OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

育児休業期間 10日以下の就業

2012-06-24 22:41:12 | 法改正

雇用保険則101条の11で定められている育児休業の要件の1つに、「支給単位期間において公共職業安定所長が就業をしていると認める日数が10日以下であること」という規定があります。

この部分が、4月1日から取り扱い変更ということになっています。ところがその内容を見て「アレッ?」という感じでした。従来「支給単位期間に、育児・介護休業による全日休業日が20日以上であること」が変更になり「支給単位期間に、就業していると認められる日数が10日以下であること」となっているのです。それはそもそも法律でそう決まっていたのではと思うのですが、運用は異なっていたということなのだと思います。

http://kanagawa-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/kanagawa-roudoukyoku/users/antei/2012418164546.pdf

ところでこの扱いの変更はどういう意味があるのかということなのですが、考えてみました。

支給単位期間の実日数(暦日数)が31日、30日、29日又は28日の場合には、それぞれ全日休業日が21日、20日、19日又は18日以上必要になるということです。これまで全休業日(土日など含む)が20日以上で良かったものが、31日の月には21日が必要であり、また2月は19日または18日でよいということですね。

例えば産後8週間の期間内に「パパ休暇」を取得し、その後再度の育児休業を取得した場合の支給単位期間は「パパ休暇」を取得した時から引き続いたものとして考えます。したがって再度の育児休業を取得するときには1支給単位期間の区切りをよく考える必要があります。支給単位期間が31日であれば21日全日休業するためには、原則として、その支給単位期間の少なくとも中間地点より前から再度の育児休業を開始しておかなければならないことになります。後半から開始した場合就業日が、原則的には10日を超えることになると考えられ、その場合その支給単位期間は育児休業としては認められないことになり育児休業給付金は不支給となります。

上記の場合、確かに全休業日が20日以上であることとすると支給単位期間が30日なのか31日なのかで、非常に微妙ではありますが不公平が生じることになります。男性の再度の休業の場合支給単位期間が初回の育児休業から引き続くことを知らずに申請し、10日以上就業していたということで育児休業として認められず、上記にある通り育児休業給付金が支給されないということが起こったりしているようです。そのために不公平がないようにということで改正になったのではないかと考えますが、どうなのでしょうか?

昨日は受講生のOB会であるBBクラブの勉強会でした。元労働基準監督官で社会保険労務士の北岡大介先生に改正労働者派遣法の最新動向をご講義頂き、午後は島中先生の法改正と今回は派遣法がテーマということで派遣元代表の中山和博さんと派遣先代表の山下洋介さんのパネルディスカッションを行いました。北岡先生のお話は流石に分かりやすく、労働者派遣のこれまでと現状、26業務適正化、今後の見通しなど全体像をお話しいただきました。またパネルディスカッションは時間が短くてパネラーのお二人には申し訳なかったですが、短時間で要領よくポイントを押さえた話をして頂いて初めての試みでしたので新鮮な感じもあり良かったです。みんなの勉強に取り組む姿勢は変わりなく150名の方が集まっての勉強会は本当に嬉しく、お母さんになっても子どもを預けて来てくれたり、少しお腹が出始めたり、合気道のお蔭で前より健康そうになったりとそれぞれの変化は「時」の経過を感じますが、その「時」を勉強を通じてずっと共有できることに感謝の気持ちでいっぱいです。次の勉強会で会える日までみんながそれぞれ頑張って充実した日々を過ごしていけることを願っております。


海外在住の場合の年金裁定請求

2012-06-17 23:52:15 | 年金

先日、突然事務所に電話があり、海外在住の方からいま日本に帰国しているのだが老齢年金の請求ができないかというお問い合わせを受けました。

明日日本を発つという日に事務所に来て頂いて今手元にある書類等を受領したり、特に日本で入手していただかなければならない戸籍抄本や住民票及び住民票の除票(海外に在住していることがわかるもの)、在留証明書、年金裁定請求のための委任状などのご説明をして、あとは私も初めてなので年金事務所に聞きに行ってからメールでご連絡しますとご説明しました。

