OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

安倍元総理のこと

2022-07-10 21:53:38 | 雑感

金曜日に安倍元総理の奈良でのことを知って何とか助かって頂きたいと願ったのですがかなわず、それからずっと胸がふさがったまま、気持ちのやり場がなく過ごしました。ブログに書くかどうか迷ったのですが、このブログは自分の記録にもなっており、やはり安倍元総理のことは私の仕事人生において大きな存在だったと今さらながら気が付いたので今日は安倍さんのことを書かせて頂きます。

安倍さんについては成蹊大学の1年先輩で入学式の翌日正門で「アーチェリー部を見に来ない?」と声をかけて頂き、とてもやさしい感じの方だと思いました。大学に入学して初めて会話した先輩だったので印象に残っていたのですが、後日政治家の安倍晋太郎さんの息子さんと知りました。結局アーチェリー部には入部しなかったので大学生活の中では挨拶をする程度でしたが、4年生の時に安倍さんは体育会副委員長をされており、体育会テニス部に所属していた私は、結団式の際などに壇上の安倍さんを下から見上げてお話を聴いていたことをよく覚えています。大学時代から安倍さんは優しく信頼できるお人柄と感じていました。以来いつも遠くから安倍さんの活躍を応援してきました。

卒業後先輩の結婚式の二次会に出席した際、安倍さんが婚約者の昭恵さんを連れてこられ、とても嬉しそうに仲間にお披露目されていたことをよく覚えています。その時のスピーチがとても上手いなあと感じて、成蹊小学校から同級生だった女性の先輩に「お話がお上手になられたと思った」と言ったら「あら昔からよ」と言われたことが印象に残っています。その頃はまだ政治家ではなく秘書官をされていたのだと思います。

その後、2012年の自民党の総裁になられた際に、社労士政治連盟の35周年のパーティーに来られて、壇上でスピーチをされたのをまた下から見上げていたのですが、再度総理大臣になることも決まっており、本当に希望にあふれ力強さを感じる光り輝くような安倍さんでした。その時に名刺交換の列に並び私の番になったとき覚えて頂いていたことは、このブログの2012年11月25日「体育会で学んだこと」に書かせて頂いた通りです。覚えて頂いていたこと、お話しできたことは本当に嬉しかったです。ブログに載せた写真を見ると成蹊好きの安倍さんなので思いがけず後輩に会って嬉しかったのだろうと思いますが、とても良い笑顔です。

その後の第2次安倍総理時代の活躍はご存じの通りなのですが、その政策は社労士の仕事と密接に関連したもので、セミナーの準備をする際も首相官邸のHPで安倍さんの話される内容を読みながらでしたし、いつも身近に感じながら仕事をしていたと思います。

2012年に第2次安倍総理の時代が始まる前の日本の雇用情勢は本当に厳しいものでした。調べてみたところ完全失業率も有効求人倍率も直前のリーマンショックの影響を受けて2009年が最悪の数値でしたが2012年から2019年までのアベノミクスを受けた伸びは本当に凄いものでした。毎年法改正セミナーなどで完全失業率などの数値を取り上げますし、また顧問先とのお話の中で強く経済の回復を実感していました。新規求人倍率が1.0を切る本当に苦しく暗い時期からの脱出で今の日本の状況はそこから始まっていると思います。

また、2014年の日本再興戦略、2016年のニッポン一億総活躍プラン、人生100年時代、2018年の働き方改革関連法改正と安倍総理の打ち出す政策について沢山セミナーでお話をさせて頂きました。外交での活躍も本当に誇らしかったです。それまで1年から1年半で日本の総理大臣が代わってしまう状態でしたので、諸外国もそんな日本を信頼できないだろうと情けない気持ちでいたので、8年にわたる安倍総理大臣の時代に外国から得た信頼を報道などで見るたび、後輩として誇らしく感じていました。信頼できる先輩だからというだけではなく、社会への理解が進むにつれ、安倍さんの政策や信念に強く共感するようになりました。これからも日本のリーダーであり続けて頂けると信じていました。

渋谷成蹊会など大学の集まりや、社労士会などでまたお会いできる日が来るような気がしていたのですが、それが実現されることはなくなりました。喪失感が大きく、ただただ今は悲しいです。


人口減少問題について

2022-06-06 00:00:26 | 雑感

4月の中旬に総務省が、昨年10月1日現在の総人口(外国人を含む)が前年比64万4000人減ということで1億2550万2000人となったと発表しました。東京都の人口も26年ぶりにマイナスとなったそうです。東京都の人口が減ったのはテレワークが当たり前になり、地方への転出が増えたのも一因と言われていますし、コロナのため外国人の入国がなかったということも要因のようです。

また大きな要因は死亡数が出生数を上回っており、60万9000人が自然減とのことです。最近「日本はいずれ消滅する」とイーロン・マスク氏がTwitterで予言したという話もありましたが、当の日本人の中ではあまりその話が出ることもなく危機感もないような気がしています。しかし、この期に及んでは日本人は真剣に人口減少について考える必要があると思っています。いつぞや若い世代が「別に人口が増える必要はなく、減少してよい。先進国である必要もないし」ということを話しているのを聴きましたが、それは今のような豊かな生活ができるうえでの人口減少のイメージではないかと思います。

人口減少によってどのような国の形になるかというと、まず労働力の減少や国内消費が小さくなり国の経済が縮み、海外からの投資先としての魅力もなくなり、全てにおいて今の豊かな日本のイメージから変化していき貧しい国になってしまうと思うのです。年金制度は今後どのように仕組みを変えていくかにもよりますが、今の世代間扶養の仕組みであれば支え手が減少し、当然保険料負担は増え、しかし年金受給額は減少、ということになる可能性が高いと思います。高度経済成長期の活気を知っている私としてはそのようなイメージの日本を思うと暗澹とした、残念な気持ちになります。

年金にかかる第3号被保険者の制度は、これまで女性の就労を制限するため廃止が良いのではないか、と考えてきましたが、男女限らず第3号被保険者の制度を活用し、子育て期はもっと思い切って男性も女性も「数年単位の育児休業」を選択できるようにすることも良いのではないかと最近は考えてみたりしています。自分自身は子育て期10年専業主婦だったことを考えると、今となってはひどく昔の話であり変化のスピードがあまりに早い今と比較することはできないとも考えますが、社会復帰後はしばらくの間は要領がとにかく悪く作業も遅く焦る等はありましたが、すぐに仕事に慣れていったと思います。むしろ仕事ができる嬉しさが大きく、また考え方も安定して仕事に大きく良い影響が表れたように思います。小さな子がいる日々はなかなか仕事のことだけを考えることができないですし、育児だけでなく家事のことも気にしながら良い仕事をするにはそれなりの覚悟も必要です。しかし、家庭全般をしっかりマネジメントしてくれる役割の配偶者がいるのであれば、仕事への集中度はだいぶ違うような気がします。1年、1年半と刻むのではなく、赤ちゃんから小学校に入学するまでの期間、思い切って父母で少なくとも数年交代で役割分担をできるという選択肢があっても良いように思います。

