OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

同一労働同一賃金 比較対象労働者

2019-08-18 16:46:59 | 法改正

同一労働同一賃金について難しいことの一つが誰と誰を比較するのかということではないかと思います。特に無期転換した社員と有期契約の社員の比較はどうなるのかということについては意外に盲点があることを、厚労省が出しているマニュアルで気が付きましたので取り上げてみたいと思います。「比較対象労働者」「取組対象労働者」を確認する流れを示しています。

通常の労働者とは、いわゆる「正規型」の労働者及び事業主と期間の定めのない労働契約を締結しているフルタイム労働者をいいます。こちらが「比較対象労働者」として区分されます。

「比較対象労働者」と比較するのが「取組対象労働者」という区分になりますが、短時間の無期雇用労働者・短時間の有期雇用労働者・フルタイムの有期雇用労働者といういわゆる「非正規型」と言って良いと思いますがそれらがその区分に入ることになります。とすると無期転換した社員が短時間勤務の場合は短時間勤務がゆえに「取組対象労働者」になるわけです。なお、短時間勤務とは、1週間の労働時間フルタイム フルタイムよりも短い場合をいいます。

無期転換労働者がフルタイム勤務の場合は「比較対象労働者」になりますが、短時間勤務の場合は「取組対象労働者」になるということです。

例えば短時間勤務の有期のパートさんが、労働条件はそのままで無期転換した場合は、「比較対象労働者」になることはなく有期のパートさんと比較することはないですが、「取組対象労働者」として「通常の労働者=いわゆる正社員など期間の定めのないフルタイム労働者」とは比較することになります。

また、フルタイムの有期のパートさんが、労働条件はそのまま無期転換した場合は、期間の定めのない労働契約を締結しているフルタイム労働者ということで「比較対象労働者」となり、無期化前の有期パートさんと比較することがあり得るということです。その際、労働条件が従前と変わらない場合は、同一労働同一賃金の問題にはならないということになります。

詳しくは以下をご参照ください。

不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル  業界共通編 厚生労働省
~パートタイム・有期雇用労働法への対応~ 

P27 図表3- 3 取組対象労働者と比較対象労働者の確認の流れ

https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000494536.pdf

お盆休みはゆっくりできましたでしょうか?私は家族旅行と懸案の研修の打合せと9月からの法人新年度に向けての事業計画を作成したり、ゆっくり休息もできて有意義でした。できなかったのは勉強ということで、明日からは受験生と同じ気持ちになり勉強を頑張るつもりです。 


健康保険の被扶養者に国内居住要件

2019-06-02 22:54:16 | 法改正

来年春から健康保険の被扶養者の認定の際に国内居住要件が加わることになりました。5月15日の参議院本会議で可決、成立、施行日は、令和2(2020)年4月1日となっています

この被扶養者に対する国内居住要件の追加は、生活の拠点が日本にない親族を一時的に被扶養者にすることにより充実した日本の健康保険の給付を受けた後すぐに帰国するといったケースや不正な在留資格により国民健康保険に加入し給付を受けるというケースがかなりあることが一昨年判明したことによるもので、それに対応する健康保険法の改正となりました。

法案の名称は「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るため の健康保険法等の一部を改正する法律案」です。

健康保険の被扶養認定における国内居住要件の追加

・日本に生活の基礎があると認められるもの(留学生など)については 例外的に要件を満たすこととする。例外となる者の詳細は省令で規定されるが、留学生や海外赴任に同行する家族など例示が示される予定。

・いわゆる「医療滞在ビザ」等で来日して国内に居住する者を被扶養者の対象から除外する。除外対象の詳細は省令で規定。

国民健康保険の資格管理の適正化のための市町村における調査対象の明確化

・日本人を含む国保被保険者の資格管理等の観点から、市町村が関係者に報告を求めること等ができる対象と して、外国人については、留学先である日本語学校等や経営管理を行う企業の取引先等、日本人につ いては、勤務先である企業の雇用主等を想定し、調査対象として明確化する。

追加される条文番号及び文言は以下の通りです。

[健康保険第3条第7項 ]

日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるもの

今日は気持ちの良い天気の上、少し時間的にゆったりできたのでベランダの花の手入れをしました。かなり若い葉が出てきていたのでしおれかけの花や葉を摘んで若い葉が伸びることができるようにしました。その後不要になった土をプランターに入れてまた新たな花を買ってきたらすぐに植えられるように耕しておき、ほんの少しの時間ですがそんなことをしていたら気分がとても晴れて頭の中が整理され、さらに前向きの発想が浮かんできました。やはり土いじりというのは、メンタル疾患にも良いといいますが人間の脳にとっても良い効果があるのかもしれないと思いました。

事務所は夏の決算に向けて、新たな方向性をつかみかけている感じです。アドバイザーとの契約で外部の意見を取り入れ、また積極的にいろいろな業界の方の説明を受けて、どんどん新しいものを採り入れていく姿勢をもっていたいと思っています。


健康情報の取扱規程の作成について

2019-05-12 20:52:32 | 法改正

先週週末ある勉強会で、働き方改革推進法関連の改正の中であまり目立たない部分についての解説を行いました。時間外労働の上限規制と年休5日取得義務について、そろそろ対応ができた企業が多いかと思うので、少し周辺も整えて欲しいと考えたからです。

今気になっているのは、安衛法の改正のうち「産業医・産業保健機能の強化」の中で人事担当者等が健康情報を取り扱う場面において、その取扱いの在り方を「規程」として策定し、労働者に周知するなどの環境整備が必要であるとされています。

