OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

出産・育児関係の法律と手続について

2014-02-23 22:57:52 | 労働保険

今週は3月12日に行う労政時報カレッジ「これだけは押さえておきたい『育児介護の手続詳解』」のレジュメづくりをしました。

女性が妊娠・出産を経て育児さらに子が就学前までの保護規定と各種手続きは本当に色々な法律が登場し複雑です。平成22年の改正の際に労務行政さんから出版させて頂いて、その関係もあり当時たくさん改正育児休業法のセミナーをご依頼頂きました。元々新標準テキストを内校する過程で育児介護休業法の読み替え規定の多さに泣かされながらかなり把握はしていたものの、その時の執筆と講師をするための勉強が今も私の力になっていると感じます。

またある団体から一般の方からの出産・育児関係のご質問を受けていることもかなり蓄積になっています。労働基準法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法・健康保険法・雇用保険法・厚生年金保険法とさらに法律だけではなく膨大な通達と指針が定められており、それらがある程度頭に入っている状況というのはありがたいと感謝したくなります。

今回は産前産後の社会保険料の免除が新たに平成26年4月から開始されますが、それ以外にも手続きについては先週末細部まで敏感に把握する努力を惜しまないスタッフのSさんからヒアリングを受けて、レジュメに盛り込みました。出来栄えはだいぶ気に入っています。

週末2日間ほとんどかかりきりで合計46ページ、平成22年の際に作ったレジュメの改定版ではあるもののかなり頑張りました。ということで今日は力尽き短いながらこれでおしまいです。良いセミナーができるとよいのですが。

 


韓国の電子政府

2014-02-17 00:58:35 | 雑感

今週末は東京都社会保険労務士会の海外視察旅行で韓国に行ってきました。

1日目は韓国公認労務士会との意見交換ということで韓国の「公認労務士」制度の様々な取り組みや韓国の労働事情などのお話を非常に興味深く聞きました。公認労務士は現在のところ社会保険は業務範囲になっておらず、雇用保険と労災保険が独占業務になっていること、毎年合格者は250人規模であり、会員数は3,800人という規模であること(ちなみに社会保険労務士は約38,000人)で日本の社労士制度から取り入れたい部分が何点か示されました。先日の山手統括支部で武見敬三先生が講演された時の内容でも、高度成長を続けていく中でインドネシアなどは法整備とともに運用面を強化するために社会保険労務士の仕組みを作らねばならないということでしたが、日本の「社会保険労務士制度」というものがある意味輸出ということもあるわけで、今後どこまで社会保険労務士の業務の範囲というか可能性が広がるのかと考えワクワクした気持ちになりました。

2日目は東北大学を卒業され、韓国の電子投票システムの開発等をされている高教授の講義で、韓国の電子政府のお話が非常に分かりやすく面白いものでした。韓国の電子政府の日本とは異なってすぐれている点は、日本では苦手とされている部分のような気もしますが、行政と民間との双方での公開・統合・協業ということで、それを実行することで非常にシンプルな電子政府になっているということでした。まず紙を破り、紙のないことに慣れなければいけないことや、インターネットバンキングを始めとして電子申請を国民全員が電子申請という行動に移させるための仕組みなども伺い、日本の場合と比較して非常に積極的であり成功していると感じました。

高先生のお話を伺って一番強く感じたのは、日本の社会保険・雇用保険の手続の複雑さから行けばやはり電子申請には不向きと言わざるを得ず、本気で電子申請を国が進めていくつもりであればまずは手続き等の複雑さを無くして行かないといけないのだということを強く感じました。

オプショナルツアーや自由行動の時間もあり充実した二泊三日となりました。やはり色々と視野を広げて物を見ることは大切ですね。とても良い経験になりました。


労働契約法 高齢者の特例について

2014-02-09 22:36:20 | 法改正

有期労働契約の更新をして通算5年超になると、労働者の申し込みがあれば無期雇用に転換しなければならないという平成25年4月に施行された労働契約法のルールについて、5年超でも無期雇用に転換しなくてもよいという「例外」をつくる議論が厚生労働省の、労働政策審議会労働条件分科会の有期雇用特別部会で検討されているそうです。

この中で高齢者の適用除外も検討されているとのことです。「定年後の高齢者が1年ごとに契約更新をしていき5年を超えた場合は65歳以上でも無期転換しなければならない」ということは不合理ではないかというものです。確かに65歳までの高年齢者雇用確保措置については、有期契約の更新によることがほとんどであり、また有期契約であることに一定の意味があるともいえます。

60歳以上と言ってもまだまだ今の世の中皆さん若いといつも感じますが、個人差もあるようにも思います。またやりたいことが定年後一定期間過ごしてみて見つかったというような場合は、継続雇用を途中で打ち切りたいということもあるかもしれません。そういう意味では定年前の働き方とは明らかに異なるものであると思いますので、5年を超えたら無期転換を当てはめるにはいかにも杓子定規な気がします。

