OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

被扶養者の認定について

2013-09-29 23:17:39 | 社会保険

 最近、父母を被扶養者として認定してもらえるのかというご相談が多くあります。時には父母だけではなく祖父母をということもあります。ここにきて団塊の世代がいよいよ引退する時期になったためなのかもしれません。被扶養者の認定については以下の通りです。※以下①または②に該当している場合でも、後期高齢者医療制度の被保険者等である人は除きます。

①被保険者の直系尊属、配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、弟妹で、主として被保険者に生計を維持されている人

 (生計維持関係は必要・同一世帯要件なし)


②被保険者と同一の世帯で同居して主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人
  1.被保険者の三親等以内の親族(①該当者除く) 2.被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実婚と同様の人の父母および子 3.2.の配偶者が亡くなった後における父母および子

 (生計維持関係・同一世帯要件ともに必要)

「生計維持関係については以下が認定基準になります。

●認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合

 原則として、認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である  場合は被扶養者となります。

●認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合

 認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、被扶養者となります。

父母であれば、直系尊属ですから①の生計維持関係は必要・同一世帯要件なしということになります。だいたいの場合父の年金を主とする収入は180万円以上であるため父が被扶養者になることは少ないのですが、母の年金額は少なく、子が親と同居している場合や親世帯に仕送りをしている場合は生計維持関係があるということになります。この場合、夫である父が180万円以上の収入があっても、収入が少なく生計維持関係の要件を満たす母は子供の被扶養者になることができるのかということなのですが、保険者(協会けんぽ・健保組合・共済組合)により対応が異なるようです。

社会保険庁時代は、「夫である父が被扶養になれない収入があるのであれば、その妻である母のみ子の被扶養者として認めることはできない」と回答されたことがありますが、協会けんぽは母のみ子の被扶養者として認定するようです。

健保組合については対応はそれぞれの組合ごとになりますが、「父に180万円×2=360万円以上の収入がある場合は、母は子の被扶養者にはなれない」としているところがあるようです。要するに世帯で2人分の収入があると認められるためだと思われます。この基準は特に通達としては出ておらず、健保組合が独自で持っている基準だと思われますが理屈としては当然という気がします。

共済組合は各共済組合によるのだと思いますが厳しいようです。

被扶養者の認定については、家族手当の認定基準にしている会社もあります。被扶養者として認定された場合でも、父母については家族手当の対象として想定していないケースも考えられます。規程内容を一度確認しておく方が良いかもしれません。

昨日は中高4年間過ごした高校のテニス部のOB会に出席するため、のぞみに乗って日帰りで神戸に行ってきました。高校1年生の終わりに親の転勤で東京に戻りましたので、皆と卒業はしていないのですが、きちんといつも声をかけてもらえのでできるだけ出席するようにしています。40代後半で看護師になった友人の話はいつも面白くて、中高学時代と全く同じです。中高時代を過ごした神戸はだいたい2年に1回くらいは行っているので第2の故郷です。行きの新幹線は1週間の疲れが出て爆睡、帰りはあれこれ持参した資料を勉強しました。

最近学生時代から仕事を始めてから知り合った友人まで色々な友人が連絡をしてくれて食事を一緒になど誘ってくれます。忙しいことは忙しいのですが、せっかく連絡してくれて話をしたいと言われれば、これは本当に嬉しいことと大切に考えています。OB会で顧問の恩師が言っていたのは、「結局最後は人と人とのつながり」。そうなんだろうなと思います。


通算5年で無期転換申し込み権発生

2013-09-22 17:36:26 | 労務管理

今週は改正労働契約法の原稿の締め切りが迫っているので、真剣にその作業に取り組み何とか目途がつきました。

労契通達(平成24.8.10基発0810第2号「労働契約法の施行について」。以下「労契通達」といいます。)もこれまでセミナーの予習をした際に目を通していたのですが、今回は真剣に読んでみました。春の改正の目玉は、有期労働契約について更新を重ね通算5年を超えた場合、労働者に無期労働契約に転換を申し込む権利が発生するというところかと思いますが、この秋からはこの無期転換を見据えた契約社員就業規則の改定のご依頼が入り始めちょうど良いタイミングとなりました。

