OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

感謝を拾うことの大切

2015-10-25 22:42:43 | 雑感

先日同業の先輩方と話していて親のなくなった年齢を超えてホッとしたという話になりました。私も父が50代で亡くなりその年齢を超える年になりましたが、20代で父を亡くしたことは自分には大きな影響があったと思っています。人生は一度だけであり悔いなく生きたいと思いました。勉強をして社労士になろうと思ったのは明らかに父のことがあったと思います。

社労士を開業したのは30代後半ですでに色々なことがあった後であったため、OL時代よりははるかにおとなになっていたとは思います。子育ても大きな要因になっていたと思いますが20代の頃には感じなかった「余裕」のようなものがあったと思います。その頃から楽しいことは身近にたくさんあると思ってきました。つまらないことかもしれませんが「朝元気に目覚めて気分が良いとき」「お布団に入る瞬間」「洗い物が終わってすっきりした気持ちになったとき」「お風呂に入りさっぱりした気分になったとき」など日常に楽しみを覚えられる自分が幸せ者だなと思いました。それが余裕に繋がっていたように思います。

その頃よりはるかに歳を取って最近考えているのは「何事も時間がかかるけどじっくり自分の力をつける楽しみ」があるということです。例えば「組織の中ですぐに答えが出るなんてつまらない。本物を手にしようとすれば時間をかけてじっくり取り組む。」ということが楽しく思えるのです。自分がやりたいことができる環境は自分で作り上げていくしかないと思うのです。しかし逆から考えれば自分が作り上げることができるということも言えると思います。

すぐに周りの人が自分を認めてくれるということは通常ありません。大事なところで何を言うかという発言力や、重大な局面で何を引き受けるかという胆力や、小さなことにとらわれず大局を見極めて行動できるかということを考えながら時間をかけて自分の立ち位置を確立して行く面白さがあると思います。

その時に、小さな感謝を拾うことがとても大事だと思います。大きな感謝はなかなかやってこないかもしれないけれど、小さな感謝は自分の周りを考えた時沢山あるのです。今の自分の立場を作ってくれたことに感謝をし、健康に感謝をし、人に恵まれたことに感謝をし、日常の生活に感謝をすればじっくり自分がなりたい自分に育つ時間も楽しい時間になるのだと思います。感謝を拾うことができれば思うようにいかないことも簡単に乗り越えることができると思います。

事務所のスタッフが増えて最近だいぶ仕事が楽になりました。多くの面接の中で、短期間で職場をいくつも変わっているケースに接しますが、もったいないと心から思ってしまいます。小さなことにはこだわらず自分がやりたいことができる環境を時間をかけて作るのは自分しかいないことと考え、次こそは頑張ってみるとよいのではないかと思います。辞めたらまた一から出直し、周りの信頼は簡単には得られませんから。

10月31日(土)は、10士業無料相談会で新宿駅西口の地下1階の広場で相談コーナーをお手伝いする予定です。もし近くを通りかかられましたら声を掛けて下さい。

http://www.tokyo-kanteishi.or.jp/sonota/yorozu2015.pdf

 


会社に備える救急箱のこと

2015-10-19 00:12:58 | 労働法

先日休憩室の備品について顧問先からご質問を受けて安衛法の事業所衛生基準規則を見ていたところ、救急用具のことが規定されており、なかなか面白かったので取り上げてみます。

安衛法の第23条には以下の通り規定されています。

事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない。

上記の中では救急箱の準備は、「労働者の健康の保持のため必要な措置」ということになるでしょうか。また安衛則には以下の通り救急用具のことが定められています。第634条に至ってはとても具体的です。

(救急用具)

 第633条   事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない。

2   事業者は、前項の救急用具及び材料を常時清潔に保たなければならない。

(救急用具の内容)

