ここのところ話題に時々上っていた60歳以上の定年後の継続雇用対象者について、昨年春改正施行された労働契約法の「無期転換」の対象から外れるとする特例が盛り込まれた法案が国会に提出されました。無期転換の対象から外れるのは継続雇用対象者(高齢者)と高度専門的知識等を有する有期雇用労働者(高度専門労働者)の2種類とされています。
①特例の対象者
Ⅰ)「5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務」に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者
Ⅱ) 定年後に有期契約で継続雇用される高齢者
②特例の効果
特例の対象者について、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間(現行5年)を延長し、次の期間は、無期転換申込権が発生しないこととする。
①Ⅰの者: 一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限:10年)
②Ⅱの者: 定年後引き続き雇用されている期間
特例の適用に当たり、事業主は、①Ⅰの高度専門労働者について、労働者が自らの能力の維持向上を図る機会の付与等、①Ⅱの高齢者について、労働者に対する配置、職務及び職場環境に関する配慮等適切な雇用管理を実施することとされています
特例適用を受けようとする場合は、該当すれば何もする必要がないわけではなく、都道府県労働基準局、労働基準監督署に計画書を届出て認定を受ける必要があります。
この届出は、高度専門労働者に対する第1種計画と高齢者に対する第2種計画に分類されます。特に第2種計画計画を出す企業は多くあるかと思いますが、第2種計画には「第2種特定有期雇用労働者に対する配慮、職務及び職場環境に対する配慮その他の当該事業主が行う計画対象第2種特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置の内容」を記載することになっています。
改正前からかなり指摘されていた60歳以上の定年退職者が65歳以上も技術等があるなどの理由で雇用をし続けたいのだが無期転換が必要なのかという点が、この法律が通れば何とか解決することになります。60歳以上であれば長く働いて慣れている職場で働けるうちは働きたいという方は多くいるでしょうし、それを無期転換を避けるために65歳で全員雇止めではもったいない感じはしますので、この法律が国会に提出されたのは良かったと思います。
なお、まだ高度専門労働者についての条件などは示されていないようですが、年収要件1,000万円以上ということになるようです。そうなると5年で無期転換の申し込み権が発生しないということについての使いやすさというのはかなり限定された状況の場合のみという感じがします。今後どのような具体例が出てくるか楽しみです。
先週平成25年度の最後の支部事業である小学校年金授業の反省会が終わりました。これで支部長になりまる3年経ったことになります。支部長になった当初は、受講生とは違って少し距離を感じていた支部の会員や役員との雰囲気が、今はとても身近で頼もしい関係に感じるようになりました。特に役員はそれぞれの事業でとても汗をかいていただいており、それをうまくフォローしていくことができればと考えて来たつもりですが、その中で「労働条件審査」と「年金特別アドバイザーの窓口担当」という全く手掛かりが見えなかった2つの事業を平成26年度からスタートできることになったというのが大きな収穫でした。やはり仕事と同じ、種をまいて時間をかけて芽が出ると感じ、これは最初から飛ばしたつもりではありましたが2年ではできなかったと思います。平成26年度はこれらの事業の立ち上げでまた色々なことがあるかと思いますが、それらを解決して軌道に乗せることを目標にしたいと思っています。