ちょうどSDGsの話をセミナーの中でして欲しいというご依頼を受けたので、少し念頭に置いて人口減少問題と関連させて考えてみたいと思っています。SDGsの17の目標の中で、特に社労士にも関連のある「8 働きがいも経済成長も」の中で考えてみたいと思います。

【持続可能な開発目標】8 働きがいも経済成長も
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセントワーク)を促進する。

週末は、1月に息子のところに生まれた赤ちゃんを、高齢の母に見せに行くことができました。父が50代半ばで亡くなったため、私は自分の子供を父に見せることがギリギリできなかったのですが、母はその後長生きをしてくれたのでひ孫をみせることができました。これで少しは親孝行ができたかなと思っています。


オフィスの新たな潮流

2022-04-18 01:20:33 | 雑感

先週シェアオフィスを見学に行きました。高層ビルの高層階にあるシェアオフィスは新しい働き方を絵にかいたようなオフィスでした。コロナ前、オフィス家具メーカーのオカムラさんのショールームを見学したときは新しい働き方はこのようなオフィスの雰囲気なのかとまだまだ真新しい感じを受けましたが、その後顧問先もだんだんいわゆるデスクが島で並んでいるオフィスから、フリーアドレスで個別ブースが設置されていたり、様々にソファ―やスツールなどがレイアウトされているオフィスに変わっていくのも珍しくなくなりました。今回見学に行ったシェアオフィスはまだ事業を始めたばかりのいわゆるスタートアップに適した区画が沢山あり、やはりコミュ二ケーションの場としてのスペースが広くとってあり、そこでお昼などを食べても良く、また集中して疲れたときに場を変えて気分転換を図りPCを開いて仕事を続けても良くというスペースになっていました。またスペースではミニセミナーなども開くこともあり、スタートアップ企業の交流の場にもなりビジネスの機会創出にもなるということです。

コロナ禍在宅勤務が拡大しオフィスは働く場というよりはむしろ社員同士のコミュニケーションの場としての存在になりつつあるという記事などもよく目にします。4月14日の日経クロステックの記事では、「企業オフィス内のカフェやラウンジといった場所に、新たなワークスペースを設置。ここに、常時オンライン接続するデバイスを組み込んだオフィス家具を配置する。オフィスにいる社員がこのワークスペースに行くことで、テレワーク中の社員と気軽に会話できる。」という実証実験もスタートするようです。

フリーアドレスを導入した顧問先は、とても素敵なオフィスに大変身されこちらも案内していただきました。フリーアドレスはほっておくと同じ場所に座りがちなので、そうならないような仕掛けなどもあり驚きました。

確かに会議や打ち合わせがほとんどzoomなどオンラインになった今、個別ブースをいくつか置いたり、一人で集中できるような椅子を並べたり、小さな打合せをできるスペースがもっとあると良いなあと常に感じていますが、コミュニケーションの場でランチをしている人の隣でPCを広げて仕事をするのは今のところ気が進まないというのが正直な気持ちです。フリーアドレスの場合電話は誰がとるのかななど、いまだ電話当番制を引いているOURSとしては疑問も残ります。新たなオフィスに憧れはあるのですが、もう少し様子見です。

久しぶりに株を買いました。おそらく上がるであろうという予測があり購入したい会社もあるのですが、今のところ株価急上昇といった感じになっており、そちらはまだ買えていません。どちらにしても沢山買うのではなく少しずつなのですが、ちょっと楽しみが増えた感じです。

 憧れている集中用の椅子


大きな変化の時

2022-02-20 22:38:14 | 雑感

コロナ感染拡大もはや丸2年、コロナ禍日本のデジタル化が世界的に見て非常に遅れていることが認識されて、今社会の様々な構造が大きく変化していこうとしていることをひしひし感じています。セミナーの準備をはじめとして様々な情報を集めている中で、この変化をどのようにとらえるかのヒントになるような調査を厚生労働省が出していました。

「経済社会の変化、デジタル化による働き方の変化、コロナ禍等による労働者の意識変化等について」という以下の調査です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000890

P4の2025年以降2000年以降急増していた65歳以上人口が2025年から2040年にかけては緩やかな増加になるということは興味深いです。これまで日本の国の社会保障をはじめとした様々なことに影響を与えてきた団塊の世代の影響がここにも出ていると思います。例えば高年齢雇用継続給付は、団塊の世代がすべて75歳以上になる2025(令和7)年度からは給付率の見直しが行われ給付率が10%となる予定です。これは一定の役割を終えたと国が考えた結果なのかなと思います。今後安定的な高齢者層が存在することを考えると、高齢者層もできるだけ活躍するような組織を企業が作ることも一つの課題だと考えます。

面白いのはP7の人生100年時代に求められる能力として、「自ら考え、行動することのできる能力」と「柔軟な発想で新しい考えを生み出すことのできる能力」を企業が重視しているということです。変化の大きい時代に求められるのは「自らの役割を果たす能力」や「経験をもとに着実に仕事を行う能力」では乗り切れないと考えられているのかなと思います。確かに現状においても変化に柔軟に対応していかないと業務が停滞してしまうと実感しており、この統計にはうなずけるものがあります。

興味深いのはP18の今後の人材ポートフォリオの在り方です。日本型正社員の上にトップマネジメント層が区分されていることと、プロ型正社員が登場していることが印象的です。プロ型正社員は技能・賃金レベルが高いので雇用から業務委託を選択する可能性もあり、フリーランスが雇用の枠外に来るのかもしれません。

P22を見るとコロナ禍収束後の変化として労働者意識調査では「時間管理の柔軟化」は50.2%、「テレワークの普及」は42.6%、とどちらも半数に近いことは頷けます。ただ意外なのがP23のテレワークを行うことが「仕事の生産性、効率性」と「仕事を通じた充実感・満足感」はいずれも低下するとする割合計が上昇するとする割合を大きく上回っているにもかかわらずP24のテレワーク実施者の9割近くが継続意向ということです。テレワークの際の生産性、仕事の充実感等を労働者が感じられることもですが、企業側も価値を実感できることが課題ですね。

自宅開業から始まった社労士としては、常に在宅勤務をしてきたようなものでありながら、やはり私は今のところは仕事は事務所でしたいと思います。しかしコロナ禍ほとんどすべての会議がオンラインとなったことは非常に効率化が図られました。それまで顧問先企業へ訪問して打合せをしたり、社労士会の会議や研修に外出するスケジュールは、1日4件でもかなり頑張った感があったと思います。しかしオンラインの打合せの今はそれくらいのスケジュールであれば問題なくこなすことができるのは有難いです。大学でも先生がリアルとオンラインのどちらの講義が良いかと生徒に問いかけ、リアルという回答があっても実際リアルで行うと非常に出席者が少ないそうです。リアルでないと解決できないと感じることもあり、オンラインとリアルのバランスをどこに落としていくか、これから見極めていく必要がありそうです。

