OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

被扶養者の認定、例外にかかる確認書類について(令和2年4月1日から)

2019-12-23 01:30:38 | 労働基準法
令和2年4月1日から、被用者保険の被扶養者等の要件について、国内に居住していること等が追加されることは比較的周知されているかと思います。この扱いには例外もあり、概要は以下の通りとされています。
 
健康保険の被扶養者の認定において、被扶養者の要件に日本に住所を有する者であることを追加されるとともに、留学生その他の日本に住所を有しないもののうち、日本に生活の基礎があると認められるものについては、 例外的に要件を満たすこととされます。留学生の他例外的に認められるのは、海外赴任に同行する家族など、日本から海外への渡航理由に照らし、これまで日本で生活しており、今後再び日本で生活する蓋然性の高い者等とされ、いわゆる「医療滞在ビザ」等で来日して国内に居住する者を被扶養者の対象から除外されることになります。

この改正に対して被扶養者の認定において、例外的に認められる際に必要な書類が協会けんぽのHPに掲載されています。施行日(令和2年4月1日)以降は、日本年金機構における被扶養者認定の際に、国内居住要件を満たしていることを確認し、認定後は保険者が協会けんぽの場合については、協会が毎年実施する被扶養者再確認等により確認する、とされています。
 
①外国において留学をする学生・・・査証、学生証、在学証明書、入学証明書等の写し
②外国に赴任する被保険者に同行する者・・・査証、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書等の写し
③観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者・・・査証、ボランティア派遣機関の証明、ボランティアの参加同意書等の写し
④被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者・・・出生や婚姻等を証明する書類等の写し
⑤①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者
・・・厚労省保険局に相談しつつ個別に判断
 
国内居住要件の新設にかかる被扶養者の認定(表になっていますので見やすいと思います)
 
いよいよ今年も残り少なくなりました。お正月明けには修士論文の提出があるので、この年末年始はほぼ最後まで書き上げた論文精査をすることになりますが、さて順調にこのまま大学院を修了してしまうと来年は何をするか、少し手持無沙汰な感じがしています。大学院での勉強は本当に楽しく、まだまだ勉強を継続したい気持ちが強いですが、英語を始めとした語学はからきし苦手で、博士課程は外国との比較法が必要ということなので流石にハードルが高すぎ、次の1手が見つからない感じです。この1年間は大学院の勉強だけでなく、国内・海外の出張も多く充実していました。来年も新たなことにできれば取り組んでいきたいと考えています。
ということで来週29日はブログも年末年始のお休みを頂きたいと思います。次回は2020年1月5日になります。
今年1年ブログを読んで頂いて有難うございました。ちょっと寒くなりましたので年末年始風邪などひかれないよう、良いお年をお迎えください。

全世代型社会保障検討会議

2019-12-15 21:37:50 | 雑感
先日ニュースを見ていたところ、今年の漢字に安倍総理が物事が始まる「始」という漢字を選んだということを伝えていました。その理由については、安倍政権が推し進めた①働き方改革関連法が今年施行されたほか、②幼児教育の無償化が開始され、③全世代型社会保障の議論が始まったこと、などを挙げたということです。
本当にここ1年半ほどは「働き方改革」一色だったと思います。時間外労働の制限や年休の5日取得義務から同一労働同一賃金まで、企業は熱心に取り組まれてきたと思います。大企業は春まではまだしっかり対応を検討されることと思います。まだ浸透していない企業であっても必ずこの流れに乗っていくだろうという予感がします。しかし次はというと、この中で③の全世代型社会保障の議論の始まりりかなという気がします(というより非常に個人的に興味があります)。
 
全世代型社会保障の取り組みは必須です。昭和30年代から40年代にかけて形が整った各社会保障制度の再編は必須であり、確かに将来世代に対する社会保障のデザインをここでできるのであれば、せっかく社会保障を勉強したこともあり、社労士としてもしっかりした意見を持っておきたいところだなと思います。

