけてしまいました。「夜型人間のための知的生産術(齋藤孝)」です。これは勇気づけられる本でした。夜型をやめる必要も反省する必要もない気がしてきています。


在職老齢年金の見直しについて

2025-01-19 23:04:00 | 法改正

令和6年は5年に一度の財政検証の年でした。社会保障審議会の年金部会で様々なテーマで議論がされましたが、昨年12月に議論の整理が行われ、厚労省は令和7年の通常国会に法案を提出する予定です。かなり広範なテーマになっていますが、法改正のセミナー用レジュメを作成する中で気になったので、在職老齢年金の見直しについて少し取りあげたいと思います。

社会保障審議会の年金部会では、高齢者の活躍を後押しし、できるだけ就業を抑制しない、働き方に中立的な仕組みとする観点から、現行の在職老齢年金制度を見直すことで概ね意見は一致したということです。60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金は今年の春以降原則としては支給が終了するので、在職老齢年金は65歳以上の人が受給する老齢厚生年金に係る話になってきます。以前早稲田の法学研究科の授業で調べたところによると昭和40年には65歳以上の在職者に対しての在職老齢年金は存在していたようですが、昭和61年の大改正の際にいったん廃止され、平成12年の改正で高在老が導入されました(当時TACの講師をしており、テキストに60歳代前半の在職老齢年金を「低在老」60歳代後半の在職老齢年金を「高在老」と記載することを申し合わせたことはまだ記憶に残っています)。さらに平成16年改正で70歳に到達して被保険者資格を喪失した場合でも「70歳以上被用者」ということで、保険料を支払う義務はなくなった場合でも、在職している限り在職老齢年金の仕組みが適用されることになりました。

現行の支給停止基準額(50万円)の支給停止対象者数は約50万人(在職受給権者の約16%)で支給停止額が4500億円となっていますが、今回の改正では3つの試算が提示されており、完全に廃止する案も案1としてその中の一つになっています。案2で支給停止基準額を71万円に引き上げると停止対象者数は半分の23万人(同約7%)支給停止額が1600億円、案3で支給停止基準額を62万円に引き上げると停止対象者数は約30万人(同約10%)支給停止額が2900億円とされています。

議事録をみると「撤廃」が議論の出発点だと思われますが、在職老齢年金制度を撤廃した場合は将来世代の給付水準が低下するため、現行制度を維持すべきといった意見もある。このため、在職老齢年金制度を撤廃する案に加え、基準額を引上げる案を検討することとしてはどうかということで、案2と案3も提示されているようです。

元々定義としては「『在職老齢年金』は、本来『退職』を前提とした『老齢』を支給事由とする老齢年金の例外的措置」。今や70歳代でも働ける時代となれば前提の「退職」は外して、「老齢」のみの支給事由により支給されることが保険料を長く収めてきたことを考えても適切ではないかと思います。低在老が消滅する今、高在老も廃止のタイミングでもあり、今後65歳以上でも働いてもらいたいという企業からのご相談が多いことを考えると、就労抑制にもなり得る在職老齢年金は廃止が妥当ではないかと考えます。

母の怪我もだいぶ良くなって一安心しています。今回転んでも骨折しなかったことは本当に感謝です。ご心配おかけしました。それにしても4月と10月の育介法の改正条文は勉強すればするほど難解です。今週からセミナーが開始しますのでしっかり簡潔に説明できるように頑張りたいと思います。

早く暖かくなると良いですね。


高年齢雇用継続給付4月より縮小へ

2025-01-14 00:40:25 | 労働保険

高年齢雇用継続給付についてはブログで何回か取りあげているのですが、いよいよ今年の春から給付率が15%から10%に縮小されることになっています。この給付率縮小については、令和2年に決まったことなので、当時の法改正レジュメを見てみると比較的詳しく調べてあり、ただその時10%への縮小はかなり先になります、とお話ししていたことを覚えています。あの時はまだまだ先だなと思っていたのがあっという間に現実になってしまいました。

