OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

お盆明け

2024-08-19 22:23:15 | 雑感

とうとう今年のお盆が明けてしまいましたね。夏が大好きな私としては、お盆が明けると秋がそこまでという感じがして寂しい気がしてしまうのですが、まだまだ暑さは収まらないようですのでしばらくは、汗をかきながら夏気分を味わっていたいと思っています。

ところで事務所の夏休みは毎年週末に加えて8月13日~15日まで3日間(今年は計6日間)とさせて頂いています。私は時間を自由に使うことができますので、めったに年休をとることはないのですが、今年は今日19日まで思い切ってお休みを頂きました。と言っても旅行に出発した14日夜までは秋のセミナーのレジュメ作りの毎日を予定しており、ブログも休むつもりはなかったのですが、不覚にも喉の熱が出てしまい3日間ほど伏せがちに過ごしました。ある意味良い休息にはなったかもしれません。

旅行は2度目のヘルシンキに行ってきました。元々結婚祝いに会社の先輩も含む友人の皆さんに少しずつ出資してもらい「アラビア社」の食器セットを頂いて、その頃からフィンランドはあこがれの国だったのですが、「幸福度世界一」「教育・福祉・働き方先進国」といった日本の働き方改革以降よく取りざたされているので、本もかなり沢山読んでいます。働き方改革だけでなく教育も、また高齢者福祉もどのようなものなのか興味深い国ですが、消費税は24%とかなり高く、学校がほぼ公立校であるということからも、教育、福祉はこの消費税が支えているのだと思います。

様々な方面から書かれた書籍から見えるフィンランドの姿は、本屋さんで書籍の背表紙を見てあこがれるのとは少し違っており、600年のスェーデン統治、その後100年のロシア統治と、まずは一国としての独立を勝ち得るためにここ100年前くらいまでかなり困難な場面もあったようです。徴兵制もあり、1300キロの国境が接するロシアに対する警戒心は強く、人口はかなり少ない500万人という中でフィンランドの予備役(いってみれば正規の兵士以外)が90万人なのに対して、人口1億2000万人の日本の予備役は5万人など、おそらく「Well-being」のイメージが強い一般的なフィンランドとは乖離があるかもしれません。

それでも訪問するとまずは人が少なめでカフェも沢山あり、どこに行っても緑も多くかなりゆったりしていることで癒されます(それでも今回は海外からの旅行客が特に駅周辺はとても多かったですが)。小さなヘルシンキの街を縦横無尽にトラムが走っていますので、だいたいはトラムの地図を見て、少し遠い場所でも地下鉄で行くことができます。人口減少、高齢化社会という今後の日本の姿を考えるとコンパクトシティー、路面電車は参考になりそうです。朝は比較的遅めで、ホテルの朝食も7時台は空いていますし、夜11時くらいでも結構町は賑やかです。ただしこれは長い冬を辛抱したご褒美の短い夏を目いっぱい楽しむということなのだと理解しています。とにかく少し肌寒くてもタンクトップなど薄着で太陽の日を浴び、友人や家族とカフェで長い時間語り合っているといった感じです。

今回一番印象的だったのは、「デザイン美術館」で、そこでテーマにしていたのが「THA  ART OF REPAIR」。ジーンズのポケットの穴あきなどをカッコよく素敵に修理するというテーマの部屋があり、日本のさらしの大型パッチワークが壁を飾ったりしていました。日々の暮らしを大切にするというフィンランドの考え方を感じることができますし、そこから仕事だけではなく、家庭での生活もていねいに楽しむという仕事との両立にもつながるような気もします。

これまでアメリカの資本主義、消費社会を中心に歩んできた日本は、これまでとは違って、人口減少の社会に向けて、小手先ではなく大枠のデザインを描く必要があると考えています。そのいくつかのヒントがあるような気がする国なのです。

時差は6時間日本の方が早いですが比較的気になりません。いよいよ明日からまた仕事、しっかりやりたいと思います。


世の中の大きな変化へ危機意識の必要性

2024-07-01 00:16:13 | 雑感

コロナ前から少しずつ、コロナ禍を経て大きく、世の中が大きく変化したことを実感します。例えば男性の育児休業もわずか10年前は今のように推進されることではなかったと思います。また働き方についても夜9時ころまでの残業は当たり前、自宅でテレワークや勤務時間中の時間単位年休の中抜けなど考えもつかず、自由度の高い働き方と言えばフレックスタイムくらい。しかしそういう変化はある程度目に見えることで、世の中の大きな変化を受け入れる必要があると認識すれば対応はかなり可能と思います。

ただ社労士として相談業務を受けてアドバイスをする際に気を付けなければらなないことがあると最近気づかされました。例えば、最近導入が増えてきた副業・兼業ですが、10年前であれば正社員の副業はまず認められず例外的に「家業の資産運用会社の役員に名を連ね役員会に出席する」とか「単発で社外の講演会で講演する」等が認められるといった状況だったと思います。従って就業規則に「副業禁止」とまでは書かれておらず、服務規律に「許可なく他の企業の役員に就任し又は他の職業に従事しないこと」などと書かれていることが多いです。ただ、その書きぶりであると副業は認めないという大前提がなくに「許可されれば副業も可能」ということで既に副業が認められている理解になり得ます。副業を認めるにしても、まず正確な現状把握があって、その上でどのように認めていくかを決める必要があると考えます。ある意味日本語の行間を読むことが価値観の変化で異なって読まれるということもあるということです。

世の中の共通認識が大きく変化したにもかかわらず、就業規則についての細かな対応が追い付いていないように思え、この夏全体的に見直して価値観の変化による齟齬が生まれそうな部分を洗い出してみようと考えています。

また企業の収益構造も世の中の大きな変化に対応していかないと本当に仕事自体がなくなる危機に直面する可能性があると感じますが、これはデジタル化が大きな要因になると思います。富士フィルムはフィルム事業の衰退を乗り越え、事業転換を実現しましたが、事業の衰退はデジカメの普及が要因になっています。新たな事業価値の創造は容易なことではないと思いますし、時間もかかると思いますが、それを牽引するのはリーダー層の先を見る目と危機意識の持ち方、新たな分野への前向きなスピード感のある取組みと、既存の強みをいかに生かすかということなどがあると思います。デジタル化によって構造的に成り立たなくなっている産業もあり、いかに次に進めるのか、今の確立した構造を壊さなければならないのか、どのように展開されるのか、不安もありますが大きな期待もあります。

社労士業務も常に先を見て現状の独占業務に安住することなく、次を模索していかなければならないといつも考えています。デジタル化も含めて方向性は決まっており、ここ数年の経過の中でやることも具体的に整理できてきました。9月の新年度に向けて3年の中期計画に盛り込む予定です。

