OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

雇用保険料率10月改正

2022-09-19 22:50:40 | 労働法

雇用保険料率が10月に改正されます。年度更新の際は年度の途中で変更になるということでだいぶ意識がありましたが、給与計算の控除についてうっかり忘れることがないように注意が必要です。雇用保険料率の段階的引き上げ、財源が枯渇している雇用保険2事業の保険料率の3/1000から3.5/1000に引き上げ、令和2年より切離された育児休業給付分の4/1000は変更なしとされた結果、令和4年度の一般の事業の雇用保険料率は、以下の通りとなっています。

令和4年4月1日~4年9月30日 9.5/1000(労働者3/1000、事業主6.5/1000内2事業分3.5/1000) 
令和4年10月1日~5年3月31日 13.5/1000(労働者5/1000,事業主8.5/1000内2事業分3.5/1000)

ころでこの雇用保険料率は、3月30日に参議院本会議において可決・成立しており、その際に労働政策審議会雇用保険部会の報告にもあった「失業等給付の国庫負担について雇用情勢等に応じて機動的な繰入を可能とする国庫繰入制度の導入」も改正内容に盛り込まれました。

国庫負担については原則1/4であるところ、 平成19年度以降、当分の間、本来の額の55%とされており、平成29年度から令和3年度末までは暫定的に本来の額の10%(1/40)とされています。この国庫負担については、本会議の事前に行われた参院厚生労働委員会の採決で付帯決議がなされた際に「雇用保険部会報告に示された新たな国庫繰入制度の運用の考え方を尊重し、雇用保険法第72条(労働政策審議会の諮問)における重要事項として労働政策審議会の意見を聴くとともに、省令等への規定について検討すること。」が記載されました。

調べたところによると今のところ令和4年5月30日に開催された「第1回 雇用保険制度研究会」では、失業等給付の国庫負担について雇用情勢等に応じて機動的な対応が可能な仕組みとして、基本手当について、雇用情勢及び雇用保険の財政状況が悪化している場合:1/4、それ以外は1/40とし、これらとは別枠で機動的に国庫からの繰入ができる新たな国庫繰入制度、育児休業給付等は原則の負担割合の10%水準(1/80)とする暫定措置を令和6年度まで継続、求職者支援制度は原則負担割合の10%水準(1/20)から当分の間55%水準へ引上げとされています。これにより急速な雇用保険料率の引き上げは回避されることになるのかもしれません。

この3連休は台風襲来ということで、小淵沢に行く予定を変更してほとんど自宅に籠り、統括支部の11月の研修会の法改正レジュメを作成していました。お蔭でかなり捗ったのですが、今の時点ではなかなか来年の春までの見通しが立たないので、少し追加が必要になりそうです。

ところで最近鯖缶と納豆を中心とした食事にして、間食はしない、できるだけお腹をからにする時間を14時間以上作るなどを心がけていたのですが、なんと人間ドックで血圧を測ったところ久しぶりに非常に良い数字になっていました。「鯖」は血液サラサラ効果があるといいますけれど本当に良いのかもしれません。


男性の育児休業取得率開示

2022-09-11 21:20:29 | 労働法

今回の育児・介護休業法は、4月、10月に続き2023年4月と3回に段階的に施行されることになっています。2023年4月の施行は、常時雇用労働者が1,000人超の企業の育児休業の取得状況の公表の義務化ということになりますが、現段階では10月施行分の対応に各社とも慌ただしいのかもしれません。ただ来年のこととのんびり構えているといざというとき慌てることのないように準備が必要です。

・育児休業等取得の公表は、男性労働者の育児休業又は育児休業だけではなく育児を目的とした休暇制度(子の看護休暇を除く)を利用した男性労働者の取得率を公表することになっています。公表は年に1回を義務としており、自社のHPや「両立支援の広場」を利用することとされています。

・公表の時期は、公表前事業年度終了後速やかに(おおむね3か月以内)に行うこととされますが、この「事業年度」とは、各事業主における会計年度をいいます。公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度」の取得率を公表するので、2023年度中の会計年度が終了した際は、直前の事業年度である2022年度の取得率を公表することになります。従って今年度、特に10月以降の男性の育児休業等取得率を公表することになるわけで、今年度も育児休業取得者だけでなく、育児目的休暇の取得者も把握しておく必要があります。

・育児目的休暇とは、目的の中に育児を目的とするものであることが明らかにされている休暇制度をいいます。例えば、以下の通り、「小学校就学の始期に達するまでの子についての育児を目的とした休暇制度」を対象とします。

・育児目的休暇とは、目的の中に育児を目的とするものであることが明らかにされている休暇制度をいいます。例えば、以下の「小学校就学の始期に達するまでの子についての育児を目的とした休暇制度」を対象とするものであることということです。
・育児目的での使用できる失効年休を積立てた休暇
・いわゆる「配偶者出産休暇」(休暇の取得が可能な日に配偶者の妊娠中、出産前が含まれていても差し支えない)
・「育児参加奨励休暇」子の入園式、卒園式等の行事や予防接種等の通院のための勤務時間中の外出を認める制度(育児・介護休業法に基づく子の看護休暇を上回る範囲に限る)

来年の春施行ということでも、上記の休暇を取得した場合今から管理しておけば慌てなくて済みますね。

昨日は3年ぶりの社労士会の支部対抗の野球大会でした。TACの講師を卒業してからは10年以上欠かさず毎年応援に行っているのですが、今年も2日間3試合、暑かったですがヒヤヒヤしながらの優勝で気持ちよく応援させてもらいました。2年前に攻守の要である4番が急逝し、今でも私は本当は信じられず、ショートにいるのではないかと何度も目を凝らして見たのですが現れず、でも今回はチーム力「しぶやのそこぢから」で優勝を報告できました。きっと今頃天国で「なんだ、僕がいなくても勝っちゃったの~」と言っているような気がします。写真を持って行きベンチで参加してもらったのですが、優勝したとき支部長がそれを高く空にかかげて報告できました。本当は一緒に優勝を喜び合いたかったなあ。

 


女性活躍推進法の「情報公表」について

2022-07-31 22:36:11 | 労働法

昨日はBBクラブの勉強会でした。ここ2年間リアルでの開催を諦め今回もウェビナーの勉強会とその後zoomの懇親会を行ったのですが、相変わらず元受講生の勉強熱は衰えず80名を超す受講でした。リアルだったら講義中も雑談しながらみんなの笑顔が見れたりするのだろうなと、モニターに向けての講義は少し寂しさもありますが、コロナの爆発している状況でも勉強会を続けていけることについては、zoomや周りで協力してくれているメンバーに感謝しなければなりません。勉強会後の懇親会も楽しかったです。コロナに負けず、継続は力なりを信じて!

