前回、前々回と生産性向上についてあれこれとセミナー準備のをする中でまとめてきたのですが、そもそも日本人はなぜ長時間労働をしてしまうのか、ということについて書かれたものがあり、面白い内容であったのでその中からいくつか取り上げてみたいと思います。
一つ目は、正社員の雇用保証との関係です。長期の雇用保証がされる反面、長時間労働をして雇用保証をしてくれる企業に奉仕する、という面があるということです。長期雇用を保証されている正社員は、ある程度残業を恒常的に行うことで、人数による雇用調整よりも先に労働時間による雇用調整に応じているという面があるということなのです。
二つ目は、割増賃金の問題です。日本の割増率は時間外労働が25%(大企業は月60時間以上は50%)、時間外労働が深夜にかかると深夜の割増が加算され50%ですが、欧州諸国などでは通常の時間外割増が50%、深夜労働は100%というのが通常だそうです。また時間単価を算定する場合の除外賃金などの仕組みはないため算定基礎となる時間単価も日本の方がだいぶ低く算定されるということです。そもそも割増賃金の考え方が、残業させないための欧州に比べて、日本の場合新たな人を雇うより残業でしのぐ、という考えの違いが根本にはあるようです。
三つ目は、高度な仕事の質です。例では日本では必ず喫茶店やファミレスでお水が出てきますが、海外から来た人はそのサービスのクォリティーに驚かれるそうです。確かにお絞りタオルは海外では出てきませんので、ウェットティッシュは必須アイテムです。その高い質が労働にも求められ、まだスキルが不足していても同じ質の仕事が求められることにより長時間労働になりがちということもあるようです。
四つ目は、休暇の癖です。欧州諸国では、連続して初めて「休暇」とされ、最低でも2週間くらい連続しないと休暇扱いにされないということです。また欧州の人々は、一斉に休暇を取るのではなく、交替で夏休みの一定の期間の中で年休にプラスして特別休暇である休みを取り、家族同伴であまりお金をかけずリゾート地のキャンプ場に出かけたりするということです。その他の休暇はさらに秋に1,2週間旅行をするなど年に何回も連続して休むということです。
この話を事務所で話をしたところ、皆びっくりしておりました。欧州との比較などもっと情報を知ると日本人の働き方も変化し、生産性は高まるかもしれません。
(早稲田大学商学学術員教授 小倉一哉「長時間労働を改善するための仕事見直しとは」労働経済 春秋Vol.12、労働調査会、平成30年)より
先週は、TAC時代の恩師や親しくしていた講師仲間で集まり、昔を思い出し心から笑い楽しいひと時を過ごすことができました。約15年近く一緒に仕事をして、その時はその時でいろいろ大変なこともあったと思うのですが、大雪の日の事件や良くカラオケに行ったことや、話しているといきなり思い出すことも沢山あり、やはり付合いの長い仲間というものは良いものだなと思いました。
それにしても、朝出勤し外出し事務所に戻り仕事をして帰宅して食事を作り食べ終わると、いきなり睡魔に襲われます。以前はその後引き続き授業の予習や仕事をしていたのですが体力が落ちたなと思います。年齢相応と言えばそうなのかもしれません。いまの自分に合ったペースでの仕事や生活を心がけて持続可能性を追求していこうと思います。いよいよ2週間後には大学院の後期の授業が始まります。2年間で修了ができるとなると最後の期となります。なんだかあっという間で寂しい気がしますが、悔いのないよう学びたいと思います。