OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

産前産後休業期間中の保険料免除について

2014-01-26 22:33:10 | 社会保険

4月から産前産後の休業期間について健康保険料、厚生年金保険料の免除が開始されます。まだ施行規則は出ていませんが以下のリーフレットが出ています。

http://www.nenkin.go.jp/n/data/service/000001674194EWe5gfHi.pdf#search='%E7%94%A3%E5%89%8D%E7%94%A3%E5%BE%8C%E3%80%81%E4%BC%91%E6%A5%AD%E6%9C%9F%E9%96%93%E3%80%81%E4%BF%9D%E9%99%BA%E6%96%99%E5%85%8D%E9%99%A4'

①産前産後休業期間の免除の開始について

保険料免除は平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了になる方が対象とあり、これは「産後休業期間の終了する日の属する月の前月まで免除」という考えに基づくもので、

4月29日に産後休業期間が終了→4月30日の属する月の前月である3月まで…ということになるとまだ免除規定施行前ということで産前産後の免除されず

4月30日に産後休業期間が終了→5月1日の属する月の前月である4月まで免除…ということで4月の1カ月が産前産後の免除になる  

②その他留意点

1)「産前産後休業取得者申出書」は、産前産後休業期間中に申し出なければなりません。育児休業と同じで、遡りは可能ですが、産前産後休業期間の免除については産前産後休業期間中に申し出る必要があり、育児休業期間の免除については育児休業期間中に申し出なければ免除を受けることはできませんので注意が必要です。

2)産前産後休業終了時改定として、産前産後休業終了後に報酬が下がった場合は、産前産後休業終了後の3か月の報酬額をもとに、新しい標準報酬月額を決定、翌月改定ができます。ただし、産後休業に引き続き育児休業を開始した場合は提出ができません。その場合育児休業が終了してから育児休業終了時改定を受けることになります。

3)問題は出産日が確定している育児休業と異なり、出産日が動く可能性が大である産前休業期間の免除です。予定日をもとに「産前産後休業取得者申出書」を提出して免除開始と考えていても、出産日が予定日より前になると免除の期間も前倒しになりその前倒し期間まだ休業していなければ免除月が暦によっては1カ月少なくなってしまうということがありそうです。

リーフレットを見て思うのですが、出産日が予定日より前後にずれた場合出産後に「産前産後休業取得者変更(終了)届」を提出することになり、多分その可能性は非常に高いので人事担当者の手間は増えてしまいます。

また、出産日が確定した出産後に「産前産後休業期間申出書」を提出した場合は「産前産後休業取得者変更(終了)届」の提出は原則として必要がないとのことですが、この場合でも保険料の徴収について現場は細かな対応を迫られそうです。

土曜日は今年度2回目の小学校年金授業でした。今回初めての学校で、支部の担当役員のお子さんが通学しているため実現の運びとなりました。1時限目、2時限目共に子供たちは真剣に講師の話に耳を傾けていました。実は何度か模擬授業をしておくのですが、「年金は何歳まで受けられると思う?」「80歳!」「100歳!」など生徒役の我々が答えてみたりしていました(実際これまではそんな答えが実際返ってきていました)。ところが2クラスとも「一生涯!」という答えで「アレ?わかってるのかなあ」という感じでした。

一番驚いたのは年金保険料の当初と現在を比較してみるクイズで、講師役が「モノの値段は昭和の年金が開始した時代は今と比べてどうだったと思う?」と聞いたら「高かった!」という答えでした。あとからお疲れのお茶をして話したところ今の40歳くらいだとモノの値段がそんなに安かったという感覚がないとのこと。ああ日本の高度経済成長期ではなく、ものごごろついた時にバブルで今はそれよりモノが安いということでしょうかしらね。この感覚の違いは、やはりいろいろなものの考え方に影響があるであろうとしみじみ感じたのでした。

それにしても小学校5年生の、20歳になったら保険料を払おうと思いますなどアンケートに書かれた内容に、小学校の年金授業の重要性をとても感じ、思うところの多い1日でした。


2020年までに指導的地位の女性割合30%

2014-01-19 23:49:18 | 労務管理

菅官房長官は昨年11月29日の記者会見で、中央省庁が2015年度に採用する国家公務員の女性割合を30%以上にする政府目標の達成をめざす考えを示しています。


政府が打ち出しているのは、社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位の女性割合を30%にという目標です。指導的地位というのは民間企業(法人や団体)で課長職以上ということです。昨今企業のグローバル化が注目されていましたが、昨年の春以降は政府の要請も受けて、女性の登用が企業の1つ大きな課題になっているようです。


