OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

介護保険の特定被保険者制度について

2022-01-16 22:20:04 | 社会保険

健康保険法に定める健康保険組合の規定にはいくつか規約で定めることのできる特例的な取り扱いがあります。健康保険法の法附則に定められる介護保険の特定被保険者制度もその一つです。

(特定被保険者)
法附則第七条 健康保険組合は、・・・規約で定めるところにより、介護保険第二号被保険者である被保険者以外の被保険者(介護保険第二号被保険者である被扶養者があるものに限る。以下この条及び次条において「特定被保険者」という。)に関する保険料額を一般保険料額と介護保険料額との合算額とすることができる。
 
少し読みにくい条文かもしれませんが要するに健康保険組合の規約に定めれば、40歳以上65歳未満の介護保険第2号被保険者以外(40歳未満又は65歳以上の被保険者)の被扶養者が40歳以上65歳未満である(介護保険第2号被保険者に該当する)合、被保険者の保険料と合わせて特定被保険者である被扶養者分の介護保険料も負担することになるというものです。
 
健康保険の被保険者が被扶養者の分まで保険料を負担することは原則としてないのですが、特定被保険者制度がある場合は被扶養者分の介護保険料を負担するケースがあるという仕組みになります。もう少し整理すると以下のようになります(それぞれの組合で規約に定めているため原則的なもののみ上げます)。
①本人が40歳未満の場合の介護保険料の負担
・被扶養者が40歳未満・・・本人、被扶養者の負担共になし
・被扶養者が40歳以上65歳未満・・・本人の負担なし、被扶養者分を負担し健保組合に納付
・被扶養者が65歳以上・・・本人の負担なし、被扶養者分は市区町村に納付
 
②本人が40歳以上64歳未満の場合の介護保険料の負担
・被扶養者が40歳未満・・・本人のみ負担し健保組合に納付
・本人が海外転勤等で介護保険の適用除外で被扶養者が40歳以上65歳未満
 ・・・本人は適用除外のため負担なし、被扶養者分のみ負担し健康保険組合に納付
・被扶養者が65歳以上・・・本人の負担は健康保険組合に納付し、被扶養者分は市区町村に納付
 
特定被保険者制度は健康保険組合のみに認められた制度です。それも採用している組合は少ない印象ですが拠出金の増加に伴い採用する健康保険組合は増える可能性はありそうです。
 
先週珍しくお世話になっている協会で新年会が開催されたので出席したところ、1つのテーブルに4人ずつ(通常は6人テーブルか?)、一人ひとりアクリル板で仕切られており、感染対策が完璧になされていました。少し話しにくいなあと思いましたが何とかほぼ初対面の4名で話も弾み、料理も美味しく頂きました。いつもは終了後親しい方が残り1時間程度過ごすのですが、今回はさっと解散、終了も早かったので事務所に戻りまた仕事をしてしまいました。今年の新年会はほとんどないという方ばかりで、2年間こういうイベントがなくなってしまうとなると、生活習慣もだいぶ変化して以前のように元に戻ることはないのかもしれないと思っている方は多いのかなという話になりました。仕事のやり方も、コミュニケーションの取り方も、プライベートの生活も大きな変化に合わせて新たな方法を模索することが大事だと思っています。
 
日経新聞の折り込みチラシに、メトロポリタン美術館展が入っており、先行予約をすると若干割引になるので購入したのですが、密を避けるためか予約するには日と時間帯を決める必要がありました。それよりもっと驚きだったのが、先行予約で1900円のチケットなのですが、「スペシャルプログラム」なるものもあり、こちらは何と17,000円で、40分の解説アーカイブ配信、ライブトーク、展覧会図録とオードブルセットとシャンパンが自宅に届けられるということで、シャンパンなどを楽しみながらアーカイブ配信やライブトークを自宅で見るという企画だそうです。色々工夫された企画は見るだけでも楽しいですね。
 
さて、1月22日(土)はBBクラブの勉強会です。今回もzoomになりますが準備は万端です。勉強会終了後もオンライン懇親会を行いますので、久しぶりにみんなのお顔を見たいので、ちょこっとでも参加していただけると嬉しいです。懇親会は一度ウェビナーを退出後懇親会用のURLをクリックして入りなおして頂くことになりますのでよろしくお願いします。以下ご案内です。

不妊治療の保険適用について

2022-01-10 22:50:09 | 社会保険

あけましておめでとうございます今年も毎週末のブログ更新頑張ってまいりますのでよろしくお願いします。

OURSでは平成21年の法人化した際に継続していこうと決めたのが、このブログとOURSセミナーです。今年も1月にOURSセミナ―を開催予定なので、お正月明けの3連休は法改正セミナーのレジュメ作りをしていました。色々調べていく中で、全世代型社会保障の中でこれまであまり具体的なことが出ていなかった不妊治療の保険適用について、中医協の総会の資料が出ていました。まだ最終的な結論には至っていないようですが一部新聞で報道された通り、保険適用が拡大される治療法は「体外受精、顕微授精、人工受精」とされ、対象は43歳未満の女性、回数は40歳未満が最大6回、40~43歳未満は最大3回になる可能性があります。

ただ気になるのが健康保険法の療養の給付の考え方です。健康保険の療養の給付は「疾病又は負傷」に対して行うと法63条に規定されており、それ故に正常分娩については療養の給付の範囲外とされてきました。不妊が疾病と位置付けられることになるのかという疑問があったのですが、第131回社会保障審議会医療保険部会(2020年10月14日)の議事録に以下の説明がありました。

