OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

2020-02-24 17:36:37 | 労務管理

新型コロナウイルスが今後拡大しないように、国民が心して行動することが非常に大事だと思いますが、その間企業としてはどのような対応が必要なのかという点については、厚生労働省のHPにて、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)が出ています。会社が指示して休業させる場合の休業手当の支払いなど、非常に今ご質問の多い部分なので、特にQ&Aの「労働者を休ませる場合の措置について」を確認いただくのが一番確かと思います。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html

かいつまんでポイントを記載すると以下の通りです。

①労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合の休業手当
新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。

②新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合の休業手当
風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合等は「帰国者・接触者相談センター」に問い合わせてもらい、その結果が『新型コロナウイルス感染症以外』の病気であろうということで、職務の継続が可能である場合に、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

③労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいる場合
通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制度を活用することなどが考えられます。
一方、例えば熱が37.5度以上あることなど一定の症状があることのみをもって一律に労働者に休んでもらう等の措置をとる場合は②と同様に、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

④新型コロナウイルスに感染している疑いのある場合の年次有給休暇
年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。

上記②で本人に体調が悪いという自覚症状がある場合と③及び④の場合は、年次有給休暇の『取得を勧奨する(取得を勧める)』ことは可能であると考えます。少し古い調査ですが、2009年の新型インフルエンザの場合の企業の対応としては、インフルエンザ対応として労務行政研究所で調査をしています。以下抜粋です。

https://www.rosei.or.jp/research/pdf/000008228.pdf
「企業における新型インフルエンザ対策の実態」

◎従業員に感染が確認され、本人を自宅待機とした場合の賃金等の取り扱い 
従業員に感染が確認された場合、職場に感染を広げるリスクがあるため、自宅療養を求めることになる。そこで、このように、自宅待機とする場合の賃金等の取り扱いについて尋ねた。
企業の取り扱いの実態をみると、多い順に
(3)賃金を通常どおり支払う(欠勤しても控除がない)……33.1%
(4)分からない・未定……27.2%
(1)賃金や休業手当等は支払わない……22.2%
(2)賃金は支払わず、休業手当を支払う……8.6% 
――であった。(※番号は質問順)
(3)が多いのは、欠勤しても賃金を控除しない“完全月給制”の企業が少なくないためであろう。
なお、上記で(1)(2)と答えた企業のうち98.2%は、「年休の取得を認める」としており、「(6)原則として年休取得で対応」とした5.0%の企業と合わせると、全体の約35%の企業が実際の休業に際して年休取得により賃金を支払う運用になるものとみられる。

3連休でしたが、声帯炎のこともあり、ほとんど外に出ず家の中でおとなしくしておりました。といっても体調が悪いというわけではないので、いつになく暇で、気になっていた引き出しの整理などを沢山出来て、結構有意義に過ごすことができました。

事務所は、3月6~7日に予定していた社員旅行は中止、先日の事務所でフグを食べに行く会も中止としました。フルフレックスタイムを導入して混雑しない状況の通勤をしてもらうことにしたり、比較的早めに手を打てたのは良かったです。仕事関係も今後のいろいろなスケジュールも中止となり時間のゆとりができそうなので、前倒しでいくつか仕事を片付けてしまおうと考えています。


仕事と介護の両立支援 厚生労働省のHP

2020-02-16 22:00:52 | 労務管理

厚生労働省のHPは本当に最近充実しており、セミナーレジュメを作る際に非常に活用させてもらっています。今回、育児介護休業関係の原稿の仕事の依頼があり、改めて調べながら書いていたのですが、国の介護休業支援はどのようになっているのHPを確認したところその充実ぶりに圧倒されたました。

両立支援ガイドブックなどはこれまでも色々な施策で作られていたかと思いますが、「仕事と介護の両立支援実践マニュアル(企業向け)」は、目を見張るほどの充実ぶりです。

実態把握調査票、周知のためのチェックリスト、社内研修用の「仕事と介護の両立セミナー」テキストなどがあり、社内研修用のパワーポイントのテキストを勉強すればセミナーもすぐにできそうな感じです。

