OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

心の健康づくり計画の作り方

2016-06-26 21:30:32 | 労働法

労働基準監督署の調査が顧問先に入るという場合できるだけ立ち会うようにしています。監督官が特に注目する点は、今はとにかく長時間労働、時間管理、メンタルヘルス対策、健康診断等の分野です。

調査終了後是正勧告や指導があるのですが、その中に「心の健康づくり計画の策定」を求めてくることがあります。

心の健康づくり計画に盛り込む事項は、次に掲げるとおりです。
❶ 事業者がメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明に関すること
❷ 事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること
❸ 事業場における問題点の把握及びメンタルヘルスケアの実施に関すること
❹ メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源の活用に関すること
❺ 労働者の健康情報の保護に関すること
❻ 心の健康づくり計画の実施状況の評価及び計画の見直しに関すること
❼ その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること

「心の健康づくり計画」に盛り込む事項が分かってもなかなかどのようなものを策定すればよいのか難しく感じます。以前は各企業手探りで作っていたと思いますが、今は希望すれば専門のアドバイザーを派遣してくれるようです。

またパンフレットにも具体例が載るようになりました。

事業場における心の健康づくりの具体的な事例(P12)

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/101004-3.pdf

また神奈川労働局は、「心の健康づくり計画簡易版策定例 一覧形式(年間スケジュール表)」をHPに載せています。表になっているのでとてもとっつきやすい感じがします。

http://kanagawa-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/anzen_eisei/hourei_seido/kokoro_keikaku_sakuteirei.html

久しぶりにダウンしました。だいたい1年に1回くらいの割合でだいたいは喉をやられてだるくて仕方がなくなり、ここまで眠れるかというくらい1,2日眠って過ごすと良くなるといういつものパターンです。今回失敗したのは、お風呂上がりに暑くて暑くてそのまま布団をかけず寝てしまったら夜中に寒くなって目が覚めたというのが発端でした。いわゆる寝冷えです。子供と同じです。

運が良いことに、大きな仕事はいくつかだいたい終了しており、今週末はゆっくりする予定だったので仕事への影響がなかったのがありがたかったです。

皆さまこれからは暑かったり冷房で冷えたりと気温の調節が難しいですのでご注意ください。


短時間労働者に対する健保・厚年の適用拡大Q&A

2016-06-19 22:14:12 | 社会保険

短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&Aが出ており、適用拡大の内容が大分分かってきました。

その中で、今回拡大の対象となる「特定適用事業所」については、Q&A問7に以下の通り示されています。
「被保険者の総数が常時500人を超える」とはどのような状態を指すのか?
法人事業所の場合は、同一の法人番号を有するすべての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数が12カ月のうち、6カ月以上500人を超えることが見込まれる場合を指します。

ところで10月の開始時点で、この常時500人には適用拡大の対象となった週20時間以上の被保険者となるべき人を含めるのか、ということですが、「適用拡大の開始当初においては拡大対象となった被保険者となるべき人は含まない」ということになるそうです。

http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/0516.files/0516.pdf

さらにリーフもかなり分かりやすいものが出ています。
被保険者になる要件である「雇用期間が1年以上見込まれること」については以下の通り示されています。

①期間の定めがなく雇用される場合
②雇用期間が1年以上である場合
③雇用期間が1年未満であり、次のいずれかに該当する場合
 ・雇用契約書に契約が更新される旨または更新される可能性がある旨が明示されている場合
 ・同様の雇用契約により雇用された者について更新等により1年以上雇用された実績がある場合

なお、法施行日(平成28年10月1日)より前から引き続き雇用されている場合、「法施行日から起算して」雇用期間が1年以上見込まれるか否かを判定する。当初は雇用期間が1年以上見込まれなかったものの、契約更新等により、その後に1年以上雇用されることが見込まれることとなった場合は、その時点(契約締結日等)から被保険者となる、とされています。

http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/0516.files/20160516.pdf