昨日の勉強会で女性活躍推進法の中で「情報公表」についてお話ししたのですが、自分が整理できていなかったため少し誤って説明した部分があり、再度ブログを使って整理してみたいと思います。

まず女性活躍推進法は20(令和4)年4月に改正施行されており、「一般事業主行動計画の策定」と「情報公表」の義務の対象が301人以上から101人以上事業主に拡大されました。

その上で、5月20日に岸田首相が「新しい資本主義実現会議」の会合で、男女の賃金差の公表を義務化する方針を正式に表明、「今夏にも施行できるよう準備を進める」として、上場・非上場を問わず、301人以上を常時雇用する企業を対象にし、男性の賃金水準に対する女性の比率を開示させるとしました。そこで厚労省は女性活躍推進法の省令改正を行い、7月8日に以下「情報公表」に「男女の賃金の差異」が追加され改正施行されました

情報公表の項目は、大きく分けて以下の2項目です。
①女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績(8項目)
 +男女の賃金の差異(新設)
②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績(7項目)

労働者が301人以上の事業主は「①の8項目の内1項目」プラス「男女の賃金の差異」と「②の7項目の内1項目」が情報公表内容ということになります。

労働者が101人以上の事業主は、4月の時点で「情報公表」も義務になっており、公表項目に今回プラスされた「男女の賃金の差異」も含めた「上記合計16項目の内1項目以上」の情報公表が義務となっています。(※講義の際は、うっかり情報公表についても101人以上規模に拡大されているのを失念してしまっていました。)

公表項目の詳細は以下のリーフで確認下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000964496.pdf

なお、「男女賃金の差異」の情報公表は、施行後最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表することになっています。

また、女活法の改正とは別に、「男女間賃金の格差」など非財務情報の記載を2023年度から有価証券報告書の記載事項として義務化されることになるとのことです(秋頃詳細は示される予定)。非財務情報としては、人的資本や多様性に関する情報とされており、非財務情報を日常的に取り扱っている社労士が、一定の役割を担えるのではないかと注視しているところです。

久しぶりに大学に行ってきました。コロナ前は毎年春に開催される桜まつりでテニス部のOB総会が開かれるため、TAC時代は日曜が授業であったためいけなかったのですが、講師卒業後は毎年参加していました。3年ぶりに行った大学は木々に囲まれて緑がとても綺麗でこんなところで学生生活が送れたなんて幸せだったなあと改めて感じてしまいました。そもそも高校3年の時、受験する学校を何校か見学も兼ねて模試の受験に行ったのですが、成蹊大学に行ったときにこんな学校で大学生活を送れたらいいなあ~と感じたこと、今もよく覚えています。その時に見た記憶に近い写真を1枚。


停職と出勤停止

2022-07-18 23:55:28 | 労働法

就業規則はご依頼が多いため、日常的にリーガルチェックを中心に行っているのですが、懲戒処分の中でたまに「停職」と規定している会社があります。「停職」は公務員の懲戒処分として規定されているもので、具体的には国家公務員法第82条に懲戒処分の種類の一つとして定められています。国家公務員の懲戒処分は、「免職」「停職」「減給」「戒告」の4種類が決められており、停職については同法第83条1項の懲戒の効果として「停職の期間は、1年を超えない範囲内において、人事院規則でこれを定める。」と規定されています。また2項では「停職者は、職員としての身分を保有するが、その職務に従事しない。停職者は、第92条の規定による場合の外、停職の期間中給与を受けることができない。」と定められています。

同法第92条は何が書かれているかというと、その前のいくつかの条文に処分に対する審査請求とそれに係る調査について規定されており、調査の結果「人事院は、職員がその処分によって失った俸給の弁済を受けるように指示しなければならない。」とあります。

人事院のHPには「懲戒処分の指針について」がアップされており、その中で「標準例一覧」という懲戒処分事由と処分内容の関連性をマトリクスで示しているものがあります。これは民間企業も懲戒処分を決めるときに参考にできるかもしれません。
・標準例一覧(人事院HPより)
https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi_bessitou/12_choukai_bessitou/1202001_H12shokushoku68hyoujunrei.pdf

民間企業の場合、ずいぶん昔は「停職」も就業規則の規定に見たように思うのですが、公務員の規程を模していたのかもしれません。近年は「停職」ではなく「出勤停止」と定めていることが一般的で、その期間については10日から15日程度とあまり長すぎないものとされています。ただし、その期間については法律の定めがないので、各企業で定めることとなり、判決では6か月の休職処分は重過ぎるが3か月の限度においては懲戒権の濫用とはいえないとした例(岩手県交通事件、盛岡地一関支部平8.4.17)もあります。調べてみると短めのものを「出勤停止」、月単位の長いものとなるのであれば「懲戒休職」と区別することもあるようです。

また「停職」と同様に「出勤停止」も無給であり、処分が決まる前の業務命令での「自宅待機」は有給である必要があり、その点では明確に区分をしておかなければ二重処分になってしまい一事不再理の原則に反してしまうことになるため注意が必要です。

