Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

菊のかをり…(アオフチキセワタ)

2016-10-07 19:29:21 | ウミウシ

台風18号が残していったうねりも昨日までに落ち着き、台風前のコンディションに戻った感じのやんばるです。

少~し濁りが残っているような気もしないではないですが…。

それはともかく、今日あるポイントにいったら、エントリー口が真っ二つに割れてました。

たぶん18号の波とうねりのせいで。

まあ、エントリー&エキジットに支障はないですが、恐るべし18号…。

風は南~南西。晴天。

〈カノコキセワタガイ科カノコキセワタ属アオフチキセワタ Philinopsis gardineri 16年8月14日 沖縄島安和〉

学名種小名は gardiner + i . 何度もでてきた献名ですね。

gardiner はもちろん人名でしょうけど、庭師や植木屋を表す普通名詞でもあります。

実は庭師が本種の新種記載に貢献した、みたいな妄想に誘われたりも…。

それはさておき……

『菊の花 若ゆばかりに袖ふれて 花のあるじに 千代はゆづらむ』

明日から三連休という方も多いのでしょうが、明後日の日曜日は旧の9月9日で、重陽の節句なのだそう。

前日の9月8日に菊の花を真綿で覆って菊の香りを移し、翌日の朝に露に湿ったこの真綿を顔にあてて、若さと健康を保とうとする行事をする日なのだとか。

白菊には黄色の綿を、黄色の菊には赤い綿を、赤い菊には白い綿を覆う。なんて細かな決まり事もあったよう。

と、これは平安時代のお話。

前述の歌は、この重陽の節句に関係のある紫式部の歌です。

で、この行事のことを『菊の着せ綿』というのだそうですよ。

というわけで、キセワタの話をしていたわけです。

キセワタという言葉を追跡していたら、平安の雅な行事に辿り着いてしまったということなのです。

 

コメント
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