OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

2012年この1年

2012-12-24 00:30:24 | 雑感

2012年のブログも今回が最後です。

来週の日曜日は年末恒例の大掃除をして家じゅうをさっぱりさせ、気持ちよくお正月を迎えることに専念しますのでお休みさせて頂きます。

昨年のお正月に占いを見たら九紫火星は衰運ということだったのですが、それからすっかりそのことを失念して年末になり来年の九紫火星を見たら「あら今年は悪いはずだったんだわ」というくらい忙しく衰運を吹き飛ばしてしまったのか、あっという間に1年が過ぎてしまったという感じです。ちなみに来年の九紫火星はなかなかの盛運のようです。

昨年の最終回のブログを読んでみましたら、かなり仕事では悩んでいる形跡が感じられるような気がしました。確かに昨年は事務所が大きく脱皮する前の苦しい年でしたが、今年はそれを乗り越えOURSは一回り大きくかつ安定した事務所になったように思います。開業の場合小さな仕事でも受託が決まったときはとても嬉しいのですが実際に仕事がスタートすれば軌道に乗るまではそれなりに苦労があると思います。それが大きな仕事になれば軌道に乗るまでは不安との戦いや力技や時には大胆さが必要な気がします。今年前半はそんな感じでクラスのOBのkさんの力を借りながらなんとか大きな仕事が軌道に乗ったのですが、その間にはいろいろな意味でかなり痛みを伴ったのも事実です。しかしそれも秋になり完全に軌道に乗り、今は来年に向けてさらに業務を拡大するというところまで来ました。これは長年働いてくれているスタッフと春から秋にかけてOURSに入社していきなり色々な仕事を担当させられた新人も含めたOURS全体で何とか乗り切った結果だと思います。過渡期という言葉が当たっていたのだと思いますが、年の後半は以前の事務所の雰囲気が戻りホッとしました。この調子で、さらに勢いのある、しかし安定感のある組織ができていけばよいなあと思います。

大きな仕事を受託する際、多少傷を負っても仕方がないという覚悟で行かなければダメだろうと考えていたのですが、時に本当に心が折れそうになることもあり、しかし新人の若さ・勢いに元気づけられ勇気づけられたことがとてもありました。次世代を担う社労士のためにも何とかOURSのような規模の事務所でも大きな仕事が受託ができるのだという結果を出したい、また次に引き継ぐときに恥ずかしくないきちんと利益の出る事務所にしておきたいという思いが私の支えでした。やはり組織というのはいろいろな世代がいることは大切だと実感しました。

支部は支部長になってから2年目で、だいぶ自分のイメージが形になってきました。渋谷くみん祭への参加や、労働条件審査への拡大を視野に入れた渋谷区公契約条例の労働報酬審議会の委員への就任、業務情報交換会や女子会を開催することによりこれまで参加のなかった会員に支部事業に参加してもらうことなど、色々な面でかなりの成果があったような気がします。また東京会の野球でも今年は渋谷支部は優勝しましたから、12月の役員会の後の忘年会は本当に盛り上がりすごい大騒ぎになりました。楽しかったです。正直秋はむちゃくちゃ忙しかったですが。11月に行われた選挙でもう1期支部長を務めさせて頂くことになり、もう1歩やってみたい事業の実現を図っていくつもりです。何かというと「社労士にしかわからない労働社会保険関係の業務の不具合等に関する行政への要望」です。支部事業としてどのような形で進めていくか今イメージを固めているところです。渋谷支部の役員会は組織としてはある意味完成されており、副支部長をリーダーとした各委員会がとても機能的に事業を運営していく形ができていることには感動を覚えるくらいです。その財産を預からせて頂くことに感謝し、大切にしながら来年も頑張ります。

 ここのところ事務所の業務と支部に忙しく、BBクラブのメンバーとの交流が以前より少なくなってしまったようで気になっています。年に2回の勉強会、有志でのバーベキュー以外にも何かできるとよいなあと思うのです。私が忙しすぎるのがいけませんね。幹事で今度知恵を出し合ってみます。たとえ細くなっても「長く続いていく」ことが私の一番の希望です。困ったことなど何かあったら遠慮なくいつでも会いに来て欲しいです。

今年も低いながらも山は2つ登ることができましたし、元気に過ごすことができました。また思い起こせば色々と楽しいことが多く良い1年であったと思います。はじめて事務所に入社してくれた金近さんが始めて以来、毎年私のお誕生日にはスタッフ全員でケーキを買ってきてくれてプレゼントをしてくれます。今年は秋に入社した新人のTさんが選んでくれたというかわいいブレスレットをもらいました。厳しい時期を乗り越えての1年だっただけにとてもプレゼントが嬉しく感じました。来年もOURS一同、皆で頑張ります。良いお年をお迎え下さい。