コロナ感染の拡大があまりに急で、戸惑っているところです。久しぶりの会食や懇親会の予定が控えており、どう対応するか悩んでしまいます。行動制限はないという点をどう判断するかですね。

ただ、コロナ後外出が劇的に減り、また食事も大人数では控える時期があったため、平日事務所で仕事をする日のランチはほとんど一人でヒカリエや事務所近くのお店で本を読みながら過ごすことが習慣化しており、その過ごし方をするようになってから各段に読書量が増えました。特に便利にしているのがkindleで、バックに本を入れると文庫本でもやはり重くなるため、スマホで読んでいます。時には本とkindle両方を購入して、家で寝る前は本を読むなどの工夫もしています。最近kindleでは連続読書記録更新中という連絡もくれました。やはり読書は楽しいです。


男女の賃金差開示義務化について

2022-07-03 23:14:28 | 労働法

2022年5月20日の日経新聞に「男女の賃金差の開示義務化 政府方針、非上場企業も対象」の記事を見て顧問先からお問い合わせがあったので少し調べてみました。

記事の概略は、男女の賃金差の公表を義務付ける方針、上場・非上場を問わず、301人以上を常時雇用する企業を対象とする。男女の賃金格差は女性登用の遅れなどを映す。男女の対等な評価を通じて人材の多様性を高め、企業の成長につなげる。女性活躍推進法に関する省令を改正する方向、今夏にも労使の代表が加わる厚生労働省の専門家会合で議論を進める。企業の単体ベースで、賃金額ではなく、男性の賃金水準に対する女性の比率をホームページなどで開示してもらう。賃金差に合理的な理由がある場合は、説明を記載、正規・非正規雇用で分けた数値の開示も求める。非上場では1万社以上が対象になるとみられる、ということです。

そもそも調べてみると「男女間の賃金格差解消のためのガイドライン」は、平成22年8月31日に雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課から発表されており、男女間格差の実態把握をし、取組が必要との認識を促すため、実態調査票などの支援ツールを盛りこまれているものがありました。この男女間賃金格差分析ツール(平成22年)は分析と対策に役立つツールとして今後も利用されるようです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000ned3-img/2r9852000000neek.pdf

このベースとなった研究会の報告書はなかなか興味深く、平成21年の男女の賃金格差は女性が男性の69.8%、正社員に限ると72.6%ということで、格差の要因としては①男女の賃金構造の違い、②男女の平均勤続年数の差異や、管理職比率の差異となっています。

ところで、今回の男女の賃金の差異の開示については、6月24日の第50回労働政策審議会雇用環境・均等分科会で審議されており、「男女の賃金の差異の開示の方針と省令等の関係性等」などが省令案要綱と一緒に資料3として示されています。

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令第19条に定める「情報の公表」の項目に「男女の賃金の差異(額ではなく率)」を追加、通達では「男女の賃金の差異」の公表の区分を正規雇用労働者、非正規労働者、全労働者の3区分とすること、具体的な計算方法、開示のイメージなどが示されるようです。ホームページに比率を開示し、賃金差に合理的な理由がある場合は説明を記載するということです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000956014.pdf

7月に施行されることになるようで、審議会資料1では、事業主の作業スケジュールも書かれており、事業年度4月-3月の事業主の場合令和5年3月末で、3区分の男女の賃金格差を計算し、令和5年4月以降の新事業年度で公表。事業年度8月-7月の場合は令和4年7月で3区分の再計算を行い令和4年8月以降新事業年度に初回の情報公表を行う、ということです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000956021.pdf

まだまだこれから、省令案や通達が出てくると思いますが少し見えてきたものがあると思いました。そもそも男女の賃金格差は子育てが一段落したところで非正規で働く女性が多いという働き方が要因かと思っていたところですが、それだけではなく、というよりむしろ昇給昇格(管理職比率)の問題が大きいようだと認識しました。

今年は本当に暑いですね。あまりの暑さと、考えてみると上半身しか映らないzoom会議がほとんどということもあり、洋服をもう少し楽なものにしても良いような気がしています。先日男子スタッフから「どのくらいラフでよいのか決めたい」という申し出があり、遊び心がムクムク湧き「ギリギリday」という日を設けることにしました。その日は自分で考えるオフィスでも認められるギリギリの線を狙った服装にしてお互い意見を出し合うというものです。結果なかなか意見交換も楽しかったですし、つきあってくれたスタッフには感謝です。

結局その日は特にNGが出なかったので、それ以来私も含めて前よりはラフな服装になったような気がします。特に私はスタイルが良くないので避けたいのはヤマヤマなのですが、素足でも問題のないパンツスタイルを今年は多用しようと思っています(やっぱりもう少し痩せたい!)。


衛生推進者の選任について

2022-05-29 20:12:10 | 労働法

労働安全衛生法に定められた安全衛生管理体制は50人以上になると様々留意しなければなりませんが、50人未満であっても10人以上の規模の場合も注意が必要です。50人以上の規模であれば「安全衛生管理者又は衛生管理者」を選任しなければならない「業種」であって10人以上50人未満であれば「安全衛生推進者又は衛生推進者」を選任しなければならないと定められています。これはあまり知られていないかもしれず、また監督署の調査でも確認されることもほとんどないと思いますが、以前1回だけ衛生推進者を選任していないということで是正勧告を受けた経験がありますし、やはりきちんと体制を整える必要があります。

先日衛生推進者の選任について監督署への届出が必要かというお問い合わせを顧問先から受けたのですが、衛生推進者の選任については届出や報告義務はありません。ただし社内の見やすい箇所に掲示する等社員に周知させなければなりません。

衛生推進者の担当する業務は、労働者の安全や健康確保などに係わる業務のうち「衛生」に係る業務を担当することになります。簡略すると①危険・健康障害防止措置、②安全・衛生教育の実施、③健康診断の実施等健康保持増進措置、④労働災害の原因調査・再発防止(衛生関係)ということになります。

