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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

日本で女性の活躍を進めるヒント

2024-03-11 19:47:33 | 雑感

日本の女性活躍は、世界経済フォーラムが算出しているジェンダーギャップ指数では146ヵ国中125位と先進国としては最低水準だということです。

女性活躍がなかなか進まないのは、よく言われるのは家事負担が女性に偏りがちという点です。確かにこれまではそうだったかもしれませんが、10年前くらいからは周りを見ると男子は家事負担についても子育てについてもかなり頑張っているようには感じており、これは一部の事例でしょうか。そうだとしても現在50代以上の男性と比較すると働き方も異なると思いますし、ずいぶんと家事、育児へのかかわり方は大きく変化しているように感じます。おそらく50代以上の男性からみるとびっくりするぐらい、今の子育て中の世代は夫婦で生活にかかわる作業を分担し協力しあっているように見えます。これは海外の状況では比較的普通なのかもしれないとイメージしています。今の子育て世代が社会で決定権のある世代となる10年15年後は女性の活躍についてもだいぶ変わるのかもしれません。

女性の活躍が進まないのは、私の考えでは、日本人の控え目を良しとする気質や、教育、社会に出てからの会議への参加、発言などの機会の少なさがかなり大きな要因となっているのではないかと感じています。ただそれ以上に一言でいうとやはり「男性社会」という壁のようなものは感じることは多々あります。外部の会議などでも男性の中にたった一人の女性という状況になることは多く、それは専門職として比較的入りやすいということがあるかと思いますが、男性社会の常識とかルールなどが暗黙の了解の中で守られているような気がします。多様性が注目されてからずいぶんと時間が経ちますが、今のところ動かし難い、大きな壁のようなものを感じることが多いです。女性がその壁を超えて会議に参加するなどということについては男性側からしても女性側からしてもなかなか壊しにくいもののように思えます。

3月8日の日経新聞の「国際女性デー」の記事で丸井グループの青井社長のインタビュー記事はとても印象的でした。こんなトップであれば組織の多様性が実現し、閉塞感が打開されるのだろうなと思いました。というのも長い低迷期に同質の男性ばかりが集まり、議論を進めると予定調和的な議論になり、時代に合わせて変わることができないことに思い至り、女性や若手をメンバーに入れる構成の会議でないと、会議をしないで帰ることにしたというのです。残業の削減に仕事の見える化やITを活用し、シフトを細かく刻み、対話の重視など様々な施策を進めたそうです。また男性の抱える重荷を軽くするという意味で女性の活躍により男性が稼がなければという負担感を減らし幸福度を高めるという考えも示されており、女性の活躍のヒントが沢山語られていました。トップの考えと意思が組織を時代に合わせて変えていくには必要なのだということをつくづく感じさせる記事です。

 

週末を使って旅行に行ってきました。一人旅の女性もいて少し話をしてみるとそれぞれ自分の楽しみ方や考え方を持っていてとても教えられることが多いです。女性の好奇心や企画力、情報交換のコミュニケーション力を生かさない手はないと思うのです。同質性の中で安心するのではなく時には議論が過ぎるくらいのことがあったとしても、多様性を楽しむくらいの企業や組織が増えてくると、日本社会も企業、働く人ももっと元気になり皆が幸せを感じることができるのではないかと思います。

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