厚生労働省からの現状の説明として「これまでの経緯を振り返りますと、健康保険法におきましては、医学的な定義に該当する疾病のうち、ある程度、また、ある範囲のものを保険事故として、疾病としてきておりまして、その範囲につきましては、時代とともに変化をしてきているという状況でございます。例えば制度施行当初、大正10年の段階では、労働能力に全く関係のない疾病は除外するというような形でございましたけれども、その後、昭和16年には労働能力との関連性を払拭して、幅広く、労働能力と関係なくても、被保険者の健康の保持増進上必要と認められれば疾病の範囲とするといった形になり、現在に続いているところでございます。・・・施行当初は疾病の範囲外とされていたものでも、現在では範囲内とされているものも相当数でございますので、その範囲は極めて広いというような記述をしているところでございます。・・・これを踏まえまして、不妊治療の保険適用という方向性について御議論を賜れれば幸いでございます。」

これに対して委員から、少子化対策の観点から、不妊治療の経済的負担の軽減を図ることは大変重要である・・・疾病に対する治療という観点からも、医療保険を適用するという考え方も理解できる・・・ただし、そのためには、しっかりと実態を調査し、医学的データ等のエビデンスも踏まえた上で、保険給付の範囲や有効性、安全性を明らかにしていただく必要がある、という意見が出て他の委員からも賛同があったようです。

不妊治療の保険適用は、少子化に苦しむ日本においては良い判断になると考えますが、健康保険の原理原則からきちんと説明できるようにして欲しいと考えます。不妊治療の保険適用についての具体的な内容が決まりましたらまたブログで紹介したいと思います。

年末からお正月にかけてはとてもゆっくりできました。いつも通り年末は家じゅうの大掃除、お正月は駅伝と初詣を無事済ませ、時間があったのでOURSセミナーのレジュメだけでなく人事制度の手順書なども作ることができましたし、本も数冊読むことができてやはり時間がたっぷりあることは良いなあとしみじみ感じました。初詣は目黒に引っ越してからは通常毎年目黒不動尊に行くのですが、そこに「銅造役の行者倚像」があり足腰健全のご利益があるということなのです。昨年はコロナの関係もあり目黒不動尊に行かなかったためこの「銅造役の行者倚像」を拝まなかったことが、5月に転んで足にひびがいった原因なのかもしれないと思っていたので、今年はしっかり拝み、内緒でけがした足をなぜてきました。これで今年は安心です!

それでは今年1年またよろしくお願いいたします。


会社が設置しなければならない「相談窓口」

2021-12-27 00:01:09 | 労働法

労働法において事業主に「相談窓口」を設置を義務付けている規定は多いです。相談窓口と一言でいっても内容は何でも受け付けるようにといっているわけではありません。代表的なものを思いつくまま簡単にまとめてみると以下のような感じです。

①パート有期労働法(16条)
「パー トタ イム ・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に関 し」、その雇用するパー トタ イム ・有期雇用労働者からの相談に応 じ 、適切に対応するために必要な体制を整備 しなければならない。

…ここでは「雇用管理の改善等に関する事項」としています。なお、パート・有期労働法では有期契約での労働契約締結時や更新時に労基法で定める労働条件の絶対的明示事項に加えて特定事項として「昇給の有無・退職手当の有無・賞与の有無と『相談窓口』」を明示するように定められています。

②労働施策総合推進法(30条の2・指針)
「職場において⾏われる優越的な関係を背景とした⾔動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの(いわゆるパワハラ)」に対する相談窓口設置義務

③男女雇用機会均等法(11条1項)
「職場において⾏われる性的な⾔動に対するもの(いわゆるセクハラハラ)」に対する相談窓口設置義務

④男女雇用機会均等法(11条の3)、育児介護休業法(25条)
「職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、産前産後の休業を請求し、又は休業をしたこと(いわゆるマタハラ)」に対する相談窓口の設置義務

…②~④については、以下の通り一元的な相談体制の整備することとされています。
・ 職場におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント及び妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントはそれぞれ⼜はその他のハラスメントと複合的に生じることも想定されことから、あらゆるハラスメントの相談について⼀元的に応じることのできる体制を整備すること。

⑤障害者雇用促進法(36条の4)
「障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となつている事情を改善するため」に対する相談窓口の設置義務

⑥36協定で定める労働時間の延長及び休日労働について留意すべき事項等に関する指針(8条)
「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置について、次に掲げるもののうちから協定することが望ましいことに留意しなければならない。 (7号)心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。」…特別条項を採用する際の選択肢の一つ。

相談窓口の設置義務はさらに増える予定であり、相談にのれる人材育成にも企業は力を入れる必要がありそうです。

クリスマスも終わり、OURSも年内の出勤はあと2日となりました。今年もコロナの感染拡大が収まらなかったため、特に前半は在宅勤務も多く、お蔭さまでだいぶ働き方改革も定着した感がある1年になりました。ここ1、2年で採用したメンバーもだんだん事務所で役割を持ち活躍を始めており、事務所に安定感が出てきたと感じます。来年はさらにデジタル化の急速な進行に合わせて業務も変化していくと思われ、ちょっとワクワクしています。新たな取り組みを積極的に行いつつ、顧問先企業のニーズにこたえられるよう精進したいと考えています。

いつもブログを読んでいただいている皆様に心より感謝いたしますとともに、皆様にとって来年がさらに幸せな1年になりますよう祈念いたします。本年も有難うございました。健康に留意して新たな年を元気に迎えましょう!