労働衛生コンサルタントを除き、事業場に専属の者(つまり社員)から選任することになりますが、専任(衛生推進者の業務だけを担当すること)の必要はありません。

また、衛生推進者を選任する場合は、次の経験等いずれかの資格を有する社員から行ないます。
(経験・経歴)大学、高等専門学校卒業者で1年以上衛生の実務に従事している者
(経験・経歴)高等学校、中等教育学校卒業者で3年以上衛生の実務に従事している者
(経験・経歴)衛生の実務経験5年以上の者
(有資格者)労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント等の資格を有する者
(講習修了者)都道府県労働局長の登録を受けたものが行う講習修了者

経験・経歴で選任することが多いかと思いますが講習を受けてみるとより良いと考えます。いつもお世話になっている渋谷労働基準協会さんの共同主催で行われる「衛生推進者」養成講習もあるようですので、衛生推進者を選任する際は受講されても良いのではないでしょうか?
http://mita-roukikyo.or.jp/workshop/pdf/2022.06.22oo.pdf

衣替えの季節になりました。衣替えが苦手という話を雑誌か何かで見たことがありますが、私は衣替えは好きな方です。毎年衣替えをしたところでサイズが合わなくなっているかもとドキドキすることが最近は多いのですが、それでも季節の変わり目にお世話になった服達をクリーニングに出して、新たな季節の服達を箪笥の手前に掛け直すととても気分転換になります。少し変な趣味かもしれません。

クローゼットルームに1年中全ての服を収納しておくことができるのは夢ですが、今のところ2か所に分けて衣替えの際の入れ替えを楽しんでいるという感じです。今週末は洋服も掛け布団も衣替えが終了し夏を迎える準備が整いました。新たな季節を迎えてまた頑張ろうという気持ちになります。


時間外労働上限規制猶予後の取扱いについて

2022-05-15 20:50:48 | 労働法

時間外労働の上限規制についてのセミナーのご依頼があり、今週末はその準備をしました。大企業は2019年4月、中小企業は2020年の4月から新たな上限規制が適用されていますので、今後新たに勉強することとしては、適用猶予になっている事業等の猶予後の取り扱いについてということになります。

適用猶予となっている業務等は、①建設事業、②自動車運転の業務、③医師、④鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業です。いずれも猶予は2024年3月までということで、4月以降新たに上限規制が適用されますが、一般の事業と同じ上限規制が適用されるのは④のみです。①~③については各業務等の特質を考慮した上での上限規制が適用になります。簡単にまとめると以下のようになります。

①建設事業 災害復旧等の事業を除き(一般と同じ)上限規制が適用されます。つまり原則の時間外労働時間数は月45時間・年360時間、特別条項で時間外労働は年720時間、休日含む月100時間未満・2~6か月(複数月)平均80時間以内が適用になります。ただし、災害の復旧・復興の事業については時間外・休日労働の合計について、月100時間未満・複数月平均80時間以内は適用されません

②自動車運転の業務 原則の時間数を超える特別条項の上限時間は年960時間、平均特別条項は年6か月までとなります。ただし時間外労働と休日労働の合計である月100時・複数月平均80時間以内は適用されないということです。

③医師 医師については以下の通り複雑です。

・医療機関に適用する水準が大きくA~Cに区分されて、更に5区分に分類されます。まず年の上限時間としてA(一般の労働者と同等程度)については960時間連携B(医師を派遣する病院)・B(救急病院等)は1860時間ただし2035年度末を目標に終了しAと同様になり、C-1(臨床・専門研修)、C-2(高度技能の習得研修)は1860時間です。

・月の上限を超える場合の面接指導と就業上の措置はどの区分にも適用されます。

・連続勤務時間制限28時間・勤務インターバル9時間の確保、代償休息のセットはAが努力義務、B及びC区分は義務となっています(C-1の臨床・専門研修は代償休息は適用せず)。

根拠条文 

〇働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 (労働基準法の一部改正)附則139条・140条
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/19620180706071.htm

○医療法第百二十八条の規定により読み替えて適用する労働基準法第百四十一条第二項の厚生労働省令で定める時間等を定める省令
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73ab8541&dataType=0&pageNo=1

医師の時間外労働の長さは極端だと感じますが、働き方改革に取り組んでおられる医師の先生に依頼されて以前試しに1か月単位の変形労働時間制を組んでみたところ、全くお話にならないということになった経緯からいっても現状これが仕方のないことなのかと感じてしまいます。

この2年間、顧問先に訪問することもめっきり減ってしまい事務所でひたすらzoomに明け暮れる日々でしたが、ここに来てだいぶ外出が増えてきました。やはりオンラインではなく、実際にお会いして話をすることで理解いただくことができることも多く、また信頼関係が作られていくような気がしますので、リアルでの打ち合わせができることは嬉しく感じます。かたや急ぎで30分だけ意見を聴きたいというご要望に対して、zoomで特に地方の顧問先様に対してもさっと対応できることについてはこれまた有難いと思います。リアルとオンラインの上手な使い分けがポイントだとつくづく感じています。

コロナ禍テレワークによる生産性の向上はどうなのかということが取り上げられることがありますが、テレワークにオンライン会議を含んでも良いのであれば、最大の生産性向上は在宅勤務よりオンライン会議なのではと思っています。


派遣はなぜ3年ルールなのか

2022-04-24 21:27:42 | 労働法

派遣法はこれまで本当に改正が多くかなり業務の中でも難しく感じる分野ではありますが、一貫した考え方として「3年を超えて働くこと」についての制限があります。現状の「3年ルール」の制限としては、①派遣先の「事業所単位」の期間制限と②派遣労働者の「個人単位」の期間制限の2つとなっています。

①事業所単位の期間制限は、同一の派遣先事業所の派遣可能期間は3年を超えて就業させることはできないこととなっています。ただし、派遣先の事業所の過半数組合等から意見を聴くことで延長が可能です。