それにしてもこの世の中の急激な価値観の変化(私はいつも価値観が180度変わったと言っています)は、変化したことを知っている世代にとっての認識と既に価値観が変わってから物心がついた世代との認識のズレはかなり要注意だと思います。そういう意味では価値観の変化について丁寧な説明も必要でしょうし、日本人の得意な「阿吽の呼吸」ではなく「明確に言葉にする」「はっきり物を言う」ということが重要な時代になっていくのではないかと思います。


構造改革の必要性

2024-04-07 14:05:54 | 雑感

色々な企業の様々な課題のご相談を受けていると「これは構造的な問題、解決するにはそこから見直さないと難しい」と感じることが多いです。コロナの期間を経て価値観が180度変わったと常日頃から感じていますが、価値観や目指すものが変わっても、「働く場」や「働くこと」についての意識が昔からの構造を引き継いでいるため軋みが生じていると思い至ります。

今メンタル疾患がとても増えており、協会けんぽの傷病手当金や労災認定のメンタル疾患の件数はどちらもいわゆる疾病を抜いて非常に増加しており、社会で早急に解決しなければならない問題になっていますが、これも働く場の構造改革=働き方の意識の改革が必要ということではないでしょうか。

例えば長時間労働は単に一企業で頑張るのでは難しいというケースが多くあります。いろいろな企業が集まり現場を形成している場合、全体が本来働く時間内に仕事を仕上げるという意識がなければ、一企業のルールを作っても意味がありません。働き方として勤務時間内に仕事を終えることがあたりまえ、残業は特別の場合ということになるような仕事量と仕事の内容の効率化と人員体制といった構造を変えていく必要があります。

また店舗をはじめとして、様々サービスを提供する仕事の場合でも、サービスが行き届きすぎ、時にはサービス過剰といっても良いものもあります。日本人の良いところでもあることはよくわかっているのですが、長年の積み上がりで行き過ぎていると感じることもあります。例えばコンビニは本当に生活に欠かせないものになりましたがSEVENイレブンができたときは確か開店時間が23時までで、それでも驚いた記憶があります。私の子供の頃はお店は夜になると閉まってしまうものでしたから。お正月も元旦からオープンすると聞いてそれまで年末年始用の食材を買い込んでいたことを辞めましたが、そこまで必要なのでしょうか。企業間の競争もあると思いますので、業界挙げての構造改革でかなりサービスのスリム化ができると思います。

女性活躍にしても、業界団体や企業の会議やパーティーに集まるのはほとんど男性で、女性はちらほらということも多いです。最近女性のトップもだいぶ出てきていますが、やはり一般的には経営層は男性という構造が組織の姿なのだなと改めて感じます。社長が女性になっても取り巻くのは圧倒的に男性なのではないでしょうか。こちらについてはランチの時間帯にちょっとしゃれたお店に入ると全員女性ということも良くあります。男性と女性では外に出ている時間帯が違うのだなと感じます。これは高度経済成長期の男女の役割分担から全く脱却していないことなのだろうと思います。そうだとするとまず106万円や130万円の壁の撤廃という社会保障制度の構造的見直しが必要だと思います。日本国民である以上成人したら男女の区別なく全員が税金と保険料を負担するという考え方が逆に一人一人の意識を変えると思いますので、まずはとにかく取り組むべきは構造改革なのだと思います。

同一労働同一賃金や60歳以上の賃金も同じように感じます。アルバイトだから、高齢だからという賃金の決め方ではなく、その人の担当する業務やスキルについて、少なくとも決定要素に入れておく必要があります。組織を区分分けして区分ごと一律の労務管理をするという手法も構造改革することにより人口減少による人手不足対策とすることができると思います。

昭和の時代の成功体験が平成になっても変わらず続いてきましたが、令和になっていよいよ構造を見直すことが必要になったと感じています。一つ一つ構造を見直していくことがこれからの日本の働き方や日本人が大事にするものに繋がっていくものと思います。

桜が咲きましたね。今日は本当に満開です。今年は入学式にタイミングがあったようでよかったです。それにしても4月1日は新卒の社会人が沢山渋谷の駅や電車にいました。みな学生っぽさを残して初々しく、明るく楽しそうでした。社会に新しい価値観を”元気に”吹き込んでもらいたいものだと思います。


仕事と介護の両立支援

2024-04-01 00:31:21 | 雑感

毎週のブログの他平日は「X(旧Twitter)」で社労士業務に関連する人事・労務管理、労働社会保険関係の情報を発信しています。こちらはOURSの若手スタッフに毎日審議会をはじめとして情報が得られるサイトをチェックしてもらってその情報をもらい内容を確認して発信することにしています。その中で先日「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドラインを公表します(2024年3月26日」という経済産業省のHP がありました。厚生労働省も「介護離職を防ぐために」などのリーフレットや動画を出しているのですが、経済産業省とは驚きました。

なぜ経済産業省なのかということがHPには次の通り書かれています。

超高齢社会の日本において、生産年齢人口の減少が続く中、仕事をしながら介護に従事する、いわゆるビジネスケアラーの数は増加傾向であり、2030年時点では約318万人に上り、経済損失額は約9兆円と試算されています。

2040年代後半には団塊ジュニア約800万人が後期高齢者になる一方で第1線で働く人数の少ない現役世代が、公私にわたり高齢者を支える構造となり、また共働き世帯の増加というライフスタイルの変化と慢性的な人材不足の中、仕事と介護をめぐる認識を今一度改める必要がある、ということで、政府は喫緊の課題と認識しているようです。

団塊ジュニア世代とは、1971(昭和46)年~1974(昭和49)年に生まれの世代ですので現在おおむね50代に入ったところでしょうか。この世代が後期高齢者になるまでにはまだ20年はありますが、日本の将来を見据えた国策は絶対必要ですので、今後どのような施策につながるのか、厚労省の審議会の状況なども気になります。

1997年に成立した介護保険法が施行(2000年)されるまでにはかなり時間がかかりなかなか受験用のテキストに載せることができなかったほど、とても難産でした。ただ介護保険があたり前のようにある現在、本当にこの制度があって助かっている人は多いと思います。認定の判断や介護保険制度の中身も精緻であり実際の運用が可能なもので本当に素晴らしい制度だと思います。

今後は育児休業は当たり前に加えて、介護休業についてどのように国がフォローしていくのか日本の将来の姿も見えてくるように思います。

https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240326003/20240326003.html

桜がとうとう咲き始めましたね。もう散っているかもと時期が少し遅れた高校時代の友人たちとの今週の集まりはむしろばっちり花見ができそうな感じです。明日から4月、新年度のスタートです。気分新たに頑張っていきましょう!


