OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

管理職が短時間勤務する場合の賃金

2016-08-14 21:54:58 | 開業記

女性管理職が増えてきている状況の中で、ある程度キャリアが積み上がり管理職になってから出産し、早めに育児休業を切り上げて育児短時間勤務を取得するというケースが増えてきているようです。ときどき質問を受けるのですが、先日OURSセミナーで介護短時間勤務の改正内容をお話しした際にも、同様の質問を受けました。

管理職は、労基法に定める管理監督者として適正に認められる場合は、労基法第41条に定める「労働時間・休憩・休日」の適用除外とされています。要するに労働時間等の概念を持たないため時間外労働の発生自体もないということになり、時間外労働の割増賃金の支払いは要しないということになるわけです。管理監督者には残業代を支払う必要がないという考え方は、この労基法第41条の適用除外から来ています。

この管理監督者が育児短時間勤務を取得した場合に、一般社員と同じように賃金を按分して支給してよいものなのかという点がご質問になります。一般的に育児短時間勤務を取得した場合の賃金は、短時間勤務の時間数に応じた按分支給ということになります。そのように育児介護休業規程等に定めてある場合が多いと思います。例えば8時間勤務の会社で6時間の短時間勤務をする場合、賃金の8分の6が按分支給されるということになります。しかし管理監督者は「労働時間・休憩・休日」の適用除外であるため労働時間の概念がないのに8分の6等時間数に応じた按分支給とするのはおかしいではないかということになります。

その考え方は正しく、労働時間の概念がない管理監督者の場合、育児短時間勤務を取得したからといって労働時間に応じた賃金の按分支給の考え方は認められないということになります。短時間勤務であっても、管理監督者の仕事をこなしているのであれば、賃金は従来通り按分することなく支給されるべきということになります。

短時間勤務では管理職の職務を全うできないなどにより本人の希望で管理職を辞退等労使で話し合い管理職を外れるということになれば、労働時間に応じた賃金の按分支給ということになる場合もあるかと思いますが、特に管理職に就いたままの短時間勤務であれば労働時間が短くなっても賃金を削ることは認められません。

育児短時間勤務だけではなく介護短時間勤務であっても同じ扱いになります。

労務管理を行うためには、管理職としての仕事は何かという点を明確にしておき管理職手当と連動させておけば、管理職を外れる場合には管理職手当を外すという運用ができるため、支払う賃金を分解した場合各内容が分かるような賃金の仕組みにしておく必要はあるかと思います

オリンピックも中盤戦にかかり、日本は強いですね。見ていて楽しいです。特にやはり体操男子団体の金や内村航平選手の個人総合の金、柔道の大野将平選手の金、水泳の平泳ぎの金藤理恵選手の金、卓球の水谷隼選手の試合は感動しました。

昨今の若い世代は、ハングリーな環境から這い上がるというような昔の感覚ではなく、自己実現に真摯に取り組んでここまで来たというような感じがします。東京オリンピックが楽しみです。何とかチケットを手に入れて、絶対に見に行きたいと思っています。


平成25年度均等法、育介法等に関する紛争解決の援助、是正指導の状況取りまとめについて

2015-01-25 16:44:05 | 開業記

厚生労働省が、平成25年度に都道府県労働局雇用均等室で取り扱った男女雇用機会均等法、育児・介護休業法等に関する相談、紛争解決の援助の申し立て・調停申請、是正指導の状況について取りまとめた結果をみると、増加しているのは「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」と「母性健康管理に関する相談」になっています。

相談件数の増加順に見ると、以下のようになっています。

①婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」が2,090件で前年度に比べ269件増加(前年度比14.8ポイント増)

②「母性健康管理」が1,281件で前年度に比べ200件増加(前年度比18.5ポイント増)

雇用均等室では、平成25年度は、 積極的な事業所訪問による雇用管理の実態把握を実施し、「母性健康管理」の是正指導件数は、 前年度の1,957件に比べ4,101件と2倍強に増加したとのことです。 また、契約社員(期間雇用者)に関する育児休業についての労働者からの相談が増加しており、期間雇用者に関する育児休業の相談は、394件で前年に比べ25件増加(前年度比6.8ポイント増)しています。

労働局長による紛争解決の援助事例としては、以下のような事例が示されています。

・妊娠を報告したところ、次回の契約更新は行わないとされた事例(妊娠を理由とする不利益取扱い)

・正社員の労働者が育児休業から復帰するに当たり、非常勤職員として勤務するよう命じられた事例(育児休業の取得を理由とする不利益取扱い)

・正社員の労働者が育児短時間勤務を申し出たら、精勤手当を不支給とすると言われた事例(育児短時間勤務の申出を理由とする不利益取扱い)

出産・育児休業関係の相談を受けている団体の回答の業務を担当しており、また年末に育児休業関係の執筆を2件ご依頼頂いたこともあり、色々な事例を考えながら週末は原稿を書いていました。このところ事務所スタッフの実力がとても高くなってきたため、半分以上担当してもらうことにして私は少し楽をさせてもらっていますが、平成22年の育児休業の改正の際に労務行政さんの書籍の執筆を担当させて頂いた以降、出産・育児関係は常に身の回りにあり、法律・通達・指針など大部分が頭に入っており、かなり蓄積もできてきたと思います。この分野はできれば得意分野としたいと考えているので今回も執筆にあたり思いつくまま気になるところを調べてみました。

平成21年及び22年の育児・介護休業法の改正後、紛争解決の援助等どのような状況になっているのかを把握していなかったので、今回厚生労働省と東京労働局のHPを確認してみました。やはり予想通り「不利益取り扱い」については出産・育児休業共に増加しており、いつも回答を担当させてもらっているご相談内容とも一致します。また事例についても同様で、おおむね世間では同じような状況なのかなと感じました。人事担当者は出産・育児関係の法規制だけではなく通達や指針など細かい部分も押えておくことで、もっとトラブルを予防できるのではと思いました。

週末はある企業のグループ会社50社ほどに集まって頂いて36協定・裁量労働の話をさせて頂きました。36協定は何度も色々な場で話をさせて頂いているのですが以前作ったレジュメが幼稚に感じて、今回かなり再度研究しながらレジュメをリニューアルしました。話しながら楽しくて、やはり36協定好きだなあと思いました(変な趣味です)。また月曜日から元気に行きましょう。