※来週はお正月なのでブログをお休みさせて頂きます。


社員の病後の対応について

2021-12-19 23:24:14 | 労務管理

ここのところ社員が病気になり障害が残ってしまい元の仕事につけない状況の中で仕事内容に合わせて契約を正社員から契約社員に変更することはできるのだろうかというご質問が相次ぎました。働く人の年齢が65歳からさらに70歳までと拡大していけば、今後このようなご相談は増えていくことだろうとも思います。

まずは就業規則の休職規定の休職期間の満了の扱いを確認する必要があります。休職期間満了時に復職できない場合は「退職」と決めている会社が多いのだろうと思います。従って休職ご復職ができない場合は退職頂くことになります。そのルールに則らない場合は、その後の同様の社員にも同じ扱いをしなければ公平性が保てないので、休職期間満了後の復職がかなわなかった場合の運用は慎重に行う必要があります。

元の仕事に就くのは無理なので正社員から契約社員へ区分変更をできるかというお問い合わせは多いですが、区分変更とはどのようなことをいうかと考えると、就業規則などに区分変更の条件が定められていればそのルールに則っての変更はできますが、通常は一旦退職して、身分を変更して再度契約という流れになります。休職期間満了による退職など規定された場合でなければご本人やご家族とよく相談して対応を決めることになります。元の職務に就くことはできないが、子会社でなら働ける場がありそうである、ということであればいったん退職して子会社で採用する、という方法は検討の余地ありと思います。障害手帳を持つような場合は特例子会社への採用ということも考えられます。

元の仕事をできないとしても、仕事を変更すれば復職が可能であるという場合は退職はせず「治療と仕事の両立支援」をして、仕事を継続してもらいます。これは今後企業に課せられた課題だと思います。幸い在宅勤務が当たり前になった今は、在宅勤務中心で仕事をするということも可能だ思いますし、厚生労働省等から色々なパンフレットが出ていますので参考にして、企業側でそれぞれに合わせた配慮をしていくことになると思います。

愛知県労働局の出しているパンフレットはわかりやすく、P6両立支援に関する制度・体制等の整備を見ると企業がとるべき体制等が簡潔にまとめられていると思います。また厚生労働省のパンフにある様式例集や留意事項も参考になります。

 

「治療と仕事の両立支援取り組み事例集」(愛知県労働局労働福祉課)
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/334433.pdf

「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000780068.pdf

今日は母の91歳の誕生日であったので、昨年コロナで実現しなかった卒寿のお祝いの食事会をしました。3世代集まりささやかなお祝いになりましたが、お祝いができて肩の荷が下りました。友人のご両親は100歳という例も珍しくない(むしろかなり多い)時代になりましたので、まだまだ元気にしていてもらいたいものだと思います。


清算期間が3か月のフレックスタイム制

2021-12-13 02:07:10 | 労働基準法

清算期間の上限が3か月に延長されたのは2019年4月のことですが、これまであまり導入されたことはありませんでした。制度創設の経緯としては、子供がいる場合の8月の夏休み中はできるだけ労働時間を抑え、その分6月の忙しい時期に働くなどができるということでした。

ポイントとしては清算期間が1か月を超える場合でも、忙しい月にあまりに偏った労働時間にならないように、清算期間の全体(例えば3か月)の労働時間が、週平均40時間を超えないことだけではなく、「1か月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないこと」という条件があり、50時間を超えると時間外労働としてその月に時間外労働の割増賃金を支払うことになることです。3か月単位といっても、1か月ごとに一応管理しなければならないということが少しネックになっているかなと感じていました。

しかし今回フレックスタイム制を導入するにあたり、どうしても年間の繁閑がかなりあり、3か月の清算期間のフレックスでなければならないケースが発生しました。いざ導入してみると思いがけないところでご質問が来るのでこれは非常に勉強になりました。どのような質問かというと、育児短時間勤務をとっている場合の給与の計算方法として、フレックスを導入する前は勤務を短縮した分月給から控除していたということなのです。しかし3か月の清算期間のフレックスであると3か月目に清算することになり、1か月目と2か月目はそのまま満額の月給が支払われ3か月目に一挙に短縮分が減額されほとんど支給額がなくなってしまうということなのです。

この場合全額払いの原則などに抵触しないか監督署に聞いてみたところ、3か月目の賃金額が極端に少なくなることについての法律上の問題はないということでした。ただ短時間勤務の方から不満が出るかもしれませんので、対応方法としては、短時間勤務の方は3か月のフレックスタイム制の適用から外すか、又は1か月ごとにこれまでと同様に短縮時間分を控除して支払うということも可能ということでした。その場合、給与計算の手間は減りませんが、働く時間の柔軟性は保たれますのでメリットはあるということになります。

相変わらず毎日仕事が忙しく、また最近夜の食事会なども若干入るようになり、年末までこのまま駆け抜ける感じになりそうです。今年の前半は会社帰りや寝る前に本が沢山読めるくらい結構余裕があったので、ちょっとあの頃に戻りたい感じです。とはいえコロナも今のところ収まっており、経済もだいぶ戻ってきているようなので、その点は良かったと思います。早くすっきりコロナが収まって、仕事も一段落がついたら海外旅行でもしたいなあと夢見ながら頑張ります。


派遣法の労働契約申込みなし制度

2021-12-05 22:30:46 | 労働法

平成27(2015)年に施行された改正労働者派遣法の中で定められた「労働契約申込みみなし制度」については、改正当初適用された場合のために就業規則の改定作業の中で気を遣った会社もありましたが、通達の中でも「違法行為への該当について善意無過失である旨の派遣先等による抗弁が認められた場合には、労働契約の申込みをしたものとみなされないものであること。」とされたためすぐには該当はないらしいということになりました。

そもそも「労働契約申込みなし制度」とはどのような制度かというと、派遣先等が違法派遣を受けた時点で派遣先等が派遣労働者に対して、その派遣労働者を雇用している派遣元事業主との労働条件と同じ内容の労働契約を申し込んだとみなす制度です。ただし、上記に書いた通り善意無過失であれば適用がないとされています。この労働契約申込みなし制度の対象となる違法派遣の5つの類型としては、以下の通りです。
①派遣労働者を禁止業務に従事させること
②無許可事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること
③事業所単位の期間制限に違反して労働者派遣を受けること
④個人単位の期間制限に違反して労働者派遣を受けること
⑤いわゆる偽装請負等

