とうとう今年のお盆が明けてしまいましたね。夏が大好きな私としては、お盆が明けると秋がそこまでという感じがして寂しい気がしてしまうのですが、まだまだ暑さは収まらないようですのでしばらくは、汗をかきながら夏気分を味わっていたいと思っています。
ところで事務所の夏休みは毎年週末に加えて8月13日~15日まで3日間(今年は計6日間)とさせて頂いています。私は時間を自由に使うことができますので、めったに年休をとることはないのですが、今年は今日19日まで思い切ってお休みを頂きました。と言っても旅行に出発した14日夜までは秋のセミナーのレジュメ作りの毎日を予定しており、ブログも休むつもりはなかったのですが、不覚にも喉の熱が出てしまい3日間ほど伏せがちに過ごしました。ある意味良い休息にはなったかもしれません。
旅行は2度目のヘルシンキに行ってきました。元々結婚祝いに会社の先輩も含む友人の皆さんに少しずつ出資してもらい「アラビア社」の食器セットを頂いて、その頃からフィンランドはあこがれの国だったのですが、「幸福度世界一」「教育・福祉・働き方先進国」といった日本の働き方改革以降よく取りざたされているので、本もかなり沢山読んでいます。働き方改革だけでなく教育も、また高齢者福祉もどのようなものなのか興味深い国ですが、消費税は24%とかなり高く、学校がほぼ公立校であるということからも、教育、福祉はこの消費税が支えているのだと思います。
様々な方面から書かれた書籍から見えるフィンランドの姿は、本屋さんで書籍の背表紙を見てあこがれるのとは少し違っており、600年のスェーデン統治、その後100年のロシア統治と、まずは一国としての独立を勝ち得るためにここ100年前くらいまでかなり困難な場面もあったようです。徴兵制もあり、1300キロの国境が接するロシアに対する警戒心は強く、人口はかなり少ない500万人という中でフィンランドの予備役(いってみれば正規の兵士以外)が90万人なのに対して、人口1億2000万人の日本の予備役は5万人など、おそらく「Well-being」のイメージが強い一般的なフィンランドとは乖離があるかもしれません。
それでも訪問するとまずは人が少なめでカフェも沢山あり、どこに行っても緑も多くかなりゆったりしていることで癒されます(それでも今回は海外からの旅行客が特に駅周辺はとても多かったですが)。小さなヘルシンキの街を縦横無尽にトラムが走っていますので、だいたいはトラムの地図を見て、少し遠い場所でも地下鉄で行くことができます。人口減少、高齢化社会という今後の日本の姿を考えるとコンパクトシティー、路面電車は参考になりそうです。朝は比較的遅めで、ホテルの朝食も7時台は空いていますし、夜11時くらいでも結構町は賑やかです。ただしこれは長い冬を辛抱したご褒美の短い夏を目いっぱい楽しむということなのだと理解しています。とにかく少し肌寒くてもタンクトップなど薄着で太陽の日を浴び、友人や家族とカフェで長い時間語り合っているといった感じです。
今回一番印象的だったのは、「デザイン美術館」で、そこでテーマにしていたのが「THA ART OF REPAIR」。ジーンズのポケットの穴あきなどをカッコよく素敵に修理するというテーマの部屋があり、日本のさらしの大型パッチワークが壁を飾ったりしていました。日々の暮らしを大切にするというフィンランドの考え方を感じることができますし、そこから仕事だけではなく、家庭での生活もていねいに楽しむという仕事との両立にもつながるような気もします。
これまでアメリカの資本主義、消費社会を中心に歩んできた日本は、これまでとは違って、人口減少の社会に向けて、小手先ではなく大枠のデザインを描く必要があると考えています。そのいくつかのヒントがあるような気がする国なのです。
時差は6時間日本の方が早いですが比較的気になりません。いよいよ明日からまた仕事、しっかりやりたいと思います。