また、顧問先企業からはこの継続雇用の方の中でどうしてもスキルがある人に限り65歳を超えさらに数年雇用したいがどうすれば良いかというお問い合わせを受けることもあります。スキルがあるので雇用したいが65歳以上ともなると確かに健康などの面でも無期雇用にするには会社は心配があるでしょう。その場合は6か月のクーリング期間を設けて有期契約を続けるか、または2年なり3年目に雇用上限(第2定年)を設けるなど検討しなければなりません。むしろこの労働契約法の無期転換の規定により65歳で雇止めにせざるを得ない可能性が強くなると感じています。そういう意味で60歳以上は適用除外になるのは妥当だと感じます。

労働政策審議会労働条件分科会の有期雇用特別部会は以下の通りです。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000036449.html

雪かなり降りましたね。お蔭で自宅でこもって色々と仕事がはかどりました。明日は本当は舛添さんを講師にお迎えして行うはずであった山手統括支部の第9回研修会です。舛添さんが都知事に立候補という話が全くない時点でご依頼し快諾を頂いたところが急遽出馬となり、舛添さんからご紹介いただいた参議院議員の武見敬三さんに急遽講師役を引き受けて頂くことになりました。

研修会に申し込んで頂いた方たちには講師変更でご迷惑をおかけしましたが、キャンセルも一定数で止まっており有難く思っております。研修委員会でこの間様々なシミュレーションをして、連絡を取り合い飛び交ったメールの数はかなりのものとなり、やっと明日を迎える運びとなりました。研修会の途中で舛添さんがお見えになるかもしれず、まだまだ臨機応変が迫られる可能性は高いのですが、とにかくお忙しい中講師をお引き受け頂いた武見先生にとっても、申し込みを頂いた方たちに良かったと言って頂けるように頑張ります。


労災保険 業種を変更する場合

2014-02-02 21:19:26 | 労働保険

最近の世の中の動きは本当に速いと思います。社労士業務だってこの10年間の間にずいぶんと拡大してきており、当初業務の中心は手続きと考えていたものが相談業務が中心となり、さらに大きな企業の手続きになったり、またセミナー中心の仕事になったり、給与計算の依頼がどんどん来たりと、それぞれの社労士の中心業務は変化していくのが通常だと思います。年金中心に仕事をして行こうと考えていたが成年後見人の分野に進出して行こうと考え始めている社労士もいるかもしれません。

企業においても、ここまで世の中のスピードが速いとなると主たる事業が変化していくのは当然と言えます。そもそも歴史のある企業であれば労災保険の成立は30年前、40年前という場合もあると思います。その頃のその企業の主たる事業と今の事業では当然変わってきていることはあると思います。しかし年度更新時に見直しをするなどの決まりはありませんので、会社が自主的に点検していく必要があります。

今回事業再編を機に事業の種類変更をしたい、昔は確かにこの事業であったが現在はほとんど行っていない事業になっている。事業再編前までは各事業所で事務作業を行っていたがこれを機に事務作業を本社で取りまとめて行いたいと考えている、どのようにすれば良いでしょうかということでのお話がありました。労働保険の継続事業の一括を行うための要件として、「労災保険率表に掲げる事業の種類を同じくすること」というものがあります。きちんと実態に合わせている事業所ですでに事業の種類を変更の手続をしているところもあったりすると「事業の種類が同じではない」事業ができており、一括申請ができない、という状況になっていたりします。

事業の種類の変更は「労働保険名称所在地変更届」によって行います。変更前と変更後の欄に事業の種類を記入して届出ることになります。東京労働局に問い合わせたところ、証明書類は、現在主たる事業が何かわかるものということで、登記簿謄本だと明確には分からないため会社概要の記載されたリーフレットなどが良いが特にこれと決められているわけではないとのこと。メリット制も引き継げるようです(実際手続を行う際は管轄の労働基準監督署に問い合わせてください)。証明書類については、以前は売上などを見ていたように思ったのですが要件が緩やかになったような気がします。

http://hyogo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/hourei_youshikishu/roudouhoken/form_sample/b13.html

事業の変更を行うタイミングですが、確定保険料から新たな事業の保険料率での精算を行うことになるとのこと。概算保険料の計算から変更後の料率を使うことはできないそうです。例えば平成26年7月の年度更新時に事業の変更をしたい場合には、(もちろん実態に合わせてということになりますが)平成25年4月にさかのぼり名称所在地変更届を作成・届出し、それにより事業の種類の変更をしておくことで平成25年度の確定精算及び平成26年度概算保険料の計算が変更後の保険料率で可能になるということです。概ね3カ月くらい時間を要するとのことですが、今なら今年度の年度更新には間に合うとのことでした。

今週末は、2月5日のOURSセミナーの準備をしておりました。今回はすでに70人のお申し込みがあり定員に達しましたので締め切らせて頂きました。本当にありがとうございます。良い内容にしなければいけません。頑張ります。