年金事務所で年金額の照会をしたうえで、必要書類の確認をしたのですが、なかなかいろいろな書類を揃えなければならないことがわかりました。

まず海外で結婚した配偶者の住民票またはそれに代わるもの…同居の証明用…これは住民票がない場合日本でいう民生委員のような人の証明とのことなのですが、海外に民生委員がいるのかどうか疑問?また配偶者が加給年金額の対象として認められるには受給権発生前年の年間850万円未満の収入であるかどうかの所得証明又は非課税証明などが必要なのですが、これは英文等であれば和訳を添付する必要があるとのこと。また通帳のコピーは事務所に来られた際に預かっていたのですがこれがよく見ると銀行名がどれなのかさっぱりわからないということで、こちらも和訳付きでとのこと。さらに「年金の支払いを受ける者に関する事項」「租税条約に関する届出書」(両方とも書式あり)も和訳付きが必要とのことでした。

まだ厚生年金基金に加入している期間があるらしいとのことで、こちらを含めて裁定請求をすべて終えるまでには少し時間がかかりそうですが、知らなかったことが多くちょっと楽しみながらいい勉強ができそうです。

社会保険労務士の関係法令については、新標準テキストの制作を手伝う中で条文だけでなく通達も毎年ずいぶんと熱心に調べました。

教材制作も離れてからずいぶん時間が経ってきましたが、意外にも条文の文言やどのような通達があるかということについては忘れていない感じです。17年くらいの教材作成の経験は大きかったです。労基法はもちろん好きですが、年金2法も好きですし、雇用対策法などの労働の一般常識の各法律も好きです。

その中で、気になるのが男女雇用機会均等法です。これまたなんでというと、均等法のできた歴史的背景や均等法ができたことによる労働者の意識の変化が、世の中の男性と女性の立ち位置を変えてしまったのではというところで大きな要因になっているような気がするからです。均等法の施行により得たものと失ったもの、この先もし機会を得て何か勉強や研究する機会があればテーマはそこかもしれません。

来週の土曜日はBBクラブの勉強会です。今回もこれまでと変わらず大勢の方の出席の連絡を頂きましてありがとうございます。変わらぬ勉強に対する意欲が嬉しいです。法改正やテーマの派遣法の講義、楽しみに!BBクラブが兄貴とすれば弟分のOURSセミナーも毎回50人くらいの方がご参加いただいていますがBBクラブのように大きく育って、継続的な勉強の場になればと願い、頑張ります。


派遣先への出頭命令と立ち入り検査について

2012-06-10 19:52:29 | 法改正

  派遣先に対する出頭命令や立ち入り検査の権限を新設した内容が、改正労働者災害補償保険法において定められ改正労働者派遣法と併せて成立しました。

これは派遣労働者が働いている派遣先で労災事故が起こったとき、これまでの労災保険法では使用者である「派遣元」に対して必要な報告、文書の提出又は出頭命令ができることになっていましたが「派遣先」に対してはできないことになっていたため、そこを強化したことになります。

この出頭命令等を強化するということは、派遣元事業主と派遣労働者にとっては第三者となる派遣先に対して求償権の行使を強化するということにつながるようです。要するに、派遣労働者が被災したものである場合は、政府は派遣労働者に対して行った給付の価額の限度で、被災労働者が第三者である派遣先に対して有する損害賠償請求権を代位取得し、それに基づき第三者である派遣先に求償権を行使することができるのです。

この求償権の行使をすることを強化するということは、派遣先にも派遣労働者が労災事故に合わぬよう徹底して対策をして欲しいということでしょう。

これまで派遣労働者は派遣元で被保険者となっているということで派遣先はある意味気楽な面がありましたが、今後は派遣労働者の安全にも十分に配慮することがとても大切になってきます。

確かに派遣労働の場合派遣先で働いていて労災事故による被災をし、その状況は派遣元には正確に把握できないのも当然ということで、派遣先の役割は大きいわけです。しかし、改正派遣法もそうですが、「派遣労働者」に働いてもらうという派遣先の使用者としてある意味負担が軽減されるという利点は、どんどん薄れてくることになります。