今日は「メトロポリタン美術館展」を観に行きました。コロナ対策として日時を予約することになっており、確かに日曜日にしては並ぶこともなく人数制限は効いている感じでした。これからは絵を観に行くときも予約制になっていくのかなと思いここでも変化を感じました。


社労士試験への向き合い方

2021-11-29 00:54:02 | 雑感

ここに来て書籍と問題作成の締め切りとセミナーのレジュメの締め切りが複数重なり、かなり切迫した状況だったのがやっと今日脱出のめどが立ちホッとしているところです。しかし頭の中が改正育介法だらけになっており、気分を変えて社労士試験への向き合い方を書いてみようと思います。

というのも今年は昨年に引き続き事務所で合格者が出ず、さすがにこれは問題だと思い、奨学金制度を設け、来年から月1回の本試験対策ルームなるものを設けて、私が待機して質問や勉強の相談に乗るということをやってみることにしたわけです。どれくらいルームに参加してくれるかわかりませんが、3年前二人の合格者が出たときは直前に何回か勉強会をしたことを思い出し、やはり少しでも自分の講師経験を生かした方が良いかなと思ったのです。

社労士試験の向き合い方として第一に私が推奨するのは、学習のペース配分を自分でコントロールすることです。あまり早くから頑張りすぎると約1年の長丁場であるため持続できず直前の答練期で上昇機運に乗っていけないということがあるため、秋から春にかけては少し抑え気味にリフレッシュも入れつつ、だんだんと集中度を高めていくということが大事だと思っています。これは中途半端な時期に受験を検討している場合も同じで、ある程度本格的に勉強を開始できる時期までは地味に本を読んで予習をすることをお勧めすることが多いです。

第二に推奨するのは、学習サイクルを意識することです。要するに最初は1科目ずつ丁寧に取り組んで行き、だんだん各科目間の取組み期間を短くして、最終的には1日1科目をこなし、最後は午前中に労働科目、午後社会保険科目と頭にすべてを入れることを意識した3日間を過ごして本試験当日を迎えるという方法です。問題集や答練の復習等行う際にはそのサイクルで取り組めるツールを作るつもりで5月連休明けくらいから意識してみると良いと思います。

第三に推奨するのは、とにかく択一式が大事だということです。3年目以降択一は合格ラインに乗っているのに選択式で落ちてしまったという場合は別ですが、択一式が合格点に行っていない場合はとにかく択一を強化すべきということです。選択は合格だったのですが、という報告をよく受けるのですが、はっきり言って選択の点数は年によって変わります。今年合格点だったからといって来年合格点が取れるかどうかは全く未知数です。その点択一は見事にその人の実力を表します。択一は誤りの問題と正解の問題があり、誤りの問題はその問題の論点の理解を深め、正解の問題は選択式の勉強になるつもりで取り組めばある程度選択式の実力はついてくるはずなのです。

社労士試験については書き始めると色々と思うことがありますが、受験される方はまずは上記3点を意識して、来年こそは頑張って合格を勝ち取ってもらいたいと思います。

いよいよ週末あたりから急に寒くなってきましたね。今年もあと1か月となり、年末やお正月どう過ごすかなども考え始めています。忘年会はほとんどありませんが、またオミクロン株という新たなウィルスが発生しているということなので、昨年に引き続き年末年始はあまり外出せず読書と駅伝で過ごすことを考えています。幸いマスクと手洗いで、今年は風邪知らずで来た方も多いと思いますが、油断せず元気で来年を迎えたいものです。


母子手帳世界に広がる

2021-10-10 19:40:28 | 雑感

先日テレビを見ていたところ母子手帳を世界に広げる支援をしていることを知りました。この事業を行っているのはJICAということで、非常に素晴らしい事業だと思い調べてみました。以下JICAのHPからの引用です。

母子手帳とは、妊娠中及び出産時の母子の状態、子どもの成⾧・健康状況を、継続的に記録するための冊子です。家庭で参照できる育児書としての特徴もあります。
日本では、1948年にそれまで使われていた妊産婦手帳と乳幼児体力手帳が統合され母子手帳の活用が始まり、今では母子の死亡が最も少ない国の一つになっています。
母子手帳は、母親や子どもが必要なケアを継続的に受けられるようにするための重要なツールの一つです。JICAは、世界の母子の命と健康を守るため、開発途上国における母子手帳の導入・普及を支援しています。
(注1)世界年間出生数1億4千万人(出典:ユニセフ世界子ども白書2019)より推計
(注2)2019年JICA推計

私は比較的記録などは整理しておく方だと思うのですが、息子の母子手帳は上記の狙い通りかなり長い間活用しました。一番役立ったのは予防接種の記録で、どのような予防接種をいつしたのか確認できるのは有難かったです。手元にある母子手帳を見てみると、5歳健康診断の記録もあり、血圧は88~46(異常なし)などと書かれており5歳児でも血圧を測ったのだとなんだかほほえましく思えます。

新幹線など日本の素晴らしい技術を世界に向けて輸出していたところ、今や中国や韓国に価格で負けてしまうことが多くなかなか日本の技術を輸出することが少なくなっていると聞いたことがあります。母子手帳の仕組みなど日本の持つ優れたソフトのインフラはまだまだ世界に向けて輸出する意味があるものが沢山あるのではないかと思います。

コロナ前、全国社会保険労務士会連合会の委員会の仕事で日本の社労士制度をインドネシアに輸出するお手伝いをさせていただいたのですが、あの事業は本当に意義のあるものであったと思います。コロナ禍なかなか次に進めない状況ではありますが、まだまだ今後日本のアイディアあふれる仕組みをどんどん世界に広げていけると良いなあと、今回改めて感じています。

JICAのHP
https://www.jica.go.jp/activities/issues/health/mch_handbook/index.html

ここ1年間取り組んでいた顧問先の案件が9月で終了しました。事務所全体で対応しなければならない作業量で、班を超えて横断的にスタッフに担当してもらいました。終了の報告を受けてホッとしていたところ、顧問先よりOURSの頑張りに対して「感謝状」を贈りたいとのご連絡を受け、先日事務所で授与式が行われました。

30年近く社労士の仕事をして、沢山の顧問先やご相談者からお礼を頂くことができ、本当にやりがいのある良い仕事だと思っていましたが、「感謝状」を頂いたのは初めてのことです。膨大な作業が必要な案件でしたが、優先順位をつけて、戦略的に取り組むことにして、行政に交渉したのですが、「その時先が見えてとてもホッとしたのです」と感謝頂いて、コンサルティングの意義を再確認することができました。しかしコンサルティングの後、10か月近く中心になって処理を毎日コツコツと遅くまでやってくれたリーダーはもちろんのことリーダーを中心に手伝ってくれたスタッフが一番の功労者だったと思います。

    


