OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

副業・兼業についてのモデル就業規則改定案

2017-11-26 23:57:30 | 就業規則

副業・兼業について審議されている「第4回柔軟な働き方に関する検討会」が平成29年11月20日(月)に行われ、その内容が厚生労働省のHPにアップされました。副業・兼業についての「副業・兼業推進に関するガイドライン骨子案」及び「就業規則改定案」も資料として提示されています。まだ案の段階ではありますが、イメージは持っておくと良いのではないかと思います。改定手順としては、遵守事項(服務規律)に規定されている「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」の部分を削除し、「副業・兼業」の条文を新設するということになります。

副業・兼業の条文にある「第11条第1号から第5号」とは遵守事項の以下①~⑤のことで、これらの遵守事項に定める行為に該当する場合は、副業・兼業を「禁止」することができるとしています。

(遵守事項)
第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。
① 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと。
② 職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈与を受ける等不正な行為を行わないこと。
③ 勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと。
④ 会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと。
⑤ 在職中及び退職後においても、業務上知り得た会社、取引先等の機密を漏洩しないこと。
⑥ 許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。

(副業・兼業)
第65条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務が第11条第1号から第5号に該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。

なお、「副業・兼業推進に関するガイドライン骨子案」では、就業時間の把握について通算することは記載されていますが、割増賃金を支払う義務をだれが負うのかは明確にはされておらず、今後の審議等を期待したいと思います。

なお、就業時間の把握については、これまでも通達は出ており、昭和23年5月14日基発769号で、「労働時間、事業場を異にする場合においても、通算する」とされていますが、コンメンタールにおいて割増賃金の支払いは「通常は労働者と時間的にあとで労働契約を締結した事業主と解すべき」とされています。ただし、「甲事業場で4時間、乙事業場で4時間働いている場合に、甲事業場の使用者が、この後乙の事業場で4時間働くことを知りながら労働時間を延長するときは、甲事業場の使用者が時間外労働の手続きを要するものと考えられる。」とされています。

「第4回柔軟な働き方に関する検討会」については以下をご確認下さい。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000185340.html

併せて以下のガイドライン案もアップされています。こちらもなかなか興味深いものです。
・情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン案
・自営型テレワークの適切な実施のためのガイドライン案

この頃風邪をひいている人が多いような気がします。私もここ2,3日、夜寝ているときに時々寒いような気がすることがあり、掛け布団に薄い毛布を加えようかなと思っているところです。いつもより少し時期的には早いような気がするので、真冬になったときに困らないかと思案中です。

今日は東京都社労士会の講演旅行があり箱根に行ってきたのですが、やはり東京より一段と寒かったです。ただ久しぶりに行った箱根湯本は駅もリニューアルされて、駅周辺のお店もにぎやかな感じになっていました。寒い夜はホカホカの温泉饅頭が大人気でした。鍋もおいしい季節になりましたね。だんだん本格的な冬に入ってきますが、皆さん風邪をひかれませんように。


本当の力が試されるとき

2017-11-20 00:00:33 | 雑感

以前のブログでも書きましたがOURS小磯社労士法人は来年3月末で小磯社労士事務所時代から通算して満25年を迎えます。15年間のTAC社労士講座の講師生活でご縁を得た受講生合格者の集まりであるBBクラブが10周年の際にそれまでの歴史や写真を幹事さん中心に集めてくれて、DVDを作ってくれたのですが、それがなければきっと今これまでを振りかえっても思い出せないことが多かったであろう所をしっかり記録に残すことができたという経験があり、OURSもここらで思い出しつつ記録を作っておきたいと思っています。

少しずつ写真を整理したり、25年を振り返りながら記録を思い出し思い出し作ってみたりしているのですが、今は人材も揃って本当に自分でも納得できる社労士法人に成長してくれたと思っていますが、自分ひとりで開業し現在の20名の法人組織になるまでには、色々な失敗や後悔もありもちろん楽しい思い出ばかりではありません。しかしながら、ここまで来て自分でもよく頑張ったと思うのは、「挑戦したときにくじけなかったこと」であったかな思います。周りに支えもらってはいたと思いますが、それでも孤独なときもありました。それは代表としてトップに立つ者としては当たり前のことなのだと思います。