全世代型社会保障については、2019.11.25の産経新聞に分かりやすい記事が載っています。
社会保障制度改革の司令塔となる「全世代型社会保障検討会議」をめぐり、政府が12月中旬にまとめる中間報告に医療改革の方向性も盛り込む方向で検討していることがわかった。
当初は年金や雇用などの課題に先に取り組み、医療は来年から本格的に議論する予定だったが、「社保改革の全体像を示すために医療改革は不可避」(政府関係者)と判断し、前倒しする。
安倍晋三首相は9月20日の初会合で「少子高齢化と人生100年時代を見据え、年金、医療、介護、労働にわたる持続可能な改革を検討する」と表明。
これまで、高齢者の就業機会の確保や公的年金の受給開始時期の上限年齢引き上げ、パートなど短時間労働者への厚生年金の適用拡大などを議論してきた。
政府は中間報告を踏まえ、来年の通常国会に年金や介護の制度改革関連法案を提出する予定だ。
一方、医療は年末の中間報告に方向性を盛り込まない方針だった。
だが、75歳以上の後期高齢者が団塊世代の影響で増える令和4年から医療費の急激な膨張が予想され、給付と負担の見直しは急務となっている。
26日以降、年内に複数開く会議では、医療機関での後期高齢者の窓口負担の引き上げや、外来受診時に一定額を上乗せする受診時定額負担の導入などを議論し、改革の方向性を中間報告で示す。
当初は、医療制度改革の方向性を来年夏に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」に盛り込み、医療制度改革関連法案を3年の通常国会に提出する予定だった。
ただ、会議の結論次第では、医療分野の給付と負担の見直しを前倒しし、来年の通常国会に年金などと一体化して法案を提出することも検討する。
 
全世代型社会保障検討会議=少子高齢化と同時にライフスタイルが多様となる中で、誰もが安心できる社会保障制度に関わる検討を行うための検討会議
 
社会保障をここ2年間勉強してきて、年金、医療、介護、福祉、成年後見などこれまで社労士としてかかわってきた実務や勉強より一層広い範囲の社会保障の一端に触れることができました。ゼミなどの授業を受ける中で気づきは本当に多く、研究をしたいテーマが次々に出現し、ずっと大学院生として指導を受けていたいのですが、そうもいかないので、今後は仕事をしながら自分でテーマを絞り追求していくしかありません。そんな中で全世代型社会保障検討会議は、常にその行方を追っていきたいと考えています。
 
今年は本当に出張が多い1年でした。海外出張では、世界社労士連盟が結成された場面を見ることができて感動しました。国内の出張では、それぞれの地方の状況を実際にみることができて、それぞれの地方ごとに美味しい食事があり、温かい雰囲気に触れることができました。今後人口が減っていく中でどのように地方を活性化させられるか、一つの重要なテーマだと感じました。
働き方改革の中で、テレワークはどちらかという都心部のオフィスに行かず自宅やサテライトオフィスで働く、というイメージがあるのですが、地方に住みながら都心のオフィス通わず働く、ということも定着できるようになると良いのではとイメージしています。

高年齢雇用継続給付の見直しについて

2019-12-09 00:14:02 | 労働保険
高年齢雇用継続給付の見直しが労働政策審議会雇用保険部会で検討され、2025年度から段階的に廃止する改正法案が来年の通常国会に厚生労働省から提出されることになりました。以下、12/6 日本経済新聞電子版より抜粋です。

厚生労働省は、賃金が現役時代に比べて大幅に下がった60~64歳の高齢者を対象に支払う高年齢雇用継続給付金を見直す。65歳までの継続雇用が2025年度から完全義務化されるのに合わせ、25年度から段階的に廃止する。
25年度に60歳になる人から段階的に給付額を減らし、30年度をメドに廃止する。
25年度には、希望者全員を65歳まで雇用する高年齢者雇用安定法が企業に全面適用される。そのため、同給付を25年度以降も維持する必要性は薄いと判断した。(12/6 付日本経済新聞)
 
そもそも平成6年の高年齢者雇用安定法の改正による60歳以上の定年年齢義務化(平成10年施行)にあわせて平成6年に創設された高年齢雇用継続給付は、平成19年までの措置とされていたところを、平成24年まで延長され、さらに平成25年度以降についても、高年齢雇用継続給付は高年齢者の雇用促進に重要な役割を果たしているという現状を踏まえ、当面の間は存知することとし、今後の高齢者雇用の動向を注視しつつその在り方について改めて再検証すべきと平成24年1月に雇用保険部会報告書で示され、ここまで来たものです。
 
経団連は、「雇用保険制度見直しに関する提言」を9月 17 日 に発表しており、「定年後再雇用者をめぐっては、同一労働同一賃金に関する法改正に対応するため、基本給や賞与、諸手当等の個別待遇ごとに、公正処遇の確保が要請されている。こうした状況に鑑みると、高年齢雇用継続給付の見直し議論は避けられない。仮に高年齢雇用継続給付の見直しを行うにしても、受給者への十分な配慮とともに、企業における人事賃金制度見直しの動向とあわせて考えることが不可欠であり、十分な経過措置を講じるべきである。」としています。
 