顧問先をはじめとして様々な会社からいろいろなご相談や案件を頂くのですが、その1つ1つを調べるのが楽しくて仕方がありません。その案件について法的な規制な定められているのか、通達や指針はないのか、一般的に企業はどのような対応をしているのか、今後の世の中の見通しから考えてどのような対応をとっておくことが望ましいのか、など色々な観点から考えていきアドバイスをさせて頂くのですが、そのすべてが自分の蓄積になっていく感じがします。

まさに「仕事をしながら勉強させて頂いている」ということです。

昔、TACの講師になりたての頃ガイダンスで、「社労士の仕事は、仕事をすることで同時に勉強できるのがとても素晴らしいと思います。」と話したのを思い出します。あれから20年以上たった今も同じ気持ちで仕事をしていることに感謝を覚えます。


介護離職防止のための介護休業の改正

2016-06-12 21:46:44 | 法改正

育児介護休業法は平成29年1月1日に改正されることになっています。その改正の中でも一番大きなテーマは、「介護離職を防止し、仕事と介護の両立を可能とするための制度の整備」といえると思います。改正の内容は7月に労務行政さんより発売となる「改正雇用保険・育児介護休業・均等法早わかり」を読んで頂くとして、その背景を書いてみたいと思います。

まず平成22年7月の育児介護休業法の附則7条には以下の通り定められていました。

第7条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

育児関係の改正内容が主だった平成22年の改正後5年経過するということは、団塊の世代も70台にさしかかり本格的に介護を考えなければならないということだったのかと思います。5年後の昨年夏に「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書(平成27年8月7日)」が出ています。当初の介護休業などについての考え方が分かって興味深いです。以下簡単に抜粋してみました。

1 介護離職を防止し、仕事と介護の両立を可能とするための制度の整備

(1)仕事と介護の両立支援制度の整理及び介護休業について

○ 介護休業制度は、介護保険制度が開始される以前に創設され、家族が介護に関する長期的方針を決めることができるようになるまでの期間の緊急的対応措置として休業できる権利を労働者に付与したものである。しかし、約9.5万人程度の介護・看護離職者が発生している一方、介護休業の取得率は3.2%であり、より柔軟に利用でき、かつ、労働者のニーズにあった介護休業制度を含む仕事と介護の両立支援制度が求められている

(現行制度の現状等)

○ 現行の育児・介護休業法では、同一の対象家族について同一要介護状態ごとに一回、通算で93日間の介護休業が認められている。 これについては、平成7年の介護休業制度制定当時に脳血管系疾患のモデルをもとに、家族が介護に関する長期的方針を決定するまでの期間として3か月程度が必要とされたことや、当時、既に法を上回る独自の取組として介護休業制度が導入されていた民間の事業所において、実際に休業を取得した労働者の大部分が3か月以内に復帰していることなどから、同一の対象家族について3か月間の休業を1回に限り認めていた。

(仕事と介護の両立支援制度の整理)

○ 介護の状況は、介護の原因疾患や要介護者の状態、家族形態によって様々であり、育児とは異なり先の見通しが立ちにくいことから、介護休業を自ら介護するための期間と位置づけた場合、休業期間を大幅に延長する必要があり、事業主にとって負担となるだけでなく、労働者にとっても介護へ専念する期間が長期化し、継続就業を難しくする可能性が高い

○ このため、介護休業については、急性期や在宅介護から施設介護へ移行する場合や末期の看取りが必要な場合など、介護の体制を構築するためにある一定期間、休業する場合に対応するものとして整理すべきである。

○ 介護の体制を構築した後は、介護保険サービスや地域におけるボランティア、NPO、民間企業等が提供するインフォーマルサービスも利用しつつ仕事と介護の両立を図ることとなるが、そうした介護保険サービスの利用に係る手続きやスポット的な介護、通院等のために、一定の休暇が必要になることが考えられる。すなわち、介護の体制に変動はないものの、介護保険の申請・更新手続きやケアマネジャーとの定期的な打ち合わせ、主たる介護者は別にいるが、その主たる介護者が病気になった場合の一時的な介護、対象家族が通院等をする際の付き添い等、日常的に介護する期間においてスポット的に休まざるを得ない場合に対応するものとして、引き続き介護休暇を位置づけるべきである。