条文でいうと労働安全衛生法104条2項に「事業者は、労働者の心身の状態に関する情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。」と定められており、3項には必要な指針を定め公表するとされています。

その指針については、平成30年9月7日付「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱い指針公示第1号」の中で取扱規程に定める事項が示されており、さらに今年3月に「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」(パンフレット)が発表されて、その中で「健康情報の取扱規程」のひな型が載っています。

この規程のひな型はかなり詳しく、かつ、細かく決めることが多いと感じますが、健康情報の取扱いについてはやはり規程化しておく必要はあると思います。以下のサイトで確認頂ければと思います。

https://www.mhlw.go.jp/content/000497966.pdf

先週は全国社会保険労務士会連合会の国際化推進特別委員会の委員としてルーマニアに出張しておりました。

昨年12月に行われた連合会の50周年記念式典の翌日、連合会とILOの共催で「国際社労士シンポジウム」開催されました。そこに参加してくれた社労士の類似制度をもつイタリア・スペイン・ルーマニア・韓国と今回新たにカナダが招かれ、日本と併せて6か国がブカレストで意見交換を行いました。

各国のこれまでの沿革や現状の課題などの発表がなされたのですが、共通しているのは「AI」の影響の懸念があり、また移民に対する労働条件などのテーマもあり、国際的なこの会議の重要性を再認識するものでした。

またこの国際化の事業は今後世界的に「社労士」の役割の重要性を広めていこうという目的があり、制度の価値を高めるために必要な事業であることを強く感じました。

ブカレストは歴史的建造物が街のいたるところにあり、また教会の壁画や石畳の道などヨーロッパを実感しました。また行きの飛行機でルーマニアの歴史の本を読みある程度知識ができた上で、チャウシェスクが造った「国民の館」という豪華な建造物に案内してもらったり、独裁体制の崩壊が始まった建物を見学できて良い経験になりました。社労士になりこのような経験ができるとは考えてもみなかったのですが、今後もお役に立てるよう少しずつでも英語を勉強しようと思います(ポケトークは大活躍でした)。

国民の館

6か国参加者


時間外・休日労働が1か月80時間を超えた場合の本人への通知ついて

2019-05-03 00:43:03 | 法改正

事業者は、時間外・休日労働時間の算定を行ったときは、当該超えた時間が1月当たり80時間を超えた労働者本人に対して、速やかに当該超えた時間に関する情報を通知しなければなりません。

当該通知については、高度プロフェッショナル制度の対象労働者を除き、管理監督者、事業場外労働のみなし労働時間制の適用者を含めた全ての労働者に適用されます。(改正安衛則第52条の2第3項)

通知については、疲労の蓄積が認められる労働者の面接指導の申出を促すためのものであり、労働時間に関する情報のほか、面接指導の実施方法・時期等の案内を併せて行うことが望まれる、とされています。 

また、研究開発業務従事者については、時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超えたものに対して、申出なしに面接指導を行わなければならないため、事業者は、対象労働者に対して、労働時間に関する情報を面接指導の案内と併せて通知する必要があります。

労働者に対する労働時間に関する情報の通知の方法については、事業者は、1月当たりの時間外・休日労働時間の算定を毎月1回以上、一定の期日を定めて行う必要があり、時間が1月当たり80時間を超えた労働者に対して、その超えた時間を書面や電子メール等により通知 する方法が適当、とされています(給与明細への記載も差し支えないとされています)。

労働者に対する労働時間に関する情報の通知の時期としては、時間外・休日労働時間の算定後、速やかに 通知する必要があるとされています。

連休明け、4月の勤務時間を算定して月80時間を超えているようであれば、該当の社員にその旨を伝えて頂ければと思います。

10連休の真っ最中にブログを書いています。明日から出張でしばらく日本を離れ9日に戻ってまいります。従って5日(日)の更新はお休みさせて頂きます。

皆様連休後半もそれぞれの形で、ゆっくりお過ごしください。


心身の状態の 情報の適正な取扱いのための規程のひな型

2019-04-07 22:12:26 | 法改正
労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針(平成30年9月7日)が発表された際に、「心身の状態の 情報の適正な取扱いのための規程」の策定することで取扱いを明確化することとされていました。関与先の人事担当者の方から「規程のひな型がないでしょうか」というお問い合わせを受けており厚労省に問い合わせたところ作成予定があるということでしたので待っていたところ、3月末近くにパンフレットがHPに掲載され、その中に「規程のひな型」もありました。適用開始は、平成31年4日1日で既に適用開始日を過ぎていますので、早めに準備しておくと良いと思います。
 
(指針より)
事業場において、労働者が雇用管理において自身にとって不利益な取扱いを受け るという不安を抱くことなく、安心して産業医等による健康相談等を受けられるように するとともに、事業者が必要な心身の状態の情報を収集して、労働者の健康確保措置を 十全に行えるようにするためには、関係法令に則った上で、心身の状態の情報が適切に 取り扱われることが必要であることから、事業者が、当該事業場における心身の状態の 情報の適正な取扱いのための規程(以下「取扱規程」という。)を策定することによる当 該取扱いの明確化が必要である。

