残業代を支払っていなかったなどという意図的な賃金の未払いだけではなく、例えば割増賃金の単価を低く計算してしまっていたとか、システムの導入時に時間単価の算定基礎に含むべき手当を含まず設計してしまっていたなど、未払い賃金は思いがけず発生する場合があります。2020年4月1日改正民法の施行を受けて、労働基準法でそれまで2年で時効消滅とされていた賃金債権の時効消滅が5年とされるも、経過措置で当分の間3年間とされたことは、比較的知られているところだと思います。
https://www.mhlw.go.jp/content/000591650.pdf
しかしながら、遅延利息についてはノーマークでつい最近になり調べる機会があり勉強しました。未払い賃金(退職金を除く)を精算する場合の遅延利息は、改正前後で以下の通りとなります。
【在職中】
(改正前)
営利法人の場合 6%(商法)
非営利法人の場合 5%(民法) ※非営利法人とは NPO法人、一般財団法人、社会福祉法人等
↓
(改正後)
営利法人・非営利法人 3%(労基法)
【退職後】
営利企業・営利企業以外にかかわらず 14.6%(賃確法)・・・変更なし
なお、改正前と後の遅延利息のどちらを適用するかについては、民法第404条1項に「利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。」と定められています。従って、利息が生じた最初の時点を基準に考えることになります。
つまり、2020年3月31日までの支払日の賃金分は5%又は6%、2020年4月1日以降の支払日の賃金分は3%の遅延利息が発生するということになります。
緊急事態宣言が再延長ということでしばらくまた外出は最小限ということになりましたが、昨日は不要不急の用事で外出しました。かなり歩いたので近くの時々仕事関係で訪れたホテルに立ち寄りジンジャーエールを飲んだのですが、お客様は他に1人しかおらず、ランチとディナーのちょうど合間の時間帯であるとしてもあまりに寂しい状況でした。厳しい状況にある業種は本当に心配で、早くワクチンがいきわたり元の生活に戻れる日を願っています。