OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

年5日の年休時季指定の規定について

2019-02-24 23:42:12 | 労働基準法

いよいよ年5日の年休時季指定についてのご質問が本格化してきました。

その中で悩ましいのが、社員に手厚い企業の特別休暇です。厚生労働省のHpにある「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」に載っているQA6にもありますが、特別休暇について取得した日数を5日にカウントすることはできないとされています。

また今回の改正を契機に特別休暇制度を廃止し年次有給休暇に振替えるのは法趣旨に添わないことと、労働者の合意がない場合不利益変更に該当するということも書かれています。

なお、時効が過ぎた年休を積み立てておく制度はよくあるのですが、そのような積立年休については、取得の事由及び時季の指定がなく法定の年休の上乗せとして付与されるものであれば、5日の取得に含めても良いとされていますが、おおかた積立年休は、取得事由を「傷病または育児・介護」などと定めていることが多いので、その場合は5日の取得には含められないということになります。

振替休日や、特別休暇のうち慶弔休暇など取得時期が限定されているものについては年休を優先取得して欲しいとは言えないのですが、そうでない法を上回る特別休暇については、5日の年休に限り優先取得することという規定を設けることも検討しても良いのかなと思います。特別休暇で法を上回るものであれば取得時期を定めても良いと考えられ、例えば、年次有給休暇の時季指定の条文に、「年5日の年次有給休暇に限り、特別休暇(慶弔休暇・○○休暇・△△休暇を除く)より優先的に取得するものとする」と追加で規定することを検討する余地はあると考えます。

昨日はBBクラブで、また久しぶりに受講生OBと旧交を温めることができました。できれば全員と一言言葉を交わしたかったのですが流石に120名近くの参加者があるとセミナー前の時間では回り切れず、講義をしながら「○○さん来ているな」と確認したのですが、2次会にも参加されず、お話しする機会が持てなかった方が多くいたのは残念に思いました。次回はできるだけ!と思います。

BBクラブも18年が経ち、当時50代だった方も今や70代となり、それでもとても元気に参加頂けるのは嬉しいことです。しかも後期高齢者になりましたと言いつつ、年2回の海外旅行をして料理教室に通い週2回は夕食を作り、社労士の資格を生かしコールセンターのお仕事も継続され中国語を勉強している会員や、法律系のコールセンターのお仕事をしながら大学の聴講生として学ばれさらにボランティアで昔からの趣味を生かされている会員もいて、それぞれ社労士の資格をしっかり生かしながら人生をゆっくり楽しんで70代を過ごしておられることを聴くと、受験時代が思い浮かびつつ心から嬉しくなり、またお付き合いが続いている幸せをしみじみ感じてしまいます。

昨日の勉強会の内容は「健康経営」で、とても内容も充実したお話でした。聞いていてやはり少しコンスタントにスポーツをした方が良いなあと実感しまして、春になったらマシンがあるジムに登録して週1回通ってみようと思っています(春まで待つ理由は年末に掃除が行き過ぎてワックスで滑り打撲したところが治りきらないという情けない理由です。だいぶ良くなったので完治させてから筋トレを開始しようと思います。)

今日近所の公園の河津桜はほんの少しですが咲いていました。いよいよ春が来そうです。


改正出入国管理法について

2019-02-17 21:20:29 | 労務管理

先週の金曜日に開催したOURSセミナーでは働き方改革関連の内容が中心でしたが、改正出入国管理法がテキストにあり少しだけ取り上げました。もう少し取り上げられると良いと思いましたので少しこの場を借りて勉強してみたいと思います。

昨年12月8日の日経新聞には以下のような記事が載っています。

外国人受け入れ5年で最大34万人 改正入管法が成立( 2018/12/8)※加筆部分
政府・与党が今国会の最重要法案と位置づけてきた改正出入国管理法が8日未明の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。
深刻な人手不足に対応するため、2つの在留資格を新設し外国人労働者の受け入れを拡大する。
従来、認めてこなかった単純労働分野への受け入れに道を開き、日本の外国人労働者政策の転換となる。
 
改正入管法は2019年4月に施行する。新たな在留資格「特定技能」を2段階で設ける。
相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人には「1号」を与える。(※特定技能1号)
最長5年の技能実習を修了するか、技能と日本語能力の試験に合格すれば得られる。
在留期間は通算5年で、家族の帯同は認めない。農業や介護など14業種での受け入れを想定している。

