OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

障害者雇用率2.3%へ引き上げについて

2021-02-28 22:06:35 | 労働法

令和3年3月1日以降の障害者雇用率が民間企業 2.2% から2.3%へ引き上げられることになりました。

000694645.pdf (mhlw.go.jp)

雇用率の引き上げに対応して、今回の法定雇用率の変更に伴い、障害者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲が、従業員45.5人以上から43.5人以上に変わることになりました。

リーフレットにある通り、障害者雇用納付金の取り扱いについては施行日が3月1日であるため3月分をどのように扱うのかが疑問になりますがQ&Aに以下の通り記載があります。
A1. ①令和2年度分の障害者雇用納付金について(※申告期間:令和3年4月1日から同年5月15日までの間)
令和3年2月以前については現行の法定雇用率(2.2%)、
令和3年3月のみ新しい法定雇用率(2.3%)で算定していただくことになります。
②令和3年度分の障害者雇用納付金について(※申告期間:令和4年4月1日から同年5月15日までの間)
新しい法定雇用率(2.3%)で算定していただくことになります。

金曜日に行ったOURSセミナーではアンダーラインをすっ飛ばして説明していたのですが、終わってから鋭く質問があり、確かに間違いやすいなあと思いました。なぜ4月1日からではなく3月1日からなのでしょうかというご質問に答えることができなかったので、審議会の資料を調べてみました。確かにこれまでの障害者雇用安定法の改正は4月1日付で行われているようです。

調べたところではそもそも2017年の審議会で既に2020年度の法定雇用率の引き上げは決まっており、当初の原案では2021年1月1日であったとのことです。コロナ禍での引き上げの是非について審議会でかなり議論されたようですが、「2020年度内引き上げ」についてぎりぎりの落としどころということで3月1日に後ろ倒しにして施行するということになったようです。問題意識を持ちいろいろと調べてみると面白いですね。

金曜日のOURSセミナーはコロナの感染対策を考え有料会員のみでの開催にさせて頂いて人数が少なかった分、これまでご参加いただいていてもお話しできていなかった方とお話しできてとても収穫がありました。ブログの開業体験記を全部読んだと言って頂いたので久しぶりに週末私も最初の部分を読んでみました。読んでみて思ったのは、昔の方が文章が面白いこととやはり記録しておくことは大切なことだなということでした。

ということで書くことを迷っていたのですが、記録という意味で東京会の会長選挙に若干触れておこうと思います。2月9日に行われた東京都社会保険労務士会の会長選挙に立候補しましたが力及ばずの結果となりました。そもそもコロナウィルス感染拡大の中でもできることは沢山ありピンチをチャンスに変えることができると考えその他いろいろ考えもあり立候補を昨年夏に決めました。その後11月の支部選挙を経て立候補が可能となりました。支部会員から頂いた多くの票もとても嬉しかったですし、選挙活動の中で意見交換会をリアルやzoomで繰り返し行い支援が広がっていくのを感じ、本当に有り難かったと思います。またコアな支援者のゆるぎない応援も本当に心強いものでした。選挙を通じて色々なことを学ぶことができたと思います。今回はかないませんでしたが、これまでの4年間組織の論理の中で自分の考えを通すのではなく組織のためにと抑えていたものが、今回は所信表明でも思いを会員に伝えることができたという点では価値があったかと思っています。応援頂いた皆様に感謝いたします。有難うございました。新たな目標も少し見えてきましたし、決して落ち込んではおりませんのでご安心ください。


企業主導型保育について

2021-02-21 23:37:10 | 労務管理

最近の顧問先様からのご相談は本当に多岐にわたり、かなり調べないと答えられないものが多くなったような気がします。先週もリワークプログラムについてや、企業主導型保育についてのご質問があり、それぞれあれこれ調べて回答したのですが、新たなものがどんどん出てきて社会の変化がすごいスピードだと実感することしばしばです。

企業主導型保育事業の目的等は以下の通りです。

多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を行い、保育所待機児童の解消を図り、仕事と子育ての両立に資することを目的としています。子ども・子育て拠出金を負担している企業等が、従業員のための保育施設を設置する場合に、整備費・運営費を助成されます。