企業に女性の積極登用を迫るのは政府ばかりでなく、東京証券取引所などと内閣府が2014年春に「コーポレートガバナンス報告書」の中で女性登用の実態を開示するように要請しました。「コーポレートガバナンス報告書」は上場企業に義務づけられた年次報告書であり、投資家にとって重要な判断材料になります。
すでに欧米の先進諸国では、企業の女性取締役の数や女性登用施策の内容が、投資や信用取引の対象を決定する際の重要な判断材料の1つと見なされています。「女性を活用する企業に投資するとリターンが高い」という投資家もいます。米国の調査では、女性役員が3人以上いる企業は、いない企業より売上高利益率などの経営指標が良い傾向があったため、海外では女性の活用状況を判断基準に加える投資家も増えているということです。


平成25年4月18日付の「報告書」記載要領の改訂を受けて、同報告書に役員への女性の登用状況や女性の活躍の方針・取組等を記載している企業が増えつつあります。具体的には 「取締役会や監査役会などの法定の組織のほか、経営諮問委員会、アドバイザリーボードなどの名称により設置された各種の諮問委員会や、経営会議、執行役員会、常務会等について、男女別の構成などを記載すること、ステークホルダーの立場の尊重に係る取組み状況の補足説明については、役員への女性の登用に関する現状を記載すること」が考えられるとしています。


http://www.gender.go.jp/policy/mieruka/pdf/topic_20130531.pdf


30%はかなり頑張らないとならない数字のように感じます。色々な会合で女性の少なさを実感することたびたびです。なかなか登用しようとしても該当者が少ないというのも悩みなのだろうと推察します。いきなり抜擢というのは難しいでしょうから。昨日の日経朝刊のホワイトハウスは3人の女性が取り仕切っているという記事は面白かったです。元気が出ました。


特に強く誰もが能力の高さを認める人だけではなく、ある程度普通に一定割合の女性が上に上がっていくという状況にならないと違和感が出るように思いますが、過渡期は数値目標も必要なのだろうという気がします。そうしているうちにこれまでとは異なった状況が生まれてくるのかもしれません。


昨日はBBクラブの勉強会でした。島中先生の法改正はとても新鮮で受講して楽しく、また今回初の試みで人事担当者の二人に自社の労務管理の特徴や取り組みを話してもらい、その上でパネルディスカッションをしたのですが、とても二人とも具体的にお話しいただいて、企業が今何を考え何に取り組んでいるのかがわかる有意義な内容だったと思います。いつもどのような内容にするのか企画を幹事会でたてるのですが、今後もコンスタントに会員に話をして頂こうと思いました。そんな中で会員のまた新たな交流が生まれてくるとよいなあと願っています。私としてはユウコの部屋のコーディネーター役ももう少し工夫しなければなりません(なかなかどう持っていけばよいのか難しかったです)。できれば次回は会場との双方向で行うことでさらにみんなで一体感を持って楽しめるようにもっていきたいなと思います。



36協定特別延長時間について

2014-01-13 22:23:25 | 開業記

36協定を締結する際の時間外労働の限度時間が定められていることはよく知られているところです。小企業についてはいまだ運用が危ない面もありますが、社労士にそのあたりを相談しようという企業は理解をしていただいていると思います。また特別条項付協定により特別延長時間を定めることも一般的です。要するに特別条項を定めた場合は、臨時的なものに限る特別の事情があれば1年のうち半分まで時間外労働の限度時間(例えば1箇月45時間)を超えて時間外労働させることができるとされています。

この特別延長時間の決め方なのですが、これについて限度時間は定められていません。時々顧問先企業よりどの程度まで認められるのかご質問を受けることがあります。ほとんどの企業は特別延長時間として1箇月70時間~80時間を定めていると思います。ただし、絶対に収まらないので収まらず違法になるよりはという理由から、また派遣業などの場合は派遣先で働く労働者がその時間内で収まらないことがあるという派遣先の要望から80時間を超える特別延長時間を決めるところもあります。

昨年12月20日の毎日新聞の記事に以下の判決がありました。このケースの場合は、建設業であるためそもそも36協定の限度時間の適用除外になっています(平成15年厚労告355号5条、平成11.1.29基発44号)が特別延長時間を定める場合の参考にはなると思います。

