障害者雇用率は、障害者雇用促進法に基づき、少なくとも5年ごとに、労働者と失業者の総数に対する身体障害者又は知的障害者である労働者と失業者の総数の割合の推移を勘案して、政令で定めるとされています。前回(平成19年)の障害者雇用率の見直しから5年が経過していることから、必要な調査を行った結果、障害者雇用率を見直されることになりました。施行日は、平成25年4月1日になっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002b4qy.html
1 障害者雇用率について
○ 民間企業については、2.0%(現行 1.8%)にすること。
○ 国及び地方公共団体並びに特殊法人については、2.3%(現行 2.1%)とすること。
○ 都道府県等の教育委員会については、2.2%(現行 2.0%)とすること。
・・・この改正により、障害者を雇用する義務がある民間企業は、これまでの56人以上規模から50人以上規模の企業に拡大されます。これまで障害者の雇用義務はないと思っていた企業に雇用義務が発生することがありますので注意が必要です。
2 障害者雇用納付金等の額について
○ 障害者雇用納付金、障害者雇用調整金及び報奨金の額については、それぞれ現行とおりとすること。
・・・障害者雇用納付金制度は、事業主間の経済的負担を調整する観点から、雇用障害者数が法定雇用率(現在1.8%→平成25年4月~2.0%)に満たない事業主から、その雇用する障害者が1人不足するごとに1月当たり5万円を徴収し、それを原資として、法定雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に対し、障害者雇用調整金(超過1人につき1月当たり2万7千円)や助成金を支給する仕組みです。
法定雇用率達成企業の割合は、平成23年の集計では300~500人未満が45.0%、500~1,000人未満が44.3%、1,000人以上が49.8%です。概ね未達成の企業が半分強ということになりますからそれらから5万円徴収し、超過しているところに助成するのは2万7千円というのがなんとなく以前から腑に落ちないのですが。
この障害者雇用納付金の徴収は、昭和52年以降、経過措置として、常用雇用労働者を301人以上雇用する事業主のみが対象でしたが、障害者の雇用が着実に進展する中で、中小企業における障害者雇用状況の改善が遅れており、障害者の身近な雇用の場である中小企業における障害者雇用の促進を図る必要があるということで適用範囲が以下のスケジュールで拡大されています。
平成22年7月から、常用雇用労働者が200人を超え300人以下の事業主
平成27年4月から、常用雇用労働者が100人を超え200人以下の事業主
※ただし、制度の適用から5年間は、納付金の減額特例が適用されます。常用雇用労働者が200人を超え300人以下の事業主については、平成22年7月から平成27年6月まで5万円→4万円ということになっています。
先週の金曜日は12回目のOURSセミナーでした。今回は法改正セミナーでしたが、60名の方がご参加頂いて皆さん熱心に受講していただきました。3回目になりました実務ワンポイントレッスン好評でした。ありがとうございました。
今回の内容としては派遣法(H24.10.1施行)と労働契約法の改正法案(H24.7.25衆議院厚生労働委員会可決)がヤマでしたが、上記の障害者雇用率について、口頭のみのご説明になってしまいましたのでブログで追加説明させていただきました。
民主党になり法律改正の成立が遅れがちとはいえ、法改正セミナーを実施するとかなり色々と細かなものから大きなものまで改正があるなあと実感します。この秋は労働契約法の有期労働契約についてと、たぶん来春までには成立するだろうと思われる高年齢雇用確保法の対応について取り組む必要があるということを私自身認識できて良かったです。