高年齢雇用継続給付は、平成6年に創設されましたので、ちょうど私が開業した翌年に誕生しました。この時支部の研修で説明があり、また手続が増えることになると嘆く先輩たちを見て、まだほとんど顧問先がない身だった私は羨ましく感じたものでした。

当初から暫定措置という説明はあり、60第台前半も働くことを促進するための給付ではあるが、65歳の雇用確保措置と並行していずれは廃止される給付ということはいつも頭の片隅にありました。現に平成19年の雇用保険部会報告書では明確に「激変緩和措置をとった後、廃止すべき」と書かれていました。ただその後の雇用保険部会の報告書では改めて検討すべきなどという表現になっており廃止に言及したものはなかったのですが、令和2年の改正においては「・・・その上で、高年齢者雇用継続給付の在り方については、これらの状況も見つつ、廃止も含め、更に検討を行うべきである」としてあります。

今年2025年で全員が75歳になるということで団塊の世代の動きは日本の社会保障制度の制度設計の上でもとても考えられていますが、30年前の創設時は現在75歳から80歳の団塊の世代も45歳から50歳で、高齢化社会が今後到来することを見越した上で10年~15年後のために準備をしたのではないかと考えています(それぐらい日本の社会保障制度はこれまで先を見て新たな制度を作ってきたことを勉強すればするほど感じるからです)。

最近、高年齢雇用継続給付が縮小することをお伝えすると会社さんから問われるのが、65歳へ定年年齢を伸ばした場合、65歳から70歳までの間、高年齢雇用継続給付のような給付ができる可能性があるのか?というご質問があります。こちらについては今のところ話としては出ておらず、令和2年の雇用保険部会の報告書の(R2.1.8)「65 歳以上の高齢者の70 歳までの就業機会確保措置に取り組む事業主への支援、高齢者の再就職支援や地域での多様な就業機会の確保に関し、当該支援策を雇用保険二事業を中心に、効果的に行う」としており、65歳から70歳までの継続給付創設は今のところ検討されてはいないものと考えます。

高年齢雇用継続給付の廃止はどうなるかということなのですが、しばらく廃止という結論は出しにくいのではないかと考えます。団塊世代が75歳以上となると団塊ジュニア(昭和46年~49年生まれ)もそれなりに年齢が上がってきており、現在50歳代前半というところに来ています。この団塊ジュニア世代もそれなりに母数があり、この層にも60歳以上になるのは早い年齢では5年後に迫ってきています。団塊ジュニアに60代働いたもらうためには高年齢雇用継続給付もまだ政策効果がありそうな気がしますので、廃止もまだ先になりそうな予感がします。このほか2月のアワーズセミナーでは少し実務対応もお話しできると思います。

お正月明けの3連休はゆっくり過ごした方が多かったのではないかと思いますが、私は日曜日に相模原ダイナボアーズ(ラグビー)の応援に相模大野からバスに乗っていくギオンスタジアムに行ってきました。試合ではこれまで勝利したことのなかったコベルコスティーラ―ズとの対戦でしたが、補強選手の素晴らしいプレーもあって歴史的勝利を収めてくれました。OURSやBBクラブのラグビー好き家族も含めた10数名混合チームで観戦して、のんびりワイワイとても楽しい1日でした。

暮れから量産体制に入っていた、レジュメも連休中にだいぶ目途がついてきましたので少しホッとしています。あとはセミナー続きの週にインフルエンザに罹らないことを神に祈るばかりです。


