OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

社労士試験への向き合い方

2021-11-29 00:54:02 | 雑感

ここに来て書籍と問題作成の締め切りとセミナーのレジュメの締め切りが複数重なり、かなり切迫した状況だったのがやっと今日脱出のめどが立ちホッとしているところです。しかし頭の中が改正育介法だらけになっており、気分を変えて社労士試験への向き合い方を書いてみようと思います。

というのも今年は昨年に引き続き事務所で合格者が出ず、さすがにこれは問題だと思い、奨学金制度を設け、来年から月1回の本試験対策ルームなるものを設けて、私が待機して質問や勉強の相談に乗るということをやってみることにしたわけです。どれくらいルームに参加してくれるかわかりませんが、3年前二人の合格者が出たときは直前に何回か勉強会をしたことを思い出し、やはり少しでも自分の講師経験を生かした方が良いかなと思ったのです。

社労士試験の向き合い方として第一に私が推奨するのは、学習のペース配分を自分でコントロールすることです。あまり早くから頑張りすぎると約1年の長丁場であるため持続できず直前の答練期で上昇機運に乗っていけないということがあるため、秋から春にかけては少し抑え気味にリフレッシュも入れつつ、だんだんと集中度を高めていくということが大事だと思っています。これは中途半端な時期に受験を検討している場合も同じで、ある程度本格的に勉強を開始できる時期までは地味に本を読んで予習をすることをお勧めすることが多いです。

第二に推奨するのは、学習サイクルを意識することです。要するに最初は1科目ずつ丁寧に取り組んで行き、だんだん各科目間の取組み期間を短くして、最終的には1日1科目をこなし、最後は午前中に労働科目、午後社会保険科目と頭にすべてを入れることを意識した3日間を過ごして本試験当日を迎えるという方法です。問題集や答練の復習等行う際にはそのサイクルで取り組めるツールを作るつもりで5月連休明けくらいから意識してみると良いと思います。

第三に推奨するのは、とにかく択一式が大事だということです。3年目以降択一は合格ラインに乗っているのに選択式で落ちてしまったという場合は別ですが、択一式が合格点に行っていない場合はとにかく択一を強化すべきということです。選択は合格だったのですが、という報告をよく受けるのですが、はっきり言って選択の点数は年によって変わります。今年合格点だったからといって来年合格点が取れるかどうかは全く未知数です。その点択一は見事にその人の実力を表します。択一は誤りの問題と正解の問題があり、誤りの問題はその問題の論点の理解を深め、正解の問題は選択式の勉強になるつもりで取り組めばある程度選択式の実力はついてくるはずなのです。

社労士試験については書き始めると色々と思うことがありますが、受験される方はまずは上記3点を意識して、来年こそは頑張って合格を勝ち取ってもらいたいと思います。

いよいよ週末あたりから急に寒くなってきましたね。今年もあと1か月となり、年末やお正月どう過ごすかなども考え始めています。忘年会はほとんどありませんが、またオミクロン株という新たなウィルスが発生しているということなので、昨年に引き続き年末年始はあまり外出せず読書と駅伝で過ごすことを考えています。幸いマスクと手洗いで、今年は風邪知らずで来た方も多いと思いますが、油断せず元気で来年を迎えたいものです。


オンラインによる医師の面接指導について

2021-11-21 01:19:05 | 労働法

労働安全衛生法に定められた、長時間労働者にかかる医師による面接指導制度については、1年前に出た通達でオンラインによることも条件付きで認められることになっています。急速なデジタル技術の進展によりということでオンラインでの面接指導を行うことを認める内容になっていますが、留意事項が示されています。

面接指導を実施する医師が、以下のいずれかの場合に該当することが望ましいということです。

① 面接指導を実施する医師が、対象労働者が所属する事業場の産業医である場合
② 面接指導を実施する医師が、契約(雇用契約を含む)により、少なくとも過去1年以上の期間にわたって、対象労働者が所属する事業場の労働者の日常的な健康管理に関する業務を担当している場合。
③ 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、対象労働者が所属する事業場を巡視したことがある場合。
④ 面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、当該労働者に指導等を実施したことがある場合。