11月4日の産経WESTで「東リの工場で『偽装請負』認定、直接雇用認める初の判断 大阪高裁」が載りました。記事を抜粋すると以下の通りです。

「大手住宅建材メーカー「東リ」(兵庫県伊丹市)の伊丹工場で業務請負企業の従業員として働いていた男性5人が、実態は東リ側の指揮命令を受ける違法な『偽装請負』だったとして地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が4日、大阪高裁であった。清水響裁判長は男性らの訴えを棄却した1審神戸地裁判決を取り消し、『偽装請負の状態にあった』と認定した。判決はまた、労働者派遣法の『直接雇用の申し込みみなし規定』に基づき、東リ側と男性らの間で直接労働契約の成立を認め、賃金の支払いも命じた。弁護団によると、この規定による労働契約の成立を認める司法判断は全国で初めて。」

これをきっかけとして「労働契約申込みなし制度」を適用されるケースが出てくるかもしれません。もう一度、上記違法派遣になっていないかどうかを確認してみると良いのではないかと思います。

労働契約申込みなし制度の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000099951.pdf
通達(職発0930第13号平成27.9.30)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000092369.pdf

とうとう12月に入りましたね。今年はコロナの感染拡大で昨年に引続き落ち着かなかったということもありますが、個人的になかなか上手く行かなかったり、ついてなかったりで、順調とは言えないことがあれこれあった1年でもありました。でもこういう年も大事かなと思っています。というのも順調に事が進んでいるよりも、深く深く色々なことを考えたり準備したりすることは、むしろこういう時間の方が適している環境ともいえるような気がするからです。まずは何といっても健康で、食べ物がおいしく、仕事もこなせて、日々小さなことも楽しめる幸せをかみしめて、今年あと1か月を過ごして、また新たな気持ちで次の1年を迎えたいと思います。


社労士試験への向き合い方

2021-11-29 00:54:02 | 雑感

ここに来て書籍と問題作成の締め切りとセミナーのレジュメの締め切りが複数重なり、かなり切迫した状況だったのがやっと今日脱出のめどが立ちホッとしているところです。しかし頭の中が改正育介法だらけになっており、気分を変えて社労士試験への向き合い方を書いてみようと思います。

というのも今年は昨年に引き続き事務所で合格者が出ず、さすがにこれは問題だと思い、奨学金制度を設け、来年から月1回の本試験対策ルームなるものを設けて、私が待機して質問や勉強の相談に乗るということをやってみることにしたわけです。どれくらいルームに参加してくれるかわかりませんが、3年前二人の合格者が出たときは直前に何回か勉強会をしたことを思い出し、やはり少しでも自分の講師経験を生かした方が良いかなと思ったのです。

社労士試験の向き合い方として第一に私が推奨するのは、学習のペース配分を自分でコントロールすることです。あまり早くから頑張りすぎると約1年の長丁場であるため持続できず直前の答練期で上昇機運に乗っていけないということがあるため、秋から春にかけては少し抑え気味にリフレッシュも入れつつ、だんだんと集中度を高めていくということが大事だと思っています。これは中途半端な時期に受験を検討している場合も同じで、ある程度本格的に勉強を開始できる時期までは地味に本を読んで予習をすることをお勧めすることが多いです。

第二に推奨するのは、学習サイクルを意識することです。要するに最初は1科目ずつ丁寧に取り組んで行き、だんだん各科目間の取組み期間を短くして、最終的には1日1科目をこなし、最後は午前中に労働科目、午後社会保険科目と頭にすべてを入れることを意識した3日間を過ごして本試験当日を迎えるという方法です。問題集や答練の復習等行う際にはそのサイクルで取り組めるツールを作るつもりで5月連休明けくらいから意識してみると良いと思います。

第三に推奨するのは、とにかく択一式が大事だということです。3年目以降択一は合格ラインに乗っているのに選択式で落ちてしまったという場合は別ですが、択一式が合格点に行っていない場合はとにかく択一を強化すべきということです。選択は合格だったのですが、という報告をよく受けるのですが、はっきり言って選択の点数は年によって変わります。今年合格点だったからといって来年合格点が取れるかどうかは全く未知数です。その点択一は見事にその人の実力を表します。択一は誤りの問題と正解の問題があり、誤りの問題はその問題の論点の理解を深め、正解の問題は選択式の勉強になるつもりで取り組めばある程度選択式の実力はついてくるはずなのです。

社労士試験については書き始めると色々と思うことがありますが、受験される方はまずは上記3点を意識して、来年こそは頑張って合格を勝ち取ってもらいたいと思います。

いよいよ週末あたりから急に寒くなってきましたね。今年もあと1か月となり、年末やお正月どう過ごすかなども考え始めています。忘年会はほとんどありませんが、またオミクロン株という新たなウィルスが発生しているということなので、昨年に引き続き年末年始はあまり外出せず読書と駅伝で過ごすことを考えています。幸いマスクと手洗いで、今年は風邪知らずで来た方も多いと思いますが、油断せず元気で来年を迎えたいものです。


オンラインによる医師の面接指導について

2021-11-21 01:19:05 | 労働法

労働安全衛生法に定められた、長時間労働者にかかる医師による面接指導制度については、1年前に出た通達でオンラインによることも条件付きで認められることになっています。急速なデジタル技術の進展によりということでオンラインでの面接指導を行うことを認める内容になっていますが、留意事項が示されています。