日本で女性の活躍を進めるヒント

2024-03-11 19:47:33 | 雑感

日本の女性活躍は、世界経済フォーラムが算出しているジェンダーギャップ指数では146ヵ国中125位と先進国としては最低水準だということです。

女性活躍がなかなか進まないのは、よく言われるのは家事負担が女性に偏りがちという点です。確かにこれまではそうだったかもしれませんが、10年前くらいからは周りを見ると男子は家事負担についても子育てについてもかなり頑張っているようには感じており、これは一部の事例でしょうか。そうだとしても現在50代以上の男性と比較すると働き方も異なると思いますし、ずいぶんと家事、育児へのかかわり方は大きく変化しているように感じます。おそらく50代以上の男性からみるとびっくりするぐらい、今の子育て中の世代は夫婦で生活にかかわる作業を分担し協力しあっているように見えます。これは海外の状況では比較的普通なのかもしれないとイメージしています。今の子育て世代が社会で決定権のある世代となる10年15年後は女性の活躍についてもだいぶ変わるのかもしれません。

女性の活躍が進まないのは、私の考えでは、日本人の控え目を良しとする気質や、教育、社会に出てからの会議への参加、発言などの機会の少なさがかなり大きな要因となっているのではないかと感じています。ただそれ以上に一言でいうとやはり「男性社会」という壁のようなものは感じることは多々あります。外部の会議などでも男性の中にたった一人の女性という状況になることは多く、それは専門職として比較的入りやすいということがあるかと思いますが、男性社会の常識とかルールなどが暗黙の了解の中で守られているような気がします。多様性が注目されてからずいぶんと時間が経ちますが、今のところ動かし難い、大きな壁のようなものを感じることが多いです。女性がその壁を超えて会議に参加するなどということについては男性側からしても女性側からしてもなかなか壊しにくいもののように思えます。

3月8日の日経新聞の「国際女性デー」の記事で丸井グループの青井社長のインタビュー記事はとても印象的でした。こんなトップであれば組織の多様性が実現し、閉塞感が打開されるのだろうなと思いました。というのも長い低迷期に同質の男性ばかりが集まり、議論を進めると予定調和的な議論になり、時代に合わせて変わることができないことに思い至り、女性や若手をメンバーに入れる構成の会議でないと、会議をしないで帰ることにしたというのです。残業の削減に仕事の見える化やITを活用し、シフトを細かく刻み、対話の重視など様々な施策を進めたそうです。また男性の抱える重荷を軽くするという意味で女性の活躍により男性が稼がなければという負担感を減らし幸福度を高めるという考えも示されており、女性の活躍のヒントが沢山語られていました。トップの考えと意思が組織を時代に合わせて変えていくには必要なのだということをつくづく感じさせる記事です。

 

週末を使って旅行に行ってきました。一人旅の女性もいて少し話をしてみるとそれぞれ自分の楽しみ方や考え方を持っていてとても教えられることが多いです。女性の好奇心や企画力、情報交換のコミュニケーション力を生かさない手はないと思うのです。同質性の中で安心するのではなく時には議論が過ぎるくらいのことがあったとしても、多様性を楽しむくらいの企業や組織が増えてくると、日本社会も企業、働く人ももっと元気になり皆が幸せを感じることができるのではないかと思います。


税金や社会保険料を納めることについて

2024-02-18 23:23:51 | 雑感

2024年10月1日からいよいよ社会保険の適用拡大が51人以上規模の企業に拡大されます。条件や準備フローは2022年の10月に101人以上の企業に拡大された際と同様です。ところで適用拡大の状況としてはどうなったのか気になり調べてみたところ、社会保障審議会の年金部会で資料として取り上げられたJILの調査がありました。この調査では昨年2022年の適用拡大についてのアンケートを行っています。

「厚生年金・健康保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増える(維持できる)よう、所定労働時間を延長した(してもらった)」(6.4%)と「所定労働時間はそのまま、厚生年金・健康保険が適用された」(14.5%)が合わせて 21.0%に対し、「厚生年金・健康保険が適用されないよう、所定労働時間を短縮した(してもらった)」は 12.0%等で、「厚生年金・健康保険は適用されておらず、働き方にも変化はないが、今後については検討している」が 21.0%等となった。

労働時間を延長した6.4%より、短縮してもらった12.0%の方が多いという結果は残念な感じがします。ちなみに企業調査では、できるだけ適用するが55.1%、どちらかといえば、適用するが7.6%と6割を超えており、理由としては法律改正で決まったことだからが66%と最も多かったということです。

税金や社会保険料については、私は高いと思うことはありますが納付することはどちらかと言えば積極的に考えています。それはもしかしたら専業主婦時代を10年間経験しているからかもしれません。専業主婦時代は自分の名前で呼ばれることはほとんどなく、税金や社会保険料を負担することもなかったので、社労士になり被扶養者という立場を離れて、税金や保険料を納めることにり「自立」した感覚が持てたからかもしれません。また税金は国を支える国民としての義務という気持ちが強いです。

先日樋口恵子さんの本を読んだのですが1986(昭和61)年から実施された第3号被保険者の制度により、サラリーマンの妻は非正規雇用でいいとなってしまった。非正規の平均年収が200万円前後で、賃金の低さがまんま年金に反映されるので経済的に苦しい高齢女性が増えるということを書かれています(表現はもっと刺激的です)。解決策は一つ、「あらゆる女性が職場に出て、平等な扱いを受けて、給料を得て、自分の生活を支えるだけではなく、税金や公共料金の担い手として、男並みにそれも払うこと。」と言っておられます。これにとても共感を覚えました。やはり、国民の義務としての税金や国民皆年金の社会保険料を納めないでよい制度というのは、障害や貧困の場合を除いて、1人前の人間として違和感があります。

「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001101667.pdf

樋口恵子さんにはずいぶん昔、女性労働協会の理事会で錚々たるメンバーの揃う中監査として参加して一度だけお会いしたことがあり、その時はこちらをチラリと見られて怖い人という印象でしたが、今回本を読んで身近に感じました。

※先日OURSセミナーで「技能実習生の制度廃止の時期」についてブログでお伝えするとしましたのでここでお伝えします。2024年の通常国会に法案を提出するため、まだ施行日は決まっていないようです。


副業について

2024-01-28 18:27:04 | 雑感

先日(1月22日)の日経新聞に「バラ色ではなかった副業」という記事が載りましたが、今後副業・兼業はどのような方向に向かうのか、企業も念頭に置いておく必要があると思います。