大学院のこと

2021-08-29 23:25:49 | 雑感

大学院に昨年春までの2年間通ったことについては、その時のブログにも何度も書いたのですが少し時が経った今、振り返っておこうと思います。

ちょうど事務所も安定してきて、TACの講師も辞めて、社労士会での支部長等のお役目も終わり色々なことが一段落したため、思い切って社会保障を勉強できる早稲田大学大学院法学研究科に入学しました。ゼミの社会人入学の同級生は7名で、私が最年長でしたが1歳年下のやはり社労士も一緒で、あとは厚労省、金融庁、新聞社系列会社、市役所、一般企業と様々な職業を持つメンバーでした。よく皆で土曜日のお昼に大学界隈のお店や学食で、また先生が主催してくださる懇親会等の飲み会で授業、レポートの提出について、修士論文のこと、あとお互いの仕事のことなども話ながら仲良くさせてもらいました。

授業は1年目に単位をたくさん取ってしまい2年目は修士論文にできるだけ専念しようという計画で、1年目は平日の昼の授業も2つだけ取り、予習のため読まなければならない資料も膨大だったので、図書館にこもり過ごしていました。取得しなければならない単位は30単位で、1年目は平日3日、土曜日の午前中と週4日学校に通っており、26単位取得したのですが、レポートもひっきりなしにある上に節目ごとに修士論文の進捗を発表しなければならず、かなり忙しくしていたと思います。2年目はゼミ以外はほとんど修士論文にかかりきりで、夏ごろまではひたすらテーマに沿ってコツコツと文献や判例を調べていき、夏から書き出しあっという間に秋が過ぎ年明け提出、何とか修士論文が通った直後からコロナが拡大し、修了式(卒業式)は中止となりました。指導教授の菊池先生が修士論文が通ったお祝いということで開いてくださったイタリアンレストランの食事会が修了式代わりになりました。

2年間、もちろん事務所の仕事もあり、社労士会の海外出張もその間3度あり国内出張もかなりひっきりなしにあり、更に息子の結婚、セミナーも普通にこなしており、考えてみると良くこなせたなあと、最近はコロナでこもりがちで行動量が減っていることもあり我ながら感心します。

なぜこの年齢になってから大学院に通うことにしたかというと、これは開業して間もなくのころから先輩社労士の先生に勧められて、心の奥底ではいつか行きたいと考えていたからです。社会保障を選んだのは、普段の仕事の中ではほとんど労働法関係に接しているわけなのですが、TAC時代長く厚生年金保険法を担当し最初苦手だった年金が面白くなって社会保障をもっと勉強したいという気持ちが強かったからです。しかし大学院での社会保障の勉強は、やはり想像以上に範囲が広く、成年後見、児童福祉、介護保険などは知識が乏しく書籍を読んでもなかなか難解に感じ、又法哲学に至ってはロマンのない私にとってはお手上げといった感じでした。面白かったのはやはり医療と年金で、特に医療は複雑でとても面白く、今でも最も興味がある分野です。修士論文のテーマは労災保険の特別加入で、これは修論に引き続き小論文を書く予定にしていたのですが昨年はコロナで図書館が閉鎖となり、今年は仕事での執筆のご依頼が重なっており焦らず行くことにしました。また時間ができたら、温めたテーマをもう少し集中して研究した上で小論文を書いてみたいと考えています。

早稲田を選んだのは、社会人入学制度があり、テーマが社会保障であったということもあるのですが、スポーツが強いということも魅力でした。もともとわが母校の成蹊大学は、駅伝もラグビーもほとんどのスポーツで出場すらなかったり、あまり強くなかったりするので、もっと自分の学校を応援して盛り上がりたいなあというのが永年の夢でもありました。しかし大学院に通っているときは応援どころではなく、その点はちょっと残念でした。

大学院に行った後変わったこととしては、しょっちゅうレポート提出や発表のレジュメ作りがあるので、書くことについての抵抗感が薄まったということはあると思います。さらに、卒業して2年経ち、最近思うのは読む本が変わったと思うのです。興味がわくとそのテーマで次々と読みたいものが出てきてアマゾンですぐ購入してしまいます。お蔭でますます夜更かしになってしまうのですが、今読んでいるのは戦略思考について深堀したくて「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」でなぜ太平洋戦争に突入したのかという本はここのところ連続3冊目です。以前は手が出ない種類の本もどんどんつながってくると興味がわいて読んでいる感じです。そういう意味では大学院に行って視野が広まり楽しみが増えた感じです。大学院に行ったことは一つの財産になったと感じており、本当に幸せなことだったなとも思っています。

 保護者と間違われた入学式


山の手メンター塾(オープン勉強会)について

2021-06-13 21:31:37 | 雑感

2015年の山手統括支部長時代に念願のメンター制度をどうしても支部で導入したくて作ったのが「山の手メンター塾」です。メンター制度ということで登録したばかりの開業・勤務問わず先輩社労士が面倒を見るというコンセプトです。始まった当初はリアルで集まりゲストに来てもらって話を聞いた後グループディスカッション、さらにその後「仕事の話をする飲み会」と夜10時ころ解散というスケジュールでやってきました。当時も人数的には30人くらいが集まっていたと思います。

その後もここまでコロナ禍にもめげず支部の中で委員会として引き継がれ続いており、特に目黒支部の今井さんは熱心に取り組んでくれて、さらに当初から参加してくれているメンバーが支えてくれています。集まる人数もそれほど変わっていないような気がしています。ここ1年間はリアルは無理なのでzoomでの開催と、ブレークルームの活用でなかなかこれはこれで楽しい会が作り上げられています。ある意味リアルの時よりさらに気軽に参加しやすい面もあるような気がしています。HPやTwitterなどもできているのですが、今さらながらHPを見ると第1回からの内容もしっかり記録されており、継続は力なり、本当に有り難く感謝の気持ちでいっぱいになります。

山の手メンター塾HP
https://sr-mentor.com/?fbclid=IwAR3gExRnoI48jCJ8reQcYUlDetmXAceE0FnUD_h0nVT8_R6Zf1Q1YDVQEao

塾の1期生は、3年間メンター塾で勉強した後卒業して既にメンター役に回ってくれているのですが、卒業記念に寸劇を披露してくれて、それを作る過程で非常に連帯感ができて今も色々なことを聞いたり話したりできるチームになっているということです。

今年度は、zoomの利用が一般的になったこともあり、山の手メンター塾のスピンアウトというものまで作られて、山手統括支部所属の会員以外も参加可能の「オープン勉強会」となっています。先週の金曜日に開催されたのですが、特にテーマを決めずざっくばらんに色々な情報交換を行うことができて、開業1年生だけでなく私のように開業30年近い者でも楽しく有意義な時間になりました。富山からのご参加もあり、地方のお話も今後も色々と聞くことができれば視野も広まるだろうと感じました。