ということで、簡単に言えば面接指導の対象者の働く環境等が把握できていることということになろうかと思います。このオンラインでの面接指導が認められていることで、監督署は産業医による復職面談もオンラインで可能であると判断しているようです。

さらに、面接指導に用いる情報通信機器が、以下の全ての要件を満たすことも列挙されています。面接指導を行う医師と労働者とが相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるもので
あって、映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑であること、というものがあり、ビデオオフは認められないのだろうなと思いました。

オンラインによる面接指導の実施についての通達はこちら
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T201124K0010.pdf

医師の面接指導についてはこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000553571.pdf

最近テレビだけでなくネットフリックスやYouTubeを見る機会が断然増えてきたため、キッチンの片隅にある自分のデスクのわきにこれらが見れる持ち運びができる小さなテレビを電気屋さんに予約しておき、週末取りに行きました。これで寝る前など海外の街の紹介などのYouTubeを見たりできると楽しみが増えました。

最近コロナが収まり、感染には注意しながら久しぶりに出かけて友達に会ったり、夜も数人ではあるが食事もしたりと、忙しくなってきました。それでもお店はまだまだ空いている感じで、経済活動が元に戻るかどうか気になります。夜は自宅で過ごすという日常生活がこの1年半で確立してしまっており、以前のように夜遅くまで2次会、3次会が続くということはないような気がしてなりません。どちらが良いかどうかは一概に言えないですが、コロナの変化は多方面に大きいと実感しています。


1か月単位の変形労働時間制の労働日の振替について

2021-11-14 18:06:08 | 労働基準法

シフト勤務は、コロナ禍休業手当の支払いについてなかなか悩ましいと思う場面がありましたが、現場の働き方として採用している事業場はとても多く、特に労働時間については何とか現在の労働基準法の規定の中で問題のないように組むことをアドバイスするにあたり苦心します。その場合、変形労働時間制を採用することが多いかと思いますが、変形労働時間制は原則の労働時間制の例外規定なので例外を認める以上それなりに規制があると説明します。ただ1カ月単位の変形労働時間制は、事前にカレンダーさえ決めることができればそれほどハードルは高くなく、シフト制であればカレンダーはある程度事前に決まるものであり、慣れてくればオペレーションは何とかなるのではないかと考えています。

1か月単位の労働時間制は、1ヵ月以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて(例えば10時間など)労働できる制度です。平均して1週間当たり法定労働時間40時間の範囲内とするには、1か月の労働時間の総枠を31日の月については177時間8分、30日の月には171時間25分内に収めることが必要です。

1ヵ月単位の変形労働時間制を採用するためには、労使協定又は就業規則等のどちらかで、①1ヵ月以内の変形期間を決め、②変形期間における法定労働時間の総枠の範囲内で、③各日、各週の労働時間を特定することが要件となります。①はだいたいの場合1か月、②は上記総枠内で、ここまでは難しいことではないのですが、問題は③の各日、各週の労働時間の特定で、これはカレンダーを定めることになります。

シフトにおいてはシフト表というカレンダーを定めるわけですから、これを1か月単位の変形労働時間制の要件内で定めればよいわけなのですが、だいたいの場合突然都合が悪くなったバイト君の穴埋めや交代があるので、柔軟な振替えができるかどうかという点が問題になります。

1年単位よりは厳しくはないのですがやはり「各日、各週の労働時間を特定」することが要件であるため以下の通り通達ではまずあまり自由に変更することはできない旨示されています。

1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、「・・・変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しないものであること」と示されています(平成11年3月31日基発168号抜粋

ちなみに1年単位の変形労働時間制についても同様に「・・・使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度は、これに該当しないものであること。」と示した上でさらに「・・・業務の性質上1日8時間、週40時間を超えて労働させる日又は週の労働時間をあらかじめ定めておくことが困難な業務又は労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更されることが通常行われるような業務については、1年単位の変形労働時間制を適用する余地はない(平成27年3月31日基発0331第14号)とより厳しい表現になっています。