②個人単位の期間制限は、派遣先の事業所における同一の組織単位で3年を超えて派遣就業させることはできないこととなっています。

ただしこの期間制限については、派遣元で無期雇用されている派遣労働者、60歳上の派遣労働者、月10日以下の日数限定業務・有期プロジェクト業務・産前産後育児介護休業代替業務に就く派遣労働者は対象外とすることとされています。

また期間制限が来ても3か月超のクーリング期間を置くことで継続派遣が遮断され、新たな派遣就業が開始されることになります。クーリング期間についてはそもそも平成11年の改正でできたようで、当時の記録をみると「3か月ぐらい空ければ企業がなんとかしのぐというには限界があり、本当であれば常用労働者をそこに配置するのではないか」とあり興味深いです。「あくまで派遣の働き方は臨時的なものであり、恒常的な仕事であれば直接雇用が本来の姿」という考えにもとづいており、派遣就業は臨時的、本来は常用雇用の社員を置くべきという考え方がはっきりと見えると思います。ゆえに法趣旨を考えると原則としてはクーリング期間を繰り返すことは避けるべきと考えます。

もし同一の業務に3年を超え就業させたい(したい)ということであれば、派遣先の直雇用か派遣元での無期雇用で対応すべきであろうと考えます。

知床の観光船の事故は残念に感じます。以前家族旅行で知床の観光船に乗りたいと思ったのですが予約が取れず断念したことがありましたが、是非一度行ってみたいコースでした。今回事前に事故を防止ができたのではないかという問題もあるようですが、新聞で時系列を見ると、通報があってから救助までの時間がかなり長く感じます。関係者の方のいら立ちや無念がわかるような気がします。リスクへの対応は日頃の準備が大切ということでしょうか。

戦争、コロナと本当に数年前は想像しなかったことが起こり、世の中が今後どのように変化していくのかまだまだ分からないところではありますが、環境が凄いスピードで変化していくことを念頭に置きながら常に今社労士として、また法人の代表として何をすべきなのか考えるようにしようと思います。


雇用類似の働き方

2022-02-13 23:40:56 | 労働法

明日の月曜日は、主催している「社労士の明日を考える会(仮称)」で、いつも親しくさせて頂いている北岡先生の講演と意見交換会をzoom開催するのですが、テーマは「雇用類似をめぐる労働法上の課題とは」です。今日は雨も降っていたので家で少しその予習をしておりました。

これまで日本の労働法は「雇用」について適用され、委任や請負と区分することで適用関係が明確化されてきましたが、2020年の全世代型社会保障検討会議で「フリーランスなど、雇用によらない働き方の保護の在り方」が取り上げられ、検討会等が設置される等フリーランスの働き方に対する保護が本格化されたといえます。

さらにコロナ禍大きく拡大した在宅勤務を中心に、働く時間の柔軟化、場所を選ばない働き方などの影響は大きく、実際雇用されている場合であってもフリーランスとの線引きがあいまいになってきました。また成果主義などがもっと進めば労働時間とは関係なく成果により報酬の額が決まることになり、賃金すら雇用とフリーランスとの線引きは困難になると感じます。

また働き方の多様化により、日経新聞の1月29日の記事によると、「英人材大手ヘイズが20年8~9月、日本の働き手に転職の際に重視することを聞くと「柔軟な働き方」(76%)を挙げた人が最も多く、「雇用の安定と安心」(60%)などを上回った。20年1~2月の調査で最も高かったのは「給与や福利厚生」(77%)。テレワークの定着で多くの人が働く意味を見直し、長時間通勤や硬直的な労働時間管理への不満を強めたと見ることもできる。」とあり、この記事から考えてもフリーランスとして働くことを選ぶ人が増えていく可能性が予測されます。特に自分自身のスキルがある程度高い価値を持つという一定の自信がある場合はフリーランスという働き方は魅力的であろうと思います。

厚生労働省ではフリーランスについて保護が必要な対象として「雇用類似の働き方」という文言を使い検討会が設置されており、これまで以下の検討会の報告がなされています。

2018年3月30日 雇用類似の働き方に関する検討会 (厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11909500-Koyoukankyoukintoukyoku-Soumuka/0000201113.pdf

2020年6月28日 雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会 (厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000712058.pdf

2020年12月19日
全世代型社会保障検討会議 中間報告 
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/pdf/cyukanhoukoku_r011219.pdf

令和3年3月26日  フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン
(内閣官房 ・公正取引委員会 ・中小企業庁 ・厚生労働省 )
https://www.meti.go.jp/press/2020/03/20210326005/20210326005-1.pdf

上記論点整理等に関する検討会でも論点のとりまとめになっていて、議論はこれからということで今後の状況を注目していきたいと思います。以下の実態調査結果はなかなか面白いです。

令和2年5月
フリーランス実態調査結果 (内閣官房日本経済再生総合事務局)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/sankou.pdf

今年はよく雪が降りますね。明日も朝方雪が積もるということで、事務所はコアタイムを解除してフルフレックスにして様子を見ながら出勤又は在宅勤務ということにしました。私はお正月明けに雪が降った際に以前から準備をしていた雨用のショートブーツがやはり滑ることが分かったので、底ががっちりした雪用のショートブーツを買い直し、万全の準備を整えました。コロナと雪でますます出不精になっていますが、とにかく買物も、映画やドラマも、勉強、食事(ウーバーイーツ)もなんでもインターネットで賄えるので外出しなくてもかなり充実した週末が過ごせる今日この頃である、と感じ入っています。


自営業を開始した場合の雇用保険

2022-02-06 21:29:10 | 労働法

最近最寄り駅の駅ビルも撤退したお店が増えてきて、3月になるとリニューアルするということなのですが、お店の店員さんはどうしたかなと気になります。流石にここまでコロナの感染拡大が続きさらにオミクロン株が爆発している現状では、お店も持ちこたえるのが大変だったのだろうと寂しい気持ちになります。再就職先が見つかればよいなあと願っているのですが、社労士になるにあたり無謀にも事務所勤務の経験もなく開業した私としては、もし何かやりたいことがあればこれを機に自営で始めて見るということもありだと、思うところではあります。