記事は日本で実質的に副業が解禁されてから5年が経ち、社員の副業を認める企業は過半数となったものの正社員の副業の実施率は1割に届いていないということです。この企業の数字は経団連が昨年10月に公表した「副業・兼業に関するアンケート調査結果」からの数字であり、経団連企業会員275社が回答した(回答率18.2%)ですが、確かに一昨年あたりから大きな企業は就業規則を変更して副業の申し出があれば対応可能としたいというご要望がかなりあったように感じます。

記事によると、社員の送り出しは認めても、受け入れには慎重な企業が多いということで、リクルートのマッチングサービスでも1つの案件に応募者が20人という状況で、現状の「人手不足下では珍しい『買い手市場』となっている」状況だそうです(ちなみに、そういうマッチングサービスがあることは初めて知りました)。

また企業側と働き手の思いにズレがあることも副業が進まない要因としてあげています。企業側は、「エンゲージメントやモチベーションアップ、スキルアップ」などの効果を考えているようですが、副業者の副業をしている理由は、「収入増、1つだけの仕事では生活できない」が多く、確かにズレを感じます。

やはり副業を行うのであれば現状の仕事にかなりゆとりがある場合なのではないかと思え、週休3日制などが一般的になれば増えてくるのかもしれないと感じます。仕事と家庭の両立を目指して男性・女性共に家事を役割分担している現状を見ると、さらにそこで副業をするのであれば、よほど本人の趣味が高じて収入に結びつくような場合や、やはり収入面の補填という状況が現実的なのかなと感じます。

TACの講師をしている頃は考えてみると本当に体調なども気にせず若さで突き進んでいた感じで、事務所と講師業の両立に加え、まだ子供も小学校から大学受験まで(大学生になってからは一人暮らしになりました)の時期は食事はもちろんお弁当作り、サッカーのユニフォームの洗濯なども含めた家事・子育て全般をよく頑張ったなあと思います。TACのクラスは夜の時期もありましたが後半は日曜日にさせてもらっていましたので、まさに講師業は副業のようなものだったと感じるのですが、それを考えると副業をする場合、やはりパワーが必要と感じます。

ただし、その頑張りは今財産になっていることも感じますので、副業の効果は実感しているのですが、だれにでもお勧めすることはちょっと厳しいように思っています。


2024年の仕事始め

2024-01-08 22:02:05 | 雑感

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。2024年のお正月、被災された方々の報道や羽田の事故を目にして、心痛むことが多いお正月でした。辛い年初になりましたが、辰年は「新しいことを始めて成功する、いままで準備してきたことが形になるといった、縁起のよい年」ということのようですので、その言い伝えに期待したいと思います。

昨年28日に仕事を早めに切り上げて事務所のメンバーと納会を行って、年末は例年通り真剣に大掃除をしました。正直掃除は大好きなので苦にならず、様々家の中を整理をして新年を迎えました。お正月もこれも例年通り、駅伝をテレビで見て、初詣に行き、お墓参りに行き、読みたいと買いためておいた本もかなり消化することができ、のんびりと過ごすことができたと思います。5日は初出勤で、事務所のメンバーとこれまた例年通りお世話になっている東急セルリアンタワーからの夜景を眺めつつ新年会で楽しい時間を過ごしました。今年は暦の並びで翌日から3連休でしたので、実際の仕事始めは明日からという気分です。ちなみに今年のおみくじは久しぶりに大吉でした。

明日からは仕事の予定が約2週間びっしりなのですが、今年は少し余裕をもっていきたいと考えています。新しい仕事が入るとつい自分で取り組みたいと思ってしまうのですが、少し絞っていかないと時間は限りがあるわけで、と思っています。事務所はメンバーがそれぞれ力をつけてきており、プロジェクトを沢山走らせる体制ができています。プロジェクト体制をさらに発展させて事務所の今後の方向性に結び付けていくイメージを持ちたいと思います。また、オンライン会議が当たり前になり、1時間ごと会議が入るようになり以前よりさらに時間的にゆとりがなくなったというあたりは会議インターバルで予定を入れない時間を作るなどの工夫が必要だと感じます。

一昨年から取り組んでいる「ビジネスと人権」はできるだけ自分の専門性を高めるため研究していきたいテーマです。ILO駐日事務所の支援を受けて連合会が行っているビジネスと人権の事業(支援できる社労士をできるだけ多く輩出する目的)が軌道に乗ってきているので、その中で私も切磋琢磨しつつ、顧問先をはじめとして企業や業界団体の「ビジネスと人権」の導入支援を積極的に働きかけていこうと思っています。昨今の価値観の大きな変化を企業が自然な形で取り込んでいくくためにも「ビジネスと人権」の主要な論点がとても有効だと感じます。

あとは、社労士としての専門性は大事にしたいと思っていますが、ここまでくると専門性にこだわりすぎず広い視野で物事を見て考えることを心がけてみたいとも思います。昨年後半からその傾向はあり、仕事にこだわらず読む本をはじめとして情報に接し、プライベートな付き合いの友人との時間も確保し、国内外の旅行やスポーツ観戦などをしていると、のびのびとした気持ちの中で思考ものびやかに、また穏やかになっていくような気がしたからです。

色々と今年1年に向けての夢はあるのですが、相変わらず仕事に追われているかもしれません。それはそれで幸せなことだと思いますし、まずは健康で1年を過ごすことを目指していきたいと思います。このブログを読んでいただいている方にとってもを良き1年になりますように。


日本という国の素晴らしさ

2023-10-15 22:03:44 | 雑感

先週は休暇を2日ほど頂いて連休にかけてロサンジェルスに旅行してきました。若いころ2年ほど夫が会社の制度により留学していたことがあり、私も2歳の息子と1年ほど住んでいました。その頃もそうでしたが、私が大学時代はアメリカの西海岸は本当に憧れであり、UCLAのロゴの入ったトレーナーを愛用したりしていたものでした。当時日本人が多く住んでいたガーデナにグーグルマップで確認したところ家もそのまま残っており、歩いてほんの数分のところにある今は違うスーパーになっていましたがニュー明治というスーパーなど、もう一度見に行ってみたいと思っていました。実は3年前コロナで断念した経緯があり、やっと実現したという旅行でした。