「親が元気なうちから把握しておくべき」チェックリストというものもあり、親が65歳又は自分が40歳になったら親と話し合うことで「事前の備え」をすること、親の状況把握などかなり細かくヒアリングして記入する形式になっています。これは実際はなかなか難しいかもしれませんが、どのようなことを把握しておく必要があるかを知るためだけでも見ておくと良いように思います。

仕事と介護の両立支援 ~両立に向けての具体的ツール~https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/model.html

今週と先週はセミナーをスタッフに代講してもらったので穴をあけずに済んだとはいえ、お申込みいただいた皆様には本当にご迷惑をおかけしてしまいました。ここでお詫びさせて頂きます。もう少し養生が必要なようですので辛抱強く完治させたいと思います。

週末は、福岡の帆士先生にお願いして、事務所で賃金塾を開催し、1日半みっちり勉強させて頂きました。これまで賃金コンサルはある程度手掛けてきたのですが、うちの事務所内では統一したシステムができておらず、必要なものをエクセルで都度作るということでやってきました。また賃金制度設計ソフトも使ったことはあるのですが使いやすいとはいえず、今回賃金コンサルのツールで手順ごとにシステム化されたソフトのすばらしさを実感しました。また事務所の会議室に18名の社労士が集まり、多士済々のメンバーであったこともとても楽しく、次の賃金塾が楽しみです。


労働時間の把握の方法(自己申告制について)

2020-02-09 16:30:46 | 労働基準法

労働時間の管理については、従来、労基法41条該当者として労働時間の適用除外とされていた管理監督者や労基法38条の3等により業務の時間配分をゆだねられている裁量労働時間の対象者等も昨年4月から「労働時間の状況把握」をしなければならないと安衛法で定められ、役員以外の会社で働く人全員の労働時間の状況を把握されていると思います。

労働時間については、もともと「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準(平成13.4.6基発339号)」といういわゆる46通達というものが存在していたのですが、平成29年1月20日に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が策定され46通達は廃止されています。名前は似ていますが新たに示されたのは「ガイドライン」であり、46通達を詳しくバージョンアップしたものです。(このガイドラインは労基法の労働者を対象としていると思われますので、私見では「管理監督者等の労働時間の状況把握」にはあてはめなくて良いと考えます。)

そのガイドラインの中で「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置」が決められており、その方法は以下の通りとされています。

原則として① 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること、又は②タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること、のいずれかの方法によることとされています。

ただこれ以外に、自己申告制が認められていないわけでもありません。ガイドラインには、自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置」として、上記①・②の2つの方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずることにより自己申告制が定められています。この部分は46通達よりガイドラインの方が詳しくなっています。抜粋すると以下の措置ということになります。

①労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことについて十分な説明を行うこと。

②労働時間管理をする者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、本ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと。

③把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。

④自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること。

⑤使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。

自己申告で労働時間の把握をしている会社さんはまだ多くあると思いますので、その場合は上記①~⑤(本人や管理者への十分な説明、実態把握と補正と確認、上限は決して設けない)の点を実行しながら行って頂くと良いと思います。また、調査では原則の①又は②しか認めらえないという指摘があることがあるようですので、ガイドラインをしっかり理解しておく必要はあるようです。

「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000149439.pdf

抜粋箇所は、「4 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置」の箇所となります。

さて今週は火曜日にOURSセミナーで無理やり声を出して何とか終えることができたのですが、その後全く声が出ず2つあった研修講師の仕事は事務所のメンバーに代講してもらう情けない状態になりました。耳鼻科に行ってファイバースコープを鼻の奥に入れて調べてもらったところやはり声帯を痛めており、いつもの状態に戻るまで1~2週間かかるということでいまだ声がほとんど出ていない状況です。