山手統括支部メンバーだけではなく参加頂けるスピンアウトは、次回7月9日(金)20時からです。開業したばかりの方から、ベテランまで参加可能です。また20時からということで食事は終えてしまい、お酒を片手の参加で気軽に参加できますので、一度覗いてもらえると良いと思います。

 

「人は財産なり」、とこれまで社労士をやってきてつくづく感じます。山の手メンター塾とBBクラブの両方とも、みんなで勉強していけたらと考えて作ったものですが、両方とも貴重な集まりにみんなで育ててきたのだと嬉しく思っています。

話題は変わりますが、コロナワクチンの大企業での職域接種が始まりました。職域接種の仕組みは以下のようになっていますが、うちの事務所のように30人未満といった中小企業はたくさんあると思われ、何とかならないのかなと考えています。東京商工会議所で対応してくれると耳にしたのですがスタッフからの情報で、「産業医の設置義務のない50人未満の会員事業所のうち、コロナ禍により企業経営に大きく影響を受けている業種を優先的にご案内させていただきたい」ということでもう少し先になりそうです。
【職域接種】
https://www.mhlw.go.jp/content/000789163.pdf
【東京商工会議所HP】
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1024941


フィンランドのワークライフバランスについて

2021-03-20 21:38:06 | 雑感

「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」(ポプラ新書)」を読んでみて、なかなか興味深いことに気が付きました。フィンランドは本当に昔から食器や家具など大好きであこがれていたのですが、一昨年旅行をしてますます好きになりました。そのフィンランド人が4時に仕事を終わっているらしいということで、何か特別のことがあるのか知りたくなりました。

フィンランドでは、朝8時から働き始めて16時半を過ぎると会社に人がいなくなる、16時過ぎのミーティングは嫌がられる、これは企業レベルの努力というよりは、国や社会全体の常識といった方が良いということです。皆が一斉に会社に来て一斉に帰るというより、一人ひとりが自分のライフスタイルに合った働き方を見つけて多様な働き方をすることで最も生産性が高くなる場所と時間に行うというように変わってきたようです。フィンランドも驚かされるスピードで働き方がより柔軟に変わっていると著者も感じているということです。これは日本と同じだと感じます。

休憩時間は、インストラクターの声に合わせて自由参加でストレッチを行い、雇用者が労働者に保証しなければならない法律上の決まりで10分から15分のコーヒー休憩がありここでリラックスしてコミュニケーションやリフレッシュをする、歓迎会もコーヒーとケーキで行い飲みにケーションは少ないがレクリエーションデイで自然の中の散策などを社員旅行のようなことは行うそれからフィンランドの名物であるサウナで会議や接待を行う、会社をはじめとした組織はオープンで上司もファーストネームで呼ぶので相談も気軽にできるなど、やはり自由度の高さが特徴です。サウナ以外は日本のこれからの働き方としてはとても参考になると思います。

平日4時に家に帰った後何をするかと言ったら、家事、趣味、スポーツ、友達に会う、生涯学習に通い勉強するなど自分の時間も仕事と同じくらい大切にしており、読書、散歩、自然の中での運動、クロスワードパズル、コテージ、自習、庭仕事などが自由時間の過ごし方のランキングで上位だそうです。外食や夜出かけることは少なく、そもそも家の近くにスーパーがあることも少なくコンビニやレストランもない、という環境が多いようで、読んでいると家の近くに自然があふれており、散策をしたりベリー摘みを競ったりとやはりアウトドア派だと強く感じます。

ここまでくると東京に住んでいる場合、だいぶ事情が違う感じがしてきます。フィンランドの人たちがとる1か月くらいの夏の長期休暇では、コテージで過ごすことも多いようなのですが、コテージによっては明かりは自然な光のみ、水は近所から組んできて、薪や炭で簡単な料理をする。テレビもなく携帯もみないでデジタルデトックスをすることで身も心もリセットするということなのです。やはり我々は資本主義の商業主義にどっぷりつかって生活していることを感じ、「ワークライフバランス」の捉え方もかなり違うかもしれないと思いました。ちなみに、1か月の休暇中の仕事は誰かがやってくれるということで、仕事が属人化していないということも長期休暇がとれる大事なポイントです。

先日「斉藤孝の速読術」を読んで、なるほどと思ったのが「実は本は買った日そのものが、本を読む最大のチャンス」ということです。確かに読みたいなあ~と思いつつ、まだ読んでいない本が家の机には山積みになっているのでと諦めることもあるのですが、やはりどうしても読みたいと思って買ったらできるだけ直後に、最近は仕事帰りに1時間でもお茶をしながら、どんどん読んでしまうことにしました。また今読んでいる文庫本は無料のkindle版があったのでそちらも購入して、電車ではkindle版をスマホで、夜寝る前は文庫本で読むということもしています。やはり本を読むと色々な世界を知ることができまたいろいろなことに興味がわいてきます。


高年齢者の就労意欲

2020-10-18 22:59:22 | 雑感

昨日は、女性社労士の勉強会である二土会でお話しさせていただきました。テーマは「65歳超雇用を展望した働き方の動向について」ということで、近年の高年齢者を取り巻く法改正を中心に、今後の動向も含めて取り上げてみました。準備の段階で高年齢者の就労状況などあれこれ調べたのですが、驚いたのが高年齢者の就労意欲です。令和2年版高齢社会白書によると、以下の通り。

・現在仕事をしている60歳以上の者の約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答している。70歳くらいまでもしくはそれ以上との回答と合計すれば、約9割が高齢期にも高い就業意欲を持っている様子がうかがえる。

また、同白書の記載で、もっと驚いたのが65歳以上の起業者の割合が上昇しているということです。

・継続就業期間5年未満の起業者の年齢別構成の推移を見ると、65歳以上の起業者の割合は平成19(2007)年に8.4%であったが、平成29(2017)年は11.6%に上昇した。また、男女別に65歳以上の起業者の割合を見ると、男性は平 成19(2007) 年8.9%、 平 成24(2012) 年11.8%、平成29(2017)年13.2%と上昇しているが、女性は平成19(2007)年6.8%、平成24(2012)年8.6%、平成29(2017)年7.2%となっている、とあり特に男性の順調な上昇は平均寿命との延びと連動しているような気がします。

ただ気になるのがデジタル化が進んでいく中で、高年齢者がそのスピードについていけるかという点で、これはある程度以上の年齢層には多かれ少なかれあるのだと思います。社労士の仕事もセミナーも会議も100%近くオンラインとなると、苦手などといっている場合でもありません。とにかく触れることと思いますが、面白いと思う気持ちも大事なような気がします。

法改正で、2021年4月施行の高年齢者就業確保措置(努力義務)や、高年齢被保険者の特例(複数事業者の雇用保険の取扱い)、在職老齢年金の退職時改定だけでなく1年ごとの改定など、働く高年齢者への施策が各法律で充実してきたと思いますが、ポイントは時間や期間を細切れに働くことのような気がします。同白書では、「仕事につくつもりはない」と答えた人に、その理由を聞いたところ、男性の 60~64歳層を除き、男女とも年齢が高いほど、「体力的に働くのはきついから」とする割合が高くなる傾向がある、ということです。体力に合わせて細切れに働くことができることが、社会とのつながりを保ち、生き生きと暮らしていける方法なのかなと思います。

