Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

妖精の装い(イソバナガニ)

2017-08-21 19:38:24 | エビ・カニ類

台風13号が発生中ですが、沖縄島に接近することはなさそうです。

海にも今のところ影響は出ていません。

空模様は不安定ですが、それが涼しさを運んできて過ごしやすい感じに。

暑すぎない一日だった本日のやんばるです。

風は南東。晴れときどき弱雨。

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〈カモフラージュ〉あるいは〈カムフラージュ〉という言葉は、フランス語なのだそう。

その意味は、今更説明する必要はないかもしれませんが……

『敵の目をくらますために、軍艦・戦車・建造物・身体などに迷彩などを施すこと』なのだとか。

兵士の使用する迷彩服などは典型的なカモフラージュですが、色彩だけでなく実際の環境を身につけることもあるのだそう。

それはすなわち、現地の植物をくくりつけたネットを被せたりしたスーツを着用することで、このスーツは『ギリースーツ』と呼ばれているのだとか。

『ギリースーツ』の『ギリー』ですが、その語源はスコットランドの『ギリードゥ(Ghillie Dhu:暗い若者の意)』からきているのだそう。

それはスコットランドに伝わる妖精のことで、白樺の林や茂みに住み、木の葉や苔でできた服を着用していたと伝承されているのだとか。

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さて…

〈クモガニ科イソバナガニ属イソバナガニ Xenocarcinus depressus 17年7月13日 沖縄島ホーシュー〉

学名種小名は『扁圧した、凹んだ』の意。

本種の甲は扁平な円筒形なので、そのことでしょうか。

それとも額の先端が二つに分かれる(凹んでいる)のですが、そのことでしょうか。

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イソバナの枝間に住み、宿主に擬態した姿を持つ本種、でもそれだけではありません。

今までいろんな種の体色や体模様を〈纏う〉と比喩的に表現してきましたが、本種は文字通り〈纏う〉のです。

すなわち宿主のポリプを体に付けて擬装するのだとか。

環境を纏う、まるで『ギリースーツ』のよう。

あるいは妖精のような装いというべきでしょうか。

 

コメント
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