アサーティブについて

2014-11-16 22:57:43 | 開業記

先週渋谷支部の業務情報交換会で行ったアサーティブのセミナーはとても面白かったです。

アサーティブという言葉を初めて聞く私でしたが上司と部下のコミュニケーションということで、凄く勉強になりそうだなという予感がありました。

アサーティブ(Assertive)」の訳語は、「自己主張すること」。アサーティブであることは、自分の意見を押し通すことではありません。自分の要求や意見を、相手の権利を侵害することなく、誠実に、率直に、対等に表現することを意味します、ということです。

研修のテーマは、上手な部下の叱り方パワーハラスメントを防ぐ!上司と部下の円滑なコミュニケーション
~アサーティブを使った職場活性化の手法~でした。

講師の森田先生のお話は導入から面白く、昔は職場で上司が部下を叱った後でも夜飲みに行ってそこでそのフォローができたものが今は部下は飲みに行かないという。また職場には正社員だけではなく、派遣、パート、請負など様々な立場の人間がいて感じ方もとても多様になったため、いずれにしてもコミュニケーションが難しく、メンタルが発生しやすい環境になったということで、本当にそうだなと実感することばかり。

途中で隣の人と組んで上司部下の役割を決めて事例に沿って叱ってみるなどをした後、前に出てロールプレイをすることになったところで私に白羽の矢が。

相手はまだ支部に加入したばかりの会員で「年下の出向社員でその職場には配属されたばかりの上司役」。私と言えば「長年その職場に勤務して今は職場を仕切っている気の強いお局様の部下」という役割。そのお局様が部下へ厳しすぎるのではないかと懸念する上司がどのようにお局に注意するかというところを演技するということになりました。

上司役は最初からいわゆる傾聴モードでちっとも注意に入らずまず1回目のNG。2回目は結構目が真剣になり注意があったのですが、その時の私の演技はなかなかのもので会場は大笑い。内心私が部下だったら上司はやりにくいかもとちらっと思ってしまったりしました。セミナーが終わった後で「先生地でやっていたでしょ」と言われましたが当たらずとも遠からず。

出てくるタイプは、ドッカン、オロロ、ネッチーの3人で私はドッカンだなとすぐ思ったのですが、ドッカンだと手を挙げた人は意外に多かったです。

先生のまとめで叱るときのポイントを教えて頂いでとても勉強になりました。実践します。顧問先にもご紹介しようと思いました。

http://www.assertive.org/index.shtml

今週末もグループ会社のセミナー準備に忙しかったのですが何とか終わりました。もうすでに今年もあと残すところ1か月半となり、あまりの速さに茫然です。でも今週末は、無期転換社員の労働条件の決め方について大分研究が進みましたので良しとしましょう。


ストレスチェックに関する専門検討会とりまとめ

2014-10-19 23:15:08 | 開業記

ストレスチェックの義務化は平成27年12月1日とされています。また50人未満の事業場は当分の間「努力義務」とされています。

しかし50人未満の会社であっても、顧問先から早めの情報提供の希望が複数あります。ストレスチェックとはどのようなものなのか、ストレスチェック実施後の対応について準備をしておきたいなどセンシティブな問題だけに先を見て仕事をされる人事担当者からは十分準備をしておきたいという気持ちが伝わってきます。

なかなか情報がなかったのですが、9月9日にストレスチェック項目等に関する専門検討会の中間取りまとめが行われています。検討会の審議内容を見るとかなり白熱した議論になっているようです。

7月7日に行われた第1回ストレスチェック項目等に関する専門検討会では、ストレスチェックの実施について、検討する必要のある専門的な事項として、6点ほど挙げられています。

 ①ストレスチェックの実施方法について。②ストレスチェックの項目について。③ストレスチェック結果の評価について。④ストレスチェックに含めることが不適当な項目について。⑤ストレスチェック項目と一般定期健康診断項目との関係について。⑥その他ということでストレスチェック効果に関する今後の評価の方法等についてということです。 どれもこれも気になるところばかりです。

とりまとめについては以下で確認ができますがポイントを少し挙げておきます。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000058947.pdf

実施方法については、1年以内ごとに1回とされており、調査票によって実施することを基本とします。この1年に1回ということについては定期健康診断と同時に実施することが可能です。しかし、ストレスチェックは労働者に検査を受ける義務がないため、本人の同意なく事業者に検査結果ををできず、その点が定期健康診断の情報の取り扱いとは異なるところで、情報の取り扱いには留意が必要とされています。

項目については、国が標準的な項目を指針等で示す一方で、それを参考に各企業の判断で項目を選定できるようにすることが適当とされています。「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」が現在最も望ましいとされていますが、中小事業場も考慮して簡略化した調査票の例も示すべきとされています。

なお、このストレスチェックの目的については、主に一次予防(本人のストレスへの気づきと対処の支援及び職場環境等の改善)としています。やはり会社の十分な準備が必要です。

この週末は久しぶりに穏やかな気持ちの良い日々でした。土曜日は来年1月のBBクラブの勉強会の幹事会があり、どのようなことを勉強するか3時間ほど色々と打合せをしました。メンタルにかかった労働者の復職に際しての気持ちなどの話を臨床心理士の資格を取得したOBにお話頂くことになり、それに組み合わせて改正施行予定のストレスチェック対応なども講師を探すことになりました。

この1週間は、民間の保険制度について教えて頂きたいことがあり生命保険会社勤務のOBにメールしたり、DBのことについて教えて頂きたいことがあり企業年金基金に勤務するOBに電話したりと、相変わらずBBクラブの人材を頼りにしています。合格後も受講生OBと仕事の話ができることに喜びを感じますし、お互いの人生の中での数年の勉強期間に生まれた信頼関係が長く続くということについて、本当に一生の何にも替えがたい財産だと思っています。


70歳未満の高額療養費について

2014-07-13 22:30:52 | 開業記

高額療養費は大きな病気をした場合にはとても心強い制度です。

原則として、医療費の3割を自己負担することになっていますが、自己負担限度額が定められており限度額以上については高額療養費として医療保険者が支給してくれることになっています。本来いったん3割の自己負担額を支払っておいて、高額療養費の支給申請をすることで自己負担限度額を超えて負担した額を戻してもらっていました。近年「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関等の窓口に提示すると、1ヵ月 (1日から月末まで)の窓口での支払いが自己負担限度額までとなったので、さらに被保険者にとっての利便性は高まりました。

自己負担限度額は、年齢および所得状況等により設定されています。

※70歳以上の高額療養費は仕組みが少し異なりますので今日は70歳未満の高額療養費に限って考えてみたいと思います。

70歳未満の被保険者の自己負担限度額

上位所得者

(標準報酬月額53万円以上)