まずは、規則改定に先立って現状分析と将来のイメージが必要です。現状どのような有期契約社員がいて、その業務内容により無期転換も妥当なのか、もしくは有期雇用で満了させるのが妥当なのかというところを見極めます。その上で、無期転換が妥当であっても、無期転換前に一度客観的に評価又は試験をして、選抜されなかったものは無期転換はなく有期契約が終了するという仕組みを作ることになるかと思います。いくら業務は無期転換が妥当だとしても個々の労働者がその業務に適性があるかどうかを無期転換する前に判断する必要があるからです。

① 有期雇用開始何年後に無期転換をするか?

② 無期転換する者としない者の選抜をするか?選抜をする場合有期雇用開始何年後にするのか?

③ 選抜をする場合は、試験・評価・それ以外?

④ 無期転換したものは正社員登用も将来的にあるのか?

⑤ 現在有期契約社員が担当している職務が有期にふさわしい職務か?

今のところだいたい以上を中心にヒアリングしてそれぞれの企業の無期転換後の労務管理を考えていますが、5年超えて無期転換の申し込みをしてこなかった場合はどうするか。会社が労務管理して行く上で見通しが立たず問題になりそうです。

最近TACの講師仲間と久しぶりに会ったところとてもスリムになっていて驚きました。なんと糖質制限をして1年弱で十数キロやせたとのこと。年齢が行くと糖質の代謝がしにくくなり代謝されなかった分が脂肪になるという話に納得しました。そこでここ1カ月間試してみているのですがとても快適です。今まで食べ過ぎていた、甘いものを取り過ぎていたんだなということを実感しました。以前読んだ五木寛之氏「林住期」によると伸び盛りの10代までは腹10分、20代が腹9分、30代が腹8分、40代腹7分、50代腹6分、60代腹5分、要するに10歳増えるごとに1分減らすことが適当だと書かれてました。五木氏は当時70代、一日当たり一食半で、それでも室生寺の七百段の階段を三往復したし、徹夜で原稿も書くとのこと。もう一度読んでみようと思います。また受け止め方が違うような気がしますので。やはり年齢を重ねることもこれまた楽しいですね。


休職の理由

2013-09-15 11:23:58 | 労務管理

ずいぶんと秋らしい空気を感じるようになりました。秋は秋で山や紅葉など楽しみですね。


先日ご質問を受けた中でとても興味深かったのが休職の事由についてでした。


一般的に、就業規則の中で休職の事由として定められているのは、病気、労務不完全提供、出向、議員就任などの期間ということになっています。今回のご質問は、運送業で運転手が免許停止になった場合に免停が明けるまで休職とすることはできないかということでした。運転手さんがいきなり事務職にその期間就くということもなかなか難しいというご説明も納得できましたので、調べてみました。


結論としては、免許停止中は休職を適用するという休職規定を設けたとしても、その休職期間についてはノーワークノーペイの原則を適用して無給にすることにした場合、認められない可能性が高そうです。これは「相互交通事件(函館地裁S63.2.29)」という判例から考えています。勤務期間中に人身死亡事故を引き起こしたタクシー運転手に対する解雇の効力が争われた事件なのですが、司法機関の処分が出るまでの間の特別休職について、労基法26条の休業にあたるとして平均賃金の60%を使用者が負担すべきものとされています。畑違いとはいえ何かできる仕事が探せばあるでしょうということです。