さらに高度な試験に合格し、熟練した技能を持つ人に与える「2号」は1~3年ごとなどの期間の更新ができる。(※特定技能2号)
更新時の審査を通過すれば更新回数に制限はなく、事実上の永住も可能となる。配偶者や子どもなどの家族の帯同も認める。

1号での受け入れ人数は5年間で最大34万5150人を想定する。
詳細な数字や受け入れ業種は年内に発表する分野別の運用方針に明記する。
特定2号の導入を検討していた「建設」「造船」の2業種は数年は見送る方向だ。
1号による在留者数などを踏まえ、2号へ移行するための試験整備などに着手する。
 
政府は人手不足が解消されれば受け入れを停止するなどの原則を盛り込んだ基本方針を年内に閣議決定する。
外国人の日本語習得支援や生活相談窓口の設置など総合的対応策もつくる。
4月には法務省入国管理局を改組し、受け入れや在留管理を一元的に担う「出入国在留管理庁」を設ける。
法施行の2年後をめどに制度を見直し、経済情勢の変化や運用を通じた課題などを反映する。
 
上記にある基本方針とは、
平成30年12月25日に閣議決定された「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針について」です。
これをみると制度の意義にから制度の運用に関するその他の事項(職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援)まで、
かなり細かいところまで決まっています。さらに別紙で各分野における運用に関する方針が細かく決められています。
各分野とは、①介護分野、②ビルクリーニング分野、③素形材産業分野、④産業機械製造業分野、⑤電気・電子情報関連産業分野、⑥建設分野、⑦造船・舶用工業分野、⑧自動車整備分野、⑨航空分野、⑩宿泊分野、⑪農業分野、⑫漁業分野、⑬飲食料品製造分野、⑭外食業分野です。
上記分野については顧問先が関係する分野もあり、今後受入れが始まった場合もっと勉強しておく必要があると思いました。
 
ごく最近気が付いたのですが、おでこのシワが目立つようになったと思います。
乾燥肌とは縁がなかったのであまり気にしてこなかったのですが、もう少し美容についても真剣に取り組んだ方が良いような気がしました。
早速評判の高い某クリームを購入して試してみたところ何となく良い感じです。
 
話は少しそれますが、日経新聞に毎週木曜日岸本葉子さんのエッセイが昨年から載るようになっており、
毎週楽しみに読んでいます。
というのも、最近ストーブ鍋を洗うのが重く感じるようになったとか、年齢的に共感できる内容が多いのです。
調べてみたところ、私よりは若い上にとても綺麗な方のようなのですが、学歴・経歴がこれまた素晴らしいもので、
この経歴等でありながらあんな風にざっくばらんに自分のことを語ることができるのは素晴らしいなあと思います。
 
OURSセミナーには今回はBBクラブに出れないからといってきてくれたり、
久しぶりに顔を出してくれる元受講生がいて、
久しぶりだったりすると、元気で頑張っているのだとほっとしたり嬉しくなったりします。
私も常に勉強して新たな情報をわかりやすく伝えていけるような機会を継続していきたいと思っています。 

裁量労働制の不適正運用が認められた場合の企業名公表等について

2019-02-11 21:06:58 | 労働基準法
厚生労働省は1月25日に、「裁量労働制の不適正な運用が認められた企業への指導及び公表について 」を発表しています。
以下厚生労働省の発表からの抜粋です。

厚生労働省では、昨年12月28日に閣議決定された「労働施策基本方針」を踏まえ、監督指導に対する企業の納得性を高め、労働基準法等関係法令の遵守に向けた企業の主体的な取組を促すため、裁量労働制の不適正な運用が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長による指導の実施及び企業名の公表を行う場合の手続を定めました。
 
都道府県労働局では、労働基準監督署における監督の結果、
以下に該当する場合は都道府県労働局長が企業の幹部に対して特別に指導を行ってきたとあります。
①事案の態様が、法の趣旨を大きく逸脱している
②これを放置することが全国的な遵法状況に悪影響を及ぼすと認められる
 
同種事案の防止を図る観点から、手続を明確化したものです。
明確化された今後の指導及び公表についての流れは以下の通りです。
 
通常の監督指導 (1事業場)
不適正な 運用実態※が存在する

全社的監督指導(本社及び支社等複数事業場)

不適正な運用実態※(複数事業場)が存在する

労働局長による指導・企業名公表

書類送検(送検時公表)