企業も職種によっては70代に第2の定年年齢を設定している場合もあります。70歳までの就労確保措置は努力義務ながら来年春施行され、高年齢者就労確保措置には、定年延長・継続雇用制度の導入・定年廃止の3施策の他業務委託契約や企業が行う等の社会貢献活動へ従事してもらう(ともに金銭の支払いが必要)というメニューも設けられることになっており、70代の就労も珍しくないことになると思われます。今後企業価値は社会貢献の考え方なしには測れないことにもなると思われ、どのような仕事や働く場をデザインして高年齢者に提供できるかは少しずつ準備する必要があります。

最高裁の判決がいくつか出て、これまで同一労働同一賃金対応の中で決めようのなかった部分がある程度示された形です。まだこれからセミナーを視聴したり、もう少し判決文を読み込んで自分なりに咀嚼したいと思いますのでコメントは差し控えますが、顧問先様をはじめとして今年の春前様々なアドバイスをさせて頂いた方向性は誤りがなかったと、少し安心しました。

テレビで「ぽつんと一軒家」を楽しみに観てます。どの家も大きくて、そこに一人で住んでおられることが多く、自給自足のように畑で野菜等を作られているのですが、なぜかいつも心が豊かになった気持ちになります。やはり人間て良いものですね。


雇用調整助成金について思う

2020-05-17 21:49:03 | 雑感

「手続きが難しすぎる」とか「支給されるのに時間がかかりすぎる」など今回コロナウイルス対応として評判が悪い「雇用調整助成金」ですが、その存在は25年前の仕事でかかわったのが一番古い記憶であり、いったいいつ頃できた助成金なのかなどその歴史を若干ですが調べてみました。

企業が事業活動を縮小せざるを得ない状況になり、社員の休業や教育訓練、出向などの雇用調整を行なう場合、国が賃金や費用の一部を支給する制度。一定の条件を満たせば、給付金の交付が受けられる。雇用調整には様々な方法があるが、希望退職や解雇など深刻な雇用調整を未然に防ぎ、雇用の継続を支援するのが狙い。旧労働省が1975年に創設し、従来は指定業種などが定められていたが、2001年の改正により、業種に関係なく利用できるようになった。(ASCII.jpデジタル用語辞典)

1975(昭和50)年当時は「雇用調整給付金」とされており、1981年(昭和56)年に、「雇用調整助成金」に変更されました。この辺りはほとんど皆さん興味のないところだと思うのですが、興味のままに調べてみました。雇用調整助成金はその根拠は雇用保険法に置かれていますが、その沿革を見ると、雇用保険法の中でも当初は3事業(雇用改善事業、能力開発事業、雇用福祉事業)の中で雇用改善事業に属していました。この時代は第一次オイルショックで雇用失業情勢が厳しくなった時代です。1977(昭和52)年に3事業は雇用安定事業が創設され4事業になりますが、雇用安定事業は経済変動に対応する事業として創設されたためそこに属することになった雇用調整給付金も一時帰休など企業の雇用調整の多様化に合わせた範囲拡大が行われています(その後4事業は1989(平成元)年に雇用安定事業と雇用改善事業が統合され、さらに2007(平成19)年に雇用福祉事業が廃止されたため現在の2事業になっています)。この雇用安定事業の考え方は今も生きており、「雇用調整給付金は、不況期には多額の支出がある一方、好況期には支出が少ないため、必要な財源を平常時に積み立てておき、必要に応じて使用できる仕組み(雇用安定資金)の整備が行われ…起動的な運営が可能となった(JILPT労働政策研究報告書NO.187)」ということです。

平成に入ってからも雇用調整助成金はリーマン・ショック、東日本大震災、御嶽山の噴火、新型インフルエンザ、熊本の震災等の際には特例を設けることにより要件の緩和を行い、役割を果たしてきています。要件の緩和は上記報告書を見ると今回のコロナウイルス特例と内容的にはほぼ同じ(生産指標の緩和、対象労働者拡大、助成率拡大、教育訓練加算、支給限度日数緩和など)ように見えます。ただ、先日決まった8,330円が15,000円に変更という上限についての緩和は行われていないようです。そもそも8,330円は、現在の基本手当日額の上限の最高額(45歳から59歳)である8,335円が根拠になっています。この部分を変更するということは、今のところ私も15,000円の根拠を見つけることができていないのですが、おそらく国としてもかなり思い切った判断であるだろうと思います。

もともと、雇用調整助成金には出向させることで雇用を維持するという方法への助成もあることからわかるように、助成対象は特定不況業種(要するに不況業種から好況業種へ出向させることによる雇用維持)であったり、または地域的に起こった大きな災害であったのがこれまでだと思います。特定不況業種の場合は、造船業や製造業等比較的事業の規模が大きい場合が多く手続きを行うマンパワーや帳簿類は揃っている事業であったと思われ、また地域が限られた災害であれば対応する規模が限定的ということで、手続き面である程度のフォローが可能であっただろうと想像できます。しかし今回は全国的なしかも従業員一人という事業までもが対象となり、そもそも「使用者の責めに帰すべき事由による休業については休業手当を支払うこと」が必要であり、雇用調整助成金はその支払われた休業手当に対する助成であるという認識がないところから前述した「手続きが難しすぎる」とか「支給されるのに時間がかかりすぎる」ということになるのだろうと思います。雇用調整助成金の仕組みについて課題があることは今回わかりましたが、従業員にとっては休業手当を支払われ生活がある程度保障されることや、アメリカのように簡単に解雇せず雇用維持を目指している点を考えれば、一定の評価はされる制度ではあると考えます。

また、振り返れば、その財源は今回上乗せ部分については一般会計からも充てられることになりましたが、基本的には雇用保険財政の中から支出されるのであり、休業手当を支払った後での助成であるためタイムラグがあり小規模事業が厳しいというのはわかりますが、やはり大事に積み立てた保険料あることは間違いなく、ある程度手続きをきちんと行うことは当然なのかなと考えます。

参考 JILPT労働政策研究報告書NO.187)、日本大百科全書

いよいよテレワークが当たり前の世の中になりました。大学院の授業は今年は科目履修生ということで菊池ゼミだけ参加することなりましたが、先日始まったゼミはZOOMで行われました。また昨日今年から東洋大学の教員になられた北岡先生からのお誘いを受けて参加した判例検討会もZOOMでということで、意外に違和感なくゼミ形式もできるのだと思いました。大学や大学院の先生方はYouTubeで授業を自宅で収録し、その収録がかなり皆さん大変で通常の授業のほうがずっと楽と言いながら新しい試みについても楽しまれているようにも見えます。私も会議などでだいぶzoomには慣れてきたのですが、うちの事務所はteamsを導入するという方針で、今日は自分で事務所に発信できるように勉強していました。使いこなせれば今後の事務所運営に役に立ちそうな感じです。

