令和2年度の第1回中央最低賃金審議会目安に関する小委員会が6月26日(金)に開催され2020年度の最低賃金額の検討が開始されました。顧問先企業から予算を立てるにあたり最低賃金額がどのようになるかというご相談があり、26日の最低賃金審議会の内容の発表を待っていますが、現在のところ議事録は厚労省のHPにアップされておらず、また今回は使用者側と労働者側で考え方が分かれており審議も難航することが予測されるため、なかなかしばらく見通しはたちそうもないのかもしれません。以下は審議会の資料です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000644143.pdf
26日の中央最低賃金審議会の審議に先立つ令和2年6月3日、総理大臣官邸で第8回全世代型社会保障検討会議が開催され、会議では最低賃金の引き上げについて審議されています(首相官邸HPより)。
まず事務方の説明では、最低賃金については、公労使で構成される中央最低賃金審議会において、7月頃に目安を示すこととされ、IT不況、リーマンショックといった過去の危機時には、中央最低賃金審議会は現行水準の維持を基本として引上げ額の目安を示さない、または0円といった目安を示したことがあることが示されています。
また、使用者側の意見として、日商の三村会頭が、中小企業3団体の連名で4月16日に発表した「最低賃金に関する要望」として3点を示したことに触れています。
まず第1に、現下の危機的な経済情勢を反映した新たな政府方針の設定をしていただきたい。
第2に、引上げの凍結も視野に入れた、明確な根拠に基づく、納得感のある水準の決定。
第3に、政府は賃金水準の引上げに際して、強制力のある最低賃金の引上げを政策的に用いるべきではなく、中小企業が自発的に賃上げできる環境を整備すること。
さらにこの要望の発表後、まさに百年に一度の危機であると認識しているコロナ危機により、4月の休業者数は348万人増加、非正規雇用者数は131万人減少、解雇や雇止め、コロナ関連倒産が日増しに増えている状況を踏まえると、本年は雇用の維持と事業の継続を最優先に図るべきであると考えること。また 経済活動面において最低賃金は赤字の企業や雇用調整助成金によってぎりぎり踏みとどまっている企業も含めて、全ての企業に強制力を持って適用されるものであります。したがって、今年の最低賃金は引上げを凍結すべきであると考えるという主張になっています。
これに対して、連合の神津会長は、 長年の格差拡大が引き起こしてきた現実の姿や、労働者の生計費、そして賃金の状況などを含めて、改めて直視をしておく必要があります。日本の最低賃金の抱える課題は現状でも変わることはなく、改善に向けた歩みは止めるべきではなく、「生活や雇用への不安がある中、最低賃金の改定は、セーフティーネット促進のメッセージになる(6.3NHKニュースより)」として、引き上げの継続を求めました。
その上で、安倍首相は、以下の通りの方針を示しました。最低賃金 賃上げは、成長と分配の好循環を実現するための鍵となるものであり、積極的に 取り組んできた。 その中で、最低賃金は、2003年度から2012年度までの10年間で、全国加重平均で 86円の引上げにとどまっていたが、2013年度から2019年度までの7年間で152円引 上げた。また、昨年度は27円の引上げとなり、現行方式で過去最高の上げ幅となっ ている。 さらに、昨年、「この3年、年率3%程度を目途として引き上げられてきたこと を踏まえ、景気や物価動向を見つつ、地域間格差にも配慮しながら、これらの取組 とあいまって、より早期に全国加重平均が1000円になることを目指す」との方針を 閣議決定した。 経済の好循環を回していく上で賃上げは重要であり、中小企業の取引関係を適正 化しつつ、この方針を堅持することとする。 他方で、新型コロナウイルス感染症による雇用・経済への影響は厳しい状況にあ り、今は、官民を挙げて雇用を守ることが最優先課題である。 このため、今年度の最低賃金については、最低賃金審議会において、中小企業・ 小規模事業者が置かれている厳しい状況を考慮し、検討を進める。
全世代型社会保障検討会議第8回議事録
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai8/gijiroku.pdf
日商、連合等の提出資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai8/siryou.html
日本商工会議所の会頭、全国中小企業団体中央会は「引き上げ凍結」を要望し、連合(日本労働組合総連合会)は「改善の歩みは止めるべきではない」と引き上げ方針の堅持を求めているということで、今後の最低賃金を巡る議論は難航するかもしれません。事務方の提示した過去の例にならい、現行水準の維持を基本として引上げ額の目安を示さない、または0円といった目安を示すことになるやもしれませんが」しばらくは動向に注目です。
勤務1日の在宅中心の生活や自粛により週末もどこにも出かけないという生活により何となく体力が落ちたと感じていたのですが、毎日出勤も2週間続くとだいぶ元気が戻ってきました。それでも顧問先企業に訪問するのではなくほとんどオンライン会議、セミナーは今のところ予定なしという生活をしているのでまだまだ以前の体力には戻っていないと思います。昼のランチも密にならないように事務所でお弁当を食べるスタッフが多く、通常より事務所にいることが多い私も最近ほとんどお弁当にしています。といっても自分で作るのではなく、ヒカリエの地下に新たにオープンした「東横のれん街」に昼になるとさっと行き、よりどりみどりのお弁当の中から選ぶのが楽しみになっています。600円台と結構リーズナブルなお弁当もあり、全店制覇してみようと思っています。