もしその間出勤をさせず賃金を支払わないという扱いにするのであれば、懲戒処分による出勤停止や懲戒休職ということが考えられます。出勤停止であれば概ね15日程度、懲戒休職であれば1カ月程度など、特に法律的な決まりはないわけなので、免停期間によっては多少はカバーできるかもしれません。ある意味休職期間とするよりも、懲戒処分の方が明確な面もあると言えますが、その免停の事由が「懲戒処分をするに足りるだけの事由になるか」というところは精査する必要があります。


休職命令を発しておき60%の休業手当を払うのが一番安全そうです。


昨日は東京都社会保険労務士会の野球大会2日目でした。涼しかった先週とは打って変わってメチャクチャ暑い中2試合と選手は大変だっただろうと思います。結果は我が渋谷支部の連続優勝となりました。午前中の試合こそ緊張する場面もありましたが、決勝戦は相手チームもかなり疲れており、渋谷は元気に大量得点の12点をあげました。試合終了後表彰式では、「優勝カップは支部長が受け取るのが良い。自分も支部長時代一番うれしかったのは野球の優勝カップを受け取ったことだったから」という前支部長の手串先生からのご配慮を頂き、試合に出てもいないのにもかかわらず優勝カップを受け取らせて頂きました。大好きな渋谷支部の支部長をさせてもらって本当に良かった。暖かく拍手頂いた選手の皆さんありがとう。感謝の気持ちでいっぱいになりました。


2013.9.13斉藤副会長より優勝の記念杯を授与されました。



負けた時こそが成長のチャンス

2013-09-08 22:21:02 | 雑感

9月になってから色々な労務相談があり、それぞれいろいろと調べてみると自分が知らなかったこともあり楽しく仕事をしています。そのお答えを考える中で調べたことをブログのテーマにしようと思っていましたが、今朝ほど2020年のオリンピックが東京で開催されることに決まり、雑感を記してみたくなりました。

今回のオリンピックの招致活動の成功はいろいろな要素があるのだろうと思います。つい2,3日前は汚染水問題でちょっとどんよりした雰囲気もありましたが、安倍首相のスピーチがとても明快で良かったなど結局最後の最後でかなり盛り返したと言われているようです。ただ今回の招致成功は、やはり前回石原都知事時代の失敗が土台としてあったからこそだったのではという気がします。盛り上がりが欠けた前回の招致活動の問題点に正面から向き合う作業がきちんとされてきたのだろうと思います。

東京商工会議所の渋谷支部もとても熱心で、ここ2年ほどの評議員会議などでもいつもオリンピック招致のバッチなど関連の販促物が配られました。渋谷区は、代々木や千駄ヶ谷を抱えていますから、国立霞ヶ丘競技場や東京体育館など今後新しい施設建設が盛んになると思われます。ヒカリエに続きますます渋谷は活気が出てきそうな気がします。まわりには前回の負けた原因を埋めるべく、オリンピック招致についてはすそ野を広げ応援して行こうという雰囲気が十分にありました。 

自分のことを振り返ってみた時も、どちらかというと負けた時、失敗した時、上手く行かなかった時期に自分なりの何かを掴むことが多かったような気がします。それに比べて上手くいったときはあまり考えず、なんとなく次に進んでしまいそうです。もちろん自分の勝ちパターンをものにするというのは大切だと思いますが、それにこだわりすぎない方がより大きく成長できるように感じます。それに対して負けは、ひとつひとつ徹底的にこだわり分析してみることで次の成長ができる、と思います。この徹底的なこだわりについては自分でかなりのような気がしており、自分の中ですとんと落ちるまでずっと考え続けないと気が済まない性質と言ってよいような気がします。

最近は、負けた時こそ成長のチャンスと考えていますので、上手く行かないことも別の意味で楽しいです。つまり、ここを乗り越えればまた違う世界を見れると思うと楽しみがあると思うのです。負けた時に無念さを感じ、悩んだり迷ったりした分量が多いだけ、次に勝利した時は喜びが大きなものになるというものです。

