Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

逆さまの王妃(サカサクラゲ)

2008-10-27 20:04:45 | 水中生物

少々肌寒かった本日の沖縄島です。

風は北。雨交じりの空模様。

さて……。

むかしむかし、古代エチオピア国にカシオペアという王妃がおったそうな。

美貌で名高い王妃で、自分の美しさをたいそう鼻にかけていたそうな。

ある日、王妃は海面に映る自分の姿を見つめて、

「私こそ世界一の美女だわ」

なんて宣言したもんだから、それを聞いた海の妖精(美しい乙女の姿をした)ネレイドたちの怒りをかってしまったそうな。

で、国や王女や海神、さらに英雄や魔物も巻き込んですったもんだの事態に発展するんですが、そこは省略。

王妃は死後、北の空高くに位置する星座となったそうな。

でもネレイドたちに許されることのなかった彼女は、1年のうちの半分は上下逆さまの姿になるという、美の誉れ高かった王妃にとって不名誉な形で空に上げられてしまったそうな。

おしまい。

って、神話の一節を持ち出した理由はこれ↓

081027_2

〈サカサクラゲ科サカサクラゲ属サカサクラゲ(Cassiopea ornata) 08年8月28日 沖縄島レッドビーチ〉

属名のCassiopeaは、上下逆さまになっている習性から王妃カシオペアの名前がついてるんだそう。

なんで逆さまになってるのかというと、腹の面を太陽光に当てるためです。

で、体のなかの褐虫藻に光合成してもらうためです。

褐虫藻はクラゲに守ってもらい、さらにクラゲの呼吸で生じた老廃物を光合成の材料にしています。

光合成でたっぷりと生み出された養分は、クラゲにも回されます。

相利共生ですね。

 

コメント
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