OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

派遣労働者の数値最新

2009-12-24 01:09:52 | 労務管理

前回の記事に載せた派遣労働者の数値は「平成20年度」の数値で、おそらく「平成21年度」は減少が確実な状況で、以下が公表されているもので最新の統計です。
前年度対比で26業務で7割強、製造業で4割強、紹介予定派遣5割強は厳しい数字となっています。詳しくは以下でご確認をお願いします。http://www.jassa.jp/admin/info/upload_image/091102summary.pdf

3年前は人手不足で、派遣で働いていた人たちが、正社員になるチャンスがたくさんある状況でした。まだつい最近のようですが、とても速いスピードで世の中は変わることを実感します。やはりスピードに乗り遅れないようその時々の状況把握と判断が非常に大切だと思います。

街に出るとあふれるばかりの人にびっくりします。不況とは思えない活気があると思いますが、来年もしばらくは今年の経済状況が続き、好転しない可能性が高いでしょうか。このような時期は焦らず土を耕し種を蒔く、という長期的な計画が必要なのかもしれません。


労働者派遣制度について

2009-12-22 00:10:47 | 労務管理
12月19日のOURS人事管理研究所のニュースにも載っていますが、来年の通常国会に労働者派遣法改正案の提出が検討されています。
「製造業派遣」は原則禁止、「登録型派遣」は範囲縮小などが柱となっています。

いったいなぜそういう方向になるのかと思っていたところ、厚生労働省が11月26日に公表した論点案に、「雇用の不安定さや派遣切りが起こったことが問題なので禁止すべき」ということが挙げられていました。

かたや同省が発表した2008年度労働者派遣事業報告の集計結果をみると、派遣労働者数は、前年度比4.6%増で、一般労働者派遣事業の登録者も0.6%増となっています。あれほど「派遣切り」が話題になっていたのにもかかわらず少しも減っていないことに若干驚きを覚えました。※最新の数値は減少しています。12月24日付けブログでご確認ください。

いろいろな団体等の見解などを見ていると、おおむね柔軟な労働力の確保ができなくなるなどを懸念していますが、今後法案提出がどのように展開して行くか注意が必要ではあると思います。

この数年、登録型派遣で数名の方にOURSで働いてもらった感想からいえば、派遣はこちらと派遣労働者のお互いの希望を比較的率直に調整することができて良かったと思っています。派遣の場合決して時給単価が低いわけでもなく、また本人の希望に沿った働き方も選択できて、そのあたりを考えると登録型を廃止するのはもったいなく感じます。

今はどの企業に行っても多様な働き方をしている人がいて、派遣もその多様な働き方の一つというより代表的なものであるわけですから、今更あともどりするような改正は無理がありすぎると感じます。



一昨日はBBクラブの勉強会がありました。法改正を中心に充実した一日となりました。夏行っていただいた謝恩会の余剰金で事務所の看板を作らせていただきましたのでその写真を載せてみます。ありがとうございました。

※BBクラブ当日メーリングリストの申し込み用アドレスをご連絡していましたが、一部誤りがあったようですので、BBクラブのhpで確認してみてください。またどうしてもわからないという場合は、OURSのASKのアドレスにご連絡ください。

OURSセミナー

2009-12-15 23:47:23 | セミナー
ここ2週間は、来年の6月30日に改正施行される育児・介護休業法の本の執筆に多くの時間をとっていました。
やっとなんとか書き終えましたので、今日は、顧問先無料セミナーのご案内文書の発送をしました。
来年1月29日(金)顧問先企業の担当者の方等にご参加頂いて、平成22年4月施行の労基法や6月施行の育児・介護休業法などの実務対応を取り上げます。

このセミナーは顧問先や単発で業務をご依頼いただくことのある企業に、無料で情報を提供するものです。OURS人研において作成したテキストとプロジェクターを利用してパワーポイントの図を見ながら、実務で対応しなければならないことについてご説明をする予定です。

このようなセミナーを開催するのは、初めてのことです。
来年はこのセミナーを皮切りに、できるだけ費用面で高価すぎない、良質なセミナーを提供できるようにしようと考えております。またセミナーのあとに相談コーナーを設けて、顧問先以外の企業の日ごろの懸案事項に対してのご相談なども受けようと考えております。

改正労働基準法は、これまでも何度かこのブログで取り上げてきましたが、まだまだ実際の運用面などを考えるといろいろな問題が出てきそうです。先日も、時間外労働が60時間を超えると割増率5割が義務化されることを猶予される中小企業の判断についてご質問を受けました。この中小企業の判断については、日本標準産業分類(平成21年総務省告示第157号)に基づくものとされています。この日本標準産業分類はサービス業のとらえ方が非常に広いものになっています。労働保険の業種分類と異なるケースがかなりあると考えられ、その対応が難しいと最近考えています。

先日、弁護士の安西先生のセミナーを受講した時もその点を取り上げられており、対応としては監督署と徹底的に話をしたほうが良いということでした。労災保険率も影響するので、これを機に再度事業の種類が適正かどうか確認することも必要かと考えています。

今年もあと半月となりましたが、法人化して1年が経過し、個人事務所であったこれまでより多くの人材が業務にかかわってもらえるようになり、効果が少しずつ形になり始めていると感じております。

改正労働基準法 60時間の時間外労働のカウントについて

2009-12-01 22:38:48 | 法改正
 ブログを始めてからブログについてのコメントやご質問等いただくことが多く、読んで頂いているのだなと身が引き締まる思いがします。ところで先日の改正労働基準法について、ご質問が多かったので、やはりこの時期は労働基準法の改正対応についての準備が喫緊の課題になっているのかなと感じています。

 来年の春に向けて一番大きな課題は、やはり時間外労働が60時間を超えたら、割増率は従来の2割5分から5割としなければならないという部分だと思います。この60時間のカウントについて、時間外労働にカウントされるべき所定休日の出勤について代休を取得した時間は含めないという考え方はできるのか?というご質問がありましたが、代休と相殺してその時間分をカウントから除外することはできません。企業によっては3割5分の部分だけ割増賃金を支払い代休を取得してもらうという方法で対応していたところもあると思います。その場合でも60時間の時間外労働のカウントについては、所定休日に労働した時間分をカウントしなければならないことになります。

 なお、振替休日は、労働日と休日労働のトレードですから、労働日に労働したことになり、その日に残業をしない限りは時間外労働に含める必要はありません。

 迷った時の基本的な考え方としては、これまで通りの時間外労働(所定休日に休日出勤した時間分も含む)の算定方法と何ら変わるところはなく、原則通りカウントしていけばよいということになります。

 29日の日曜日は、TACの合格祝賀会がホテルニューオータニでありました。私にとっては最後の祝賀会参加になるということでTACの事務局からご配慮頂き、祝辞と乾杯の音頭をとらせて頂きました。合格者の方の真剣な眼差しを受け、話をジーっと聞いて頂いて、私にとっても本当に良い記念となり、また締めくくりとなりました。ありがとうございました。