150,000円+(医療費-500,000円)×1%
一般 80,100円+(医療費-267,000円)×1%

低所得者

(住民税非課税)

35,400円

例えば、一般の場合で医療費が500万円かかった場合の自己負担限度額は80,100円+(5,000,000円-267,000円)×1%=127,430円となります。

(この1%の考え方が改正により出てきたときには、TACの講義で1%などという小さい数字ではあまり負担は変わらないというような話をしたことがありますが、医療費がかなり高額になるとそれなりの数字になりますね。)

本来は5,000,000円の医療費の3割である1,500,000円を自己負担しておいて、高額療養費の請求をして1,500,000円と自己負担限度額の127,430円のとの差額を戻してもらっていました。しかし、高額療養費が振り込まれるのは2,3か月かかるとされているため一時的であっても大きな額となると負担も大きいです。やはり限度額認定証の提出により患者の負担を経ずに保険者と医療機関との間で精算をしてくれるのはとても有難いことだと思います。

なお、自己負担限度額は以下の区分により算定します。

・同一月・一の医療機関の一部負担金等(医療機関から交付された処方せんにより調剤薬局で調剤を受けた場合は、薬局で支払った自己負担額を処方せんを交付した医療機関に含めて計算します)

・歯科・歯科以外区分

・入院通院別

なお差額ベットなどの特別料金等保険外診療部分、食事療養標準負担額、生活療養標準負担額についてはこの算定には含めず、別途自己負担が必要になります。

世帯で複数の人(協会けんぼに加入している被保険者とその被扶養者)が同じ月に病気やけがをして医療機関で受診した場合や、一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は21,000円以上のものに限り合算世帯合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻されます。

例えば、被保険者[通院]+被保険者[入院]、被保険者+被扶養者、被扶養者+被扶養者の自己負担額21,000円以上について合算して上記表の自己負担限度額を超えた場合高額療養費として請求することができます。

さらに直近の12か月間に、既に3回以上高額療養費の支給を受けている場合には多数回該当とされ44,400円がその月の負担上限額になります。

世帯合算による払い戻しの場合や多数回該当の場合については限度額認定証を提出していても、なお高額療養費の支給申請をする必要があります。

BBクラブの勉強会が7月26日に行われますが既に150人の方の申込みを頂いています。合格者OBの変わらぬ勉強意欲がとても嬉しくできるだけ皆がそれぞれに何かを掴んだり、元気が出るような勉強会の1日となることを願い、私も楽しみに、頑張ろうと思います。


36協定特別延長時間について

2014-01-13 22:23:25 | 開業記

36協定を締結する際の時間外労働の限度時間が定められていることはよく知られているところです。小企業についてはいまだ運用が危ない面もありますが、社労士にそのあたりを相談しようという企業は理解をしていただいていると思います。また特別条項付協定により特別延長時間を定めることも一般的です。要するに特別条項を定めた場合は、臨時的なものに限る特別の事情があれば1年のうち半分まで時間外労働の限度時間(例えば1箇月45時間)を超えて時間外労働させることができるとされています。

この特別延長時間の決め方なのですが、これについて限度時間は定められていません。時々顧問先企業よりどの程度まで認められるのかご質問を受けることがあります。ほとんどの企業は特別延長時間として1箇月70時間~80時間を定めていると思います。ただし、絶対に収まらないので収まらず違法になるよりはという理由から、また派遣業などの場合は派遣先で働く労働者がその時間内で収まらないことがあるという派遣先の要望から80時間を超える特別延長時間を決めるところもあります。

昨年12月20日の毎日新聞の記事に以下の判決がありました。このケースの場合は、建設業であるためそもそも36協定の限度時間の適用除外になっています(平成15年厚労告355号5条、平成11.1.29基発44号)が特別延長時間を定める場合の参考にはなると思います。

労働者の残業に関して結ぶ労使間協定が長時間労働を招いたとして、過労自殺した男性(当時24歳)の遺族が会社と国、労働組合を相手に損害賠償を求めていた裁判の判決で、東京地裁(小野洋一裁判長)は20日、会社に安全配慮義務違反があったとして2270万円の支払いを命じた。焦点だった国と労組への請求は棄却した。判決などによると、男性は石油プラント建設「新興プランテック」(横浜市)に勤務。2008年6月に月160時間、7月に210時間を超える残業をし、精神疾患を発症、同年11月に自殺した。同社と労組は国が定める過労死ライン(月80時間)を超える150時間、繁忙期には200時間まで残業を延長できるとする労使協定(通称36協定)を結んでいた。国は36協定の延長の上限を月45時間としているが、建設業務など繁忙期がある業務は除外しており、明確な上限がない。男性の母親(62)は「過労死ラインを超える残業を受け付けるのはおかしい。きちんと見直すべきだ」と話した。新興プ社は「判決を読んでいないのでコメントは差し控える」としている。

この判決の場合、月80時間超の協定を8年以上にわたって国(労基署)が放置したことについて問題があるとしながらも、国が延長時間の上限を規定しない点については事業活動を営む事業者の経済活動を不当に制約する可能性もあるということで、国が延長時間の上限を規定しない点に理解を示すとともに、同様の前提に立つ36協定を締結し、内容の改善を求めなかった労働組合の行為も違法とは認められないと原告の請求を退けた(労働新聞H26.1.13第2952号より一部抜粋)ということです。

月80時間を超える延長時間については一定の理解を示しているといえます。とはいえ恒常的な長時間労働による心身の疲労蓄積事実を認め、会社の安全配慮義務違反を認定しています。やはり月80時間を超える延長時間を定めることはできるだけ避けるべきという参考にもなろうかと思います。

スタッフのタイムシートを毎月給与計算時にチェックしている私自身の感覚からいうと、1箇月50時間程度の残業をしている場合はかなり帰りが遅くなっているだろうなと感じます。時間外労働が限度時間を超えて発生するのであれば業務の効率化を図る余地がないのかを見極め、また増員を常に見極めていくことが必要だと思います。

今週末は溜まっていたこまごました案件やこれから予定されているセミナーのレジュメを作ったりして結構よく働きました。自分自身の長時間労働は気になりませんがスタッフの残業は気になります。それにしても私自身TACの講師をしていた頃ほどは最近は働けなくなりました。日曜日に授業をしていた頃は本当に長時間労働でしたから。


2013年毎月勤労統計調査特別調査について

2014-01-05 23:18:59 | 開業記

明けましておめでとうごさいます。今年もよろしくお願いします。

昨年12月12日に厚生労働省が発表した「2013年毎月勤労統計調査特別調査」によると事業所希望1~4人の事業所における、2013年7月のきまって支給する現金給与額は、19万474円で、前年比0.8%と3年連続の増加だったそうです。また、男女別にみると、男性は25万5,403円で前年同水準、女性は13万8,714円で、前年比0.1%減だそうです。