確かに変形労働時間制の中で働くことを考えると、頻繁な労働時間の変更は働く側からするときついことだと思います。ただ、ここまでシフトの働き方が広がっていることを考えると、兼業・副業の推進等の観点からいっても、もう少しシフト制に適用しやすい労働時間制度があると良いなあと思います。

かなり仕事の締め切りに追われて切羽詰まった状況だったのですが、たまに見に行かないと心配だということもあり小淵沢の家に行ってきました。今日は本当にきれいな青空で、今年は行くと大雨であったりで、なかなかできなかった家の周りの散歩が久しぶりにできて、秋を実感することができました。また草が生えまくっていた花壇に冬に強い草を植えてきました。これで来年春の楽しみができました。

  


保育所に入所できない場合の育児休業延長について

2021-11-07 18:23:10 | 産前産後・育児・介護休業

先日山の手メンター塾で意見交換をしている際に「以前は絶対に認められなかった育児休業の延長申請の手続の不備案件が、今年になってから疎明書により何件も認められるようになった」と聞いて、思い出したのが行政評価局のあっせんの件でした。

以下の「保育所に入所できない場合の育児休業給付金 支給対象期間の延長についてのご案内」のリーフに書かれている通り、延長となる事例と延長にならない事例が整理されています。まず延長の要件として、①市町村等で認可保育所等の入所の申込みを行うこと、②入所申し込みの際に入所希望日を1歳の誕生日以前にしなければならないこと、が条件となります。

ところが間違いやすいのが、入所申し込みをしようとしたところ既に「空きがない」という市区町村の回答であったため、申し込みをしなかったとか、入所希望日を子の誕生日の翌日以降で申し込んでいたというようなケースで、これらの場合これまでは育児休業の延長要件を満たしていないということで、雇用保険の育児休業給付金を受けることができないということになってしまっていました。
https://jsite.mhlw.go.jp/fukuoka-roudoukyoku/content/contents/000914799.pdf

今年の春から取り扱いの緩和があり、4頁のご相談の多い事例を見ると、上記ケースが疎明書により対応可能な場合があると書かれています。実際現場ではかなりこの対応で以前であれば受け付けられなかったものが受け付けてもらえるようになりました。

これは行政評価局のあっせんによるもので、1歳と1歳半以降の延長について「保育所に入ることができない場合」が一番の理由になることが多いのですが、延長が認められなかったという苦情がやまなかったということです。

育児休業給付金の受給期間延長申請に関する事例・判断材料の整理と制度の改めての周知に向けた見直し-行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん(行政運営の改善)-
https://www.soumu.go.jp/main_content/000739676.pdf

上記にも書かれていますが、保育所に申し込みをしていない場合については認められないことに変更はありませんが、あまりに複雑な手続等に神経を使わなければならず、手続に不備があったというだけで権利があるのに受給できないのは考えてみればおかしなことで、行政評価局への相談についてもここまで効果的なのであれば、社労士であっても活用すべきだろうと思いました。

原稿の仕事もやっと先が見えてきて、コロナの感染者数も減ったため、先週若かりし頃勤務した会社の先輩のお誘いを受けて、先輩がやっている喫茶店での集まりに参加してきました。あっという間に2時間が過ぎ、最後にLineの交換をしたのですが、これにかなり手間取り、更に写真を撮った方が良いということになり自撮りを試みるもなかなかうまくいかず、大騒ぎでしたが、久しぶりに楽しい時間を過ごしました。コロナ禍、1年半くらい電車に乗っていなかったという先輩もいて、みんな我慢していたのだなあと実感しました。仕事をしているとやはり減ったとはいえ外出する機会は多くあり、そのあたりは想像していませんでした。このまま落ち着いてくれると良いですね。

そういえば最近睡眠アプリに凝っていて、毎日自分の睡眠状態を見るのを楽しみにしています。だいたい睡眠時間がいつも短いため気になっていたのですが、意外に良い睡眠をとっているようです。朝の目覚めもアプリの音楽で目覚めてなかなか気分が良い感じです。