今回まず感じたのは、西海岸にはあまり日本人は来なくなったのだということです。往復の飛行機の中でも日本人はとても少なく、ダウンタウンにあるリトル東京も以前の雰囲気とは異なり多国籍な一角という感じになっていました。当時はLAは危ないということもあり近くの日本のスーパーと、日本人の集まる公園、週に2回の英会話教室くらいしか出かけることができなくて、たまにリトル東京のニューオータニに行き、そこにある紀伊国屋書店で文庫本を沢山買いだめして読むことがとても楽しみでしたが、ニューオータニがなくなってから久しいようです。

前回は観光する余裕がなかったので、今回半日ですが市内観光をして知らなかったロサンジェルスの良い場所を知ることができたのは収穫でした。果物を売っているだけかと思っていたファーマーズマーケットはとても雰囲気の良いモールができていましたし、グレイストンパークというお屋敷跡にできた公園の散策も和むことができました。空港からホテルの送迎と半日観光のドライバーはともに日本人で、今のアメリカや大統領の話や、フットボールの観戦の際は透明のバックを持ってかなければならないこと(危険物を持ち込ませないため)など色々な情報を提供してくれてとても助かりました。その中で、サンフランシスコが今やドラックとホームレスにあふれていてロサンジェルスより危険な街になっているという話もあり、昔のサンフランシスコをイメージしていた私にとっては驚きでした。ドラックについての市長の方針もさることながらやはりコロナで在宅が増え人が町から消えたことも大きいようです。

ホテルの周りをちょっと歩いても、やや危ないかなという一角に差し掛かりそうになりますし、車で走らせているとここは絶対降りない方が良いのだろうという街もあり、今回は以前に増して格差の激しさを感じました。どこを歩いても大丈夫ですし、夜も一人で歩ける日本という国はもしかしたら世界でも数少ない安全な国なのかなとフト思ったりしました。今渋谷のヒカリエはいったいここはどこの国なのかというくらい、海外の旅行者が多く、アメリカより渋谷の方が欧米人を見かけるような気がしました。旅行者が日本について美し国と感じるのは自然なことなのだろうと思いました。この日本人の清潔感や、勤勉さ、几帳面さがあれば、これから人口減少の時代で小粒になったとしても良い国が築けるのではないかという気がしました。ちなみに最初から最後までホテルも含めてウォシュレットには出会いませんでした。

アメリカも行くところに行けば違うのでしょうけれど、どちらかというとアジア系やメキシコ系の人々が多く、人種問題はどうしても付きまとうのだろうと感じました。今後外国人労働者が増えてくれば、日本も似たような状況になるのかもしれず、その時はアメリカのように、同じ国に住んでいながら暗黙の中で居場所が分かれてしまうということになってしまう可能性もあるのかもしれません。

最後に流石のビッグアメリカを見たのは、2028年のロサンゼルス五輪の開会式をするスタジアムであるソーファイスタジアムでのフットボールの観戦でした。7万人収容のスタジアムで、チケットは売り切れることはないという情報でしたが5階席まで満席のようで、応援も派手に盛り上がり、なかなか楽しい時間でした。ここは奮発して良い席を確保していたので試合も良く見えて、これからはロサンジェルスラムズを応援しようと思いました。ウーバーを初めて海外で使ってソーファイスタジアムに行ったのですが、日本のGOと同じ仕組みで違和感なく使えたのと、現金はほとんど使う機会がなかったことも印象に残りました。やはり海外旅行は色々なことを考え、自分の国を見直す良い機会にもなるので、思い切って行く価値ありと思いました。

ソーファイスタジアム入口   ラムズ対イーグルス     スタジアム内の売店               大きいアメリカンドック

    


共働き・共育てモデル

2023-09-10 22:39:36 | 雑感

木曜日はOURSセミナ―があり、今回も有難いことに多くの皆様にリアルで参加頂きました。ハイブリッドで行ったのですが、オンラインの音声が一部聞こえにくかったようで申し訳ありませんでした。オンライン配信は顧問先様限定で、お手数ですが顧問先様は聞こえなかった場合後日お送りするメルマガに載せている動画をご覧頂ければ幸いです。

その時にご紹介した、日本人の出生率が低いのは「規範」に縛られているからと書かれている本ですが、きちんとご紹介ができなかったのですが考え方としてとても興味深いのでご紹介も兼ねてブログで少し取り上げてみたいと思います。その書籍は、メアリー・C・ブリントン著「縛られる日本人-人口減少をもたらす『規範』を打ち破れるか」というものです。人口が急減する日本が、なぜ出生率も幸福度も低いのか。アメリカやスウェーデンとのインタビューや国際比較のデータを分析しています。様々な視点からの分析なのですが、中でも印象的なのは、日本が『家族を大切にする社会』なのか、日本人が捉える家族の定義の狭さ、家族の在り方に関する強力な社会規範、日本の雇用慣行の問題などについての分析です。

アメリカでは、例外はあるが中流家庭ではたいてい父親含めて家族全員が午後6時までには帰宅し、みんなで一緒に夕食をとるのが当たり前だが、日本では典型的な平日の風景としては母親が夕食の準備をし夜の時間を子供と一緒に過ごすことが暗黙の前提になっていること。

核家族化の進んだ日本では、家族の孤立傾向があり、誰に援助を頼むかについては自分または配偶者の親という割合は他国と変わりがないが、兄弟や友人、近所の人という割合が低く、近所との付き合いや地域のコミュニティの一員であると感じにくいことがあり、安心して子育てがしにくい状況であること。また週末には比較的遠距離であっても祖父母を訪ね長い時間過ごしたり、子供が生まれて地元に戻り家族の近くで精神面で支え合いながら暮らしたいという若い世代の考え方が日本より多いこと。

これは予想通りですが、高度経済成長期の役割分担モデルが、政策的にも、社会保障でも強く残っている日本では、アメリカに比べて父親が子供と一緒に過ごす時間が極めて少なく、重要視されておらず、多くの場合家族のためにお金を稼ぐことを父親の最も重要な役割と位置付けていること。また日本人の「周りに合わせる」という発想が社会に深く根を張っており、逸脱した行動がとりにくいこと。

雇用慣行で問題になるのが、単身赴任。2017年のJILPTの調査では、転勤の決定に際して社員の希望を考慮する会社は20%未満であり、転勤を命じられた社員の半分以上は単身赴任を選択するとのこと。これは家庭生活に大きな問題となることと、転勤により人材育成が有益であるとすると、結婚や子供のいる転勤がしにくい女性が職業能力の開発の点で差別されることになること。マイナビの「大学生就職意識調査」では、まず行きたくない会社は「ノルマのきつそうな会社」。その次ぎが「転勤の多い会社」と「休日・休暇が取れない(少ない)会社」で20年前に比べて際立っているということです。

