また円安になってきて介入論議が盛んだ。米国財務省の監視リスト入りが話題だが、これは心理的な意味合いはある。ただ、本義は貿易黒字の額にあるもののようなので、絶対にダメというわけでもない。イエレン発言と同列にあると考えていいだろう。
もうひとつの要素は、神田財務官の任期だ。3年目がまもなく終わり、交代かどうかは来週わかるようだ。いままで4年勤めたのは、黒田(前日銀総裁)、浅川(アジア開発銀行総裁)の2人だけでいずれも大物だ。交代なら円安に傾く可能性があるが、今の岸田政権が脆弱であること、財務大臣が小物であること、日銀総裁がアレであることを考えると、続投の可能性が高いだろう。つまり、今の神田氏の介入スタンスが継続されると見る。神田氏は、将来的には、この二人を追って、アジア開発銀行総裁、日銀総裁への道をたどる可能性が高いと考えている。
ということで、介入の可能性は残るが、今すぐではないというのが結論になるだろう。従来の神田氏の発言からすると急激な変動と言われる変動幅を見ても、160円をかなり超えないと、発動できないはずだ。トレードは、まず160円越えまでは安心して円売りをしていきたい。