雇用保険では、自営業を開始した場合どのような扱いになるかというと、「事務取扱要領」に以下示されています。

●(2)受給資格の決定(ニ)(行政手引50102)

内職、自営及び任意的な就労等の非雇用労働へ就くことのみを希望している者については、労働の意思を有するものとして扱うことはできない。
ただし、求職活動と並行して創業の準備・検討を行う場合にあっては、その者が自営の準備に専念するものではなく、安定所の職業紹介に応じられる場合には、受給資格決定を行うことが可能となるので留意すること。ここで、自営業の開業に先行する準備行為であって事務所の設営等開業に向けた継続的性質を有するものを開始した場合は、原則として、自営の準備に専念しているものと取り扱うこと。
一方で、事業許可取得のための申請手続、事務所賃借のための契約手続等の諸手続(当該諸手続のための書類の作成等の事実行為を含む。)を行っているに過ぎないような場合は、その行為が求職活動の継続と両立しないようなものでないかどうかについて、個別具体的な事情を勘案して判断すること

ということで自営の準備をしているに過ぎないのであり、安定所の職業紹介に応じられる場合は受給資格の決定をするということです。ただし受給資格者が「就職」した日があるときはその日については失業の認定は行わないとされています。以下にある通り労働時間が4時間以上になると失業の認定は行われないということになります。

●就職した日又は自己の労働による収入があったかどうかの確認(51255)

就職とは雇用関係に入るものはもちろん、請負、委任により常時労務を提供する地位にある場合、自営業を開始した場合等であって、原則として1日の労働時間が4時間以上の者(4時間未満被保険者となる場合を含む。)をいう

なお労働政策審議会の職業安定分科会雇用保険部会では、起業した場合でやむを得ず廃業に至り改めて求職活動をする場合の受給期間の特例を設けることについて報告されています。今後どのように展開するかは押さえておく必要があります。
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000880033.pdf

また、昨年1月には以下のようなリーフレットも作られていました。自営業の収入が雇用されている収入より多かったとしても、被保険者資格届けを出しておくことになっていました。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2020-1223-1.pdf

ワクチン3回目を接種したところ、1,2回目は出なかった副反応がでて、翌日の今日熱が37度1分となりました。流石に少しだるくて昼間は寝ていました夜になり熱も下がり大したことにはなりませんでした。これで少し安心しましたが、とにかく早くコロナの感染が収まってくれると良いですね。


2022年度の雇用保険料率について

2022-01-30 23:09:08 | 労働法

2022年度の雇用保険料率については、以下の通りとなるようです。

●2022年4月から9月まで
※2事業分のみ3/1000から3.5/1000へ引上げ
失業等給付   2/1000 (事業主1/1000・労働者1/1000)
育児休業給付  4/1000 (事業主2/1000・労働者2/1000)
2事業分    3.5/1000 (事業主負担のみ3.5/1000)
     計  9.5/1000 (事業主6.5/1000・労働者3/1000)  

●2022年10月から
※失業給付分1/1000から3/1000へ引上げ
失業等給付    6/1000 (事業主3/1000・労働者3/1000)
育児休業給付  4/1000 (事業主2/1000・労働者2/1000)
2事業分    3.5/1000 (事業主負担のみ3.5/1000)
     計  13.5/1000 (事業主8.5/1000・労働者5/1000)

2022年1月7日開催の第166回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会の資料を見ると以下(抜粋)のような話し合いがあった上で決まったようです。

「雇用保険料率は中期的な財政バランスを念頭に設定すべきであるが、雇用情勢が良好な時期と悪化した時期における受給者実人員の水準等にかんがみると、原則の保険料率8/1,000 は引き続き妥当な水準であると考えられる。

その上で、令和2年度の弾力倍率は1.85 となっており、弾力条項に基づく引下げが可能な2を下回る水準となっていることや、法律により暫定的に2/1,000 引き下げていた措置が令和3年度末で期限を迎えることから、失業等給付に係る保険料率は、原則の8/1,000 に戻ることとなる。

しかしながら、全体的に回復途上にあるものの、新型コロナウイルス感染症の経済への影響も未だ残っている状況にかんがみ、労使の負担感も踏まえた激変緩和措置として、失業等給付に係る保険料率は、令和4年4月から9月までは2/1,000、同年 10 月から令和5年3月までは6/1,000 とすべきである。

さらに育児休業給付に係る保険料率については、男性の育児休業促進策等に係る制度改正の効果等も見極め、令和4年度から検討を開始し、令和6年度までを目途に進めていくべきである。

また、雇用保険二事業に係る保険料率については、令和2年度の弾力倍率は▲7.65であり、弾力条項に基づく引き下げが可能な1.5を下回る水準となっているため原則の3.5/1000に戻すことが適当である。」

10月からの引き上げなので年度更新時への影響は小さいとは思いますが、2023年度はさらに引き上げられる可能性を考えると、2022年度の年度更新の概算保険料は特に大きな企業は検討しておく必要があるかもしれません。

「ビジネスと人権」のセミナーのご依頼を受けたので、ここ2週間はずっと「ビジネスと人権」に関連する本を読んだり、ネットで調べたりということをして、だいたいレジュメは完成させました。国連グローバルコンパクトやSDGs、ESG投資などとの関連をどのように考えればよいのか、頭が整理できたのでだいぶ理解できたような気がしています。新しいことを学ぶのは苦しいですけれどこれまた楽し!とも思います。

早稲田の大学院の友人たちと昨日は夜オンライン飲み会を開催して色々な情報交換をすることができました。さまざまな職業ではあるのですが、共通点もあり話は尽きずあっという間の2時間でした。これからもずっとこのような良い関係が続けたいなと思っています。