女性はパートタイマーも含んだものであるため低くなっているのだと思いますが女性の賃金水準の低さは気になります。また、全体の平均が増加してこの額とは少ないなあと改めて思います。

2012年8月1日~2013年7月31日までの1年間における、賞与など特別に支払われた現金給与額は20万1,806円で、これも前年比5.4%です。男女別にみると、男性は28万902円で5.5%増、女性は13万7,103円で2.8%増となっています。

単純に考えてみた場合、男性の平均年収350万はいかないということです。男女平均を合計して500万を少し超えるということは、結婚しても妻がパートに出てやっとある程度の生活ができるということになるのだと思います。

7月における出勤日数は20.7日で前年より0.1日増加。男女別にみると、男性は22日、女性は19.6日と共に前年同水準。

7月における通常日1日の実労働時間は7.1時間で前年と同水準。男女別にみると、男性は7.8時間、女性は6.5時間です。働いている日数や時間数は女性の6.5時間が多少少な目ではあるものの、週休2日制の労働日数だと思います。

ちなみに調査のもとになる調査票からもわかる通り「現金給与額は税込で残業代含む」ということになっています。http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/maikin-tokubetu.pdf

元旦に母を連れて初詣に行こうと実家の地元の神社に向かったところ長蛇の列で方針変更。いつもひっそりしている小さめの神社に向かったとことそちらも長蛇の列ということであきらめて帰ってきました。その後の外出の際も3が日の人出はかなりのもののように思いましたし、景気はなかなか良いのではないでしょうか。毎月勤労統計の数字は昨年7月の数字ということですから、それからいよいよアベノミクス効果、東京オリンピック効果で景気が上向いたのかもしれません。ともあれ年末年始にやろうと思っていたことはクリアできましたし、お正月にはかなりゆっくりした気分で過ごすことができました。のんびりしてなまってしまった頭を明日からはフル回転させて頑張ります。


開業記28 組織力について

2013-11-17 23:56:32 | 開業記

開業記28 組織力について


開業社労士として登録した時に20年後にまさかここまで事務所が大きくなっているとは正直考えていませんでした。法人化をしたこと、それにより大きな企業からのご依頼を頂いたこと、それによりスタッフの数が必要になったことに尽きるのですが、事務所がしっかりしてくるとそれに伴い人材も増えてきたと思います。2年前から取り組んできている大企業からの受託も、当初は私と手伝ってくれた受講生OBで手さぐりで立ち上げたのですが、今は更に派生した新規の立ち上げをスタッフが何人かで担当してくれているので、私はとても楽になりました。


ある程度の規模になったら、代表社員のすることは次の一手は何かを考えて資金面だけでなく事務所の体制等必要な手を打っていくこと、まんべんなく法人内を見渡しながら仕事の偏りや担当の状況を把握し調整をしていくこと、顧問先企業の状況をそれぞれポイントを押さえながら掴んでいくこと、スタッフの得手不得手を見極めながら仕事の中で必要なキャリアを積んでもらい人材として伸びて行ってもらうこと、などと考えながらやっています。


今法人組織として目指そうとしているのは、とにかく仕組みづくりです。前にもブログに書きましたが人数が少ない時に人事制度についてはプロジェクト制を引こうとミーティングで私が提案したところスタッフの中で「失笑」という雰囲気がありましたが(プロジェクトを組むのはこのメンバーしかいないのだからほぼ全員でしょう、ということだと思います)、今は当然のようにプロジェクトを組んで取り組むようになりました。そういう意味ではまずは私が具体的なイメージを持つ必要があり、それをうまくスタッフに伝えることも大切なのだと思います。組織力の重要性については私の中でのイメージがやっとできたところだということもあり、まだまだ伝え方が足りないかなと思っていますが、これは今後OURSにとっては非常に大事になってくると思います。


例えばミスについてはもちろん一人一人が細心の注意を払い手続等を行っていく必要がありますが、やはり人のやることですから絶対にミスが発生しないということはなかなか難しいことなのだと思います。また特に新しい事業を手探りでやっていく中でミスが発生することは可能性としては高いと思います。


その時に、何が一番大事かというといかに「ミスをしない仕組みを作れるか」というところだと考えています。その時に「もう二度とミスはしないようにしよう」という気持ちは大切です。しかし、そのような個人の問題よりもっと大事なことは、組織としてどのようなチェック体制を作れば、チェックポイントをいかに洗い出せばミスがなくなるのかまたはどのような作業工程にすればミスが出ないようにできるのか、というところを徹底的に考えて実行していくことだと思います。その分析と実行ができれば、組織として手続業務を行っていく上での安定感が出ると思います。誰でもミスなく作業ができるというところを持てるようになれば、急なお休みの穴埋めも問題ないはずですし、新たに担当したスタッフもその業務を行うことがすぐに可能であるということになるのだと思います。それこそが組織力だといえます。


個人個人の頑張りは確かに必要なのですが、組織で仕事をしていく以上個人の頑張りに頼るのではなく、組織としての業務フローやチェック体制をきちんと持てることが目指すところだと思っています。労務相談の業務については、毎週事務所内でミーティングをして情報共有を図り、人事管理研究所というブレーンを持ち、研修も積極的に参加してもらう等勉強の機会はできるだけ持ってもらっていますので事務所のスタッフのレベルは自信があります。法人組織として、手続も組織力を高めるやり方を意識していき、その上でさらに臨機応変の対応も可能になるのが目指すところです。


最近、政治家などに「二代目」がなぜ多いのか少しわかってきました。社労士も二代目が多いのですが、やはり基盤があったところからのスタートはとても大きいような気がします。継続は力なりと頑張ってみても、一代限りでは急成長しなければなりません。急成長というのはいろいろな企業のご相談を受けていても思うのですが、やはりどこかでひずみが出ていることが多いです。そのひずみの修正が大変なことがあります。その点二代目は先代からじっくり時間をかけて歩いてきた安定感があります。やはり人脈も蓄積・経験も簡単には作り上げることはできませんから、それらを継承できるというのは大きなことなのだと思います。良い回転はさらに良い回転を生んでいきます。そこまで持っていくのには時間と労力とお金が必要だと思います。既に良い回転をしているところからさらに良い回転を生み出して大きな回転にすることができるというのが二代目の役割であり醍醐味なのだと思います。