規程のひな型は、パンフレットの後ろの方の参考2にあります。
 
また、上記指針には、心身の状態の情報の取扱いについて、労働者の同意を必要とするか否かが以下の3つの区分で表に整理されており、実務的に有用だと思います。
 
「心身の状態の情報の分類」 -「左欄の分類に該当する心身の状 態の情報の例」とここには載せませんが「心身の状態の情報の取扱いの原則」が示されています。
 
① 労働安全衛生法令に基づき事業者が直接取り扱うこととされており、労働安全衛生法令に定める義務を履行 するために、事業者が必ず取り扱わなければならない心身の状態の情報
(a)健康診断の受診・未受診 の情報 (b)長時間労働者による面接 指導の申出の有無 (c)ストレスチェックの結果、高ストレスと判定され た者による面接指導の申出 の有無 (d)健康診断の事後措置につ いて医師から聴取した意見 (e)長時間労働者に対する面 接指導の事後措置について 医師から聴取した意見 (f)ストレスチェックの結 果、高ストレスと判定され た者に対する面接指導の事 後措置について医師から聴 取した意見

② 労働安全衛生法令に基づき事業者が労働者本人の同意を得ずに収集することが可能であるが、事業場ごとの取扱規程により事業者等の内部における適正な取扱いを定めて運用することが適当である心身の状態の情報
(a)健康診断の結果(法定の項目) (b)健康診断の再検査の結果(法定の項目と同一のもの に限る。) (c)長時間労働者に対する面 接指導の結果 (d)ストレスチェックの結 果、高ストレスと判定され た者に対する面接指導の結果
 
③法令において事業者が直接取り扱うことについて規定されていないため、あら かじめ労働者本人の同意を得る ことが必要であり、事業場ごとの取扱規程により事業者等の内部における適正な取扱いを定めて運用すること が必要である心 身の状態の情報
(a)健康診断の結果(法定外 個人情報の保護に関す項目) (b)保健指導の結果 (c)健康診断の再検査の結果 (法定の項目と同一のもの を除く。) (d)健康診断の精密検査の結 果 (e)健康相談の結果 (f)がん検診の結果 (g)職場復帰のための面接指導の結果 (h)治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書 (i)通院状況等疾病管理のた めの情報
 
この週末は暖かく桜も満開でお花見日和でした。来週からいよいよ大学院2年目が始まります。また新たな勉強が同級生たちとできると思うとワクワクします。「そんなに勉強が好きだったっけ?」と大学時代の友人にはいつも言われますが、確かに正直勉強が面白いと思い好きになったのは社労士の勉強を始めたあたりかなと思います。
 
約2週間前に、転んで右手薬指の筋が切れました。2週間くらい支えを当てておくと、自然に「筋がくっつくかつかないかどちらかわからない」という診断だったのですが、今のところ戻っていません。この話をすると意外にも「ほっておいたから曲がったまま」という人(男性が多い)が結構いることに驚きます。何とかくっついてまっすぐになってくれると良いと思うのですが。

高度プロフェッショナル制度の対象業務について

2019-03-31 22:06:47 | 法改正
高度プロフェッショナル制度の対象業務が、3月25日に発表された労基法施行規則で明らかになりました。
今のところ高度プロフェッショナル制度を導入したいと検討されている会社は周りではないのですが、対象業務が明確にされたことで検討する企業も出てくる可能性があります。
 
(1)対象業務は、「高度の専門的知識等を必要と し、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる業務」として以下が示されました。
 
1.金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務・・・金融商品の開発業務
2.資産運用(指図を含む。以下同じ。)の業務又は有価証 券の売買その他の取引の業務のうち、投資判断に基づく資産運用の業務、 投資判断に基づく資産運用として行う有価証券の売買その他の取引の業 務又は投資判断に基づき自己の計算において行う有価証券の売買その他 の取引の業務・・・金融商品のディーリング業務
3.有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価 又はこれに基づく投資に関する助言の業務・・・アナリストの業務
4.顧客の事業の運営に関する重要な事項についての調査又は分析及びこ れに基づく当該事項に関する考案又は助言の業務・・・コンサルタントの業務
5.新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務・・・研究開発業務
 
(2)対象は希望する人のみとされ、職務を明確に定める「職務記述書」等により同意している方ことが要件となります。
 
(3)年収要件として、基準年間平均給与額の3倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であることとされ、その額は1,075 万円と予定通りの額となっています。
 
その他詳しくは通達等が厚労省の以下のサイトにアップされていますので以下ご確認下さい。
 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について
 
金曜日と土曜日で島根(松江)に出張してきました。島根県会の方たちをはじめとして中国四国地域協議会の方たちに温かく迎えて頂いて楽しい出張となりました。
 
島根は10年前に家族で旅行をして、松江城の周りのお堀をめぐる堀川めぐりの船に乗り、出雲大社にお参りして、小泉八雲の家を見学したあとお庭が温泉だった玉造温泉の旅館に泊まりとても印象深く記憶に残っていましたので今回仕事の翌日の土曜日も楽しみにしていました。
当時は父が早く亡くなり老後に夫婦で楽しむ旅行ができなかった70代の母を毎年旅行連れ出すという計画のもと旅行先ではレンタカーを借りて色々と回っていたのですが、今回は一人で松江の街をぐるりと回ってくれるバスの1日券を購入して途中下車したりして楽しんできました。
 
この感じだと一人旅もとても楽しめそうな感じです。とてもリフレッシュできました。今年は修士論文を頑張って良いものを書き上げたら、その後は、日本国内や外国に気軽に旅をしてみたいと思いました。
 
いよいよ4月に入り明日は新しい年号が発表になりますね。気持ちを新たにして、春を迎えられそうです。
 
赤いバスがぐるっと松江レイクライン(外国みたいですね)
 