会社が設置しなければならない「相談窓口」

2021-12-27 00:01:09 | 労働法

労働法において事業主に「相談窓口」を設置を義務付けている規定は多いです。相談窓口と一言でいっても内容は何でも受け付けるようにといっているわけではありません。代表的なものを思いつくまま簡単にまとめてみると以下のような感じです。

①パート有期労働法(16条)
「パー トタ イム ・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に関 し」、その雇用するパー トタ イム ・有期雇用労働者からの相談に応 じ 、適切に対応するために必要な体制を整備 しなければならない。

…ここでは「雇用管理の改善等に関する事項」としています。なお、パート・有期労働法では有期契約での労働契約締結時や更新時に労基法で定める労働条件の絶対的明示事項に加えて特定事項として「昇給の有無・退職手当の有無・賞与の有無と『相談窓口』」を明示するように定められています。

②労働施策総合推進法(30条の2・指針)
「職場において⾏われる優越的な関係を背景とした⾔動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの(いわゆるパワハラ)」に対する相談窓口設置義務

③男女雇用機会均等法(11条1項)
「職場において⾏われる性的な⾔動に対するもの(いわゆるセクハラハラ)」に対する相談窓口設置義務

④男女雇用機会均等法(11条の3)、育児介護休業法(25条)
「職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、産前産後の休業を請求し、又は休業をしたこと(いわゆるマタハラ)」に対する相談窓口の設置義務

…②~④については、以下の通り一元的な相談体制の整備することとされています。
・ 職場におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント及び妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントはそれぞれ⼜はその他のハラスメントと複合的に生じることも想定されことから、あらゆるハラスメントの相談について⼀元的に応じることのできる体制を整備すること。

⑤障害者雇用促進法(36条の4)
「障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となつている事情を改善するため」に対する相談窓口の設置義務

⑥36協定で定める労働時間の延長及び休日労働について留意すべき事項等に関する指針(8条)
「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置について、次に掲げるもののうちから協定することが望ましいことに留意しなければならない。 (7号)心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。」…特別条項を採用する際の選択肢の一つ。

相談窓口の設置義務はさらに増える予定であり、相談にのれる人材育成にも企業は力を入れる必要がありそうです。

クリスマスも終わり、OURSも年内の出勤はあと2日となりました。今年もコロナの感染拡大が収まらなかったため、特に前半は在宅勤務も多く、お蔭さまでだいぶ働き方改革も定着した感がある1年になりました。ここ1、2年で採用したメンバーもだんだん事務所で役割を持ち活躍を始めており、事務所に安定感が出てきたと感じます。来年はさらにデジタル化の急速な進行に合わせて業務も変化していくと思われ、ちょっとワクワクしています。新たな取り組みを積極的に行いつつ、顧問先企業のニーズにこたえられるよう精進したいと考えています。

いつもブログを読んでいただいている皆様に心より感謝いたしますとともに、皆様にとって来年がさらに幸せな1年になりますよう祈念いたします。本年も有難うございました。健康に留意して新たな年を元気に迎えましょう!

※来週はお正月なのでブログをお休みさせて頂きます。


派遣法の労働契約申込みなし制度

2021-12-05 22:30:46 | 労働法

平成27(2015)年に施行された改正労働者派遣法の中で定められた「労働契約申込みみなし制度」については、改正当初適用された場合のために就業規則の改定作業の中で気を遣った会社もありましたが、通達の中でも「違法行為への該当について善意無過失である旨の派遣先等による抗弁が認められた場合には、労働契約の申込みをしたものとみなされないものであること。」とされたためすぐには該当はないらしいということになりました。

そもそも「労働契約申込みなし制度」とはどのような制度かというと、派遣先等が違法派遣を受けた時点で派遣先等が派遣労働者に対して、その派遣労働者を雇用している派遣元事業主との労働条件と同じ内容の労働契約を申し込んだとみなす制度です。ただし、上記に書いた通り善意無過失であれば適用がないとされています。この労働契約申込みなし制度の対象となる違法派遣の5つの類型としては、以下の通りです。
①派遣労働者を禁止業務に従事させること
②無許可事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること
③事業所単位の期間制限に違反して労働者派遣を受けること
④個人単位の期間制限に違反して労働者派遣を受けること
⑤いわゆる偽装請負等

11月4日の産経WESTで「東リの工場で『偽装請負』認定、直接雇用認める初の判断 大阪高裁」が載りました。記事を抜粋すると以下の通りです。

「大手住宅建材メーカー「東リ」(兵庫県伊丹市)の伊丹工場で業務請負企業の従業員として働いていた男性5人が、実態は東リ側の指揮命令を受ける違法な『偽装請負』だったとして地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が4日、大阪高裁であった。清水響裁判長は男性らの訴えを棄却した1審神戸地裁判決を取り消し、『偽装請負の状態にあった』と認定した。判決はまた、労働者派遣法の『直接雇用の申し込みみなし規定』に基づき、東リ側と男性らの間で直接労働契約の成立を認め、賃金の支払いも命じた。弁護団によると、この規定による労働契約の成立を認める司法判断は全国で初めて。」

これをきっかけとして「労働契約申込みなし制度」を適用されるケースが出てくるかもしれません。もう一度、上記違法派遣になっていないかどうかを確認してみると良いのではないかと思います。

労働契約申込みなし制度の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000099951.pdf
通達(職発0930第13号平成27.9.30)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000092369.pdf

とうとう12月に入りましたね。今年はコロナの感染拡大で昨年に引続き落ち着かなかったということもありますが、個人的になかなか上手く行かなかったり、ついてなかったりで、順調とは言えないことがあれこれあった1年でもありました。でもこういう年も大事かなと思っています。というのも順調に事が進んでいるよりも、深く深く色々なことを考えたり準備したりすることは、むしろこういう時間の方が適している環境ともいえるような気がするからです。まずは何といっても健康で、食べ物がおいしく、仕事もこなせて、日々小さなことも楽しめる幸せをかみしめて、今年あと1か月を過ごして、また新たな気持ちで次の1年を迎えたいと思います。