傷病手当金の支給調整について

2013-08-25 22:16:41 | 開業記

 

今日は社会保険労務士本試験の日でした。講師時代の15年間は朝から講師室に詰め解答づくりに汗をかいていました。講師を卒業してから何年も経つと緊迫感も薄れてきていたところ、今年は事務所の若手男子3人が受験ということで1日なんとなく落ち着かない気分で過ごしていました。

昨年秋から勉強が進めばいくらでも質問に答えようと結構楽しみにしていたのですが最後までほとんど質問もなく本番に突入したので心配ではあります。しかし、自分の今の力を十二分に出し切れればあとは結果を待つのみということをよく講師時代に受講生に言っていたことを思い出します。

試験前最後の出勤日にひとつ質問がありまして、それが傷病手当金と老齢退職年金との調整の話でした。この傷病手当金と老齢退職年金の調整のポイントは、あくまで退職後に継続給付として受けている傷病手当金について老齢退職年金が受けられる場合は支給調整があるということです。要するに退職後も傷病手当金を受けている場合に老齢基礎年金や老齢厚生年金が受けられることになった場合は、休業補償としての傷病手当金を受けずとも年金があるので生活には困らないであろうということで傷病手当金が支給停止されるということです。もし退職していない場合は、老齢厚生年金は在職老齢で支給停止されていることもあり、傷病手当金の受給は保険料を支払っている者の権利でもあるので支給停止になることはない、と自分流に私は解釈しています。

質問されたときにさくっと答えられなかった自分に少しがっかりしましたが、またスタッフの誰かがこれからも勉強することがあれば、今度はたくさん質問してもらって自分の知識も一緒にブラッシュアップして行けるのを楽しみにしようと思いました(まあ全員受かってもらうのが一番良いことは良いのですが、長年受講生の苦労を見ている私としてはそう楽観的にもなれないのが正直なところです)。

以下、傷病手当金が支給停止される場合です。

①出産手当金を受けられるとき

傷病手当金と出産手当金を同時に受けられるときは、出産手当金を優先して支給し、その間、傷病手当金は支給されません。ただし、すでに傷病手当金を受けているときは、その支給額分だけ出産手当金から差し引いて支給されます。

②資格喪失後に老齢退職年金が受けられるとき

資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方が老齢(退職)年金を受けているときは、傷病手当金は支給されません。ただし、老齢(退職)年金の額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは、その差額が支給されます。

③障害厚生年金または障害手当金が受けられるとき

傷病手当金を受ける期間が残っていた場合でも、同じ病気やケガで障害厚生年金を受けることになったときは、傷病手当金は支給されません。ただし、障害厚生年金の額(同時に障害基礎年金を受けられるときはその合計額)の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは、その差額が支給されます。また、厚生年金保険法による障害手当金が受けられる場合は、傷病手当金の額の合計額が、障害手当金の額に達する日まで傷病手当金は支給されません。

④労災保険の休業補償給付が受けられるとき

労災保険から休業補償給付を受けている期間に、業務外の病気やケガで仕事に就けなくなった場合は、その期間中、傷病手当金は支給されません。ただし、休業補償給付の日額が傷病手当金の日額より低いときは、その差額が支給されます。

 今回受験生を事務所に抱えて後半に気が付いたのは、やはり15年間の講師生活の中で受験に対しての勉強テクニックや考え方などいろいろなものを自分の中でしっかり確立してきていたんだなということ。色々と思いだしてきました。それは今はもうアウトプットすることがなく少しもったいないような気がしましたので、今後少し何かできることがあるか考えてみようと思います。やはり受講生OBが時々言ってくれるように「講師が天職」とまでは思いませんが色々な点で「講師業が大好き!」なんですね。


開業記27 新たに会社を立ち上げる事業主にアドバイスしたいこと

2013-06-29 20:34:45 | 開業記

OURSの顧問先企業は大規模な会社から起業したばかりの小さな会社まで様々です。年に数件ずつですが起業してまだ数年の会社からも新適や顧問契約のご依頼があります。OURSはスタッフ担当制になっていますので、まだ立ち上げたばかりの企業の手続を私が担当することはありません。ただ、だいたいは就業規則を作るという作業の中で私も一緒にアドバイスをさせて頂きます。

守られていない法律についてご説明をして、また時には踏み込んで経営方針ともいえる部分についてご相談にのる機会が多くあります。私も個人事務所を立ち上げてからこれまで人を雇い、お給料を払い、高い社会保険料を支払い、資金繰りに気を遣い、働く環境を考えて来たので、事業を立ち上げた社長の気持ちはよくわかる部分もあります。しかし、最近思うのは、起業して社員を雇おうと考えたときに事業主が知っておく必要があることが沢山あるのにあまりにもそれを知らな過ぎる、ということです。法律を知らず法律を守っていないということは結局あとから大きなリスクを抱えることになるということを、もっと社労士として事業主に周知する義務があるのではないか、と最近つくづく思うのです。

やはり大きなネックは残業した場合の割増賃金の支払いです。数年前「未払い残業問題」であれだけ世間が騒いでいても、残業代が支払われていない会社は特に立ち上げて数年の場合多くあります。時間単価に25%を割り増した賃金を払うことは大きな出費になっていきますから、払いたくないという気持ちは理解できないわけではありません。また会社が回っていくことが一番大事なことですからできればすべて固定費として支払うものは見通しがつく状況であって欲しいということもあります。さらに会社が立ち上がったばかりでこれから事業として成り立っていくのかどうかわからないという状況であれば、雇われている人たちもよくそれを理解して「残業代はいりません 」と健気にも言ってくれる場合も多いのです。

しかしある程度の規模になったらそれは大きなリスクへと変化していきます。人が増え事業としても継続性が見えて来てから入社してきた人は、ちゃんとした会社だと思ったのに残業代が出ないのはおかしいと思っているでしょうし、今はインターネットで法律上どこが正しくどこが誤りか勉強しようとすれば簡単に勉強できる環境です。会社を辞めた社員から未払い賃金を請求する手紙が来たという場合に見せてもらうと、社長より辞めた社員の方がずっと法律をよく調べ、よく知っているような気がします。しかも、残業代は払っていないのに賞与を支払っているとか、半日で仕事がない日は手当を出しているとか、社長に悪気があるわけではないケースが多いように思います。理解していただきたいことは以下のようなことです。