この企業主導型保育事業には「企業枠」と「地域枠」があり、従業員の子供に加えて地域枠の設定が利用定員の50%以内で行えるということです。ただ、企業主導型保育の定員の特徴は、従業員の子供が100%でもよく、企業が自社の社員のためのみに設置することができるというものです。

また「企業枠」の設定は自社の従業員だけではなく、事業を複数企業で行う「共同設置」や他の企業と共同で利用する「共同利用契約」を締結することもできるということです。

企業主導型保育と事業所内保育の違いとしては、事業所内保育は市町村の認可を受ける必要があり、対象年齢が0~2歳児と限定されている点(企業主導型保育事業は対象年齢の制限はなし)、地域枠を定員の1/4程度は必ず確保しなければならないという違いがあります。

また企業主導型保育は週2日のみなど柔軟な保育も可能ということです。

企業としては従業員から共同利用契約を締結してもらえないかという申し出があるかと思いますが、認可施設ではないため制限が緩い分、人員体制など不十分な施設もあるようなので、従業員にしっかりその点を確認してもらうこと、共同利用の契約書で費用負担などの点を慎重に確認したうえで契約することが必要かと考えます。

制度紹介 | 企業主導型保育事業 (kigyounaihoiku.jp)

週末晩ご飯を作っているときに、うっかり包丁で親指をザクッとやってしまいました。スライサーなどでちょこっとした傷を作ることはあるのですが、今回は主婦業始まって以来くらい深く切ってしまって、しまったと思ったのも後の祭り、かなり出血してしまいました。とりあえずしっかり押さえて止血して、一晩経った今朝傷を見てみたところまだじんわり血がにじむ感じで慌ててまたしっかりバンドエイドなどで押さえています。土日なのでお医者様には行っていないのですが、自然に治ってくれるかちょっと心配です。

そんな中、2月末に恵比寿ガーデンプレイスの三越が閉店するということなので散歩がてら行ってみました。恵比寿三越は小さい店舗なので意外に使い勝手がよく、比較的よく利用していたので閉店は残念です。ただ2階の本屋さんもいつの間にかなくなり、最近リニューアルしてからは1階が化粧品中心になったり、以前と変わってしまい足が遠のいていたのも事実です。最後なので記念にもなるかなと思い小さな木版画を2点を購入して、よく買い物帰りに立ち寄ったイートインコーナーのお蕎麦屋さんでおそばを食べて帰りました。恵比寿三越だけでなく、社労士会でよく利用していたグランドパレスや事務所25周年記念パーティーを行ったり、統括支部の定期総会で毎年利用させて頂いていたアイビーホールも閉鎖ということで本当に寂しい限りです。


創業支援等措置に対する労災特別加入

2021-02-14 23:35:40 | 法改正

労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会は2月10日に労災保険法施行規則等の厚労省の改正案を妥当ととした答申を出しました。この改正の趣旨については、概要が出ていますが、高年齢者雇用安定法改正により4月から努力義務となる創業支援等措置により就業する者の中で、常態として労働者を使用しないで作業を行う者を、1人親方等の特別加入の対象とすることになりました。施行日は令和3年4月1日です。

創業支援等措置というのは、令和3年4月1日から施行される、65歳以上70歳までの就業確保措置のうちの雇用以外の措置をいいます。具体的には、労働者の過半数を代表する者等の同意を得た上で行う以下の制度をいいます。

①希望する高年齢者について、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
②希望する高年齢者について、以下a又はbであって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものに係る業務に70歳まで継続的に従事できる制度の導入

a.事業主が自ら実施する事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う事業

1月15日に行われた労災保険部会の資料3「検討事項の整理」はなかなか面白いです。

000720198.pdf (mhlw.go.jp)

また資料4「論点について」では、既存の特別加入枠組みと創業支援等措置のために設けられる特別加入枠組みの両方の枠組みの対象範囲となるケースが想定されるとし、その場合既存の特別加入枠組に加入することとする。 既存の特別加入枠組がない場合は創業支援等措置のために設けられる特別加入枠組に加入するという提案されています。