  なお、これまでも派遣先の責任もあるということで平成22年に以下の死傷病報告の改正が行われています(平成22年4月1日施行)。

平成22年4月1日より派遣元の事業者は、派遣先の事業場の郵便番号を記入することとなりました

労働者が労働災害等により死亡又は休業したとき、事業者は所轄の労働基準監督署に労働者死傷病報告を提出しなければなりません(労働安全衛生規則第97条)。派遣労働者が派遣中に労働災害等により死亡又は休業したときは、派遣先及び派遣元の事業者が、派遣先の事業場の名称等を記入の上、所轄労働基準監督に労働者死傷病報告を提出する必要があります。派遣労働者の労災ついては、派遣元及び派遣先双方の事業者がそれぞれ所轄の労働基準監督署に労働者死傷病報告を提出する必要がありますので注意してください。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei29/pdf/01a.pdf#search='

「国会原発事故調査委員会」が昨日第2回目の報告を発表しました。これまで地震・津波・全電源喪失の中での事故とその対処などマスコミに取り上げられてきた内容などできるだけよく目を通してきたのですが、報道よりもっと正確な内容が知りたいと思いHPで報告を読んでみました。これまでマスコミで語られ的な内容とはだいぶ異なる印象で、特に第6回の委員会の内容と6月9日現時点の論点はこれまでのストーリーがあらかじめ決まっているような内容の報道に比べ新鮮に感じました。http://www.naiic.jp/

 


中小事業主の労災保険特別加入 承認日

2012-06-02 22:42:03 | 労働保険

労災保険は、本来労働者のための保険です(労働者の業務上および通勤災害に対する補償です)。

しかし、中小事業主等(代表取締役やその他の役員)で、作業の実態や業務災害等の発生状況などからみて労働基準法の適用労働者に準じて保護するにふさわしい者に対して、特別加入を認めています。

作業の実態や業務災害等の発生状況が労働者に準じて保護するにふさわしいことが必要ですが具体的には通達で定められています。

特別加入申請書の「業務の内容欄」に所定労働時間を記載して、その範囲内または労働者の時間外労働に応じて就業していることが必要なのですが、事業主の立場において本来行われる業務を行っている場合は認められないことになっています。また、通勤災害については、一般労働者の場合と同様に取り扱われます

私は、事業主としての仕事をしている時に遭遇した災害についての補償がないとしても、中小事業主の特別加入はしておく方がよいと思います。何といっても通勤災害については労働者として同様の補償があるわけですし、やはり中小事業主の場合は事業主も労働者と同じようにその事業の仕事をしていることが多いと思いますので、業務上として認定されないケースの方が少ないと思うのです…自分のことを考えると仕事中であればほぼ100%業務上と認められると思います。ちなみに特別加入はOURSが法人化した3年以上前に申請しました。

ところで特別加入の場合、都道府県労働局長の承認が必要なのですが、この承認は「申請日の翌日から起算して14日範囲内の特別加入申請者が加入を希望する日」となっています。

労働保険事務組合にその会社の労働保険の事務処理を委託(社労士を通じても可能です)していることが中小事業主の特別加入の条件になっていますが、この事務処理委託の申請を4月1日にしたとして、その日に一緒に事務組合に特別加入の申請をすると、最短でも翌日4月2日の承認になるため1日の空白ができてしまうことになります。

せっかく特別加入するのだからその1日に事故にあわないようにしてくださいね…と言って事業主さんと笑い話にしたことがありましたが、事前に事務組合に持ち込んでおけば空白はできないようにしてくれるそうです

受講生OBがスカイツリーのチケットをプレゼントしてくれましたので行って参りました。夕方早目に仕事を切り上げて5時ころ着いたのですが夜9時ころまでいろいろなスカイツリーを見ることができて堪能しました。

少し曇ったりしていたので、渋谷や品川は目の良い私にもちょっと厳しかったですが、両国や浅草や友達の住んでいる佃島までよく見えました。 事務所のみんながうらやましそうだったのでお土産にサブレーとソラマチでワンピースとジャケットまで購入してしまいました。