面接指導を実施する医師が、以下のいずれかの場合に該当することが望ましいということです。

① 面接指導を実施する医師が、対象労働者が所属する事業場の産業医である場合
② 面接指導を実施する医師が、契約(雇用契約を含む)により、少なくとも過去1年以上の期間にわたって、対象労働者が所属する事業場の労働者の日常的な健康管理に関する業務を担当している場合。
③ 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、対象労働者が所属する事業場を巡視したことがある場合。
④ 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、当該労働者に指導等を実施したことがある場合。

ということで、簡単に言えば面接指導の対象者の働く環境等が把握できていることということになろうかと思います。このオンラインでの面接指導が認められていることで、監督署は産業医による復職面談もオンラインで可能であると判断しているようです。

さらに、面接指導に用いる情報通信機器が、以下の全ての要件を満たすことも列挙されています。面接指導を行う医師と労働者とが相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるもので
あって、映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑であること、というものがあり、ビデオオフは認められないのだろうなと思いました。

オンラインによる面接指導の実施についての通達はこちら
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T201124K0010.pdf

医師の面接指導についてはこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000553571.pdf

最近テレビだけでなくネットフリックスやYouTubeを見る機会が断然増えてきたため、キッチンの片隅にある自分のデスクのわきにこれらが見れる持ち運びができる小さなテレビを電気屋さんに予約しておき、週末取りに行きました。これで寝る前など海外の街の紹介などのYouTubeを見たりできると楽しみが増えました。

最近コロナが収まり、感染には注意しながら久しぶりに出かけて友達に会ったり、夜も数人ではあるが食事もしたりと、忙しくなってきました。それでもお店はまだまだ空いている感じで、経済活動が元に戻るかどうか気になります。夜は自宅で過ごすという日常生活がこの1年半で確立してしまっており、以前のように夜遅くまで2次会、3次会が続くということはないような気がしてなりません。どちらが良いかどうかは一概に言えないですが、コロナの変化は多方面に大きいと実感しています。


1か月単位の変形労働時間制の労働日の振替について

2021-11-14 18:06:08 | 労働基準法

シフト勤務は、コロナ禍休業手当の支払いについてなかなか悩ましいと思う場面がありましたが、現場の働き方として採用している事業場はとても多く、特に労働時間については何とか現在の労働基準法の規定の中で問題のないように組むことをアドバイスするにあたり苦心します。その場合、変形労働時間制を採用することが多いかと思いますが、変形労働時間制は原則の労働時間制の例外規定なので例外を認める以上それなりに規制があると説明します。ただ1カ月単位の変形労働時間制は、事前にカレンダーさえ決めることができればそれほどハードルは高くなく、シフト制であればカレンダーはある程度事前に決まるものであり、慣れてくればオペレーションは何とかなるのではないかと考えています。

1か月単位の労働時間制は、1ヵ月以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて(例えば10時間など)労働できる制度です。平均して1週間当たり法定労働時間40時間の範囲内とするには、1か月の労働時間の総枠を31日の月については177時間8分、30日の月には171時間25分内に収めることが必要です。

1ヵ月単位の変形労働時間制を採用するためには、労使協定又は就業規則等のどちらかで、①1ヵ月以内の変形期間を決め、②変形期間における法定労働時間の総枠の範囲内で、③各日、各週の労働時間を特定することが要件となります。①はだいたいの場合1か月、②は上記総枠内で、ここまでは難しいことではないのですが、問題は③の各日、各週の労働時間の特定で、これはカレンダーを定めることになります。

シフトにおいてはシフト表というカレンダーを定めるわけですから、これを1か月単位の変形労働時間制の要件内で定めればよいわけなのですが、だいたいの場合突然都合が悪くなったバイト君の穴埋めや交代があるので、柔軟な振替えができるかどうかという点が問題になります。

1年単位よりは厳しくはないのですがやはり「各日、各週の労働時間を特定」することが要件であるため以下の通り通達ではまずあまり自由に変更することはできない旨示されています。

1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、「・・・変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しないものであること」と示されています(平成11年3月31日基発168号抜粋

ちなみに1年単位の変形労働時間制についても同様に「・・・使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度は、これに該当しないものであること。」と示した上でさらに「・・・業務の性質上1日8時間、週40時間を超えて労働させる日又は週の労働時間をあらかじめ定めておくことが困難な業務又は労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更されることが通常行われるような業務については、1年単位の変形労働時間制を適用する余地はない(平成27年3月31日基発0331第14号)とより厳しい表現になっています。

確かに変形労働時間制の中で働くことを考えると、頻繁な労働時間の変更は働く側からするときついことだと思います。ただ、ここまでシフトの働き方が広がっていることを考えると、兼業・副業の推進等の観点からいっても、もう少しシフト制に適用しやすい労働時間制度があると良いなあと思います。

かなり仕事の締め切りに追われて切羽詰まった状況だったのですが、たまに見に行かないと心配だということもあり小淵沢の家に行ってきました。今日は本当にきれいな青空で、今年は行くと大雨であったりで、なかなかできなかった家の周りの散歩が久しぶりにできて、秋を実感することができました。また草が生えまくっていた花壇に冬に強い草を植えてきました。これで来年春の楽しみができました。

  


保育所に入所できない場合の育児休業延長について

2021-11-07 18:23:10 | 労働保険

先日山の手メンター塾で意見交換をしている際に「以前は絶対に認められなかった育児休業の延長申請の手続の不備案件が、今年になってから疎明書により何件も認められるようになった」と聞いて、思い出したのが行政評価局のあっせんの件でした。

以下の「保育所に入所できない場合の育児休業給付金 支給対象期間の延長についてのご案内」のリーフに書かれている通り、延長となる事例と延長にならない事例が整理されています。まず延長の要件として、①市町村等で認可保育所等の入所の申込みを行うこと、②入所申し込みの際に入所希望日を1歳の誕生日以前にしなければならないこと、が条件となります。