その他雇用慣行の問題で興味深かったのが2010年の改正で育児・介護休業法で導入が義務付けられた「時短勤務」で、望ましい部分もあるが、時短勤務の制度が原因で、女性が職場で補助的な役割という考え方が強化される可能性があるということ。またくるみんマークが認定を受けることだけに走っているケースへの疑問も書かれています。

日本人として当然と思ってきたことへの切込みが新鮮で面白いですが、今一番スッと自分の中に入ってくるのが、これまでの役割分担モデルの頭を切り替えて、共働き・共育てモデルを目指す必要があるのだという思いです。やはり仕事は面白く、女性も男性と同様に仕事をこなすには、共働き・共育てモデルを当たり前となると良いなあと思います。ただ私の年代ではなかなか難しく、おそらく仕事と家庭の両立を力業でやりきるしかないのでしょうけれど、昨今の子育てや家事に対する男性のスタンスを見ていると、20代、30代の人たちが20年後くらいになれば、役割分担モデルから見事に、自然に共働き・共育てモデルに切り替わっているのではないかとも感じます。

社労士会の支部対抗野球は渋谷支部の優勝となりました。これが終わるといよいよ秋になる感じなのですが、今年の秋は旅行も予定しており、仕事も執筆や労務DDやビジネスと人権の出張もあり、あっという間に終わってしまいそうな感じです。体に気を付けて頑張ります。


骨太方針2023

2023-07-17 23:23:29 | 雑感

今週末は3連休ということで比較的ゆっくり過ごすことができました。次の週末にBBクラブの勉強会があるので法改正のレジュメを作り上げるのが目標だったのですが、何とか全ページ作ることが出来てホッとしました。セミナーのレジュメを作るのはいつも週末なのですが、少し週末の仕事を減らした方が良いと思い、Googleカレンダーにまとまった時間がある日はあらかじめ「セミナーレジュメ作成」という予定を入れておきなるべくその時間を確保することにしました。結果としては全く時間が取れなかった日もありましたが、2、3時間集中して取り組めた時間の積み重ねが何回かあり、かなり週末を前にしてできている部分もあり、やはり効果はあったと思います。

ところで今回は来年春に向けていくつかの改正があり、また通達などの解説もするのですが、将来に向けてという意味でこの春から6月にかけて首相(政府)が打ち出した方針が今後の法改正の内容として具体化されていくため、「骨太方針」「新しい資本主義」「女性版骨太の方針」「こども未来戦略方針」を取り上げてみました。というのも色々と新聞等で出てくるのですが、どこに何が書かれているのかが全く分からなくなってしまっていたので、整理する必要性も感じていました。

国レベルのことなので、取組むべき課題が多いので仕方がないのかもしれませんが、正直色々なところに厚労省関連のテーマが顔を出し、はっきりした目標・方針についての具体策の連携が見えにくい、全体イメージが捉えにくいような気がしました。それぞれ正式名称は次の通りになっており、どちらかというと「骨太の方針」に書かれている内容が中心になるとは思いました。

①骨太方針2023=「経済財政運営と改革の基本方針 2023 加速する新しい資本主義~未来への投資の拡大と構造的賃上げ の実現~(経済財政諮問会議の答申を経て令和5年6月16日閣議決定)[内閣府HPより] 

②新しい資本主義=「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」(内閣に新しい資本主義実現本部を設置・検討を経て令和5年6月16日閣議決定)[内閣官房HPより]

③女性版骨太の方針=「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2023(女性版骨太の方針 2023)」(すべての女性が輝く社会づくり本部 男女共同参画推進本部の検討を経て令和5年6月13日閣議決定)[内閣府男女共同参画局HPより]

④こども未来戦略方針=『「こども未来戦略方針」~ 次元の異なる少子化対策の実現のための  「こども未来戦略」の策定に向けて ~』(全世代型社会保障構築本部「こども未来戦略会議」で検討を経て令和5年6月13日閣議決定[内閣官房HPより]

これらを受けて厚生労働省保険局で『「経済財政運営と改革の基本方針2023」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」及び「規制改革実施計画」等について』と題した資料を作成し、社会保障審議会医療保険部会で報告をしています。厚生労働省が国の方向性の元に情報を分析して法律を作り上げるという方法ではなく、完全に主導権が内閣にあることが見えてしまい、懸念を持ちますが、今後、厚生労働省ではこれを受けて、年末の令和6年度予算編成過程や関係審議会等で社会保障改革の具体化に向けた検討が進められるということになるのだと思います。

それぞれ書かれていることまで触れると膨大になるので触れられませんが、今後社会保障としての具体策がどのように決まっていくかを抑えるためにも関係する部分は目を通すと良いと思います。

毎日暑いですね。7月の中旬でこれだと8月になるとどうなってしまうのか不安になります。最近は事務所から帰宅するとすぐにシャワーを浴びたい状況なので、それに合わせて早めに色々なことが片付き助かります。脳(記憶力)の状況をよく保つには5時間以上は眠る必要があると本で読んだので最近は睡眠もできるだけ6時間取るようにしています。夜更かしの癖を直して良い習慣になると良いと思っています。


2025年を目途女性役員少なくとも1人

2023-05-28 22:10:23 | 雑感

政府は東証プライム市場に上場する企業に、2025年をめどに女性役員を少なくとも1人登用するよう促す目標を設ける調整に入った。罰則のない努力義務にするということが5月21日の日経新聞に載りました。内閣府の男女共同参画に関する有識者会議が近く、女性役員数の目標設定を東証上場規則へ反映すべきだとの提言をまとめ、政府は6月にまとめる女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)に盛り込む方針ということです。

4月27日の男女共同参画会議でも、岸田首相は東商プライム市場に上場する各企業での女性役員の割合について「2030年までに30%以上とすることを目指す。」と明言しています。

そもそも2013年4月に安倍総理が経済界に対して「役員に1人は女性を登用していただきたい」との要請を行い、結果2012年から2022年の10年間で上場企業の女性役員数は5.8倍に増えたものの、割合としては2022年7月で9.1%と諸外国に比べて低い水準になっています。

ちなみにOECDの2022年の統計では、諸外国の女性役員割合は、フランス45.2%、イタリア42.6%、イギリス40.9%、ドイツ37.2%、カナダ35.5%、スウェーデン35.2%、アメリカ31.3%です。日本は15.5%、日本より低い割合なのは中国14.8%、韓国12.8%となっています。