統計(厚生労働省「雇用保険事業年報」)を見てみると、支給延べ人数はそれほど多く変わっているわけではないようですが、初回受給者数は2009年から比較して2017年まで下降傾向を示しておりベビーブーマーがほぼ70歳以上となった今、5年後からの5年間でかなり支給延べ人数は減っていくと思われます。2030年に完全廃止ということであればそのころは70歳まで当然働く世の中になっており、抵抗がないかもしれません。ただ、今後60歳以上の賃金制度の見直しはする必要が出てきました。
 
金曜日は顧問先様向けセミナーということで、同一労働同一賃金の対応についてお話しさせて頂きました。各企業が検討される際に、事前に説明させて頂きたいことが沢山あったのですが、自分の中で、派遣の同一労働同一賃金まで説明できるほどにこなれるには時間がかかり、12月になってしまいました。少し遅くなりましたが、やっと説明できてホッとしました。あとは各企業で検討された内容についてフォローのご相談に乗らせて頂ければ、大企業は来春までには間に合うかなと思います。

年休5日取得義務 特別休暇の扱いについて

2019-12-01 22:19:23 | 労働基準法
今年の春の改正で、年次有給休暇の5日取得義務と使用者の時季指定の規定が労基法創設されました。
4月から3月の1年間で5日取得しているか、していないようであれば社員と話し合い取得する日を使用者が指定することができるということで、改正直前とても話題になっていました。
そろそろ6か月が過ぎ、一度社員がどの程度年休を取得しているか確認してみる必要があると思います。
というのも年度末になって皆慌てて取得するということになると、会社に誰もいなくなってしまうという事態も起きかねず、今から分散して取得してもらうことが必要と考えます。
 
ところで、改正前からお問い合わせの多かったのが自社独自の法を上回る場合の特別休暇の扱いです。
特別休暇の方を年休より先に取得する人が多いので、そちらを取得することで5日の年休として充当できないか、ということでした。
 
特別休暇より年休を5日だけは優先して取得して欲しいということをアナウンスしてもらうということをアドバイスしていましたが、
特別休暇を年次有給休暇として取得したものと扱うことができるケースがあります。
原則は充当できないのですが、充当が可能な場合のポイントは、
特別休暇のうち、「時効により失効した積立年休等年休の上乗せ等で、取得の事由及び時季を限定せず、法定の年休に上乗せするもの」であることです。
 
Q&Aに以下のようにのっています
(Q)事業場が独自に設けている法定の年次有給休暇と異なる特別休暇を労働者が取得した日数分については、使用者が時季指定すべき年5日の年 次有給休暇から控除することはできますか。
(A)法定の年次有給休暇とは別に設けられた特別休暇(たとえば、法第 115 条の時効が経過した後においても、取得の事由及び時季を限定せず、法定の年次有給休暇を引き続き取得可能としている場合のように、法定の 年次有給休暇日数を上乗せするものとして付与されるものを除きます。 以下同じ。)を取得した日数分については、使用者が時季指定すべき年5日の年次有給休暇から控除することはできません。

なお、法定の年次有給休暇とは別に設けられた特別休暇について、今回の改正を契機に廃止し、年次有給休暇に振り替えることは法改正の趣旨に沿わないものとされ、労働者に不利益であれば益変更法理に照らして合理的なものである必要があります、とされています。
 
以下の改正労働基準法に関するQ&Aの3-12をご確認頂くと良いと思います。
 
先週は新潟に日帰りで出張してきました。新潟に行く際あこがれていたグランクラスに乗ってみました。ゆったりとしたすわり心地に、おー!という感じで感激したのですが、あっという間に眠り込んでしまい、目が覚めたらあと少しで到着という感じであまり味わうことができなかったのが後悔です。新潟県会の会員の方達は、その2週間前にやはり出張した愛媛県会の方たちと同様暖かく笑顔で迎えて頂きました。また、このブログをいつも読んで頂いていると会場で言って頂き嬉しかったです。
毎週末10年以上続けてきて思いがけず読者が増えてきて有難いと思っています。
 
いよいよ今度の水曜日は修士論文の最終報告があり概要報告書を週末に提出する必要があります。
おおむね完成して、結論も何とか納得がいくところまで持ってこれたので、あとは修論報告際の先生のアドバイスを反映した上で、細かく精査して年末までに完成させたいと思っています。
2年間はあっという間でしたが、実務や教材作成では学べないことを沢山学ぶことができて、
大学院に思い切って入り勉強して本当に良かったと思っています。
まだまだ卒業まで気を抜けないですが頑張ります。