働く人たちの働き方改革へ期待すること

2019-03-04 00:24:21 | 法改正
ここのところ「働き方改革」についての話をして欲しいという講演依頼が私だけでなく事務所スタッフにのかなりの数入ってきているので、働く人たちがどのように感じているのか調査を探してみました。少し古いのですが、「日経キャリアNET」で行った18年7月下旬から8月上旬にかけて、21~59歳までの登録会員を対象に「働き方改革」に関する意識調査行ったということで、以下のような結果でした。
 
1)転職活動で応募する企業を選ぶとき、「志望度が上がりそうな『働き方改革』に関連する制度」があるかどうか聞いてみたところ、志望度が上がりそうと答えた制度上位3つは、副業・兼業の解禁=50.3%、テレワーク(在宅勤務含む)=49.5%、有給休暇取得の促進=46.6%
 
 「『副業・兼業』や『働く場所』に関連した制度のいち早い導入は、中途採用を実施する企業にとって応募を募る呼び水になりえるかもしれません」ということでちょっと意外といえば意外です。
 「志望度が上がりそう」と答えた制度上位3つの割合を年代別でみてみると、「副業・兼業」で一番高かったのは30代で59%、20代が50%。「テレワーク」は20代が64%、30代が52%。「有給休暇取得」は30代が55%、20代が51%と過半数を超えました。
 
2)働き方改革関連法案の8つの項目について、言葉と内容の理解度を聞きました。「言葉も内容も十分理解している」の割合が最も高かった項目は、「時間外労働(残業時間)の上限規制」(35.6%)。次いで「同一労働同一賃金」(29.8%)、「有給休暇の取得義務化」(29.6%)の順でした。
 
3)働き方改革関連法案の成立によって、自分の働き方がどうなると思うかを聞いたところ、8つの項目いずれも「変わらない」が最多となりました。項目によって回答の割合に差はありますが、「変わらない」の回答は約55~78%を占めました。働き方改革関連法案は成立まで3年を要し、政府が2018年国会の重要法案の1つとして成立させたものの、働く人たちにとってはほとんど影響がないと考える人が多い結果となりました。

 項目別にみると、働く人たちが改善を最も期待している項目は「有給休暇の取得義務化」。「大変良くなる」が9.8%、「やや良くなる」が29.6%となり、約4割の人が今までより良くなりそうと思っています。
 同項目を年代別にみると、20代が48.6%(「大変良くなる」と「やや良くなる」の合計、以下同)、30代42.3%、40代36.2%、50代34.6%となり、年代が上がるにつれて、割合が下がっていました。
 
4)働き方改革関連法案の中で関心が高い項目を選んでもらったところ、「有給休暇の取得義務化」(33.7%)が最多となりました。年代別でみても20~50代いずれにおいて、最も高い割合でした。有給休暇を挙げた理由をみると、「なかなか取得できないから」といった意見が大半を占め、義務化されることで取りやすくなると期待しているようです。
 有給休暇の取得義務化が関心がある理由(一部)としては、「毎年、有給休暇の消化ができず、捨ててしまっているため」「有給休暇を取得することに後ろめたい気持ちがあったが、2019年からは堂々と取得できそうな気がする」「有給休暇はあるが、取りにくい雰囲気があるし、他の従業員もあまり進んで取っていない」ということです。
 
第26回「働き方改革に関する意識調査」会員アンケート
 
今日は、大学院の秋学期の社会福祉の講義を担当頂いた講師の先生が社会福祉事業を行うNPO法人の見学と山谷街歩きにクラスのメンバーを連れて行ってくれました。NPO法人が行っている生活困窮者支援事業についての運営の方法や実際に起こった様々な話、ケア付きの就労支援ホームが沢山ある山谷の街を歩きながら最近の変化も含めた話を聴き、また見学しとても良い勉強になりました。今後超高齢化社会を乗り切るためには地域連携が非常に大切になるということはよく言われることですが、NPO法人の行われている地域連携の仕掛けは共通点がある思いました。
 
大学院に入り最初のゼミの発表で担当したのが「無料低額宿泊所」についての裁判例で、割振られたときはこれまで全く未知の分野だったので戸惑いました。しかしそういう社労士の仕事とはほとんど直接関係しないことも勉強することは、自分のもつ知識の幅を広げる意味で重要なのではないかと感じています。そういう意味で大学院に入り勉強していることはとても良かったと思います。 

全ての労働者の労働時間の把握について

2019-01-06 20:31:54 | 法改正

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

今回の年末年始は9日連続休暇を取られた方も多いのかなと思います。ゆっくり休まれたでしょうか。今年は5月の連休もかなり長期休暇になる会社が多いかと思いますが、休暇という点からいよいよ本格的に働き方改革が始まる年という感じがします。

4月より働き方改革関連の法改正が行われることになりますが、その中でかなり大きな改正点として「すべての労働者の労働時間を把握する義務」があげられると思います。そもそもこれまでは管理監督者は労基法第41条の定めにより、「労働時間・休憩・休日の適用除外」とされているため労働時間の把握義務は使用者にはなかったわけです。また、裁量労働者については、労基法第38条の3の定めにより「労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なもの」ということで労働時間の把握義務が同じく使用者にはないということになっていました。ただし安衛法の面接指導の規定は適用されるということである意味間接的に把握義務があるという作りになっていました。