第634条   事業者は、前条第一項の救急用具及び材料として、少なくとも、次の品目を備えなければならない。
一   ほう帯材料、ピンセツト及び消毒薬

二   高熱物体を取り扱う作業場その他火傷のおそれのある作業場については、火傷薬

三   重傷者を生ずるおそれのある作業場については、止血帯、副木、担架等

さらに、労働安全衛生法 の規定に基づき、及び同法 を実施するため、事務所衛生基準規則が定められており以下の通り安衛則第633条と同じ規定が定められていました。

第23条    事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない。

2   事業者は、前項の救急用具及び材料を常時清潔に保たなければならない。

上記から行くと法定上は事務系の会社では、消毒薬とピンセットと包帯などが救急箱に入っていればよいということなのでしょうか。個人的には、頭痛薬とか胃薬くらいはあった方が良いと思いますがどうなのでしょう。

昨日例年通りBBクラブの幹事会を行って1月の勉強会の内容を検討しました。今度の勉強会は社労士が知っておきたい税務知識(仮称)ということになりました。BBクラブも始めてから15年が経ったという話になり、また20周年には記念事業を行うことを予定しています。15年間はあっという間であったような気もしますが、その間には色々なことがありましたし、自分の年齢を考えると、始めた時は本当に若かったんだなあと感慨深いものがあります。

このブログもそうですが社労士の仕事の内容は拡大をしていることもあり、常にテーマには事欠きません。テーマが常にあったのでBBクラブもブログも続けて来られたということはありますが、やはりいつも参加してくれるBBクラブの会員である受講生のOBとブログを毎週読んでくれる約1,000名の方達のお蔭で頑張ってこれたと思っています。継続は力なり。これからもできるだけ継続して行こうと思います。

 


住民票と住民票記載事項証明書

2015-10-13 00:22:24 | 法改正

10月5日からマイナンバーの通知カードの送付が開始されると同時に住民票にもマイナンバーが記載されることになりました。

入社時等に提出するのは「住民票記載事項証明書」が望ましいとされており、「住民票」と就業規則にある場合は「住民票記載事項証明書」に直して頂くことにしています。労基法の改正で「本籍」が労働者名簿から削除されたことと連動していると記憶していますが住民票と住民票記載事項証明書の違いを調べてみました。

2つとも住民票(住民基本台帳)に基づいた証明書であり、記載内容と書式が異なります。 

●「住民票の写し」は、必要とする側会社等が必要としない本籍等の項目も記載されます。
●「住民票記載事項証明書」は、申請者が希望する項目のみの証明書になります。

必要のない個人情報は取得しないようにするため、必要とする項目のみ記載された証明として「住民票記載事項証明書」を入社時の採用書類とするようになったようです。根拠は以下の通達のようです。

 http://www.pref.shiga.lg.jp/f/shokokanko/files/22rodoshameibo.pdf#search='%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85%E5%90%8D%E7%B0%BF%E3%80%81%E6%9C%AC%E7%B1%8D%E5%89%8A%E9%99%A4'

なお上記通達を元に労働者名簿から「本籍」欄が削除された労基法施行規則の改正は平成9年4月1日施行で、労働者名簿の様式の改定により従来「本籍・住所」とされていた欄が「住所」のみに変更されています。

(1)住民票の写し→役所の書式(フォーマット)。役所が保管している住民票(住民基本台帳)の情報の写し。 記載項目は以下の通りです。

(1) 住所
(2) 氏名
(3) 生年月日
(4) 性別
(5) 世帯主の氏名及び続柄
(6) 戸籍の表示(本籍・筆頭者氏名)
(7) 住民となった年月日
(8) 住所異動した方については、その住所を定めた年月日(転入日)
(9) 届出の年月日及び従前の住所

上記のうち、「世帯主の氏名及び続柄」と「戸籍の表示(本籍・筆頭者氏名)」については、住民票の交付請求時に、住民票へ記載するか省略するかを選択することできます。

(2)住民票 記載事項証明書→ 自分で、記載事項(証明する住所・氏名・性別・生年月日等)を記入の上役所の窓口に提出し、その用紙に記載された内容が住民基本台帳と相違ない旨の判子を押してもらい役所に証明してもらうことになります。
 尚、住民票に記載されている内容であれば、全ての項目が証明の対象となります。