1月の毎日新年会、地方出張多数のハードスケジュールもあるかもしれませんし、修士論文を提出し終えて2年間の緊張がどっととけたからかとも思いますが、ここまでひどくなったのは過去にも経験がなくかなり辛いです。健康を損ねた場合の精神的なダメージは大きいことを感じました。色々な打合せや予定もキャンセルや延期をしてしまい顧問先様にもご迷惑をおかけしてしまったのですが、もう少し辛抱してしっかり回復したいと思います。

それにしても、講演の多い社労士仲間で話しているとみんな声では悩んでいますが、事務所にフォローしてくれる人材がいることは本当感謝してもしきれない気持ちです。


報酬比例部分の年金額の改定のタイミング

2020-02-02 19:31:15 | 年金

先日スタッフと顧問先への回答を作成しているときに、年金額の改定の時期について法改正を押さえておらず認識が誤っていたことを知りました。どこが法改正になっていたかというと、在職老齢年金の退職時の改定の部分のほんの小さな改定です。

老齢厚生年金の報酬比例部分の改定は標準報酬月額が変更される都度行なわれるのではなく一定のタイミングで、それまでの厚生年金被保険者期間が年金額に反映され再計算されます。 
1.退職時改定
2.65歳以降の本来の老齢厚生年金開始年齢到達時
3.70歳到達による被保険者資格喪失時

退職時改定は、資格喪失日から1か月経過した日の属する月から行われることになっており、それは今も変わっていません。しかし平成28年10月1日に施行された「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」(年金機能強化法)のの改正により、条文に以下アンダーラインの部分が追加されています。

(年金額)第43条

3 被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して一月を経過したときは、前項の規定にかかわらず、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であつた期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日(第十四条第二号から第四号までのいずれかに該当するに至つた日にあつては、その日)から起算して一月を経過した日の属する月から、年金の額を改定する。

この第14条2号から4号というのは、「その事業所等に使用されなくなつたとき」という資格喪失事由です。つまり死亡等による資格喪失の場合など原則としては資格喪失をした日から起算して1箇月を経過した日の属する月から年金額を改定するとしているわけですが、適用事業所を退職した場合は、資格喪失日ではなく退職日を起算日として改定することになったというわけです。

ここでポイントになるのは、月末退職の場合です。改正前は、月末に退職した場合資格喪失日は翌日となり、例えば1月31日付退職の場合2月1日が資格喪失日となります。2月1日から1か月経過した日の属する月から年金額を改定すると3月の年金額から変わることになります。月の半ばで退職した場合、例えば1月20日に退職すれば1月21日が資格喪失日となり、1か月経過した日の属する月は2月となりますから、月末退職であると1か月年金額の改定が遅れる状態でした。この改正は同じ月に退職した場合は同じ月に年金額が改定されるための改定と思われます。

なお、年金額は、上記に記載した通り、被保険者期間中の見直し(再計算)はされず退職した際にそれまでの被保険者期間を反映して計算しなおすことになり、それ以外については65歳到達時、70歳到達時についてもそれまでの被保険者期間を反映して計算しなおすことになります。70歳到達時は上記第14条5号ですので、退職時改定と異なり、法文上は資格喪失日が起算点になるかと思いますが実際の運用を調べてみる必要はありそうです。

今週は福岡に出張してまた美味しいものを沢山頂いてきました。綺麗で適度に人が多く活気があり、食べ物もおいしく本当に福岡は良いところだと思います。大学院の口述試験があり翌日は急ぎ戻らなければならなかったのですが、今度はゆっくりプライベートで行きたいところです

今日は、お嫁さんが私が昔母から持たされた着物を譲ったところそれを着て踊りの会に出てくれるということで観に行き優雅な時間を過ごすことができました。まだ体調がいまいちなのですが、それに加えて花粉症も始まりそうな気配ですね。皆様お気をつけて。