男性の育児休業取得率公表の際の計算方法について

2025-01-05 22:49:44 | 労働法

2023年4月から、従業員が1000人を超える企業は、男性労働者の育児休業取得率の公表が義務になっています。また今年(2025年)4月から育介法の改正により300人超の企業にも公表が義務付けられることになっています。公表するのは、企業のHPや「両立支援の広場」、上場企業であれば「有価証券報告書」においてですが、2年前に公表が義務付けられたことにより男性の育児休業取得率は飛躍的と言っても良いほど上昇したと感じています。ちなみに、厚生労働省イクメンプロジェクトの調査によると、令和5(2023)年6月1日時点での従業員数1000人超の企業における男性の育児休業取得率は46.2%、中小企業も含んだ2023年度雇用均等基本調査における男性の育児休業取得率は37.9%です。ちなみに同調査における令和3年の男性の育児休業取得率の状況は18.9%(さらに令和2年度は15.8%)とつい最近まで10%台だったことが分かります。

ところでこの取得率の計算方法についてはリーフレットが出ていますがポイントとしては以下の通りです。
まず対象企業の常時雇用する労働者については、以下いずれかとされています。
①期間の定めがない者
②一定の期間を定めて雇用されている者等であって過去1年以上引き続き雇用されている者または雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者、とされています。

計算方法としては以下の改正リーフ(URLリンクあり)に記載がある通りなので割愛しますが、①育児休業等の取得割合で計算する場合と、②育児休業等と育児目的休暇の取得割合で計算する場合、いずれかとされています。②の計算式の分子には、小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の数を含めることになっていますが、育児休業、出生時育児休業及び子の看護等休暇は除かれるものとされており、また4月改正により創設される「養育両立支援休暇」は含まないとされています。2023年当時の厚労省が出した資料では、例えば…》失効年休の育児目的での使用、現状努力規定になっているいわゆる「配偶者出産休暇」制度、「育児参加奨励休暇」制度、子の入園式、卒園式等の行事や予防接種等の通院のための勤務時間中の外出を認める制度(法に基づく子の看護休暇を上回る範囲に限る)などが該当するとされています。また改正リーフに載っているQ&Aでは、休暇の目的の中に「育児を目的とするもの」であることが就業規則等で明らかにされている休暇制度であることが示されています。

そのほか、「産後パパ育休」と「育児休業」は分けて計算する必要はなく、 育児休業を分割して2回取得した場合や、育児休業と育児目的休暇の両方を取得した場合は同一の子について取得したものである場合は1人として数えること、 事業年度をまたがって育児休業を取得した場合は育児休業を開始した日を含む事業年度の取得として計算することや、分割して複数の事業年度に育児休業を取得した場合は、最初の育児休業等の取得のみを計算の対象とすることなどQ&Aの内容がポイントになるかと思います。

2025年4月改正用リーフ(男性労働者の育児休業取得率)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001029776.pdf

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今年のお正月はお天気も良くて初詣日和でもありました。年末はかなりハードではありましたが、大掃除、年賀状、お正月の準備をしながら例年より1日お休みが多かったこともあり、溜まっていたオンデマンドの研修3つを聴いて、説明会レジュメを作りあげることができました。また年明けはいくつかご依頼を頂いている育介セミナーのため難解な条文を解読してレジュメを作りつつ、初詣、孫のお泊りなど色々と忙しくしていました。

ただその中で94歳の母を外食に連れ出した際、転ばせてしまい顔面をかなりひどく怪我をさせてしまいました。幸い足や腕の骨折は免れたのですが、私がもう少し準備をしっかりして腕をつかんでいればよかったのに、もう一方の手で歩行器を持っていたこともあり、腕からするっと抜けて転ばせてしまったことで本当に申し訳ないことをしてしまいました。絶対に転ばせてはいけないといつも慎重に行動していたのにもかかわらず母を転ばせてしまい怪我をさせたことは、想像以上に自分がショックを受けてしまい、年明け早々からやや落ち込み気味です。

ただ、今年事務所でやりたいことの構想のいくつかの考えがまとまったので、明日の仕事始めからはまた気持ちを新たに取り組んでいこうと思っています今年が皆様にとっても良い1年になりますように!


