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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

テレワークの適切な導入及び実施の推進 のためのガイドライン(新旧対比②)評価について

2021-04-25 17:43:10 | 労務管理

新旧のテレワークガイドラインの比較の中で詳しくなっているのが「評価」についての記載です。旧ガイドラインでは「業績評価等の取扱い」として、いつまでに何をするといった形で、仕事の成果に重点を置いた評価を行う場合は、評価者に対して、労働者の勤務状況が見えないことのみを理由に不当な評価を行わないよう注意喚起することが望ましいという、注意事項といった内容が書かれているのみでした。

新ガイドラインには、人事評価は、「企業がその手法を工夫して、適切に実施することが基本」として以下やや具体的に望ましい例を挙げています。
①上司は、部下に求める内容や水準等をあらかじめ具体的に示し、必要に応じて達成状況について労使共通の認識を持つための機会を柔軟に設ける。

②特に行動面や勤務意欲、態度等の情意面を評価する企業は、評価対象となる具体的な行動等の内容や評価の方法をあらかじめ見える化し、示す。

③加えて、人事評価の評価者に対しても、非対面の働き方において適正な評価を実施できるよう、評価者に対する訓練等の機会を設ける等の工夫が考えられる。

④また、テレワークを実施している者に対し、時間外等のメール等に対応しなかったことを理由として不利益な人事評価を行うことは適切な人事評価とはいえない。

⑤テレワークを実施せずにオフィスで勤務していることを理由として、オフィスに出勤している労働者を高く評価すること等も、適切な人事評価とはいえない。

④と⑤以外はそれほど具体的ではないような気もしますが、求める成果の明確化と進捗のチェックの仕組みが肝要ということでしょうか。出勤している場合以上に在宅勤務の場合はやはり成果が出せるかどうかの比重が重くなると思いますが、そうなるとますますフリー(請負)の働き方との境目があいまいになりそうな気がします。

Twitterを始めてみました。できるだけ日々の法改正の情報やときに考えたことなどマメに発信してみようと思います。1回140字以内ということで思ったより気軽に投稿ができました。ただまだよくわかっていないこともあり手探り状態です。事務所のスタッフも情報をあげて手伝ってくれることになっており、その点アンテナがいくつもたっている感じで心強いです。少し分析的なテーマは引き続きこのブログで発信する予定です。「ツイッター、小磯優子」で検索できるようです。ときどきのぞいてみてください。


5月、6月の雇用調整助成金について

2021-04-18 19:34:15 | 労働保険

4月16日の労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会)で、雇用調整助成金の特例措置など5月以降縮小する案が了承されました。変更点としては以下の通りです。

新型コロナウイルス感染症関係事業主が行った令和3年5月1日から同年6月 30 日までの期間中の休業等について
1.雇用調整助成金
①1日当たりの支給上限額  13,500 円(現在15,000円)
②助成率 令和2年1月 24 日以降解雇等を行っていない場合には、中小企業事業主9/10(現在、10/10)
まん延防止等重点措置の対象区域で知事からの時短要請を受けて事業主に休業させられた場合は特例が設けられ、上限15,000円、助成率10/10が維持される場合があります。詳しくは、以下概要の2ページ目を確認ください。

2.休業支援金等
新型コロナウイルス感染症等の影響により休業させられた労働者のうち、休業手当の支払いを受けることができなかった場合(大企業はシフト制労働者のみ対象)に支給される休業支援金等については上限が原則9,900円(現在11,000円)になります。

・雇用保険法施行規則の一部改正する省令案概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000769708.pdf

7月以降の雇用調整助成金についてはお問い合わせも多いため、調べてみたのですが特に記載されたものは見つかりませんでした。4月1日に発表された「令和3年度地方労働行政運営方針」では、 雇用の維持・継続に向けた支援として、新型コロナウイルス感染症の影響及びそのまん延防止措置の影響により、休業を余儀なくされた労働者の、雇用の維持・継続のために、雇用調整助成金により、引き続き休業のほか、教育訓練、出向を通じて雇用維持に取組む事業主を支援する。産業雇用安定助成金により、在籍型出向を活用した雇用維持を促進するとあり、雇用調整助成金がなくなるわけではないとしても、産業雇用安定助成金に軸足が移ることも考えられます。

・令和3年度地方労働行政運営方針
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17792.html

・産業雇用安定助成金
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000735076.pdf

連休中も家でおとなしく過ごすことになるので、テレビを買いなおしたところ、簡単にNetFlixやYouTubeを見れることになり、かなり楽しめています。夜はテレビを消してカフェミュージックなどを流すと良い雰囲気です。ついでにゆっくり映画を見るために一人掛けの椅子を買ってしまおうかと思案中です。実は、自分用の小さなソファーはあるのですがそこに座るとすぐコロッと眠くなり寝てしまうということもあるのですが、なんでかわからないのですが椅子が大好きで見ているだけでワクワクしてしまうのです。


テレワークの適切な導入及び実施の推進 のためのガイドライン(新旧対比①)中抜けについて

2021-04-11 22:55:03 | 労務管理

3月25日に新たなテレワークガイドライン※「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」が出ました。ガイドラインの改定のポイントはリーフレットにも載っていますが、特に人事評価、費用負担、人材育成等の労務管理に関することが加わったことが特徴だと思います。

●テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン本文 

https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf

●リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/000766329.pdf

労務管理に関する追加事項についてはもう少し読み込んで次週以降取り上げたいと思いますが、今回は実務的にもご相談の多い「中抜け」について、新旧のガイドラインの比較を取り上げてみたいと思います。