賞与は法律上払う義務があるわけではないわけですから、まずはそれより法律上の支払い義務がある残業代を払うこと。賞与は残業代を払ってなお利益が出たらにして下さい。

社会保険は会社に余裕ができたら入るものではなく、法人として人を雇うならその費用も考えていくらお給料を払えるか考えて下さい。それを費用として考えておかないと社会保険に入ろうかと考えた時に保険料のハードルがとても高いものになってしまいますので。

労働時間が8時間で終わらないのであれば8時間超える仕事分は時給制のアルバイトでもよいので人を雇ってこなしてもらうなどのアイディアで工夫して下さい。

例えば変形労働時間制で無駄な時間外労働を抑制する方法や時間外労働分を含めた賃金の決め方(これは何時間分が含まれているかの明示が必要で、さらにそれを超えた場合の残業代の支払いは必要ですが)、時間外労働の削減のために時間外労働などを許可制にすることなどいろいろな方法もないわけではありません。

与えてなかった年休を精算することになったなど、早い段階で法律を守っていればそこまで大変にはならないかったものが、年数が経ち人数が増えてから挽回しようと思うととても大きなエネルギーを要します。

ぜひ起業して人を雇おうと考えた時には、社労士にご相談をしていただいたり、労働者に負けないくらい法律を調べてみるということをお願いしたいと思います。人を雇うということはとても重いことだということを是非認識していただきたいと思います。

まだ暑くなく湿気がない日は本当に気持ちいい風が吹いてくれますね。1日1日を大切に過ごしていきましょう。


開業記26 社労士法人としての成長

2013-06-23 23:15:17 | 開業記

今、日経新聞の「私の履歴書」にテンプスタッフ創業者の篠原欣子さんが書いておられます。これがとても面白いのです。というのも40歳目前で自宅兼事務所で企業をしてからテンプスタッフが「企業」になっていく様が、売り上げ、規模等もちろん違うのですがOURSの状況と重なり合う部分がとてもあるように思えるからです。


創業期に一緒に無茶苦茶頑張ったスタッフとは、社長と社員ではなく固く結ばれたチーム。それが派遣法施行を経て業界の価格競争に巻き込まれ、生き残るために会社を根本的に変える決意をして、チームから企業へと組織を変革して行く様子は勇気づけられます。


OURSも個人事務所である小磯社会保険労務士事務所からOURS小磯社会保険労務士法人に法人化して4年半。この間本当に地殻変動が激しく、私自身もマネジメントについて、組織について、OURSをいかに安定した法人にしていくかについて毎日毎日考えてきたような気がします。最近トップとして全体の見渡し方、仕事の振り方、進捗状況の押さえ方、マネジメントが自分の仕事と覚悟することなどだいぶ掴めたような気がします。


法人化のメリットは?とよく聞かれますが、やはり法人として安定した強い組織になれることが一番だと今は思っています。仕事を依頼しようとするときに、やはり安定的な財政基盤を持ち、それにより良い人材を確保している組織であれば、相手も安心して頼むことができると思います。また、そう考えて頂ける企業はその企業自身が、しっかりした企業であるということもあります。小磯優子個人にご依頼いただける仕事がないわけではありませんが、法人化して4年半たった今は、担当者がしっかりと信頼を得ており、OURSとして私が出て行かなくてもは全く問題ないという顧問先企業もたくさんあります。もちろん最終的には代表である私が責任を取るべきですから、何かトラブルがあるとか、重要な案件の時は担当者と一緒にその業務を担当していくことにしています。


篠原さんの私の履歴書には、チームから企業へ変革していくときには、それまで女性だけで固めていた社員が守りに入ってしまったために、その中に、「攻めの営業を得意とする体温の高い会社で仕事をしてきた男性を入れた」という話が出てきますが、その男性は「1ページと頼んだ広告が勝手に2ページになり請求してくることが何度もあったが、どこか憎めない、バイタリティーにあふれていた」とあるのは、成る程と思います。やはり組織が小さくまとまりそうなら、それを打ち破るようなまじめな優等生とは少し違う攻撃的な社員を入れることが成長のカギだということです。ちなみにその男性社員は先ごろ社長の座を篠原さんから譲られた方だそうです。


また、今日の私の履歴書に出てくる新卒採用の話も興味深いものでした。「大手の内定をもらっている学生にとってなんて未熟な会社だろうと思われないか心配だったところが、テンプスタッフは小さくてもこれからの会社だから、逆にやりがいがあるのでは」と考えて入社を決めてくれた。というくだりは、「これだよな~」という感じです。昨年から20代から30代を増やしてきたOURSの将来性を買って飛び込んでくれる人、それが今求める人材であります。


まだまだ、まだまだ、まだまだ変革していきそうなOURSですので、私自身もいつも緊張感があります。折角伸びているときに私が足を引っ張ってはいけないという気持ちです。法人化前からいるスタッフも変わりゆく事務所の状況に戸惑うところ大だと思いますが、私の履歴書にも「バックオフィスに回った元支店長たちが入れ替わった会社の空気になじみ、新しい舞台で持ち前の力を発揮するようになった」とあり、それが理想だと思います。


今度客人をお招きすることになり、準備をする必要があり、久しぶりに小淵沢に行ってきました。森から聞こえてくる鳥の声や、田んぼや畑から聞こえてくる虫の声が昼間でも静かな中で聞こえてきて、何とも言えず、癒されてきました。 それでは今週もまた元気に頑張りましょう。


開業記25 開業してからどのように時を重ねていくか 

2012-07-08 23:02:33 | 開業記

開業記25 開業してからどのように時を重ねていくか

開業してから早20年が経ちました。開業して1番最初に顧問契約をしていただいた会社の社長は、既に60歳台後半になり、次の世代にどのように引き継ぐかということに頭を悩ませているようです。先日開業30年の社労士の先生から伺いましたが、開業当初からの顧問先は半分以下になってしまったとのこと。企業の寿命は30年とよく言われますが、その考え方は今も生きているのかもしれません。確かにOURSにとっても今後10年経ったときには、開業当初私が顧問契約をして頂くたびに、心の底から嬉しく思った経営者の方たちもそして私も、この事業の次を考えるようになるのかもしれません。

企業の寿命30年とはいえ、長く続く企業の多くは、「収益性の高い事業への選択と集中やグローバルへの最適展開などを図っています。そうした自己変革を続けることが、設立30年を過ぎた後も、輝きを保つカギのようです。」ということです。OURSもそのあたりを念頭に置きながら次の世代につなげていけるように考えていこうと思います。

開業してからこれまで何を大切にしてきたかについては、開業記20の「仕事をしていく上で大事にしていること」に書いてありますが、その根底にある1番大きなものは「信頼」ではないかと思います。