つながらない権利

2024-12-22 23:57:03 | 労働法

先日「労働基準関係法制研究会 」の資料を見ていたところ「つながらない権利」のことが議論されており、面白いと思いました。審議会の資料をみると、情報通信技術による常時アクセス可能性からの労働者の保護の文脈で論じられるのが、いわゆる「つながらない権利」の問題である。諸外国ではフランスにおいて、2016年の労働法典改正により、法制化がなされている。 時間や場所にとらわれない働き方の拡大を踏まえ、労働者の心身の健康への影響を防ぐ観点から、勤務時間外や休日などにおける業務上の連絡等の在り方について、どのように考えるかとされ、各国の制度制定状況が整理されています。

現状制度があるのは、フランス、スペイン、イタリア、ベルギーとあり、ドイツ、EU、イギリス、アメリカは制度はないものの検討はされており、特にEUは、2021年1月の欧州議会で「つながらない権利に関する欧州委員会への勧告に係る決議を採択」しています。

つながらない権利が提唱されたのは2002年頃のようで、その理由はもちろんネットやメールなどが当たり前になってきたということで、さらにその後SNSやLINEなども一般的になり、確かにいつでもどこでも繋がっているという状況になったのですが、いつでも仕事の連絡が可能になったという状況にもなったというわけです。

ドイツがなぜ法制化していないかということが同資料には載っていますが、2つの理由から立法処置の必要性自体について懐疑的な立場とされています。1つは労働者は労働時間外の自由時間において使用者等からのアクセスに応じる義務はなく、使用者は自由時間中の労働者に労務提供を求めてはならないことについて配慮義務を負っているため「つながらない権利」はすでに法的に保障されているということです。もう一つは使用者や顧客等からの常時アクセス可能な状態から労働者をどのように保護するかは各事業所の実情に応じて決定されるべき問題であり個々の事業所レベルの判断にゆだねるのが適切という考えです。

労働基準関係法制研究会の12月10日の報告書案では、考え方を「整理し、業務方法や事業展開等を含めた総合的な社内ルールを労使で検討していくことが必要となるため、話し合いを促進していくための積極的な方策(ガイドラインの策定等)を検討することが必要と考えられる。」とされています。つながらない権利は「労働からの解放に関する規制」の中で休憩、休日、勤務間インターバル、年次有給休暇と並んで取りあげられており、今後の労務管理の新たなテーマとなると思います。

私自身の経験で恐縮ですが、今から20年以上前にまだスタッフも数名という時代に、もともと受講生で親しかったスタッフだったということもあり、休日にショートメールをしたところ、後で「休日にメールされるのは嫌だ」といっているというのが耳に入り、それからはかなり気を遣ってきたと思います。あの頃はまだ連絡できるツールもそれほど多くなかった時代ですが、確かに今はいくらでも連絡でき、また相手が確認したかどうかも既読で分かる場合もあるのですから、いつ会社から連絡があるかわからないと思えばやはり休まらないのだろうと思います。現在うちの事務所では在宅勤務の日の労働時間以外はPCを開いてはいけないことになっているので、私は翌日事務所にほとんどいないなどの場合夜かなり遅い時間でも「おはようございます」とはじまるメールをしています。これは翌日の朝見てるんだよね?というメッセージなのですがやはりだめでしょうか。チャットは緊急時以外は時間外に連絡するのは役員くらいで、時間外の連絡にならないように注意しています。しかし、このところ外出も多く、事務所に夜まで戻れないときなど、伝えようとして既にスタッフは退勤していることも多く、その時間帯にはチャットは厳禁と考えているのでなかなか伝えるチャンスがなくて困るということが結構あるのが実態です。その場合は付箋にメモをしてデスクに貼るというアナログな対応にしています。

さて、今年も残り10日を切るところまで来ました。今年は事務所移転という大仕事も無事終了し、来年は落ち着いて少しのんびりと仕事をしたいと思っています。と言っても1月から2月にかけてかなりセミナーの仕事が多く入っており、体調管理をしっかりして乗り切りたいと思います。まずは今年1年間ブログを読んでいただきまして有難うございました。来年もよろしくお願いします。来週は年末年始期間ということでブログはお休みしますのでよろしくお願いします