1年半前から連合会の国際化推進特別委員会の委員を務めさせて頂いており、その関係でILOの代表や事務局の担当者の方にお会いする機会が比較的頻繁にあります。何かの折に「国際労働基準 ILO条約・勧告の手引き」を頂いたのですが、最近少しゆとりができてゆっくり読んでみました。
これまで労働基準法をはじめとして国内の労働法についてはほとんど国内の事情で成立したり改正になったりしている頭しかなかったのですが、国際労働基準としてのILOの条約と勧告があり、この条約の批准がベースになっているということをもっと知っておくべきだと、読んでみて痛感しました。
ILOの条約と勧告は、狭義の国際労働基準を構成しています。
条約は国際的な最低の労働基準を定め、加盟国の批准という手続きによって効果が生じます。条約の発行には、通常2か国の批准が必要とされます。批准国は、条約を実施するために必要な措置を執るという国際的義務を負うことになり、廃棄の手続をとらない限り、たとえILOを脱退しても一定期間はその条約に拘束されることになります。
勧告は、批准を前提とせず拘束力はありません。勧告は、加盟国の事情が相当に異なることを配慮し、各国に適した方法で適用できる国際基準で、各国の法律や労働協約の作成にとって一つの有効な指針として役立つものになります。
条約を批准した場合の義務としては、「その条約の諸規定を自国の法令の中に取り入れるため必要なあらゆる措置をとらなければならないとされています。したがって、もし現行の国内法又は行政措置が条約の規定に抵触する場合は、これを廃止または改正しなければならず、必要に応じて新たに法令を制定したり行政措置を講じなければならないとされています。
ILOの駐日事務所のHPを見ると条約の批准状況がわかります。
http://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/lang--ja/index.htm
例えば「2000年の母性保護条約(第183号)」は日本は未批准です。内容を見てみるとおおむね法律でカバーされていると思われますが、「第8条2 女性は、母性休暇の終了時に、原職又は当該休暇の直前と同一の額が支払われる同等の職に復帰する権利を保証される。」とあり、これについては法定化はされていません。しかしこの条約全体を見てみると、労働基準法の定めのどの部分であるかを確認してみたり、これまでの改正を思い出したりと、根拠を確認できて非常に面白いです。
http://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/WCMS_239185/lang--ja/index.htm
ちなみに日本の条約批准数は49、一加盟国当たりの平均批准条約数は約43だということです。
週末までに日常的な相談業務や規程の改定の作業を行いながら、10月の育児休業の改正の原稿を順調に仕上げることができましたので、今週末はBBクラブのレジュメに取り掛かりました。ここ数年、原稿やレジュメ作りもだんだん慣れてきたのか、作り上げるのにかなりスピードが出てきたような気がします。人間やはり時間をかけて繰り返していけば習熟してくるということですね。
連合会の委員会では今インドネシアに社労士制度を普及させる活動を熱心にやっていて、私もその末席でジタバタしているのですが、いかんせん英語が話せないのが歯がゆい限りです。それでも懇親会の際などは、通訳・翻訳アプリをスマホ入れて持ち歩き、画面のマイクに日本語で語り掛けると、指定の言語で翻訳して音声を発してくれ、文章も小さく出てくるものを活用しながら少しでも話をすることにしています。なかなか便利です。
昨日実家に久しぶりに行って庭に降りてみたところ色々な木々や花が咲いていて、それほど広い庭ではないのですがそこここの植物を見ているととても癒されるような気がしました。最近自宅もベランダに鉢植えが増えてきて、季節も良いことから朝起きるとすぐにベランダに出てみるのが楽しみになっています。