Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

地名→人名→地名…(ミナミダテハゼ)

2019-12-10 20:15:40 | ハゼ科

日差したっぷり、風はゆるやか…。気持ちの良い陽気になった本日のやんばるです。

明日はいったん雨交じりになりそうですが、明後日からは晴れベースの暖かな日が続きそう。

週末から週明けには夏日になるかも…な予報になってます。

風は北東~東。晴れ。

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『小笠原諸島』

民間人が居住する父島と母島の2島を含む、30余の島々からなる東京都小笠原村の行政区域。

まあ、多くの方がよくご存じの場所でしょう。2011年にはユネスコの世界自然遺産に登録されましたし。

日本で唯一生物地理区の区分でオセアニア区に属し、形成以来ずっと大陸から隔絶していたために『東洋のガラパゴス』と呼ばれるほどに独自の進化を遂げた貴重な動植物が生息する場所です。

また、日本では当地沖縄とこの小笠原諸島だけがコーヒーを栽培していたりも。

この『小笠原諸島』の『小笠原』は、実は人名、つまり名字に由来しているのだとか。

1593年、信濃小笠原氏の小笠原貞頼が、伊豆諸島南東で3つの無人島を発見したと『巽無人島記』に記述されいるのだそう。ただしその記述内容はかなり信憑性が低いようですが。

しかしその後、1727年に貞頼の子孫を自称する小笠原貞任なる人物が、貞頼の探検事実の確認と島の領有権を幕府に求めたのだとか。最終的にはこの訴えは却下され、さらには貞頼の実在さえも否定されたようですが、これ以降件の島は小笠原島と呼ばれるようになったのだそう。

そして幕末、米国との間で小笠原諸島の領有問題が発生したとき、幕府はこの島は16世紀末に小笠原貞頼が発見した島で昔から小笠原島と呼ばれていると主張し、以後日本領となったのだとか。

一度は完全否定しておきながら…って感じですけど、まあ外交術ということでしょうか。

貞頼という人物は実在したことは確かなようですが、小笠原の発見については伝承の域をでないとされているそうです。

ところで貞頼の信濃小笠原一族ですが、元をたどれば清和源氏の一族なのだとか。

中世、その一族が甲斐源氏として今の山梨県に広がっていたそうで、そのなかの小笠原という地名に住んだ一族が小笠原氏を名乗ったのだそう。

あれ、地名の由来を辿ると人名に繋がり、さらにそれをたどると結局地名に行き着いてしまいました…。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダテハゼ属ミナミダテハゼ Amblyeleotris ogasawarensis 19年10月7日 沖縄島安和〉

学名種小名は『小笠原諸島の』の意。

タイプ産地が小笠原諸島父島二見港付近の海岸であることに因んでいます。

地名から人名へ、そして地名へ、さらにそこから魚名へ、って感じですか…。

 

コメント
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