今回の改正ですべての労働者の労働時間について、使用者は労働時間の把握義務があるということが明確になりました。関係のリーフレットなどに書かれていますので既に認識されている方が多いと思います。また高度プロフェッショナル制度対象者については法律条文がどのようになっているかという点について触れてみようと思います。

安衛法66条の8の3 事業者は、第66条の8第1項又は前条第1項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定め る方法により、労働者(次条第1項<いわゆる高度プロフェッショナル制度>に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。

上記安衛法の規定で時間把握について除かれている高度プロフェッショナル制度対象者については労基法において、労働時間だけではなく「労働時間と事業場外において労働した時間との合計時間である健康管理時間」を把握する措置が義務付けられています。

労基法第41条の2,3号  対象業務に従事する対象労働者の健康管理を行うために当該 対象労働者が事業場内にいた時間(この項の委員会が厚生労働 省令で定める労働時間以外の時間を除くことを決議したときは 、当該決議に係る時間を除いた時間)と事業場外において労働 した時間との合計の時間(略「健康管理時間」という。)を把握する措置(厚生労働省令 で定める方法に限る。)を当該決議で定めるところにより使用 者が講ずること。

今回、管理監督者については、労基法における労働時間等の概念がないことについてはそのままにして、安衛法において労働時間の把握義務を設けたところはやはり「健康管理のため」という目的があることが主たる理由であると思いますが、ちょっと違和感も感じています。

今年のお正月は年明けに備えて大掃除や駅伝観戦の合間に、セミナーレジュメやレポートに取り組んでだいぶはかどりました。4日に出社したときに36協定集中という1月に渋谷労働基準協会で行うセミナーのレジュメをひらこうとしたら12月31日0時〇分とあり、アレそんな時間にやっていたんだっけと自分でびっくりしてしまいました。働き方改革からしたら全く劣等生の私なのですが、TACの講師時代から社労士の仕事や勉強が楽しくて面白くて仕方ないという感じでここまで来てしまいました。そういう仕事に巡り合えたことは人生においてやはり幸せなことと思っています。

初詣では「大吉」が出ましたし、今年は周りに迷惑はかけないように気を付けながら元気に行きたいと思っています。宜しくお願いします。


法律が施行されるまでの過程について(与党審査)

2018-12-02 22:41:25 | 法改正

法律のできる過程については想像以上に色々な手順が踏まれているのだということは以前のブログでも取り上げています。

そもそも法案には、内閣提出法案と議員提出法案があるのですが、内閣提出法案については、各省庁が原案を作成して省内調整や省庁間の調整後「内閣法制局審査」を経て国会に提出する前に「与党審査」が行われます。

この与党審査というのは、国会に提出前、事前にその法案について与党の了承を得ることなのですが、特に法律上の根拠があるわけではありません。これまでも小泉政権時代と民主党政権時代に与党審査制を廃止すべきとということで改革を進めようとしたことがあったようです。特に民主党への政権が交代した際には、与党審査の廃止を決定して内閣において意思決定を行うこととし仕組みを変えたのです。しかし与党議員の意見などを聴く場がないということで不満が高まり、上手く行かなかったといういきさつがある様です。

与党審査の機能としては、国会への法案が提出された際に、与党議員に党議拘束をかけて円滑な国会運営を図り確実に成立までもっていくため、事前に与党内の反対意見を聴く場を設ける等意見を調整していく調整機能があります。また政府と与党の一体性を確保することや、各立ち位置での利益の調整、与党(自民党)の立案能力等の向上、省庁間の縦割り行政の弊害が緩和されるなどの効果があります。

しかし弊害として、憲法に定める統治機構外部にある与党というインフォーマルな場での不透明な政策決定、政府・与党二元体制による責任の不明確さ、国会審議の形骸化、利益誘導の分配の政治構造、族議員の癒着等、党議拘束による個人意見表明の制約などがあげられるということです。

国会の審議前にある程度でき上っているというのは前回のブログの際にも書いたのですが、かなり強固な仕組みが出来上がっているという感じです。

しかし年金にしても立法にしてもそうなのですが勉強していると民主党政権下で行われた改革が一つの重要な転換点になっていることが多いと感じます。かなりの部分で失敗に終わっているのですが、長く続いた自民党政治に対する風穴を開けた部分もあるようですし、結局難しくなし崩しに終わってしまった改革もあるようですが、いずれにしても今となっては日本にとって無駄ではない経験であったのかな感じます。

残すところいよいよ今年もあと1か月となりました。先週は収録・発表・セミナーとたて続き、前倒して準備はしていたのですがいっぱいいっぱいでした。11月がかなり忙しかった代わりに12月の方が少しゆとりができそうで嬉しいです。まあ自分で選んで忙しくしている面もあるので仕方ないとは思いますが。

今週は、社会保険労務士制度創立50周年記念ということで、連合会のイベントなどが4日間続きます。前夜祭では今年3回目の着物も頑張って来てみる予定です。2日目は式典が開催され、3日目は連合会で担当させて頂いている国際化推進特別委員会のシンポジウムがあり、この10年間連合会が取り組んできた国際化の事業が一つの結実した形で発表できる機会になります。私自身のこの事業への参加は5年目でしかないのですがお手伝いできたことが嬉しく楽しみにしています。翌日4日目はインドネシアの訪問団が事務所に見学に来られる予定ですので、あっという間に1週間が終わりそうです。 