以前なぜうちに依頼をしようと思っていただけたのかと顧問契約の際にお伺いしたら、「相談した時に親身になって対応してくれると思ったから」と言っていただいたことがあります。その方はその後転職されましたがさらに転職先の会社も顧問契約をしていただいていて、そのいずれもが優良企業ですが、それよりそう思ってもらえたことが一番うれしいことです。

「自社のために一番良い方法を提案してくれるだろう」と思ってもらえることに感謝し、その企業にとってどうすればよいのかを私だけでなくスタッフも一生懸命考えてくれて、OURSはこれまでの時を重ねてきたと思います。時に忙しさにまぎれなかなかニーズに応えられず申し訳ないことをしてしまったケースもないわけではないですが、そのことを反省をして今はまんべんなく担当の企業を気にかけているか、フォローしているかミーティングで確認をするようにしています。

ご紹介いただいた場合に一番念頭に置くのは、ご紹介者の顔に泥を塗らないような良い仕事をすることが一番大切だと考えています。それが紹介先に選んでいただいたことに対する一番の恩返しと思うからです。支部の先輩についても、色々と教えて頂いた恩を忘れずにいたいと思います。「信頼頂けること」が何より大切と思います。やむなく人を傷つけてしまうことは時にあるかもしれないですが、信頼を裏切ることだけはしたくないと思います。

信頼関係というのはそれほど簡単に築けるものではないと思います。時を重ねていく中で色々なことが起こり、その中で培っていくもののように思います。それを考えると開業当初はなかなか信頼を勝ち取るのは難しいことだと思います。でも地道にそれを重ねていくことで、あとで大きなお返しがたくさん来るのだと思います。目先にとらわれず、辛抱強く何年先かを信じて誠実に頑張っていただきたいと思います。

先週は合併案件と海外在住の方の年金請求でかなり時間を取りました。合併案件はこれまで大分経験しましたが、労働・社会保険関係の手続についてはその時々やはり異なり、大変ですが面白くもあります。10年前くらいから企業の合併は日常的になりました。2011年1月から、協会けんぽの保険証は会社の住所を載せないことになっています。合併があまりに多くて差し替えの手間があるため事業所の住所は載せなくなったと聞いています。http://www.kyoukaikenpo.or.jp/news/detail.1.60185.html

健保組合に加入していた事業所が、吸収分割される場合吸収先が従前の企業の関連の事業と認められれば、吸収先の事業所もあまり手間なくそれまで加入していた健保組合に編入できるようです。今回初めてのケースです。奥が深いなあ~とうれしくなります。

そのうち合併の際の労働保険、社会保険関係の手続いろいろをケース別に取りまとめてみるのも良いなあと思います。 


歳入庁構想 連合会の見解

2012-07-01 23:12:13 | 開業記

先週の金曜日に連合会の総会で大分時間を取った歳入庁構想については今後機会を持ち勉強をしていく必要があると感じました。

歳入庁構想は4月の中間報告の時点では、見送り案も出ていたところ、6月8日に 政府が民主党作業チームに提示した中間報告の改訂版原案では、2015年前後には国税庁や日本年金機構、市町村などの徴収業務統合に向けた準備組織を新設、 2018年以降速やかに歳入庁を創設することを目指すと明記されています。(まだ勉強途上ですので以下の内容をご確認ください)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201206/2012060800838

連合会の総会の際、会長が回答されていた3月14日に出した全国社会保険労務士会連合会の見解は以下の通りです。今後の状況によりさらに動くべき時には動くということですが、会員全体が真剣に考える必要があることだと思いました。

http://www.shakaihokenroumushi.jp/general-person/topics/2012/pdf/0314_news.pdf

社会保険労務士は、厚生労働省の管轄の下、「労働社会保険諸法令等」の専門分野に関する国家試験を経て、国家資格者として、その知見を活かし専門分野の業務を行っており、社会保険労務士の存在は、年金記録問題解決への対応等で国民の支持を得ている。
全国社会保険労務士会連合会としては、歳入庁が設置されても、社会保険労務士の業務範囲については、何らの変化を生じるものではなく、今後も専門性を高め、業務を通じて、国民生活の向上に貢献していくべきであると考えている。

とあり、現状の複雑な労働保険・社会保険・年金関係の諸法令について、社会保険労務士以外の士業の方が十分な知識を持たず業務を行うことはあり得ない(年金問題の二の舞の様にならないとも限らない)と思いますし、社労士もそのことをよく念頭に置いて、知識の研鑽、経験の蓄積を怠らず適正な業務を遂行していく必要があると思います。

社会保険労務士の業務は本当に近年幅広く広がりを見せていますが、やはりその根本は労働・社会保険諸法令の体系的な知識を学び難関試験を合格して得た資格であるということを忘れずにいなければいけないと思います。それが社会保険労務士の業務の神髄、そこは他の士業には踏み込めない領域になるべくプロとして自覚すべきところと考えます。

仕事の世界はスピードが速いです。私は多少拙速であってもスピード感を持ってやっていきたいと思っています。


開業記24 事務所経営について

2012-04-22 23:54:00 | 開業記

開業記24 事務所経営について

事務所はとうとう満20年を超えて21年目に入ったところです。一人で自宅開業をしたときはよもやこのような規模になるとは思いもかけませんでした。そもそも経営とかマネジメントということについて真剣に考えたことは最近までなく、また事務所の運営については自分を含めて5名くらいのスタッフで行っていたときは考える必要もそれほどなかったように思います。

社労士の場合、開業当初一人で始めることが多いと思います。しばらくすると仕事も入り忙しくなり、自分が顧問先に行っている間に、書類等を作成してもらえるとよいなと考え、まずはパートタイマーを雇うということになります。多くの社労士が話されるようにそのくらいの時というのは、意外に人件費もそれほどかかりませんから、収入はの多くは自身に入り、結構それなりに稼げるようになったなという感じになります。

ある程度自分の目の届く範囲の仕事をしていたいという考え方であればそれ以上事務所を大きくしないということで、さらに1人くらいはスタッフを雇うとしても、その規模で運営していくという社労士事務所は多くあります。しかし「たまたま大きな仕事を依頼された」とか時には「法人化して戦略的に規模を大きくしていく」というケースもあります。そのラインを超えるか超えないか?超えると結構事務所は大きくなっていくものだと思います。