オンラインによる医師の面接指導について

2021-11-21 01:19:05 | 労働法

労働安全衛生法に定められた、長時間労働者にかかる医師による面接指導制度については、1年前に出た通達でオンラインによることも条件付きで認められることになっています。急速なデジタル技術の進展によりということでオンラインでの面接指導を行うことを認める内容になっていますが、留意事項が示されています。

面接指導を実施する医師が、以下のいずれかの場合に該当することが望ましいということです。

① 面接指導を実施する医師が、対象労働者が所属する事業場の産業医である場合
② 面接指導を実施する医師が、契約(雇用契約を含む)により、少なくとも過去1年以上の期間にわたって、対象労働者が所属する事業場の労働者の日常的な健康管理に関する業務を担当している場合。
③ 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、対象労働者が所属する事業場を巡視したことがある場合。
④ 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、当該労働者に指導等を実施したことがある場合。

ということで、簡単に言えば面接指導の対象者の働く環境等が把握できていることということになろうかと思います。このオンラインでの面接指導が認められていることで、監督署は産業医による復職面談もオンラインで可能であると判断しているようです。

さらに、面接指導に用いる情報通信機器が、以下の全ての要件を満たすことも列挙されています。面接指導を行う医師と労働者とが相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるもので
あって、映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑であること、というものがあり、ビデオオフは認められないのだろうなと思いました。

オンラインによる面接指導の実施についての通達はこちら
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T201124K0010.pdf

医師の面接指導についてはこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000553571.pdf

最近テレビだけでなくネットフリックスやYouTubeを見る機会が断然増えてきたため、キッチンの片隅にある自分のデスクのわきにこれらが見れる持ち運びができる小さなテレビを電気屋さんに予約しておき、週末取りに行きました。これで寝る前など海外の街の紹介などのYouTubeを見たりできると楽しみが増えました。

最近コロナが収まり、感染には注意しながら久しぶりに出かけて友達に会ったり、夜も数人ではあるが食事もしたりと、忙しくなってきました。それでもお店はまだまだ空いている感じで、経済活動が元に戻るかどうか気になります。夜は自宅で過ごすという日常生活がこの1年半で確立してしまっており、以前のように夜遅くまで2次会、3次会が続くということはないような気がしてなりません。どちらが良いかどうかは一概に言えないですが、コロナの変化は多方面に大きいと実感しています。


健康診断の事後措置について

2021-08-01 22:11:12 | 労働法

最近の労基署の調査では安衛法関係が以前より厳しくみられるようになったという感じたこともあり、週末チェックシートを作っていました。安全衛生管理体制もしっかりやっている会社さんでも思いがけないところで整備されていなかったりするのですが、おおむね50人以上の事業場は、衛生管理者、産業医の選任は行われており、要注意が10人以上50人未満の事業場の衛生推進者の選任です。

以前と比べてとても細かいところまでチェックが入るようになったのが健康診断についてです。特に事後措置について細かくチェックが入りますので、以下の点をしっかり対応しておく必要があると思います。

①健康診断の結果は、健康診断個人票を作成し、通常は5年間保存が必要です。( 安衛法第66条の3、則51条)
②健康診断の結果異常の所見のある労働者について、医師等の意見を聞かなければなりません。( 安衛法第66条の4)
・・・この意見聴取は、健康診断が行われた日から又は労働者からの健康診断の結果が提出された日から3か月以内に行うこととされており、また聴取した医師等の意見を健康診断個人票に記載することとされています。3か月以内の聴取はほとんど指摘はないですが、個人票に意見を記載しておくようにという点についてはほぼ指摘されていると思います。
③上記医師等の意見を勘案し必要があるときは、作業の転換、労働時間の短縮等の適切な措置を講じなければなりません。(安衛法第66条の5 )
④健康診断結果は、労働者に通知しなければなりません。( 安衛法第66条の6)
⑤健康診断の結果、健康保持に努める必要がある労働者に対し、医師や保健師による保健指導を行うよう努めなければなりません。 ( 安衛法第66条の7)
⑥常時50人以上の労働者を使用する事業者は、健康診断(定期のものに限る。)の結果は、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。( 安衛法施行規則52条)

上記以外に注意する必要があるのが「深夜業」を行っている場合の特定業務健康診断です。この場合は年に2回の健康診断が必要になります。2020年5月31日のブログに詳しく取り上げているのでこちらご参考にしてください。

Twitterにも上げたのですが、令和3年の厚生労働白書が出ました。今回のテーマは「新型コロナウィルス感染症と社会保障」ということです。リーマンショック時との様々な比較はとても興味深く、今回のコロナの影響の大きさを思い知った気がします。コロナ感染拡大によって見えた問題は、感染以前から抱えていた問題や今後表面化したであろう問題がコロナ感染拡大により急速に見えてきたものであり、コロナが収束しても元に戻るのではなくこの問題に正面から向き合い進まなければならないと。白書にも関わられた厚労省の職員である私の大学院の先生のこのコメントを拝見して、白書はいつも流し読みをしていたのですが今回は真剣に読んでみたいと思いました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/20/

オリンピックも半分が競技を終えた感じでしょうか。柔道の金メダルラッシュや卓球混合ダブルスの大逆転や体操の堂々たる試合ぶりなど毎日楽しませてもらっています。ただバトミントンや水泳の番狂わせも結構あり4年に1度のオリンピックで最高の力を発揮することの難しさも感じます。今日見た男子100メートルの決勝などは予選会から見ていましたが、準決勝で凄かった中国の選手が、その時一緒に走っていた優勝したイタリアの選手に決勝ではかなり遅れを取っているのを見ると、実力だけではない運というか最後は神様に微笑まれなければならないのか、と感じてしまいます。神様の微笑は日ごろからの努力によるものであることは間違いないのでしょうけれど、そういうものをも引き付ける力が必要なのかなという気がします。