時季指定年休の罰則適用について

2018-10-08 20:34:51 | 法改正

朝日新聞の7月19日付で改正労基法の年次有給休暇に係る罰則についての記事が載っているというご連絡を顧問先から受けました。7月18日の労働政策審議会の審議についてはまだ議事録が見れない状況なのですが、そこでの見解であろうと思われます。違反について罰則がかかるのは企業単位なのか労働者1人当たり単位なのかというご質問はほかの会社さんからも若干受けていますが、今回の厚労省の見解は労働者1人当たりであるということです。

働きかた改革法の来年4月から全企業に課される年次有給休暇の消化義務をめぐり、厚労省は18日、企業側が年休の消化日を指定したのに従業員が従わずに働いた場合、消化させたことにはならないとの見解を示した。企業側にとっては、指定した日にきちんと休んでもらう手立ても課題になりそうだ。法施行に必要な省令改正などを検討する労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で、経営側委員の質問に担当者が答えた。働きかた改革法では、年10日以上の年休が与えられている働き手が自主的に5日以上を消化しない場合、企業が本人の希望をふまえて日程を決め、最低5日は消化させることが義務づけられる。違反した場合、従業員1人あたり最大30万円の罰金が企業に科されるため、企業は対応に神経をとがらせている。(朝日新聞2018.7.19付記事より)

これは刑法48条*に基づくものと考えられ、「罰金の多額の合計以下」ということになります。労働者1人当たり30万円の罰金ということは5日取得できていない労働者が10人いれば300万円以下の金額での罰金ということに理論上はなるのかなと思われます。

実際に5日未取得者がいるからといって即罰金刑が科されるかどうかは、来年の4月以降改正法が施行された後労働基準監督署等の動向を見てみないとわからないですが、法律の定めはそのようになっているということは認識しておく必要があるかと思います。

*刑法第48条(罰金の併科等)
第四十八条 罰金と他の刑とは、併科する。ただし、第四十六条第一項の場合は、この限りでない。

2 併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する。

一昨日は大学卒業周年記念のお祝い会でした。みんなそれなりに年を取っていましたが、あっという間に当時の雰囲気がよみがえり、色々なことを思い出しながら話し、心から笑って楽しく過ごすことができました。特に体育会の仲間は懐かしく、話していると当時から今日までタイムスリップしたような不思議な感じすらしました。また次の会の時まで元気で過ごして皆で集まれますようにと願っています。

いよいよ大学院の授業が始まり、いきなり読む本がどっと提示されました。発表も10月に1つ手をあげましたのでまた頑張ろうと思います。ただ春学期のスタートの時は、右も左もわからず社会保障の世界に飛び込んだ感じでしたが、秋学期を迎えて少しではありますが春学期の勉強や夏休みに読んだ本の知識の積み上げができて、色々なことの関連性、つながりが見えてくるような気がして、勉強することがますます楽しくなってきたように思います。


改正36協定記入例

2018-09-17 23:29:11 | 法改正

OURS人研ニュースに載りましたが、来春より様式変更となる36協定の記入見本が出ました。12日に行ったOURSセミナーで記入方法までトライしてみようかと思っていたのですが、まだ時間もあるので記入見本が出てからということで様子を見ましたとお伝えした直後でしたので、早めに出たことに若干驚きました。

https://www.mhlw.go.jp/content/000350329.pdf

記載されている内容をみるとこれまでと思ったほど大きく変わっているわけではないですが、以下に異なる点を挙げてみます。

①現行の延長時間については「1日、1日を超え3箇月以内の期間及び1年」について定めることになっており、3箇月の時間外労働を定めることが可能でしたが、法改正により「1日、1箇月及び1年」の時間外労働を定めることとされたため、記入欄も「1日・1箇月・1年」とされています。

②起算日と有効期間の記入欄の位置が変わりました(特にこれまで法定されていなかった起算日については36協定に定める事項として新たに法定化されました)。

③所定労働時間を超える時間数(任意)を記入する欄ができました。(これまで法定超えを書くか所定超えを書くかで悩む会社もありましたので、これですっきりしました)。

④これまで記入欄がないため欄外に記載していたことの多い特別条項は2ページ目に準備されました。

⑤特別条項を適用する場合の健康福祉確保措置のNOを記入する欄ができました。

⑥「上記で定める時間数にかかわらず、時間外労働及び休日労働を合算した時間数は、1箇月について100時間未満でなければならず、かつ2箇月から6箇月で平均して80時間を超過しないこと(チェックボックスに要チェック)」というチェックボックスができました。

気になる点としては、新たな残業時間の上限規制は、大企業は2019年4月1日施行ですが、中小企業は2020年4月1日施行ですので、2019年の4月はまだ現行の時間外上限を用いることができ、その場合もこの様式を使うとするとかなり記入しづらい(3箇月の上限を定める場合どのようにするか)ということがあります。いまのところその対応については特別何も示されていないため未定と考えてよいと思います。

また、特別条項に記入するべき割増賃金率ですが35%となっています。これは法定の割増率である25%を超える割増率であり、25%を超える割増率については努力規定であることは記載されてはいますが、その通り転記してしまうケースがないか気になります。

現行の特別条項の見本では、限度時間を超えて労働させる場合における手続については「労使で協議」とされていたかと思いますが、「労働者代表者に対する事前申し入れ」とされています。現実的には「協議」はなかなか難しく「通告」としてはとアドバイスしてきました。その場合でも「事前」がポイントになりますので、この記載については現実的な見本になっていると感じます。