私の場合開業間もなくから15年間tacの講師をしており、事務所はその間に少しずつ大きくはなっていましたが、講師と事務所の代表とどちらかと言えば講師のイメージが強かったのではないかと思います。私の業務の中心は講師と教材と実務のコンサル、事務所のスタッフの業務は実務の手続とそれに伴う相談業務という体制が長年できていました。しかし講師を卒業とほとんど同時に大きな仕事の機会に恵まれスタッフがまず増えたこと、そこでマネジメントとか経営というものを考えるようになりました。マネジメントや経営についての私はまだ試行錯誤期間中、「つかむ」ところまでは来ていないという感じです。

その大きな案件は本当に良い経験となりました。事務所はごたつきましたが事務所経営ということについて私は多くのものをその経験で知ることになったと思います。もちろん自分の至らなさもとても認識しました。苦しいと言えば苦しい1年ちょっとだったと思います。スタッフにとってもそれまでの事務所の居心地がずいぶん変わったのではないかと思います。その時事務所に助っ人として入ってくれたSさんのマネジメントは目からウロコでした。非常に勉強になり、ある意味新たなことを得た嬉しさも私は感じることができた気がします。

やっと落ち着いたかと思った矢先、今年になりさらに大きな案件を頂いたことでスタッフが増えました。今も事務所経営とはこれだとつかんではおらず、どちらかというとますます日々事務所をどのように運営して行けばよいか考え続けているという感じですが、以前よりはいろいろなものが見えているような気がします。前回の経験を踏まえて自分としては少し慎重に、あせらないように言い聞かせて進めているという感じです。

しかし規模が大きくなるとこれまでの事務所の業務の内容はまた変わってきました。そこは面白いなと思います。コンサルばかりやっていた私ですが、3号届の仕分けをしてみたり書類のチェックをしたりでここのところかなり新鮮です。色々な業務が経験できることに感謝しつつ、スタッフがこの事務所で働けてよかったと感じてもらえるように頑張ります。

社労士の業務に比べると、事務所経営は正直言って難しいなと感じています。社労士の業務は相変わらずワクワクしながら取り組んでいるのですが、事務所経営はそんな具合にはいきません。自分の不徳だとも思います。週末は稲盛和夫さんの経営塾での回答が書かれている「人を生かす」を読んでみました。「現場」「率先垂範」「無私の心」「事務所の拡大の時」など今だから理解できるものも多く、社労士事務所もある規模になれば会社経営と同じ部分が多いのだと感じます。その本のまえがきに、「一人で生きていくのも厳しい世の中で、従業員とその家族の生活を必死で守ろうとする経営者というものは立派であり、私はそのような経営者の育成に少しでも役立ちたいと考えた」とあった言葉にジンときました。


開業記23 事務所の法人化について

2012-01-15 23:35:17 | 開業記

開業記23 事務所の法人化について

平成5年に小磯社会保険労務士事務所を富ヶ谷の自宅で立ち上げてから今年で20年目です。個人事務所として1人で始めた事務所ですが、平成21年1月に法人化しました。社会保険労務士法人のメリットは何かということをそれほど考えていたわけでもなかったのですが、やはり法人化の効果は大きかったです。

法人化をしようと考えた一番の理由は事業の継続性でした。小磯事務所の場合親族に引き継いでもらうという選択肢は全くない状況でしたので、どこかで法人化して私が仕事をしなくなった後も現在のスタッフが困らぬよう事務所を引き継げるようにしておく必要はあると考えていました。また、それが委託頂いている顧問先企業にとっても安心感につながると考えました。そもそも座右の銘の一つが「継続は力なり」という私ですから当然のごとく社労士法が改正になり社労士事務所が法人化ができるようになってから、どのタイミングだろうかといつも頭にありました。

渋谷支部の中では法人化したのは特に早い方ではなかったのですが、1点OURSの法人化には特徴がありました。それは役員である社員を通常の2人ではなく5人にするということでした。これはいざという時スタッフがスムーズに引き継げるようにということもありますし、1人法人が認められていない社労士法人は、2人が社員としてスタートし片方が何らかの理由で辞めた場合次の手をどう打つかというところで難しいように思ったからです。既に法人化してから丸3年が経ちましたが法人化当初と同じメンバーが社員ですから杞憂という感もありますが、やはり安定感はここまでずっと感じています。

法人化した当初よく他支部の先生からも「法人化のメリットは何?」と聞かれました。当初1年目は正直それほどメリットは感じませんでしたが、会計という面では個人事務所時代とは異なりました。自分の財布と事務所の財政が明確になったということです。またやはり個人事務所ではないのだという意識面でも多少の変化はあったと思います。ただ一番参ったのは個人事務所に比べていろいろ面でお金がかかるようになったことでした。社労士法人の場合、例えば法人としての会費と、社員は開業社労士としての会費を会に支払わなければなりません。要するに私個人としては会費が2倍になったという感覚でしたし、それまで勤務登録だったスタッフ2人の会費も開業会員になり倍になったというわけです。また損害賠償責任保険の保険料なども法人は個人に比べてとても高いのです。さらにスタッフが役員である社員になったことで、労働者ではなくなったため労災の特別加入をすることになりました(社労士法人の社員は兼務役員は認められないのです)。そんなこんなで当初費用面での負担が大変でした。

法人にして2年目あたりから感じたのは、入ってくる仕事が変化してきたということでした。企業の規模も大きく、また知名度が高いところからお話を頂くことが多くなったということを何となく実感するようになりました。3年目の昨年は成約しなかった企業もありますが、特に後半本当にたくさんのお仕事のお話を頂きました。ここにきて顧問先企業の規模がとても大きくなったため個人事務所時代に比べて委託頂いている被保険者数は飛躍的に増えたという感じです。当然売り上げもかなり増えました(経費も増えましたが)。これは法人事務所として社員・スタッフ・パートナー社員みんなで頑張ってきた証と思います。私個人ではなく事務所に仕事を頂くようになったのだと思います。

時代のスピードは本当に早いものだと思います。社労士もそれについていかなければ取り残されてしまうという気がします。盛んに行われる企業のM&Aに対応するために大量のデータ処理も避けては通れない課題です。ますます労働法や社会保険の手続き等が複雑になっていくのでその勉強も怠りなく行っていく必要があります。これまで以上に社労士の方向性の先にはたくさんの選択肢があるような気がしています。そんな中で、法人、個人にかかわらずビジネスモデルを持てればますます仕事の範囲は広がると考えます。

まだまだ少人数の事務所なのでひとつひとつ乗り越えるのに必死なのですが、ここを乗り越えればまた一つ成長できるという楽しみもあります。やはり最後は当たって砕けろ、他の人がやれることが自分にできないわけはない(急に体育会系ですみません)という感じです。