ところが間違いやすいのが、入所申し込みをしようとしたところ既に「空きがない」という市区町村の回答であったため、申し込みをしなかったとか、入所希望日を子の誕生日の翌日以降で申し込んでいたというようなケースで、これらの場合これまでは育児休業の延長要件を満たしていないということで、雇用保険の育児休業給付金を受けることができないということになってしまっていました。
https://jsite.mhlw.go.jp/fukuoka-roudoukyoku/content/contents/000914799.pdf

今年の春から取り扱いの緩和があり、4頁のご相談の多い事例を見ると、上記ケースが疎明書により対応可能な場合があると書かれています。実際現場ではかなりこの対応で以前であれば受け付けられなかったものが受け付けてもらえるようになりました。

これは行政評価局のあっせんによるもので、1歳と1歳半以降の延長について「保育所に入ることができない場合」が一番の理由になることが多いのですが、延長が認められなかったという苦情がやまなかったということです。

育児休業給付金の受給期間延長申請に関する事例・判断材料の整理と制度の改めての周知に向けた見直し-行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん(行政運営の改善)-
https://www.soumu.go.jp/main_content/000739676.pdf

上記にも書かれていますが、保育所に申し込みをしていない場合については認められないことに変更はありませんが、あまりに複雑な手続等に神経を使わなければならず、手続に不備があったというだけで権利があるのに受給できないのは考えてみればおかしなことで、行政評価局への相談についてもここまで効果的なのであれば、社労士であっても活用すべきだろうと思いました。

原稿の仕事もやっと先が見えてきて、コロナの感染者数も減ったため、先週若かりし頃勤務した会社の先輩のお誘いを受けて、先輩がやっている喫茶店での集まりに参加してきました。あっという間に2時間が過ぎ、最後にLineの交換をしたのですが、これにかなり手間取り、更に写真を撮った方が良いということになり自撮りを試みるもなかなかうまくいかず、大騒ぎでしたが、久しぶりに楽しい時間を過ごしました。コロナ禍、1年半くらい電車に乗っていなかったという先輩もいて、みんな我慢していたのだなあと実感しました。仕事をしているとやはり減ったとはいえ外出する機会は多くあり、そのあたりは想像していませんでした。このまま落ち着いてくれると良いですね。

そういえば最近睡眠アプリに凝っていて、毎日自分の睡眠状態を見るのを楽しみにしています。だいたい睡眠時間がいつも短いため気になっていたのですが、意外に良い睡眠をとっているようです。朝の目覚めもアプリの音楽で目覚めてなかなか気分が良い感じです。


転勤した場合の時間外労働の上限規制について

2021-10-31 13:14:32 | 労働基準法

先週顧問先からご質問が2つ重なったのが、今日のテーマである「転勤した場合の時間外労働の上限規制は転勤前の時間外労働等はリセットされるのか」ということでした。これについては厚生労働省が平成31年4月に出した「改正労働基準法に関するQ&A」に詳しく載っています。

改正労働基準法に関するQ&A。
問2の7で、A事業場からB事業場に転勤した場合について、両事業場における時間外労働時間数を通算するのかを聞いています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000487097.pdf

回答としては以下の通りです。
①原則の延長時間の上限45時間、特別条項の1年間の延長時間の上限720時間は、転勤した場合通算はされない。
 理由としては、事業場(ごと)における36協定の内容を規制するものであるからということです。

②時間外労働と休日労働の合計で、単月100時間未満、複数月平均80時間以内の要件は、通算して適用する。
 理由としては、労働者個人の実労働時間を規制するものであるためということです。

ここで特別条項の年6回以内に触れていないのですが、①を勘案すると通算しない(転勤前の45時間を超え特別条項を適用した回数はリセットされる)ということになると考えます。監督署に確認してもその扱いでよいということです。

②については、月の途中で転勤した場合の時間外労働は100時間未満で収めること、2~6か月の複数月平均80時間以内についても計算して収めることとなると、転勤前の時間外労働の把握は必要だということになります。

上記Q&Aの2―32には副業・兼業や転職の場合の労働時間の実績把握についても聞いていますが、ガイドラインにより自己申告により副業・兼業先や転職前の時間外労働時間数を把握することが考えられるとしています。

今日は雨の中選挙に行きましたが、いつになく人が多く会場に入るまで若干並ぶほどでちょっと驚きました。開票速報を見ると、かなり大物が落選したりしており、やはり世の中の変わり目なのかなという感じを受けています。

週末社労士試験の発表がありましたが今回の合格率は7.9%とのこと。相変わらずの難関試験となったようです。先日、開業された方からTACNEWSのインタビュー記事が送られてきたのですが、「試験に落ちてもうやめようと思ったときに私のガイダンスに出て、きっと受かるといわれたことで再挑戦して合格し、ここまで来られた」というお話を載せて頂いたものでした。合格を目指したからには合格するまでは頑張る、という強い意思を貫いてもらいたいといつも思います。一生の財産になる価値ある資格ですから。


コロナ後就業規則の変更

2021-10-24 18:06:12 | 労務管理

東京は今日は新規感染者数19人ということで、いよいよ収束してきています。コロナ後の働き方はどうなるか、コロナ後の労務管理が気になっていますが、今のところまだ様子見という感じです。しかしコロナ前とは大幅に感覚が違ってきていることは間違いなく、例えば就業規則の改定の際、出社についての条文はどのようにご提案するか最近悩ましいと感じています。

コロナ前は在宅勤務はそれほど普及していなかったので、就業規則の出社については以下のように定めてあることが多いと思います。

第●条 従業員は出社および退社の場合は、次の事項を守らなければならない。
1.始業時刻までに出社し始業時刻に業務が開始できるようにすること
2.出退勤の際は、本人自ら所定の方法により出退勤の事実を明示すること
3.退社は書類等を整理格納した後に行うこと