現行、休日労働については「始業・終業時刻」ではなく「休日労働時間数」でも良いことになっています。こちらについては、36協定に定める事項として法に定めらているのは「休日労働の日数」のみとされており「始業・終業時刻」は定められていないため従来通り休日労働時間数(例10時間など)でよいものと考えます。

連続ハズキルーペの話で申し訳ないのですが、お蔭さまではっきり文字が見えるせいか読書に集中できて、夜布団の中で堅い本を読んでいると最近すぐ眠たくなってしまうのですがなぜかこれが眠くならず順調に読み進めることになり、非常に重宝しております(あくまで個人の感想です)。

新事務所は片付けも終わり落ち着きました。皆様から沢山のお花を頂戴しまして有難うございました。事務所入り口に飾らせて頂き、新たに頑張ろうという気持ちになりました。

BBクラブからもかわいらしい蘭を頂きましたが、なかなか御礼をお伝えする機会がないためこの場をお借りして御礼申し上げます。有難うございました。

 BBクラブからのお祝いのお花 


働き方改革法案関連 改正36協定の起算日について

2018-09-09 20:37:19 | 法改正

2019年4月より改正される36協定の様式については指針案に載っています。今回改正により特別条項がない場合1枚の届出、特別条項も締結する場合はさらに特別条項用の1枚が追加される形になっています。

その記載事項の中で「起算日」があります。現行の36協定においても「起算日」の記入欄はあるのですが、根拠は明確ではなかったかと思います。今回は省令案の中で36協定の記載事項に新たに追加されることが書かれており、これは「建議に対応」ということになっています。建議に対して労働政策審議会の労働条件分科会の報告で以下のように示されています。

現行の36 協定は、省令により「1日」及び「1日を超える一定の期間」についての延長時間が必要的記載事項とされ、「1日を超える一定の期間」は時間外限度基準告示で「1日を超え3か月以内の期間及び1年間」としなければならないと定められている。今回、月45 時間(一年単位の変形労働時間制の場合は42 時間)、かつ、年360 時間(一年単位の変形労働時間制の場合は320 時間)の原則的上限を法定する趣旨を踏まえ、「1日を超える一定の期間」は「1か月及び1年間」に限ることとし、その旨省令に規定することが適当である。併せて、省令で定める協定の様式において1年間の上限を適用する期間の起算点を明確化することが適当である。

この起算日の役割は、36協定に定める1か月又は1年の期間を明確化する必要があるということになるわけなのですが、それでは起算日を明確化したことにより、2,3,4,5,6か月の平均もその範囲内でしか見ないのかというとそういうわけでないのです。その理由としては法律条文の構成から読み取れると言えば読み取れるのですが、36協定案の裏面に「チェックボックスは労働基準法第36条6項第2号及び第3号の要件を遵守する趣旨のものであり、『2箇月から6箇月まで』とは、起算日をまたぐケースも含め、連続した2か月から6か月までの期間を指すことに留意すること。」とあります。その点は留意が必要と考えます。

そういう細かな点についてはOURSセミナーでもお話ししますし、ブログにも載せていこうと思います。

とうとうハズキルーペを購入しました。眼鏡の上からかけられる大きなタイプで1.6倍という中間の倍率のものです。そんなに効果がないという意見もありましたが、掛けてみたら私には合っているのかバッチリという感じです。これで細かい仕事も少し楽になりそうな気がしますので、自宅と事務所両方に置いておこうかなと考えています。ちなみに色はシルバーにしました。


労基法改正 特別条項時間外労働の上限720時間

2018-08-27 00:30:49 | 法改正

9月12日のOURSセミナーに向けて労基法の改正を勉強中なのですが、実務対応を考えると、いくつか細かな点が出てきています。ひとつは特別条項の時間外労働の上限720時間の効果についてです。

大企業にとっては来年(2019年)4月から施行される時間外労働の上限規制については以下の通りとされています。

・原則の時間外労働の上限の法定化(告示で定められている事項の法定化)

1か月45時間・1年360時間(1年単位の変形労働時間制の場合1か月42時間と1年320時間)

・特別条項の上限時間(6か月以内に限る)

①1年間に延長できる時間外労働720時間以内(休日労働含まず)

②1か月に延長できる時間外労働100時間未満(休日労働含む)

③2,3,4,5,6か月の各時間外労働の平均時間80時間以内(休日労働含む)

上記の説明として、これまで③の運用が非常に難しいと考え「時間管理が複雑にならないためには、休日労働を含んで80時間以内に時間外労働等を収めることが良いと思います」と説明していました。しかし、80時間全てを時間外とした場合どうなるかというと、45時間×6か月+80時間×6か月=750時間となってしまうため、①の1年間720時間を超えてしまうことになります。通常休日労働はそれほど頻繁に行われずやはり時間外労働が多く発生しているのではないかと考えます。そうだとすると、時間管理をできるだけシンプルにするには、時間外労働のみを考えた場合、毎月75時間に収めることが良い」(45時間×6か月+75時間×6か月=720時間)ということも説明に加える必要があります。

できるだけ各社員に対して、今月何時間時間外労働が可能なのかということを知らせるシステムを準備することが良いと思います。その際、休日労働を含み80時間という考え方だけではひょっとして時間外労働が年間720時間を超えてしまう可能性もあります。システムを構築する際、年間720時間を十分考慮しながら検討することになると思われます。

今日は本当に暑い一日でした。社労士試験の受験生は本当にお疲れさまでした。資格取得校の解答速報も選択・択一の解答は早くも出たようですが、とにかくまずはゆっくり休んで欲しいと思います。年に1回しかない本試験なので受験生の緊張感は本当に大きいと思います。この日に向けて本当に頑張った!とねぎらってあげたいと思います。