女性役員がいないプライム市場上場企業も男女共同参画局のHPで発表されています。

以前何かの会合で女性弁護士さんが「社外取締役の依頼が困るくらい来る」というお話をされていて、まだキャリアが短くても弁護士さんにはそういう依頼が結構来るのだなと思ったことがあります。ちなみに日弁連のHPにあるのですが、各弁護士会では社外役員候補者の名簿を提供しており、第一弁護士会の名簿の登載の条件を簡単にいうと「社外役員となることを希望し、5年以上の登録年数、指定研修の履修、賠償保険への履修、過去3年以内に懲戒処分を受けていないこと、その他不適当と認める理由がないこと」としています。

人的資本という考え方が注目され、働き方の施策も各企業特徴が出せるようになる中、社会保険労務士も社外取締役として企業に有用な役割を果たせるものと思います。社外取締役も顧問契約と同じく、やはり信頼関係のある人を紹介を中心に選ぶケースが多いのかもしれないとは思いますが、社労士会も弁護士会のように外部に向けての女性活躍に取り組むことで、女性に限らず社労士全体の価値を高めることができるのではないかと考えます。

本当に気持ちの良い季節になりました。歩くことが大切ということで週末はできるだけ歩くことにしていますが、1万歩程度歩くと3年前に転んで足首にひびが入った箇所はいまだ固くなり違和感を感じます。時が経てば戻るのでしょうか。

ここのところ新規のご依頼を沢山頂いた関係で毎日忙しくしています。ただそれらのお仕事とは別に今是非取り組んでみようと思っているのが、沢山世の中に出ている働き方の施策(メニュー)の中で顧問先企業に合った施策を提案して、特に採用と定着に対して魅力ある企業になって頂くということなのです。色々研究して提案書を作るつもりでおり、ワクワクしているのですがなかなか手がつかない状況です。どうしても週末に仕事をすることになりがちなので、平日集中して就業規則改定や労務DDの作業に取り組む日を作ることを決意し、時間をGoogleカレンダーに入れてしまい予定を入れないという方法をとることにしました。どうなることやら・・・です。


異次元の少子化対策

2023-03-05 21:33:05 | 雑感

「異次元の少子化対策に挑戦する」と岸田文雄首相が1月4日の年頭記者会見で発表しました。異次元とはどのくらい異次元なのかという点が気になっていますが、今のところ聞こえてくるのは児童手当の所得制限撤廃の話や高等教育無償化の話が多いような気がします。とにかくこの少子化は何とか食い止めて少しずつ上向きにしていかないと本当に日本の未来がどうなってしまうのか心配でなりません。

内閣官房のHPに「こども政策の強化に関する関係府省会議」のページがあります。令和5年1月19日の第1回目の会議から2月20日まで3回にわたり開催されているようです。開催にあたり、1月6日に総理指示が示されていますが、異次元という雰囲気は正直感じません。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_kyouka/dai1/siryou1.pdf

武見敬三参院議員がGLOBE+という朝日新聞(2023.2.28)の記事で述べられている「フランスは、子どもの数が増えるほど所得税率を下げる税制や、結婚していない母子家庭への支援、海外からの移民受け入れなどに取り組みました。」とあります。日本では「外国人が増えるのは嫌だ」「未婚のまま、子どもを産むのは倫理的に問題がある」といった声があり、急激な少子化政策の導入は社会的なあつれきを生むということで少子化対策が遅れたということなのですが、フランスのようなことができれば異次元という感じはすると思います。

異次元とまではいかないかもしれませんが、労務行政さんの昨年の改正育児介護休業の書籍の執筆の際も感じたのですが、社労士としての仕事をする中でこういう改正をしてもらいたいと感じることがありますので、以下記しておこうと思います。

①育児休業期間中の100%以上の所得の補償

育児休業については労働者の労務提供義務が消滅することをいいますが、雇用保険法では出生時育児休業は定期的な労務提供、また原則の育児休業は臨時的な労務提供を認めています。ただ賃金が支払われると育児休業給付金が減額される仕組みとなっています。この点を改正して、育児休業期間中の一定の労働を認め、育児休業給付金に影響なく賃金を受けることができると良いと思います。育児休業給付金に影響することなく賃金が上乗せされても良いと思うのですが、少なくとも給付金と賃金の合計が賃金日額の100%までは減額されない仕組みにして欲しいと願います。併せて育児休業については他の休業の概念とは異なり一定の労務提供を認めるものとしてもらいたいです。

②1歳から2歳までの緩い職場復帰

現在1歳までが育児休業の原則の期間ですが、1歳から2歳までを育児休業に準ずる期間として、ある意味リハビリ勤務的な期間とするのはどうかと思うのです。少しずつフルタイムに戻していく経過措置のようなイメージです。現状も保育所には入れなければ2歳までであり、2歳までの育児休業も受入れられやすくなっているような気がします。ただ、仕事から1年以上2年も離れて子育て中心の生活をしているとなかなか仕事に戻りにくいということもあると思います。そうだとすると、1歳から2歳までは育児休業中であり、かつ復帰を見据えて働く期間でもあると割り切っても良いのではないかと思います。1歳まで育児休業を取っていて、2週間程度の慣らし期間であとは通常勤務というのは、子供の発熱などでなかなか思うようにいかず、肩身の狭い思いをしつつの勤務になります。そういうことから子供を産むことを控えてしまうのであれば、たった1年程度の短い期間のことなので残念だと思います。ただし、親である社員もかなり準備周到に計画的に会社が納得できる使い方をしてもらわなければなりませんが。

③小学校入学前後の6か月間の短時間勤務制度

小学校に入学させるとだいたい3か月から6か月程度で色々なことが落ち着いてくると思います。ただ入学前後は親もこれまでとはまたステージが変わり不安もある時期でもあります。その前後は少し勤務を減らして子供を見守ってあげれば親子とも安定して新たなステージに向かえるのではないでしょうか。

現在3歳までの短時間勤務制度ですが小学校入学前後も取得できると良いのではないかと思うのです。また現在の短時間勤務制度は6時間を必ず含めることとされ平成22年の改正当時それまで4時間の短時間勤務制度を持っていた会社も6時間にしてしまったという印象があります。これは短時間勤務制度でもある程度収入が確保できるように定められたものですが、6時間より短い短時間勤務が少なくなったという問題を生み出しました。もう少し短時間勤務制度も柔軟性が必要かと思います。

ここ数日花粉症がひどいです。かなり早くから飲み薬を飲んでいたのですが、今日は朝起きたらのどが腫れまくっていてびっくりしました。今年はひどいと聞いていたのですが、実感しています。

 


後継者問題について

2023-01-29 17:24:50 | 雑感

ゆえあって、しばらくの間ブログはいつもより軽めになるかもしれませんが、よろしくお願いします。

先日東商新聞に、企業の後継者不在率のことが載っていました。帝国データバンクの「全国企業『後継者不在率』動向調査(2022)」を元に書かれた記事ですが、全国・全業種約27万社の後継者不在率は57.2%ということです。かなり大きな数字と思いますが、調査開始2011年以降初めて60%を下回ったということです。