労働者の残業に関して結ぶ労使間協定が長時間労働を招いたとして、過労自殺した男性(当時24歳)の遺族が会社と国、労働組合を相手に損害賠償を求めていた裁判の判決で、東京地裁(小野洋一裁判長)は20日、会社に安全配慮義務違反があったとして2270万円の支払いを命じた。焦点だった国と労組への請求は棄却した。判決などによると、男性は石油プラント建設「新興プランテック」(横浜市)に勤務。2008年6月に月160時間、7月に210時間を超える残業をし、精神疾患を発症、同年11月に自殺した。同社と労組は国が定める過労死ライン(月80時間)を超える150時間、繁忙期には200時間まで残業を延長できるとする労使協定(通称36協定)を結んでいた。国は36協定の延長の上限を月45時間としているが、建設業務など繁忙期がある業務は除外しており、明確な上限がない。男性の母親(62)は「過労死ラインを超える残業を受け付けるのはおかしい。きちんと見直すべきだ」と話した。新興プ社は「判決を読んでいないのでコメントは差し控える」としている。

この判決の場合、月80時間超の協定を8年以上にわたって国(労基署)が放置したことについて問題があるとしながらも、国が延長時間の上限を規定しない点については事業活動を営む事業者の経済活動を不当に制約する可能性もあるということで、国が延長時間の上限を規定しない点に理解を示すとともに、同様の前提に立つ36協定を締結し、内容の改善を求めなかった労働組合の行為も違法とは認められないと原告の請求を退けた(労働新聞H26.1.13第2952号より一部抜粋)ということです。

月80時間を超える延長時間については一定の理解を示しているといえます。とはいえ恒常的な長時間労働による心身の疲労蓄積事実を認め、会社の安全配慮義務違反を認定しています。やはり月80時間を超える延長時間を定めることはできるだけ避けるべきという参考にもなろうかと思います。

スタッフのタイムシートを毎月給与計算時にチェックしている私自身の感覚からいうと、1箇月50時間程度の残業をしている場合はかなり帰りが遅くなっているだろうなと感じます。時間外労働が限度時間を超えて発生するのであれば業務の効率化を図る余地がないのかを見極め、また増員を常に見極めていくことが必要だと思います。

今週末は溜まっていたこまごました案件やこれから予定されているセミナーのレジュメを作ったりして結構よく働きました。自分自身の長時間労働は気になりませんがスタッフの残業は気になります。それにしても私自身TACの講師をしていた頃ほどは最近は働けなくなりました。日曜日に授業をしていた頃は本当に長時間労働でしたから。


2013年毎月勤労統計調査特別調査について

2014-01-05 23:18:59 | 開業記

明けましておめでとうごさいます。今年もよろしくお願いします。

昨年12月12日に厚生労働省が発表した「2013年毎月勤労統計調査特別調査」によると事業所希望1~4人の事業所における、2013年7月のきまって支給する現金給与額は、19万474円で、前年比0.8%と3年連続の増加だったそうです。また、男女別にみると、男性は25万5,403円で前年同水準、女性は13万8,714円で、前年比0.1%減だそうです。

女性はパートタイマーも含んだものであるため低くなっているのだと思いますが女性の賃金水準の低さは気になります。また、全体の平均が増加してこの額とは少ないなあと改めて思います。

2012年8月1日~2013年7月31日までの1年間における、賞与など特別に支払われた現金給与額は20万1,806円で、これも前年比5.4%です。男女別にみると、男性は28万902円で5.5%増、女性は13万7,103円で2.8%増となっています。

単純に考えてみた場合、男性の平均年収350万はいかないということです。男女平均を合計して500万を少し超えるということは、結婚しても妻がパートに出てやっとある程度の生活ができるということになるのだと思います。

7月における出勤日数は20.7日で前年より0.1日増加。男女別にみると、男性は22日、女性は19.6日と共に前年同水準。

7月における通常日1日の実労働時間は7.1時間で前年と同水準。男女別にみると、男性は7.8時間、女性は6.5時間です。働いている日数や時間数は女性の6.5時間が多少少な目ではあるものの、週休2日制の労働日数だと思います。

ちなみに調査のもとになる調査票からもわかる通り「現金給与額は税込で残業代含む」ということになっています。http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/maikin-tokubetu.pdf

元旦に母を連れて初詣に行こうと実家の地元の神社に向かったところ長蛇の列で方針変更。いつもひっそりしている小さめの神社に向かったとことそちらも長蛇の列ということであきらめて帰ってきました。その後の外出の際も3が日の人出はかなりのもののように思いましたし、景気はなかなか良いのではないでしょうか。毎月勤労統計の数字は昨年7月の数字ということですから、それからいよいよアベノミクス効果、東京オリンピック効果で景気が上向いたのかもしれません。ともあれ年末年始にやろうと思っていたことはクリアできましたし、お正月にはかなりゆっくりした気分で過ごすことができました。のんびりしてなまってしまった頭を明日からはフル回転させて頑張ります。