今回の創業支援等措置を認める場合、高齢者自身が新たに開始する事業か、事業主等が行う社会貢献事業における業務であり、その業種に特段の制約はなく、業務内容が多岐に渡る可能性があるということです。対応案として、講師、事務作業が多いと想定されている事を踏まえれば、講師については、学校等の教育に関する事業に適用される「9425 教育業」、事務作業については、各種会社の本社、支社等の事務所、法律事務所、会計事務所に適用される「9416 前各項に該当しない事業」が類似の既存業種と考えられるとあり、65歳以上70歳の範囲とはいえ事務作業も一人親方の特別加入に認められることになりました。

現状の1人親方の特別加入が認められる業種の範囲に「事務作業」は入っておらず、65歳以上だけ今回の改正でなぜ認められることになるのか、ますます一人親方の特別加入制度の受け皿的役割が強く感じられ、制度の再設計の必要性を感じます。

昨日12日はBBクラブの勉強会を無事zoomのウェビナーで実施することができました。67名程度の方が入って聞いて頂いたようですがやはり顔を見れず、共有画面に上げたレジュメと片隅の自分の顔を見ながら話すのはつまらないですね。早くコロナが収まってくれると良いと思います。


36協定の電子申請

2021-02-07 18:35:01 | 労働基準法

2021年4月から36協定をはじめとした電子申請がe-Gov、に登録することでで直接入力する方法で届出できるようになります。

000724367.pdf (mhlw.go.jp)

36協定の他就業規則や1年単位の変形労働時間制など、労基法関係は51種類が電子申請による届出等が可能になるとのことです。

またこれまで、36協定については一括の届出を行うには過半数で組織された労働組合が必要でした。しかし今回電子申請に限り36協定の「本社一括届出」が可能になります。

これまで就業規則は、本社と各事業場で内容が同一であれば一括届出が認められていましたが、36協定は過半数代表者が同一である必要があり、労働者の過半数代表は過半数組合である場合に限ることとされていたようです。

就業規則、36協定の本社一括届出について(H27.3) (mhlw.go.jp)

なお電子署名等は必要ですが、社労士が、対象手続の提出代行を行う場合、提出代行に関する証明書などをPDF形式で添付することにより、使用者の電子署名・電子証明書を省略することができます。

電子申請の詳しい方法が一括申請の場合も含めて記載されているパンフレットも出ていますので、ご確認ください。

000609355.pdf (mhlw.go.jp)

五輪組織委員会の森会長の発言が大騒ぎになっています。失言というレベルではなく、普段からそういう世界で生きておられる方なのだろうなと思います。昔は女性は会合などでの発言は控えめにすべきであり、周りに気を利かせてでしゃばるようなことはあってはならないと、私なども育てられてきました。しかし均等法施行後、女性の社会進出は目覚ましく、むしろ社労士などは女性の方が元気な今の時代に、相変わらず「わきまえている」などと発言してしまうというより根底にそのような考え方を持っておられるということは、時代錯誤も甚だしいという感じがします。やはりそういう方が東京オリンピックの顔というのはまずいのではないかと感じます。

確かにこれまで、今回発言があった会議のような場面は数限りなく経験してきたような気がします。その場で回りが失笑が起きたが注意をする人はいなかったという雰囲気もよく想像できます。そのような状況をやり過ごしてきたけれど、世界的に批判されている状況を考えても、周りがもっとそれはおかしいと言わなければならなかったと思います。おかしいことははっきりおかしいという雰囲気が日本には欠けているのかもしれません。

この発言で、女性が会議などで発言を控えることなどが起こらないと良いと思います。このような発言があると、若干ひるむ部分もないわけではありません。ただ、SUIT(アメリカの弁護士のドラマ)など見ていると、男女ともに怖いくらい自己主張が強く、しょっちゅうけんか腰で議論しています。そこまでは必要ないにしても女性もはっきり自分の意見をいう、ということについては今後も意識していく必要があると思います。ただ、最近は男女に限らずといえるかもしれないですね。

今でも昭和ひとけた生まれの母に、あなた仕事ばかりしてご飯はちゃんと作っているのといわれる私としては、「時代は変わったのよ」と言っても母は心底理解しているわけではなく、森会長も同様なのだろうなと思うので、交替いただく方が良いと思います。