児童手当は、1971(昭和46)年に創設された社会手当の代表的なものです。児童手当のモデルになったのはフランスの制度であり、歴史的に事業主の拠出を主として発展してきたということがその理由だそうです。事業主による拠出については制度の設計当初より重要と考えられており、その理由は被用者・被用者等以外のすべての財源を無拠出制で賄うとなると、生活保護に代表される社会扶助として、資産調査を伴う救貧政策の延長とならざるを得ないという懸念があったからということです。
とにかくこれまで改正が非常に多かった児童手当なのですが、1972年の実施3年後には制度見直しの議論がされており、1978年の改正においてはその目的も改正されています。その後頻繁に改正された後、更に2009(平成21)年の政権交代によって、民主党中心の政権与党が「子ども手当」という新たな制度を創設しました。この子ども手当はその目的が「子どもの健やかな育ちを支援する」とされ、所得制限をしないという、それまでの児童手当とは異なった制度ではあったのですが、従来の児童手当を廃止したのではなく、生かしつつ財源構成がなされていました。しかし公費による財源確保が困難となり、わずか2年で廃止されています。その後「平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法(特別措置法)」等の特別措置法などでつなぎ、現在の児童手当は2012(平成24)年に新たな児童手当が施行されています。
現在の児童手当の目的は、「家庭等の生活の安定に寄与するとともに時代の社会を担う児童の健やかな成長に資する」とされており、子ども手当施行前の児童手当とほとんど変わっていません。家庭に「等」が追加されているのは、従来受給資格者が監護・生計同一の父母又は児童を養育している者であったため、親の虐待等により施設に入所している児童について受給できないという問題などがありましたが、上記特別措置法により施設の設置者等に対しても支給されることになった等の改正点を引き継ぎ追加されたものです。
支給対象は、中学校修了までの国内に住所を有する児童とされており、支給される月額は以下の通りです。(所得制限があり、夫婦と児童2人の場合年収ベースで960万円未満とされています)
○0~3歳未満一律15,000円
○3歳~小学校修了まで
・第1子、第2子:10,000円(第3子以降:15,000円)
○中学生一律10,000円
○所得制限以上一律5,000円(当分の間の特例給付)
財源については、国・地方(都道府県・市町村)、事業主拠出金で構成されていますが、事業主拠出金で賄われるのは、所得制限未満・3歳未満の児童手当だけであり、あとは公費で賄われており、受給対象が中学校修了前までと拡大されたためか、事業主の拠出はかなり児童手当全体からみると割合的には小さいものとなっていると感じます。なお、公務員については各省庁が全額負担ということにはずっと変わりありません。
児童手当も調べてみると色々な点で発見があります。勉強してみると民主党政権時代の施策により評価される部分も知ることができて興味深く感じます。
今晩はひどい雨風の台風です。山手線なども早くに運休となってしまったので、日曜日で家にいることができてよかったと思います。午前中に選挙に行き、ついでに夏枯れしてしまったベランダの花をあれこれ買ったのですが、家の中に避難させました。
いよいよ明日から10月です。本当に1年があっという間で驚きますが、事務所は秋からまた少し大きな仕事に取り組むことになりますので、できるだけうまく皆が業務を進められるように、方向性を明確にしながら、環境を整えていきたいと思います。