開業してからいつも頭にあるのは「次の手は何か」ということです。受け身ではなくこちらから先を見極め手を打っていくことは、開業社労士としての醍醐味であり、自信になってくれます。しかし、外的な要因、つまり自分で受けることができるかどうか見極めがつかない契約の打診を受け、受けたい、やってみようと判断し手探りで歩いているときが、本当の自分の力が試されるときだと思います。

大学時代、体育会テニス部1年生の時に3つ上のキャプテンである先輩(体育会で3つ上の先輩でしかもキャプテンであれば神様のようなものなのです)に、「調子はどうなんだ?」と聞かれて、「なかなか調子が出ないんです」と答えたところ「調子が悪い時が本当の自分の力だと思いどう戦うのかが大事なんだ」というアドバイスがグサッと来ました。

本当の自分の力を試されるときとは、そういう時なのかなと思っています。順調に行かないとき、自信がない時、追い詰められた時にこそ、どう乗り越えるか自分の本当の力を試されているのだと思います。

これからAIの普及や規制緩和等、社会保険労務士の業務は間違いなく変化していくであろう思います。厳しい局面が来た時にどのように乗り越えるかは、業界としてもOURSとしても準備していかなければならないことで、いつも方向性を探していくことが少し先を歩いている者の責任であると思っています。しかし社労士一人一人も開業会員も勤務会員もそういう局面を乗り越えなければならず、現状を維持しているだけでは乗り越えられないであろうという先見性や危機感を持たなければならないと思います。そういう厳しい局面は必ず来ると思っていますが、それぞれ一人一人がそういう局面においてこそ自分の本当の力が試されていると認識して乗り越えられる力をつけておいて欲しいと切に思っています。


雇用類似の働き方

2017-11-12 22:50:50 | 社会保障

働き方改革実行計画に盛り込まれている雇用類似の働き方ですが、いよいよ動き出し、10月24日に第1回「雇用類似の働き方に関する検討会」が開催されています。この検討会の主な検討課題は以下の通りとされています。

主な検討課題
①雇用によらない様々な働き方がある中、「雇用類似の働き方」にはどのような者があると考えるか。
②近年、クラウドソーシング事業やシェアリング・エコノミーの普及などにより、新しい働き方が発生している。このような新しい働き方について、どのように位置付けるか。
③これらについて把握した上で、雇用類似の働き方に関する保護等の在り方について、どのように考えるか。

これまで「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」は定められていました。このガイドラインは、「 在宅ワークは、請負契約に基づく就労であり、基本的に労働関係法令が適用されないため、発注者が在宅ワークの契約締結時に守るべき最低限のルールとして、策定」されています(平成12年6月策定、平成22年3月一部改定)。

そもそも「労働者」の定義は、労働基準法、労働契約法及び労働組合法では異なっており、一般に、労働法令においては、適用対象となる「労働者」に該当するか否かは、契約の名称にかかわらず、実態に即して判断することとされています。 

検討会の資料には、諸外国での「労働者」について整理された部分があり、非常に面白いと思いました。各国における労働法の適用対象となる「労働者」の範囲とその拡張例等
「『労働者』の法的概念に関する比較法研究」(2006年(独)労働政策研究・研修機構)より。)というもので、その中でドイツなどは雇用類似の労働者には「連邦年次休暇法、就労者保護法(職場におけるセクシュアル・ハラスメント防止法)、労働保護法、労働協約法、労働裁判所法が適用される。」とあります。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11909500-Koyoukankyoukintoukyoku-Soumuka/0000181992.pdf

労働者の定義が各法律で統一的ではなく、また名称の如何を問わず実態で判断する日本では、雇用されていない雇用類似で働く場合労働関係諸法令の適用がないのは、線引きがあいまいなだけに今後非常に問題になってくるであろうと考えます。社労士に対してのご質問も増えてくるのではないかという気がします。