先週、自民党の雇用問題調査会の雇用調整助成金についてのヒアリングに連合会会長に同行して行ってきました。4月7日緊急事態宣言後休業を開始した会社が多いので、4月休業分として5月中旬以降申請が本格化するのであり特に申請が遅れているとか認定数が少なすぎるということではない(これからである)こと、またあまりにも頻繁に変わり、例えば8,330円が15,000円に上限変更など先に発表があり具体的な申請方法がすぐ出ないとなれば「少し待ちましょう」と会社には言わざるを得ないということで申請が遅くなる(つまり会社への支給も遅れる)原因になるなどご説明して、議員さんは頷いておられたので一定の理解は頂けたかなと思います。


全世代型社会保障検討会議

2019-12-15 21:37:50 | 雑感
先日ニュースを見ていたところ、今年の漢字に安倍総理が物事が始まる「始」という漢字を選んだということを伝えていました。その理由については、安倍政権が推し進めた①働き方改革関連法が今年施行されたほか、②幼児教育の無償化が開始され、③全世代型社会保障の議論が始まったこと、などを挙げたということです。
本当にここ1年半ほどは「働き方改革」一色だったと思います。時間外労働の制限や年休の5日取得義務から同一労働同一賃金まで、企業は熱心に取り組まれてきたと思います。大企業は春まではまだしっかり対応を検討されることと思います。まだ浸透していない企業であっても必ずこの流れに乗っていくだろうという予感がします。しかし次はというと、この中で③の全世代型社会保障の議論の始まりりかなという気がします(というより非常に個人的に興味があります)。
 
全世代型社会保障の取り組みは必須です。昭和30年代から40年代にかけて形が整った各社会保障制度の再編は必須であり、確かに将来世代に対する社会保障のデザインをここでできるのであれば、せっかく社会保障を勉強したこともあり、社労士としてもしっかりした意見を持っておきたいところだなと思います。

全世代型社会保障については、2019.11.25の産経新聞に分かりやすい記事が載っています。
社会保障制度改革の司令塔となる「全世代型社会保障検討会議」をめぐり、政府が12月中旬にまとめる中間報告に医療改革の方向性も盛り込む方向で検討していることがわかった。
当初は年金や雇用などの課題に先に取り組み、医療は来年から本格的に議論する予定だったが、「社保改革の全体像を示すために医療改革は不可避」(政府関係者)と判断し、前倒しする。
安倍晋三首相は9月20日の初会合で「少子高齢化と人生100年時代を見据え、年金、医療、介護、労働にわたる持続可能な改革を検討する」と表明。
これまで、高齢者の就業機会の確保や公的年金の受給開始時期の上限年齢引き上げ、パートなど短時間労働者への厚生年金の適用拡大などを議論してきた。
政府は中間報告を踏まえ、来年の通常国会に年金や介護の制度改革関連法案を提出する予定だ。
一方、医療は年末の中間報告に方向性を盛り込まない方針だった。
だが、75歳以上の後期高齢者が団塊世代の影響で増える令和4年から医療費の急激な膨張が予想され、給付と負担の見直しは急務となっている。
26日以降、年内に複数開く会議では、医療機関での後期高齢者の窓口負担の引き上げや、外来受診時に一定額を上乗せする受診時定額負担の導入などを議論し、改革の方向性を中間報告で示す。
当初は、医療制度改革の方向性を来年夏に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」に盛り込み、医療制度改革関連法案を3年の通常国会に提出する予定だった。
ただ、会議の結論次第では、医療分野の給付と負担の見直しを前倒しし、来年の通常国会に年金などと一体化して法案を提出することも検討する。
 
全世代型社会保障検討会議=少子高齢化と同時にライフスタイルが多様となる中で、誰もが安心できる社会保障制度に関わる検討を行うための検討会議
 
社会保障をここ2年間勉強してきて、年金、医療、介護、福祉、成年後見などこれまで社労士としてかかわってきた実務や勉強より一層広い範囲の社会保障の一端に触れることができました。ゼミなどの授業を受ける中で気づきは本当に多く、研究をしたいテーマが次々に出現し、ずっと大学院生として指導を受けていたいのですが、そうもいかないので、今後は仕事をしながら自分でテーマを絞り追求していくしかありません。そんな中で全世代型社会保障検討会議は、常にその行方を追っていきたいと考えています。
 
今年は本当に出張が多い1年でした。海外出張では、世界社労士連盟が結成された場面を見ることができて感動しました。国内の出張では、それぞれの地方の状況を実際にみることができて、それぞれの地方ごとに美味しい食事があり、温かい雰囲気に触れることができました。今後人口が減っていく中でどのように地方を活性化させられるか、一つの重要なテーマだと感じました。
働き方改革の中で、テレワークはどちらかという都心部のオフィスに行かず自宅やサテライトオフィスで働く、というイメージがあるのですが、地方に住みながら都心のオフィス通わず働く、ということも定着できるようになると良いのではとイメージしています。

フリーターの正社員化について

2019-04-21 23:51:29 | 雑感

今年になり特に新聞を見ていると「フリーター」の就職についての記事が増えているように感じます。日経新聞でも、2019年2月2日「フリーター、正社員の道広がる 内定率8割も」、少し古いですが2016年4月4日「女性フリーター大幅減 15~34歳、消費や結婚を後押しも」、また最近では、2019年4月18日「フリーター立場一転」として取り上げており、フリーターがここのところ大幅に減ったことを記事にしています。

4月18日の日経新聞の記事では以下のようにフリーターに対する変化について書いています(一部加筆省略)。

フリーターが日本経済新聞に初めて登場したのは1987年8月のこと。時代はバブルに向かって右肩上がりだった。「苦学生」という昭和のバイト像は遠のき、次々に開店する外食チェーンやコンビニがフリーターを歓迎した。「24時間モーレツ」を拒み、働きながらも自分の時間を十分に確保したい若者たちの選択肢になった。

暗転したのは、バブル崩壊で就職氷河期が始まった1990年代半ばごろ。人件費抑制のため、正社員をバイトに置き換える動きが広がった。フリーターは社員になれない新卒学生の受け皿に。社会は「就職できなかった人」と受け止めるようになっていった。政治も厳しい目を注いだ。当時の企業の意識調査では「フリーター経験者は雇いたくない」という意見が大半だった。

職探しも通学もしない「ニート」も現れ、国は2000年代から就職支援などを本格化。総務省の労働力調査によると、フリーターは2003年に217万人に達した。

2013年ごろ、再び風向きが大きく変わる。景気回復が続き、一転して企業に人手不足感が強まった。売り手市場に変わり、フリーターに就職をあっせんする人材会社が活況を呈する。