簡単な着替え等について労働時間であるかどうかというご相談などについては、上記の条文を入れておいて常識の範囲内で対応いただくのがよいのではないかとアドバイスし、始業時刻から業務を開始することを基本としてもらうことにしていました。

しかしコロナで特に大企業においては在宅勤務がかなり拡大し、さらにフレックスタイム制も併せて導入されており、出社・退社を前提とした記載に違和感を覚えるようになりました。そのような会社の場合、出社や始業時刻については業務開始(時刻)という文言に置き換えたりしていますが、今後コロナが落ち着いたらモデル就業規則も多様な働き方に合わせてかなり細かな点で改訂したものを作成する必要がありそうです。

NHKのサイトで「最高裁判所裁判官 国民審査2021」があり、今回国民審査の対象となる11名の裁判官のプロフィールや裁判での判断が載っています。これは非常に有用だと思いますのでチェックされるとよいのではないと思います。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/kokuminshinsa/2021/


在宅勤務その後の問題点

2021-10-17 18:11:12 | 労務管理

10月13日の日経新聞に、「Amazon、一律出社再開を断念、部署ごとに勤務形態判断」という記事が載りました。アマゾンは、来年1月からは原則として少なくとも週3日の出社とする方針だったそうですが、「在宅勤務を続けている米国内外のオフィス部門の当面の勤務形態について、部署ごとの判断に委ねる考えを明らかにした。」として、部門ごとの責任者の判断で在宅勤務の継続を認めることとしたそうです。物流施設や小売店では新型コロナウイルス禍でも多くの従業員が通勤を続けており、オフィス部門についても出社再開の方針が、多くの従業員から質問が寄せられたことで見直されたそうです。おそらく色々な事情で週3日とはいえ、出社しにくい状況になっているのかもしれません。

昨年の4月の緊急事態宣言で、準備も整うか整わないかで在宅勤務をスタートさせた会社は多いと思いますが、その後調整をしながらここまで来ているのだと思います。その中で当初移動時間や中抜け問題など挙げられていた課題とは別に思いがけないことが起こっているということを、色々な人と話している中で感じます。

例えば、「在宅勤務規程」として、会社の外で仕事をするのは、自宅か会社の認めたサテライトオフィスのみとしている場合の、在宅勤務日に会社の指示で例えば区役所に書類を申請・受領に出向く外出はNGなのかという話があります。営業などモバイルワークも行っており、規程がリモートワーク規程となっていればもちろん可能なのですが、「在宅勤務」「働く場所は自宅、サテライトオフィス」などとしている場合は難しいような気がします。

また、聞くところによると、東京本社勤務で自宅も通勤圏内であったものが、いつの間にか地方に居住を移していたということもあるそうです。出社を命じられた際に交通費を申請してきて実情がわかったということもあるそうです。また、単身赴任していた社員が実は家族のいる自宅に住んでおり単身赴任先は空家状態という笑えない状況がわかって単身赴任手当の支給問題が浮上しているということもあるそうです。最近は、あくまで「出社が原則なので、転居する場合であっても、出社指示にはすぐ対応できるよう会社まで1時間半の範囲内に限る。」という規定を入れる会社も出てきました。冒頭の記事によると「アマゾンは在宅勤務を続ける場合でもほとんどの社員が中核となるチームの近くにいて、1日前の通知で会議のためにオフィスに出社できることを求める方針だ。」とありますがその考え方と同じです。

当初在宅勤務に入った当初は、コロナが収まるまでの臨時的な在宅勤務とコロナ収束後の通常の在宅勤務という位置づけで考えている会社もありましたが、ここまでコロナが長引いてしまうと、臨時的が通常になってしまっていて、社員の側が元の働き方に戻るのはなかなか大変なのではないでしょうか。大企業ほど、出社は月1日くらいとかここ1年半出社したことはないという話を聞きますし、全員が出社することは今後もないであろうと会社のスペースを小さくするところもだいぶ出てきているようです。今後どのような働き方をしていくのか、在宅勤務が継続される中でどのような問題が出てくるのか、見えない状況だと思います。

日経新聞10月13日記事

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12E1W0S1A011C2000000/

昨日はBBクラブの幹事会があり来年の1月と7月の勉強会の検討をしました。リアルにはいつものメンバーが集まり、同じくらいの人数でzoom参加ということで打合せはスムーズに進み、1月はまだ慎重にzoom開催、7月は一応リアルの可能性を考えて会場の準備をすることを決めました。久しぶりにみんなで集まれたら感動的かもしれません。最近今後やりたいことの方向性が具体的にイメージできるようになったのでBBクラブの会員にも協力を期待することもあり、その時はそんな話もしてみたいと思っています。


母子手帳世界に広がる

2021-10-10 19:40:28 | 雑感

先日テレビを見ていたところ母子手帳を世界に広げる支援をしていることを知りました。この事業を行っているのはJICAということで、非常に素晴らしい事業だと思い調べてみました。以下JICAのHPからの引用です。

母子手帳とは、妊娠中及び出産時の母子の状態、子どもの成⾧・健康状況を、継続的に記録するための冊子です。家庭で参照できる育児書としての特徴もあります。
日本では、1948年にそれまで使われていた妊産婦手帳と乳幼児体力手帳が統合され母子手帳の活用が始まり、今では母子の死亡が最も少ない国の一つになっています。
母子手帳は、母親や子どもが必要なケアを継続的に受けられるようにするための重要なツールの一つです。JICAは、世界の母子の命と健康を守るため、開発途上国における母子手帳の導入・普及を支援しています。
(注1)世界年間出生数1億4千万人(出典:ユニセフ世界子ども白書2019)より推計
(注2)2019年JICA推計