ちなみに、資料によると、在宅ワークによる平均的な月収は、「5万円以下」(27.7%)が最も多く、次いで「10~19万円」(18.5%)、「6~9万円」(18.0%)となっています。非雇用型在宅ワークであれば最低賃金法の適用もないため、法の隙間になっていると考えます。

金曜日は社労士試験の合格発表の日でした。昨年及び一昨年よりは合格率は高かったものの6%台と相変わらず厳しい結果でしたので、残念だった受験生も多いと思います。やはりこの試験は覚悟を決めて取り組まなければ合格までたどり着けない試験であり、それだけに合格すれば価値ある国家資格だと思います。

それでも合格したらそれでゴールというわけではなく、日々勉強して新たな知識を得ていく努力が必要ですし、受験時代に勉強した内容も含めて知識を仕事に生かしていくために経験を積み上げていく必要があり、それが社労士という職業の限りないやりがいになっているといえます。

今回涙をのんだ受験生も、その過程にいるのだと考え、新たな気持ちで来年を目指してもらいたいと思います。


法定を超えた介護休業に対する介護休業給付金

2017-11-05 20:33:20 | 産前産後・育児・介護休業

介護休業を取得する社員は今のところそれほど多いわけではないと思います。しかし今年1月に育児介護休業法が改正され、介護休業はだいぶ取得しやすくなりましたので、今後かなり取得申請が多くなると見込まれます。

現在育児介護休業法で定めている介護休業期間は、1人の対象家族につき「93日の範囲内で3回の範囲内取得可能」とすることになっています。例えば31日+31日+31日取得することも、40日+20日+33日という取得も可能です。また雇用保険法の介護休業給付金については、法に定める介護休業期間に対して、すなわち支給対象となる同じ家族について93日を限度に3回までに限り支給されることになっています。

育児休業と同様、特に大企業では介護休業を法律で定める93日とせず、例えば365日何回でも取得可能とする場合があります。その場合に気を付けなければならないのは、介護休業給付金はあくまで法で定められた日数と回数しか支給されないということです。5日間の介護休業を3回取得してその都度介護休業給付金を支給申請したとすると、会社の定める介護休業は350日残っているとしても介護休業給付金はすでに3回支給されているためそれ以上は支給されません。ある程度まとまった期間について93日の範囲内で給付申請することにして、細切れにとった介護休業は法を上回る介護休業と位置付ける必要があります。なかなか細かな管理が必要になるということです。

なお、介護休業給付の受給資格は、原則として介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月以上必要となります。ここでいう「被保険者期間」とは、介護休業開始日の前日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日ある月を「被保険者期間」1か月とカウントし、12か月以上必要だということです。

介護休業給付の1支給単位期間ごとの給付額は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」により、算出します。賃金の支払いがない場合の支給額は、介護休業開始前6か月間の総支給額により、概ね以下のとおりとされています。
・平均して月額15万円程度の場合、支給額は月額10万円程度
・平均して月額20万円程度の場合、支給額は月額13,4万円程度
・平均して月額30万円程度の場合、支給額は月額20,1万円程度

この連休は気持ちの良いお天気でこれまでの週末雨続きをスカッと吹き飛ばす感じでした。この連休の1日目は家でのんびり。2日目は予定していたBBクラブ幹事とOURSスタッフ有志とその家族と総勢18名でBBQをしました。5年ぶりの開催だったのですが、初回開催から10年近くが経過しその当時小さかった男の子が14歳になりすっかりかっこいい少年になっていたり、普段話に聞いていたスタッフの小さな子供たちに会えて一緒に遊んだり、また気心の知れたメンバーとのんびり過ごしてとても楽しい時間でした。3日目は渋谷区民祭の2日目で朝から参加して久しぶりに骨密度測定やこまごましたお手伝いをしました。やはりどっしり構えている立場よりは、コマゴマ動いているのが好きなのか。自分が支部長時代に始めた区民際の骨密度測定も年6目となり定着しているのがとても嬉しいです。

 BBQは炭に火をつけるのに苦心手伝うと言いながら実は眺めている時間が長い