マイナンバー制度の動向と個人番号カードについて(総務省住民制度課)の資料によると、「個人番号を住民票の記載事項に追加し、本人等からの特別の請求に限り、個人番号を記載した住民票の写し等を交付」とされています。

久しぶりに小淵沢に行ってきました。低い山に登りたかったのですが、先週の実家の大整理で重い本などを持って階段を上り下りした結果、左ひざが時々「バキバキッ」というのであきらめました。寒くなってきたので満天の星が見れました。   

                       

テラスの前に広がる黄金色の稲        赤とんぼが沢山


労働契約申込みみなし制度スタート

2015-10-04 23:50:49 | 労働法

派遣期間の制限にかかる考え方が大幅変更される改正派遣法は、難航していましたがやっと9月30日に施行されることになりました。その翌日10月1日、平成24年の改正で成立していた「労働契約申込みみなし制度」もスタートしました。労働契約申込みみなし制度については通達が発せられており、詳しく解釈が示されています。

職発0930第13号平成27年9月30日厚生労働省職業安定局長「労働契約申込みみなし制度について」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000092369.pdf

先週の渋谷支部の管外研修で厚生労働省職業安定局の方の改正法の説明を聞く機会があり、さすが渋谷支部、質問も次々と出ていました。私も最後に1点労働契約申込みみなし制度が適用された場合の「派遣元と派遣労働者との間で締結されていた労働条件と同一の労働条件」についての考え方を質問してみました。

労働契約申込みみなし制度の制度趣旨は、違法派遣の是正にあたっては、派遣労働者の雇用が失われないようにして、派遣労働者の保護を図る必要があることと、善意無過失の場合を除き、違法派遣を受け入れた派遣先にも責任があるため派遣先に対して一定のペナルティ(民事上の措置)を科すことにより法規制の実効性を確保する必要があるという理由により創設された制度です。

具体的には、期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること等の違法行為を行っている場合には、派遣先等は、その時点において労働契約の申込みをしたものとみなされるというものです。

労働契約申込みみなし制度により申し込んだとみなされる場合の労働条件の内容としては、以下の通りと示されています。

違法行為の時点における労働者派遣をする事業主(以下「派遣元事業主等」という。)と当該派遣元事業主等に雇用される派遣労働者との間の労働契約上の労働条件と同一の労働条件当事者間の合意により労働契約の内容となった労働条件の他、就業規則等に定める労働条件も含まれる。)であり、労働契約上の労働条件でない事項については維持されるものではない。

イ労働条件が派遣元事業主等に固有の内容である場合等
・アに関わらず、立法趣旨に鑑み、申し込んだとみなされる労働条件の内容は、使用者が変わった場合にも承継されることが社会通念上相当であるものとなる。

万が一労働契約申込みみなし制度の適用を受けることになったときに、派遣元と派遣労働者の締結していた労働条件をそのまま派遣先に持ってくるというのは非常に難しいであろうと推測されます。例えば派遣元では年休が法定より多めに付与されている場合で派遣先の就業規則では法定通り付与すると決められている場合など、以前からいる社員との均衡上どのような対応になるのかという点が気になります。

回答としては、「非常に難しい問題で、この規定は民事的効力を有する規定であり、その効力が争われた場合については個別具体的に司法判断されるべきものであり判決の蓄積を待つしかない」ということでしたが、「社会通念上相当」であればよいということで、ニュアンスからいえば前後の労働条件が完全に同一ということは当初から考えていないような雰囲気ではありました。

今日は母と妹の住む実家の断捨離に行ってきました。出るわ出るわでいらないものをたくさんトントラックに詰めるだけ積んでかなり家の中はスッキリしたような気がします。懸案事項が1つ解決しましたのでまた来週仕事に集中します。