私は比較的記録などは整理しておく方だと思うのですが、息子の母子手帳は上記の狙い通りかなり長い間活用しました。一番役立ったのは予防接種の記録で、どのような予防接種をいつしたのか確認できるのは有難かったです。手元にある母子手帳を見てみると、5歳健康診断の記録もあり、血圧は88~46(異常なし)などと書かれており5歳児でも血圧を測ったのだとなんだかほほえましく思えます。

新幹線など日本の素晴らしい技術を世界に向けて輸出していたところ、今や中国や韓国に価格で負けてしまうことが多くなかなか日本の技術を輸出することが少なくなっていると聞いたことがあります。母子手帳の仕組みなど日本の持つ優れたソフトのインフラはまだまだ世界に向けて輸出する意味があるものが沢山あるのではないかと思います。

コロナ前、全国社会保険労務士会連合会の委員会の仕事で日本の社労士制度をインドネシアに輸出するお手伝いをさせていただいたのですが、あの事業は本当に意義のあるものであったと思います。コロナ禍なかなか次に進めない状況ではありますが、まだまだ今後日本のアイディアあふれる仕組みをどんどん世界に広げていけると良いなあと、今回改めて感じています。

JICAのHP
https://www.jica.go.jp/activities/issues/health/mch_handbook/index.html

ここ1年間取り組んでいた顧問先の案件が9月で終了しました。事務所全体で対応しなければならない作業量で、班を超えて横断的にスタッフに担当してもらいました。終了の報告を受けてホッとしていたところ、顧問先よりOURSの頑張りに対して「感謝状」を贈りたいとのご連絡を受け、先日事務所で授与式が行われました。

30年近く社労士の仕事をして、沢山の顧問先やご相談者からお礼を頂くことができ、本当にやりがいのある良い仕事だと思っていましたが、「感謝状」を頂いたのは初めてのことです。膨大な作業が必要な案件でしたが、優先順位をつけて、戦略的に取り組むことにして、行政に交渉したのですが、「その時先が見えてとてもホッとしたのです」と感謝頂いて、コンサルティングの意義を再確認することができました。しかしコンサルティングの後、10か月近く中心になって処理を毎日コツコツと遅くまでやってくれたリーダーはもちろんのことリーダーを中心に手伝ってくれたスタッフが一番の功労者だったと思います。

    


公的年金の所得代替率について

2021-10-04 00:29:37 | 年金

自民党総裁選は、短い期間の中での潮目が変わった瞬間が何度かあり、政治とはそういうものなのだろうなととても興味深く注目していました。結果としては、無難なところに落ち着いたという感じであり、その後の特に閣僚人事は、素人考えかもしれませんが、何となく魅力に乏しく、若干あのあつい候補者の討論の毎日からすると拍子抜けの感じがするのは私だけでしょうか。

候補者の討論の中で、将来の年金の話が出ており、非常に興味を持って聞いていたのですが、河野さんの主張としてはマクロ経済スライドによって年金制度は維持されるが、年金額が保障されていないため、改革が必要であり、基礎年金部分は税金で賄い誰もが公平に受けられる年金にすればよい、という考えだったと思います。私は元々年金制度を改革するにしても、給付と負担の対応関係が明確な社会保険方式を変えるべきではないと考えており財源を税に持ってくるのは反対であり、基礎年金の財源には厚生年金からの拠出金も含まれているのではないかと考えると河野さんの主張の完成度が高いとはとても思えなかったのですが、給付水準について実のところどのようになっているのか、ここのところ見ていなかったので調べてみました。

令和元年に行われた5年に1度の財政検証の資料によると以下のように書かれています。
〇公的年金制度においては、マクロ経済スライドによる給付水準の調整に伴い、所得代替率は、現在(2019年度)の61.7%から将来低下していく見通し。
〇 現行制度における所得代替率は、20~60歳までの40年間就労することを前提に計算しているが、40年を超えて就労し、それに伴い受給開始時期の繰下げを選択すれば、その分給付水準が増加することとなるため、就労期間を延長することにより、将来の所得代替率の低下を防ぐことが可能となる。
○ そこで、以下の資料では、ケースⅢ、及びケースⅤについて、現行制度又はオプションB-⑤の制度を前提に、20歳から何歳まで就労すれば、現在(2019年度に65歳の者)の所得代替率を維持することができるかを生年度別に示すこととする。

所得代替率61.7%を将来も維持するには就労期間を長くして受給開始を遅らせるという方法で、現在20歳の世代は66歳9月まで就労し繰下げ受給を選択すれば、現在(2019年度)65歳の世代と同じ所得代替率を確保できる見通し。(仮にオプションB-⑤(基礎年金45年加入、65歳以上の在職老齢年金の廃止等)の制度改正を前提とすれば、65歳10月まで就労し繰下げ受給を選択すれば、現在65歳の世代と同じ所得代替率を確保できる見通し。

上記の試算を見ると若干ホッとしますが、これは経済状況の仮定を「経済成長と労働参加が進むケース」または「経済成長と労働参加が一定程度進むケース」を元に物価上昇率や賃金上昇率を置いているようなので、やはり年金の将来はひとえに経済成長にかかっていると感じます。

2019年財政検証関連資料(第9回社会保障審議会年金部会2019年8月27日資料4)
https://www.mhlw.go.jp/content/000540204.pdf

緊急事態宣言が解除されて、週末かなり色々なところで人出が多かったようですが、まだまだ慎重に行こうかなと考えていることと、原稿の仕事にめどをつけたいので週末もだいたい自宅で過ごしました。しかしコロナ禍あまりに動かないのも良くないのであちこち自宅の周りの散歩だけはしており、今日は気になっていたお店に行ってみたところ、なかなか素敵なお店で得した気分になりました。まだまだ身の回りでささやかな楽しみを見つけつつ、気を付けていきたいですね。