働き方改革法案関連の通達・指針など

2018-08-19 19:19:51 | 法改正

今週末は、9月のOURSセミナーに向けて「労基法改正」と「働き方改革」関連のレジュメを作る予定でいたところ、非常に良いタイミングで通達が出てくれました。

通達と第145回労働政策審議会労働条件分科会の資料にある指針案・政省令案は以下の通りです。

(通達)働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律について(平成30.7.6職発0706第2号、雇均発0706第1号)https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T180813K0010.pdf

(関連法案)働き方改革関連法案などについては以下のサイトをご覧ください。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html

第145回労働政策審議会労働条件分科会(平成30.8.9開催)資料(とても有用です)

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000024580_00003.html

「労働時間に関する制度見直し」についてはかなり詳しい資料となっており、年次有給休暇についても基準日制をとっている場合の「使用者の時季指定年休5日付与」について細かく述べられています。36協定の新書式案も載っており、詳しい内容の上、政省令案も出ているの時間をかけてレジュメの更新ができる状況になってきました。

今回は取り急ぎ情報提供ということでお知らせしておきます。

夏休みはフィンランドのヘルシンキまで行ってきました。昔から「アラビア社」の陶器製品が好きで憧れの国であり、今回は思い切って3泊5日で行きました。街中トラムや地下鉄が走っており4日間使えるICカードを使えば乗り放題で色々なところに行くことができました。アラビア社の工場では古い型の食器などを購入することができました。

福祉の国ということをイメージしていたのですが、フィンランドも高齢化が進んでいる様子で高齢者が多く少し寂しそうな様子であったので、社会保障はどのような状況なのかと調べたところ、1990年代の経済不況で社会保障サービスは切下げられている状況のようです。日本と同様高齢化により社会保障についての状況は厳しいようです。

2017年から2年間「ベーシックインカム」を一定の範囲で試行的に実施したようなのですが、2018年末で終了し、本格的な導入とはいかなかったようです。大学院でベーシックインカムを勉強しましたので、なぜ試行だけで終わってしまうのか興味深いところで今後も注目していこうと思います。やはり実際に行ってみる色々と思うところがあります。

トラム   最初のムーミン


働き方改革のヒント①生産性向上

2018-08-05 21:30:15 | 法改正

育児介護休業法の書籍を事務所のスタッフと出すことができることになり、ここ数日はその仕事にかかり切っています。その次に控えているのが9月のOURSセミナーを皮切りにたぶん何度かセミナーでお話しすることになるであろう『労基法改正と働き方改革』かなと考えてその準備をお盆明けに行おうと思っています。思いついた時にこちらもシリーズでブログで取り上げていこうと思います。

本当は労基法改正の政省令が出てくれるとより細かな点がわかるので実務対応も考えられるのですが、どうも夏に出てくる感じがしないため、色々とアンテナを張って資料集めをする必要がありそうです。お盆は旅行に行く予定なのでその空き時間に「働き方改革」の本を色々読んでみようと4冊購入してみました。

連合会の働き方改革実務会議の委員になったこともあり、最近「働き方改革」のことを考えていることが多いのですが、気になるのが求められている「生産性の向上」のことです。

生産性の向上については、無駄に手をかけないなどが大事といわれることが多いのですが、細部までの丁寧さは日本人の良さではなかったのか?という疑問が付いて回るのです。

日本人の丁寧さを残しつつ生産性を上げるにはどうしたらよいかという答えの一つはアウトソースの活用ではないかと考えます。「餅は餅屋」だと思うのです。日本の社会は色々な意味で成熟したので全ての点で複雑になっています。仕事も昔より複雑になってきており時間がかかるような気がします。

日本のきめ細かな仕事を維持するためにはどうしても生産性が悪くなってしまっているのではないかと考えるのです。それはそんなに恥じるべきことではないのではないかということがいつも頭にあります。その解決策はアウトソーシングではないかということなのです。

総合的な判断ができる人は確かに必要なのですが、日本人の中でその適正を持った人の割合はそれほど多くないような気がします。むしろ専門職に向いている人が多いのではないかと思われます。企業は本業に注力するため業種を特化した分社化をして、専門性が高いものについては下請けに出したりアウトソーシングをする時代です。これをもっと進めることが肝要ではないかということです。もっと細かく専門家にアウトソースしていくことで生産性はぐっと上がってくるのではないかという気がします。

事務所の中もある程度スタッフに専門性を持ってもらおうと考えて仕事を担当してもらっています。そうすると調べることの範囲が限られその代わり深く勉強して考えられるのではないかと思うのです。ただあまり分業化してしまったり専門性に特化することで仕事が面白くなくなってしまうのは避けたいところです。その点が難しいところではあります。

いよいよ今週末からお盆休みに入ります。本試験を控えている場合大事な時期になってきます。最後の2週間と1週間はとにかく焦らず一つでも知識が定着するために繰り返す大事な時期です。受験する皆さんは頑張って欲しいと思います。

私はというと夏休みに読もうと思っていた大学院用の書籍が10冊くらいあるのですが、今のところ仕事に追われて手がついていません。でもこれも焦らずお盆明け「働き方改革のレジュメ」ができたら、9月下旬までの時間を利用してコツコツ取り組んでいこうと思っています。

来週は旅行に行きますのでブログはお休みします。皆様の夏休みが充実したものになりますように。