この改善は、M&Aや事業譲渡などの事業承継のメニューが整ってきたことと、地域金融機関等事業承継相談窓口が普及したことが影響したのではとされています。

事業承継の動向について、代表者の就任経緯としては34.0%の企業が同族承継とあり、前年比で急減だそうです。一方血縁関係のない役員などの内部昇格33.9%、M&Aほかが20.3%と増加したそうです。

具体的な後継者候補の属性としては、「非同族」が36.1%で最多、調査開始以来首位であった「子供」が今回初めて「非同族」がトップとなり、脱ファミリー化へ舵を切る動きが見て取れるということです。

新聞などでカリスマ経営者がどのように事業承継していくのかとても興味を持って見ています。後継者問題はこれまで日本を支えてきたベビーブーム世代の大きな課題ですから。

今年の新年会は久しぶりに立食パーティーがいくつかありました。やはりパーテーションをはさみ着席でのパーティーよりは、立食の方が色々な方とお話ができ、また着席でも座がばらけると色々な席へ行って交流を図るという状況で、久しぶりに楽しいものだと感じました。

ほかのパーティーに出て飾られていたお花をホテルから勧められて持ち帰ってくれた方から頂いた花束がとても見事で、勢いがあり、これも久しぶりに懐かしい習慣だと思い写真に残しました。元気が出ます。

 


仕事への意識の大転換の必要性

2022-09-04 20:35:55 | 雑感

コロナ禍の数年間は経済活動が縮小していたため長時間労働の悩みは各企業少なかったように思います。その前の働き方改革の効果もあり、長時間労働削減について対策に考えを巡らせることも最近少なかった感じでした。ただここに来てコロナと経済活動の両立が始まり、また働き方が元に戻ってしまう会社が出てくる懸念が生じてきました。時間外労働の削減の方法としては、まず労働時間が正確に把握されているか、その業務にあった変形労働時間制やみなし労働時間制が採用できないか、36協定の上限時間数が法的に適正かつ抑制効果のある数字になっているかの他、会議時間の時間数なども参考にして、時に厳しめのアドバイスをします。以前顧問先の人事担当者がおっしゃっていた印象的な言葉で「労働時間に合った変形労働時間制などの制度を導入するということではなく、変形労働時間制に沿った働き方を模索する」というものがありましたが、それもなかなか難しいことかと思います。

今の働き方では長時間労働の削減は限界があり、人員を増やすしか方法はないのではないかとずっと考えていましたが、最近フト思うのが特に経営層や管理職以上の成功体験がある年代層がこれからの仕事についての意識の大転換をすべき時なのではないかということなのです。

というのも長時間労働になっている原因の一つに「チームでの仕事」があるのではないかと思います。「会社に集合して一緒に現場に行き全ての作業が終わるまでは全員参加、完了後会社に一緒に戻り機材を片付けてからちょっと一杯して解散」というような場合、「ちょっと一杯」は別としても考えてみると生産性を上げるには問題があるのではないかと思いました。仕事を細分化してその中で担当する仕事を明確に決めて、極端にいえばその仕事に必要な時間に現場に個々人が出向き、自分の仕事が完了すれば終業となる、という動きになればかなり労働時間は削減されるのではないかと思うのです。チームでの仕事というのはいつも一緒に最初から最後までというのではなく、各人の担当の部分しっかりこなし、トータルで形に仕上げるマネジメントを担当するのは、労働時間の適用除外の管理監督者かみなし労働時間制の裁量労働対象者という時間管理の自由度が高い層というのはどうでしょうか。最後だけはチーム全員で集まって打ち上げをして達成感を共有するのでも良いのではないかと思います。

以前に海外では医師が手術の途中でも交代すると聞いたことがあり、時々事例としてお話しするのですが、これはよく考えてみるとメスを持っている状況でバトンタッチするのではなく、例えば手術の前の準備の段階、手術、縫合、術後の管理などを分業するという意味なのではないかと思い至りました。

これは私も含めて高度経済成長期からリーマンショックなどを知っている世代では、頭ではイメージしたとしても意識として受け入れにくいですが、これから社会に出てくる世代などにとっては違和感はないかもしれません。高度経済成長期以降、第3号被保険者に代表する外で働く男性と家を守る女性という役割分担が、女性も働く時代になると崩壊して必然的に男性も家事・育児を分担することになりました。男性もできれば早く仕事を終えて帰宅してやらなければならないことがあるという状況であることを感じます。男女の役割分担が、むしろ今後は仕事場での役割分担に変わるのではというイメージです。最近ジョブ型賃金のご相談を受け、曖昧であった理解が少し進んだと思うのですが、個々人の担当業務の明確化はジョブ型賃金にもなじみそうです。細部まできめ細かく、完璧な完成を追求する日本人にとっては大きな意識の変化が必要になるかもしれませんが、従来のやり方にこだわっていると世界についていくことができないのではないかという懸念を感じます。

考えてみると日本の社会は「団体行動」を大事にしてきたと思います。個人主義はどちらかというとあまり良い意味では使われず、団体行動を乱すということは批判的に取られることが多かったかと思います。それは功罪両面があるのだと思いますが、例えば高校で不祥事があると折角出場が決まっていた高校野球の出場辞退などは、選手本人に全く問題がない場合でも必要なのか疑問に思うこともありました。日本の仕事の細かさ、完成度の高さは団体行動による人の力のまとまりや、責任感に由来するもので失いたくないものではあるのですが、そこを保ちつつ構造転換をすることはできないものでしょうか。

人口減少もあり構造変化が起きている社会や家庭を考えると、まずは仕事への意識の大転換の必要性が日本人には求められるのかもしれません。生産性を高めて、ワークだけでなくライフも大事にするには個々の仕事の分担が鍵であり、それが進めば個々人の専門性が高まり分業制がさらに完成していく、ということが流れなのではないでしょうか。

先週日曜日の夜、2時間程度かけてブログの原稿を作ったのですが、どうもうっかり「投稿」ボタンを押すのを失念したようで、火曜日にブログがアップされていないのに気付いたものの、気付いたのが遅かったからかデーターもすっかり消えており「茫然」でした。

ということで本試験お疲れ様をお伝えする機会を逃してしまいましたが、1週間遅れで「お疲れさまでした。1年間よく頑張りました!結果がどうあれ、本試験の経験は決して無駄になることはありません。」ということをお伝えします。