未支給年金範囲拡大について

2012-12-16 12:22:04 | 年金

OURSでは毎週金曜日に事務所内で情報共有のため8時半からミーティングしています。

その中で、未支給年金について「嫁」も受けられることになったというテーマが出ました。渋谷支部の年金に強い佐藤先生の年金塾で話題になったとのことです。この改正は以前にも取り上げた年金機能強化法(公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律)にあります。

今回の改正で、「未支給年金の請求範囲を、生計を同じくする3親等以内の親族に拡大」ということでこれまでと比べかなり範囲が拡大することになります。

そもそも未支給年金とは、「年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。」というものです。(国民年金法19条)。

年金については死亡した日の属する月まで支給されますが、年金の支給月は偶数月です。例えば11月に亡くなった場合10月分と11月分は12月に支払われる予定だったためその分が未支給となります。また12月に亡くなった場合でも11月分は12月分に支払われる予定でしたからその部分が未支給となります。どんな場合でも未支給年金は発生することになると言えます。

未支給年金の請求範囲は「その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの」が前提で、以下となります。

現在 →配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹

改正後→3親等以内の親族=上記のほか子の配偶者、甥姪、叔父叔母、曾祖父母、曾孫、孫、曾孫又は甥姪その配偶者

この改正は、全国都市国民年金協議会の平成22年7月28日付日本年金機構理事長あて要望により検討されたようです。「年金受給者の死亡による未支給年金を請求できる遺族の範囲は、国民年金法第19 条で規定されているが、配偶者や同居の子どもが先に死亡した場合、子の妻(嫁)は面倒を見ていたにも関わらず養子縁組をしていなければ請求できる遺族となりません。よって、請求者の範囲を同一生計であった親族へ拡大されるよう要望します。」とあります。

そもそもどの世帯も家族も少なくなり未支給年金の範囲を拡大する必要もあったのだと思います。モレのないように請求するようにしなければなりません。

http://www.nenkin.go.jp/n/www/sic/pdf/news_02.pdf#search='%E6%9C%AA%E6%94%AF%E7%B5%A6%E7%B5%A6%E4%BB%98%E3%80%81%E5%B9%B4%E9%87%91%E3%80%81%E6%94%B9%E6%AD%A3'

選挙大変な結果になりました。自民党には頑張ってもらって、しっかりとした政権運営を期待しております。

おととい、今年合格とご連絡を頂いたクラスの受講生のお祝い会を昨年の合格者が開いてくれました。TACの講師を辞めてから3年以上が経ちましたが、いまだ合格者をみんなでお祝いしようという気持ちが続いていることに本当にうれしく感謝の気持ちでいっぱいです。そういうことがとても大切なことではないかと思っています。ありがとうございます!


労務管理のご相談から思う

2012-12-09 22:47:42 | 労務管理

社会保険労務士を開業して、当初は手続きや就業規則の作成を中心に行っていましたが、今は手続きとその周辺の相談業務はスタッフに担当してもらい、10年前くらいからは労務管理のご相談が私の仕事のメインです。労務管理を行う上で法律、通達や指針に抵触していないかどうかというご質問が多いのですが、例えば懲戒処分をしてもよいか、雇い止めにすることは問題がないか、解雇にできないかという案件もあります。その場合法律だけではなく過去の判決など念頭に置きながらご相談に乗るわけです。しかしそういった法律や判決などを調べる前に管理者側としてやるべきことをやっているかということが非常に気になるところです。

解雇の場合には解雇に至るまでに上司からの指導や、ケースによっては懲戒処分が複数回なされているなど会社側からも解雇を回避すべく手を尽くしていたという状況が万が一裁判になったときに負けないためには必要です。従ってそれらを記録しておいてください、ということは良く会社にもお伝えすることです。しかし解雇まで行かない場合であっても「会社側の管理がどのようになされていたか」ということが非常に大切だと最近特に思います。

例えば懲戒しようとしている時に「過去に1回も指導をしてない」とか、部下がきちんと自分の担当業務を遂行しないと訴える会社と管理職がお話を聞いていくと「いつも在籍しているフロアが違うので管理できない」と言われたりします。そういうお話を聞くにつけ、まずは会社や上司が、きちんと勤怠、勤務態度、仕事内容、仕事上の問題点を把握することが大前提と感じます。まずは労務管理をする側がきちんと、部下の様子を見て、役割を明確にしてあげて、できていないところは指導をするということができていなければ、懲戒処分や退職勧奨などもできないとつくづく思います。