※不適正な運用実態(下記①ないし③のいずれにも該当)>・・・①~③すべてに該当する場合です。
① 対象業務以外の業務に従事 裁量労働制の対象労働者の概ね3分の2以上について、対象業務に該当しない業務に従事していること。
② 労働時間関係違反 ①に該当する労働者の概ね半数以上について、ABCが認められること。
 A 労基法第32・40条(労働時間)違反 : 時間外・休日労働協定(36協定)で定める限度時間を超えて時間外労働を行わせている等
 B 労基法第35条違反 : 36協定に定める休日労働の回数を超えて休日労働を行わせている等
 C 労基法第37条違反 : 時間外・休日労働を行わせているにもかかわらず、法定の割増賃金を支払っていない等
③ 長時間労働 ②に該当する労働者の1人以上について、1か月当たり100時間以上の時間外・休日労働が認められること。
 
2018年度は労働基準監督署の調査と是正勧告は「裁量労働」を行っている事業場を中心に行われました。
今後その結果も含めて調査が行われる可能性もあり、
公表や書類送検まで行われる可能性があり、裁量労働制のなお一層の適正な運用が望まれるところです。
 
 
3連休は皆さん充実されたでしょうか?それとものんびり過ごされたでしょうか?
私はこの3連休はいつもよりのんびり過ごすことができました。
 
それにしても色々な話の中で感じるのは、思っている以上に企業は熱心に時間外労働削減に取り組んでおり、
労働時間がどうも減っているようだということです。
以前から時間外労働を減らすには、究極人員を増員することしか方法はないのではないか、
と考えていたのですが、真剣に取り組んでいる企業はやはり人員を増やしているようです。
 
仕事に追いまくられていればなかなか新しい発想は生まれてこないということ確かですので、
担当する業務が少し減ったところで新しい発想を模索するか、それともライフ・ワークバランスを重視するか、
とにかく労働時間の削減効果が何らかの形であると良いと思っています。

フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き

2019-02-03 23:33:20 | 労働基準法
厚生労働省HPの「『働き方改革』の実現に向けて」のページに、「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」が掲載されました。
 
4月からの改正で、これまで1か月とされていたフレックスタイム制の清算期間の上限が「3か月」に延長され、月をまたいだ労働時間の調整が可能になるための、詳しい解説がされています。
 
今のところ、フレックスタイム制を採用している会社で清算期間を3か月に延長したいというご相談を受けてはいないのですが、時間外労働の上限規制と併せて説明ができるようにした方が良いと考え週末読んでみましたが、これがなかなか内容が難しいとともに実際の運用についても難しいと感じました。
 
一番それを感じたのは時間外労働のカウントの方法です。これまでフレックスタイム制の良い点は、労働者が柔軟な働き方ができる点だったわけですが、労働時間管理の面でも1日および1週間の時間外労働をカウントする必要がなく、1か月の清算期間における総枠を超える時間数を時間外労働として把握すればよいという点で、シンプルな管理ができるというのも利点でした。
 
今回清算期間が3か月に延長できることにより、確かに夏休みなど子どもが学校に行かない時期は少なく働きそれ以外の月で多めに働くことでの調整できるというのはなかなか魅力的ではあると思います。しかし、清算期間が1か月を超える場合には、以下の時間が時間外労働としてカウントされることになります。
①1か月ごとに、週平均50時間を超えた労働時間
②清算期間を通じて、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(①でカウントした労働時間を除く)
 
結局1か月ごとのカウントを行ったうえで、4月以降の時間外労働の上限規制にも対応する必要があり、特別条項として原則の時間外労働の上限を超えることができる6か月のカウントもしていかなければなりません。今までより時間管理は難しいと感じました。
 
時間外のカウント方法については、時間外労働が60時間を超えた場合大企業は5割増しの割増率になる部分も含めて読み込んでだいぶ理解できるようになったのですが、6回のカウントについてはセミナーで説明するにはもう少しじっくり考えてみる必要がある感じです。
 
とりあえずOURSセミナーやBBクラブ、それ以外の働き方改革のセミナーでは頑張って理解いただくように準備しようと思います。その上でこなれたときにはブログでも上手く説明したいと思いますので、今日のところは以下のサイトのご紹介とさせて頂きます。
 
「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」
 
最近事務所では音楽を小さく流すようになりました。まだ2,3日なのですがこれがなかなか良い感じです。仕事をしながらふと癒される感じがあるような気がします。
また、これからの働き方はニーズに応じてかなと思い、週3日勤務のスタッフ2名に入社してもらいました。派遣スタッフも3名となりかなり様々な働き方をするメンバーが事務所内で増えてきた感じで、これも何となく新しい風になっているような気がします。
多様な働き方や在宅勤務、テレビ会議など積極的に取り入れてみようと思っています。