○ また、介護の体制に変動はない場合であって、介護のための買い物や見守り、通院の付き添い等、介護に伴う日常的なニーズに対応し、介護離職を防止するとともに、いつまで介護が続くか分からない不安に対応するものとして、勤務時間や勤務時間帯を調整する等の介護のための柔軟な働き方を位置づけた上で、その内容を検討すべき

昨年12月から偶数月に山手統括支部で「山の手メンター塾」を開催しています。直近3年間に登録した開業会員と勤務会員を10年以内に登録した比較的まだ身近な会員を中心とした先輩とミニセミナーを聞いたあとにディスカッションをして、その後「仕事の話をする飲み会」に参加してもらうという企画です。

当初どのくらいの人数が集まってくれるか、メンター役をやってくれる会員がいるか心配ではありましたが若手を中心とした協力を得ることができて、だいたい40名程度の会員が集まり、かなり盛り上がっています。社労士会にとっては人材が沢山育つことがなんといっても大事と考えていますので、できるだけ今後も充実させたいと考えています。

8月の企画は、「小さな会社の賃金制度の仕組みづくり」。私が開業当時は手が届かないと考えていた賃金制度や評価制度を、手探りで作ってきた経緯も含め小さな会社でもシンプルで良いので賃金制度を作るべきという話を恥ずかしながらする予定です。


介護休業の終了についての留意点

2016-06-05 23:01:13 | 労働法

いつも仕事の中で勉強させて頂くことが多い仕事ではありますが、今回育児介護休業規程のチェックをさせて頂く中で、新たな発見がありました。

介護休業の終了についてなのですが、会社の介護休業規程に「介護休業の終了」の項目があり、その中で「治癒により対象家族を介護する必要がなくなった場合」という条文があり、その条文については削除する必要があることが分かりました。この理由としては以下の通達の記載にある通りです。終了と一時中断は違うという部分などはかなり実務的にも使えると思います。

(2) 介護休業期間の終了に関し、以下の点に留意すること。
イ (略)

ロ対象家族が要介護状態から脱した場合を当然終了事由とすることについては、

(イ) 対象家族が再び要介護状態となることも当然予想され、労働者にとって酷であること
(ロ) 事業主にとっても、対象家族の不安定な状態に影響されることは好ましくないものであること
から、適当ではなく、当然終了事由にはしなかったものであること。

ハ対象家族が特別養護老人ホーム、介護老人保健施設等へ入院・入所した場合についても、その入院・入所が一時的となる場合もあるため、ロで述べたと同様の理由で、当然終了事由にはしなかったものであること。

ニ他の者が労働者に代わって対象家族を介護することとなった場合についても、上記ロ及びハと同様、労働者にとっても確定的に介護をする必要性がなくなったとは限らないこと、使用者にとっても不確定要素に影響されるおそれがあることから、当然終了事由にはしなかったものであること。

ホイからニまでの場合を含め、介護休業期間中の労働者が一時的に介護をする必要がなくなった期間について、話合いの上、その事業主の下で就労することは妨げないものであること。この場合、当該労使で介護休業を終了させる特段の合意をした場合を除き、一旦職場に復帰することをもって当然に介護休業が終了するものではなく、一時的中断とみることが適当であって、当初の介護休業期間の範囲内で再び介護休業を再開することができるものであること。

平成21年12月28日 職発第1228第4号 10年保存雇児発第1228第2号
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について

最近社会保険労務士の「倫理」の話をする機会が多いです。2月に5年に1度すべての社労士が受講しなければならない倫理研修の講師を務めたのがきっかけなのですが、私自身準備をして非常に奥の深さを感じたこともあり、また社労士として矜持をもって仕事をしたいと思うところがあり、そのあたりをお伝えしたいと思いながら話をさせて頂いています。

話は変わりますが、先日受講生OBの企業が後援しているのでということでチケットを頂き「ルノワール展」を見に行きました。特別招待日であったため、とてもすいている中で短い時間でしたがゆっくりと鑑賞することができて、とても良い時間を過ごすことができました。これからは絵を始めとして美術鑑賞もしてみたいと思いました。この年になるとかえってやっておきたいことがたくさん出てくるものですね。