湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

日本が貧乏になった理由

2022-07-19 18:38:38 | Weblog
商売は、やってみないと分からないものです
例えば、私は不動産賃貸業者ですから、土地を買います
建物も買うか、自分で建てます
それらは、どれも大変高価なものです
そんなお金を私は持っていません
そこで、金融機関から借金をして買うわけです

そこまではいいでしょう・・・問題は、その後です
借金は、当然ながら、利息を付けて、返さなければなりません
借金を返しても、経費として認められるのは金利だけです
元本は、あくまで利益の中から支払わなければならないのです
当然だと、皆さんは考えるでしょう

ところが、これがとんでもない落とし穴なのです
その年、300万円の収入があり
ここから100万円の利息と100万円の元本を返したとします
私の手元には100万円が残ります・・・残るはずです
ところが、下手をすると一銭も残らないのです



このカラクリを知っているのは
実際に商売をしたことのある人だけでしょう
あるいは、税務の専門家でしょう
300万円の収入に対し、経費として認められるのは利息の100万円だけです
差し引き200万円の利益から元本の100万円を返すわけですが
利益の200万円に50%の税金がかかりますと、残りは100万円になります
つまり、そこから元本を返すと、一銭も残らないのです

もっとひどい状況では
利益が出ているのに借金が返せなくなるのです
あるいは、借金を返した後に金が残らず、税金を払えなくなるのです
黒字なのに、税金が払えなくなるのです!

つまり、結論を言えば
不動産を持たずに不動産を所有する必要のあるビジネスを始めると
大変なハンディーを背負うことになるのです
だから、資本の乏しい人が、新しいビジネスに出てい行くことは難しいのです
せっかく、利益の出る新しいビジネスモデルを考え、実現しても
高い所得税が、黒字のビジネスの足を引っ張るのです

単純化すれが、所得税率が50%なら
土地を2倍の値段で買わされたのと同じことになるのです
ビジネスの新規参入には、とんでもないハンディーとなるわけです

こうしたことを知らず
高い収入の人からは、それ相応の税金を徴収すべきだと言う人が多いです
収入のある人が、より多くの税金を払えばよいという考え方です
しかし、よく考えてみてほしいのです

収入の多い人は、それだけ多くの商品やサービスを世の中に提供している人です
ただ多いだけではなく、付加価値を付けて社会に供給しているのです
そうでなければ、忙しいだけで利益は出ません
つまり、自らのアイデアと努力で価値を生み出している人です
そういう人の足を引っ張ることが、何を意味するか?
それを考えてほしいのです

高い税率が経済を委縮させることを、ご理解いただけたでしょうか?
新規事業に挑戦するアイデア豊かな起業家の足を引っ張るのです
結果として、冒険心の乏しい、大企業のサラリーマン経営者を優遇しているのです
産業構造を固定化し、貧富の差を固定し、学歴社会を固定させるのです
子供たちは、満足に遊ぶことも許されず、塾通いを強いられ
創造性の乏しい、無気力な日本人が大量生産されるのです

日本が鎖国をしているなら、それもいいでしょう
皆で仲良く貧乏しましょう
固定した社会階層の中で、おのれの分をわきまえて生きましょう
しかし、今は世界市場で競争しなければいけない時代です
世界との戦いで勝てる企業を持てないと、その国が負けてしまうのです
日本国内にいると分かりませんが、この30年以上、日本は負け続けています
外国では給料が3倍以上になっているというのに、日本だけ増えず、減っているのです
コメント
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