話は変わりますが不正競争防止法という法律において平成15年に営業秘密の刑事的保護の強化が図られることになりました。併せて示されている「営業秘密管理指針」で、「営業秘密を適切に管理することは、不正競争防止法による営業秘密保護のための要件である秘密管理性の重要な要素となるため、営業秘密としての法的保護を受けるための前提条件である。また、いかに重要な情報であったとしても、その情報が秘密として適切に管理されていなければ、営業秘密としての法的保護を受けることはできない。」とされています。要するにまずは何が営業秘密で何が営業秘密でないのかということを明確にしておかなければ、営業秘密だと知らなかったということでそれを公にされても、法律違反だというわけにはいかないということです。確かにそうだなあと、目からウロコだったことがあります。

労務管理上管理者側があまりに何もしていない状況の場合になんとなくこの「秘密の管理」を思い出してしまうのです。まずは管理側からきちんとした対応をしておくことが労務管理の第1歩と思います。

今のところ少し疲れ気味ですが順調に業務をこなしつつ、今週末は年末年始の準備をこなしました。日々忙しいですが、OURSで、また社労士としてたくさんのやりがいのある業務ができることについてとても有難いと感じています。頑張ります。


有期契約労働者に対する高年齢雇用確保措置

2012-12-02 23:48:52 | 法改正

 とうとう12月に入ってしまいました。

労働契約法と高年法と派遣法の改正について、研修会等に色々と出て年末年始に実務対応を中心にじっくりと考えてみたいと思います。しかし既に顧問先企業は検討を開始しているところもあり、ご質問の回答を考えながら勉強しているという感じです。

今回労働契約法の改正に伴い、契約社員の就業規則と雇用契約書を見直している顧問先企業があり、それを拝見しながら3年限定の契約社員については高年齢雇用確保措置を講じる必要があるのかという疑問がわいてきました。確か平成18年の改正の際のQ&Aで、「契約期間の定めのある場合」ということで示されていたはずと考え調べてみました。確かに平成18年の改正Q&Aにおいても、また今回平成25年4月の改正向けQ&Aでも同じ内容が示されていました。

Q1-11: 有期契約労働者に関して、就業規則等に一定の年齢(60歳)に達した日以後は契約の更新をしない旨の定めをしている事業主は、有期契約労働者を対象とした継続雇用制度の導入等を行わなければ、高年齢者雇用安定法第9条違反となるのですか。

A1-11: 高年齢者雇用安定法第9条は、主として期間の定めのない労働者に対する継続雇用制度の導入等を求めているため、有期労働契約のように、本来、年齢とは関係なく、一定の期間の経過により契約終了となるものは、別の問題であると考えられます。ただし、有期契約労働者に関して、就業規則等に一定の年齢に達した日以後は契約の更新をしない旨の定めをしている場合は、有期労働契約であっても反復継続して契約を更新することが前提となっていることが多いと考えられ、反復継続して契約の更新がなされているときには、期間の定めのない雇用とみなされることがあります。これにより、定年の定めをしているものと解されることがあり、その場合には、65歳を下回る年齢に達した日以後は契約しない旨の定めは、高年齢者雇用安定法第9条違反であると解されます。
したがって、有期契約労働者に対する雇い止めの年齢についても、高年齢者雇用安定法第9条の趣旨を踏まえ、段階的に引き上げていくことなど、高年齢者雇用確保措置を講じていくことが望ましいと考えられます。

上記を読む限り、有期契約期間が3年上限と定め、期間の定めのない雇用とみなされない雇用管理をしていく限りは高年齢雇用確保措置の導入はしなくてもよいとも考えられます。その場合は逆に雇用上限年齢を決めている場合はかえって期間の定めのない雇用とみなされてしまいそうな気がしてしまいました。この際3年限定の契約社員の場合は雇用上限年齢は設定しない方が良いかもしれないと思いました。しかし、改正労働契約法で平成25年4月以降は契約が5年を超えると無期に転換できることになりますから、通常はやはり雇用上限年齢を設定し高年齢雇用確保措置を導入しておく方が良いのではないかと考えます。今のところスッキリしていません。労働契約法との絡みで余計難しいです。

今週は大阪に、来週は広島と滋賀に出張する予定です。その上11月は支部行事が目白押しでギリギリのところで業務をこなしていた感じですが、今週末で少し見えてきた感じです。業務が最近以前よりまた変化してきており、アウトソーシングの新たなスキームでの挑戦や、弁護士さんとの打ち合わせで考え方を学んだり、その上改正法のことに頭をめぐらし頭がフル回転状態です。少し風邪気味でしたがなんだか吹っ飛んで行ってしまった感じです。頭がちゃんとついていけるようにもうずいぶん愛飲しているサントリーのサプリメントのプロポリスに加えてオメガエイド(DHAが入っています)を1か月前に飲み始めました。なんだか良いような気がします。効き目がありますように。