新たなガイドラインでは中抜け時間の取扱いとしては以下の方法が考えられるとしています。

中抜け時間を把握する場合には、休憩時間として取り扱い終業時刻を繰り下げたり、時間単位の年次有給休暇として取り扱う
中抜け時間を把握しない場合には、始業及び終業の時刻の間の時間について、休憩時間を除き労働時間として取り扱う

これらの中抜け時間の取扱いについては、あらかじめ使用者が就業規則等において定めておくことが重要である。

旧ガイドラインでは中抜け時間は、始業・終業時刻の繰上げ繰下げ又は時間単位年休での対応のみが書かれていましたが、今回は中抜け時間は休憩時間を除き労働時間として扱うという対応方法も示しています。

実務のご相談では、テレワークの場合フレックスタイム制で対応する場合が多いと感じていますが、みなし労働時間制で対応する場合などは中抜け時間を把握することはできないため労働時間とすることになります。節度のある中抜け時間であればテレワークのメリットを生かした働き方と言えると思いますが、心配な場合はみなし労働時間制を使わず①中抜け時間については開始と終了については連絡してもらうこと、②中抜けできる時間を決めておくこと等一定のルールをガイドラインにもある通り就業規則に定めておくことが良いと思います。

なお旧ガイドラインでは以下Q&Aが載っています。「 Q& A いわゆる中抜け時間について」

Q テレワークを実施する予定の労働者から、「テレワーク実施日に、銀行や役所の用事を片付けたいので、休憩時間を1時間延長して、終業時刻を1時間繰り下げたい」と言われました。労働者の都合に応じた所定労働時間の変更は可能でしょうか。
A 銀行や役所の用事を済ませるための時間は、いわゆる中抜け時間ですので、使用者が業務の指示をしないこととし、労働者が労働から離れ、自由に利用することが保証されている場合、終業時刻の繰り下げなどの所定労働時間の変更は可能です。ただし、あらかじめ就業規則に規定しておくことが必要です。また、企業が所定労働時間を一方的に変更することはできませんので、ご注意ください。

※旧ガイドライン「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン〜情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン~」

https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000683359.pdf

週末BBクラブの幹事会をzoomとリアルの併用で行ったのですが、夏の勉強会もまたzoomで行うしかないであろうということになりました。ハイブリッド方式も検討したのですが、幹事の多くが会社から人数が集まる会合への参加の禁止等を言われているということで、まだまだ会場に集まるのは無理だということになりました。前回冬の勉強会ではzoomのウェビナーで講義をしたので参加された会員との交流はできなかったのですが、当日視聴した会員とYouTubeで視聴した会員の合計でも100人程度であろうということになり、夏の勉強会はウェビナーではなくミーティング機能で行うことにして、勉強会終了後も会員との交流ができると思います。今度は皆さんの顔が見れるかなと思い楽しみになりました。次回BBクラブ勉強会(7月17日)のご案内については、アンケート付きの往復葉書をお送りするとともにBBクラブのブログで確認いただければと思います。

BBクラブ インフォ (livedoor.jp)

イギリスではワクチンの接種が進み感染者数が劇的に落ち着いてきているということ、日本も夏頃にはそのような状況になるでしょうか。少なくとも秋には国内旅行や山歩きに行けるようになると良いなあと思っています。


母健連絡カードの改正について

2021-04-05 01:02:00 | 労働法

母健カード(母性健康管理指導事項連絡カード)の様式が令和3年7月1日から変更されることになりました。この母健カードの改定事業については厚生労働省の委託事業の委員の一人として関わらせてもらいました。委員会はほぼ医師の方で委員長の先生をはじめとして医師側の記入のしやすさや症状に対する措置の例を細かく検討して熱心に改定作業に取り組みました。

これまでもなかなか会社の人事担当者だけでなく妊婦さんにも周知されないのが残念でしたが、今回の改正で会社がどのように対応する必要があるかも分かりやすくなったと思いますので、活用されると良いと思います。

どこが変わったかというと、現行の母健カードは指導事項に対応する標準措置が限られていたものを、症状を選択した上で措置についてかなりシンプルに選択できるようになっています。また妊娠中の通勤緩和の措置に在宅勤務が含まれたことも特徴です。

【新様式URL】https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000763902.pdf

【現様式URL】https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000628247.pdf

母健連絡カードの根拠は、男女雇用機会均等法第12条「妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置」と第13条です。
第12条では、「事業主は、その雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。」とあり、第13条では、「保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならず、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定める。」としています。
そして、指針で「女性労働者に係る指導事項の内容が当該事業主に的確に伝達され、かつ、講ずべき措置の内容が明確にされることが重要である。このため、事業主は、母性健康管理指導事項連絡カードの利用に努めるものとする。」とされています。
指針の利用は努力規定ですが、そもそもの保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守るための勤務の軽減等の措置は義務規定になっています。その点もう少し強調されてもよいと思います。
 
約4か月ぶりに小淵沢の家に行ってきました。まだ虫も活動を始めていないためか長い間留守にしていたにしては家の中は綺麗でした。お天気も良くなかったのでほとんど家で本を読んで過ごしましたが、やはり空気がおいしく、また家の周りに野生のクリスマスローズが咲いているのを見つけたり、桜もまだまだ満開で、よい気分転換になりました。
クリスマスローズ      スノーフレーク      ボケの花