昨日は東京会の野球大会でした。渋谷支部は前年の優勝チームなのですが、昨日はメンバーがなかなか集まれないという状態もあり、いきなりピンチでした。7回で決着がつかず、1アウト満塁から始める延長戦も同点ということで、最後は9人の選手が1対1でジャンケンをして渋谷支部の勝ちが決まりました。一度は絶体絶命、それがもう一回息を吹き返し勝ったことで1回戦勝利がことのほか嬉しかったと思います。それにしても野球の応援に行って最後ジャンケンで勝利とは…想像していませんでした。


渋谷区 七士業無料相談会

2013-09-01 23:28:46 | 雑感

昨日は、渋谷区の七士業が集まって無料相談会を行いました。

この七士業とは、「税理士・弁護士・司法書士・土地家屋調査士・社会保険労務士・行政書士・不動産鑑定士」です。毎年2月・5月・8月・11月の年4回行っています。社会保険労務士として、渋谷支部の役員を中心に3名+広報委員長が参加することが多く、私も支部長になってから必ず参加することにしています。

ご相談は、相続のことや家・土地のことが多く、あとは交通事故、会社設立などでしょうか。渋谷区在住の方や在勤の方にあらかじめ予約を頂いて、案件により回答するのに最適な士業が3人から5人程度でご相談に乗ります。色々な専門家がそれぞれの知識で答えてくれるのですから、ご相談者にとってかなり贅沢な状況です。しかし回答をする側も、他の士業がどのように回答するかを知ることができるので勉強になります。社会保険労務士の担当できるご相談である「労務管理」「労働保険」「健康保険」「年金」などは残念ながらとても少なく、広報が大きな課題です。

私は、回答者にはなったことはないのですが、参加するとご相談の時間帯も各士業の方が結構残っているため色々と業務の話を聞くことができることもあり、また他士業の区や議会への要望の方法など色々と教わったりしてだいたい終わるまで各士業が待機している部屋にいることになります。

この渋谷区の七士業は、当日の運営は持ち回りですが、税理士会が中心になって運営しています。確か税理士会からの発案であったと思いますが、今回から全相談が終了した後事案の勉強会をすることになりました。自分たちが回答した案件を再度復習する形で回答者のまとめ役が発表し、補足や質問をしていくのです。担当しなかった案件の内容、回答、各士業の意見などを知ることができ、1時間強ではありましたがとても有効でした。弁護士費用がない場合の立替制度のことや、相続税の納税者がだれなのかにより遺産の分割が影響されることはなく、あくまで遺産分割協議書が根拠となる、など案件のことだけでなく広がりもありました。

それにしてもその勉強会の際の各士業の方の熱心なことについては感心しました。意見や質問も多く出て、予定時間をオーバーしました。以前BBクラブの10周年で、佐々淳行先生に「土曜日に勉強のためにこれだけ集まる人たちがいるということは、日本もまだまだ期待できる」とおっしゃっていただきましたが、そんな感じを昨日も持ちました。士業というのは、やはり勉強して資格を取得して仕事をしているだけに、勉強を欠かせないと考えているのは皆同じということなのだと感じました。

今日は恒例のBBクラブ有志のBBQ大会でした。これまでで最高にお天気に恵まれただけにとても暑く、皆汗だくになりましたが、お肉も今回初参加してくれたBB女性会員2人の差し入れの自宅のプランターで作ったピーマンや自家製の漬物もとても美味しかったです。海の横の若洲公園だけに、海からの風はとても涼しくて気持ちがよく、食べ終わってから釣りをしたり、ゲートブリッジの展望台から橋の中央まで歩いたりしました。子供たちも7人参加してくれてあっという間に仲良しに。毎年の成長ぶりを見ることもできて、充実した1日となりました。

来週から週末は東京会の野球大会(私はもちろん応援ですが)もあり、ここ3週間は毎年恒例のアウトドア期間という予定です。

 ゲートブリッジ