2018年のフリーターは143万人。ここ5年でも2割減った。ただ国の定義は15~34歳で、それ以上は統計に含まれない。就職氷河期に大学を卒業した世代は40歳を超えており、中年のフリーターも多いとみられる。

 「フリーターという言葉は使われなくなる」と予測されるそうです。あとはフリーターが正社員になりそれまで気楽な立場だったものが、責任が重くなり、多様な仕事を任される正社員の立場で仕事に違和感なく取り組むことができるか、企業はどのように社員を育てていけるかという点を今後は見ていく必要があるように思います。

最近、気軽に転職できる時代が来たと感じます。一つの場所に定着しないで経験を積むということも一つの人生の選択肢であろうとは思います。その選択が実りあるものになることを願うばかりです。

先週修論計画の報告をしました。昨年9月から少しずつ準備をしてきたものを整理して発表し、指導教授の菊池教授よりアドバイスを頂いて、論文の構成もある程度みえてきました。ここから連休明けくらいまではこれまでの続きで資料集めをする予定ですが、そこから夏の報告会までは先行研究が少ない論点である特別加入を成立史や裁判例を中心に徹底的に研究してみようと思っています。昨年は修論についてどのように取り組んでいくか段取りも見えていない中で手探りでしたが、図書館に行き資料を探しコピーし読んでいくうちに、少しずつ取組む段取りが見えてきたように感じています。

連休の後半はルーマニアに行くことになりました。社労士の類似制度がヨーロッパにもあるということで、連合会の会長に国際化の委員として同行できることになりました。めったに頂けない機会と考え日本の社労士制度との連携を深めるとともにしっかり勉強してきたいと思っています。 


現役時代の資産運用の大切

2019-04-14 23:01:12 | 雑感

以前は日本人の平均寿命も今ほどは長くなく、厚生労働省の2017年分の発表によると日本人の平均寿命は、男性が81.09年、女性が87.26年ということですが、国民皆年金が施行される前年の1960(昭和35)年は男性なんと65.32歳、年金支給開始年齢65歳という法改正が行われた1998(平成10)年は男性77.16歳となっています。

上記の数字から考えると、そもそもの年金は60歳定年で5年間支給するという計算で考えられていたとも推察され、平成7年の雇用保険の雇用継続給付が施行され65歳まで働く人がぼちぼち増えてきたあたりでは、65歳の引退から77.16歳までの約12年間支給とかなり想定より支給期間が長くなったということがわかります。それが今や81歳まで16年間、さらに今後人生100年ということで100歳まで生きれば65歳から35年もあるわけです。

年金の財政が厳しくなるのも当然で、制度設立当初の試算からはかけ離れた支給期間になっていると思われます。これに対してどのように考えていくかということなのですが、先日テレビを見ていて、アメリカ人の配偶者の親が日本の自分の親より定年時10倍の資産をもっていたという話をしており、日本人もこれまで会社に時間をかけていた分働き方改革で余力ができたら自分の時間で資産形成をするべきだということを聴きました。

確かに401Kが日本に導入されたときのTACの授業ではよく「自助努力」という言葉を使っていた記憶があります。大きな資産形成を考えるのではなく少しずつで良いので、今後の日本人は年金の上乗せを自分自身で手配しておく意識を持ってもらうのが良いと思われます。

 特に大企業の社員は会社に守られてサラリーマン生活を送ってきており、税金でいえば年末調整があるため何もしなくても税金の還付を受け、年金手帳や雇用保険被保険者証を会社が預かり管理してくれている場合もあり自分の基礎年金番号は会社に問い合わせなければわからず、出張は飛行機、新幹線またホテルの手配も会社が行ってくれるなど、定年又は再雇用終了時点で何もわからない状態で会社から離れるというケースもかなり多いのではないかと心配になります。大企業の社員であっても、定年退職後企業を離れればあとは自分だけが頼りです。会社に滅私奉公をすれば退職金が出て、年金や企業年金で悠々自適という時代は過ぎたと思います。現役時代から自助努力で定年後安心できる生活を送るための資産運用をしておくことを、これから色々なところでお勧めしようと考えています。

来週のゼミで修論の進捗報告会があり、今日はずっとその準備をしていましたが何とかなりそうです。先週は水曜日と木曜日花粉症がひどくて頭がぼーっとしてしまいチコチャンに怒られそうな状態でしたが何とか昨日から少しすっきりしたので助かりました。

昨日は次回のBBクラブの幹事会だったのですが、終わってから鳥ぎんに行き美味しい釜飯をみんなで和気あいあいと食べたのが良かったのかもしれません。やはり気のおけない仲間とわいわい集まるのは人生の楽しみですね。感謝です。 


経営というもの

2019-01-20 22:14:02 | 雑感

社労士を開業して26年経ちますが、これまでのことを思い起こしてみると「社労士」の仕事は自分にとても合っていたという感じがしています。本来とても不器用なのですが、どちらかといえば社労士の業務は蓄積がものをいいますので、スポーツでいえば長距離走であり、その面で粘り強さだけが取り柄の私には向いていたという気がします。

「社労士」の仕事は、まず人と接する機会が多くそれがとても楽しく刺激やパーワーを頂くことも多くあり、また感謝して頂くことも多いので仕事の達成感や充実感もとてもあると思います。しかし事務所の経営となるとこれがなかなか難しいと言えます。企業からのご相談を受けアドバイスしているとやはりその難しさを感じ、法律をベースにしながら一緒に考える場面が多いのですが、振り返れば今ご相談頂いている社長や人事担当者の気持ちは自分とダブることもあります。事務所が小さい頃は小さい頃の悩みがあり、大きくなれば大きくなったなりの悩みがあります。私の中にはやはり会社は一家、社員は家族という昭和時代の感覚があり、それは今の世の中には通じにくいのかもしれません。しかし、「人とのご縁と信頼関係が一番の財産」という考えは持ち続けようと思っています。

事務所運営については、稲盛和夫さんの「人生を生かす」という経営塾での質疑形式の本を、また松下幸之助さんの「道をひらく」という本を開いてみることにしています。

毎月勤労統計のことがかなり報道されており、かなり大きな問題になりそうな感じです。ちょうど平成26年に社労士試験の選択式問題として出題されたこともあり、複雑な気持ちになります。額的には、1件ごとそれほど大きな額にならないように思えますが、その件数たるやかなりの数になると思われ、今後の対応が懸念されます。先日厚生労働省に出向いた際もその話ばかりでしたので、若干働き方改革の進捗にも影響する可能性を感じました。

ところで、36協定のモデルを自分なりに作ってみたのですが、なかなか色々な点で作成ポイントがあると感じました。渋谷労働基準協会の36協定集中講座だけでなく、2月15日のOURSセミナー、2月23日のBBクラブでご説明できればと思いますが、まずは事務所のミニ勉強会でスタッフがアドバイスをできるようにして顧問先企業のご相談に応じられるようにしておこうと思います。