無意識日記
宇多田光 word:i_
 



世界がある、と語っていたのは鹿野サンだったかな。例として最初にあがるのは、映像のインパクトも相俟ってやはりトラベリングだろう。弩級のスケールで展開される数々の"旅"のモチーフは、パロディ/オマージュの効果も手伝って広い層に敷衍した。"役割を演じる"というPVの光は、然し、キリヤンと袂を分かって以降余り見られない。つい、"上戸彩のドラマが当たらないのは彼女自身より魅力的な役が有り得ないからだ"とのファンの格言を思い出してしまうが、光の視覚的魅力を最も引き出した人の手法が"ロールプレイ"だった点は注目に値する。パーフェクトだったのは、でも、やっぱ光PVだけどね。理想的。

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使ってきた事、ソレがBWの特性をよく表している。常に光は"美"の意識を頭の片隅に置いてはいそうだが、そんなにこの言葉を濫用しない。口にした中で最も印象的なのは、FINALDISTANCEを『私が今まで作ったもの中で、(中略)一番美しいものなような気ぃする!』(メッセ010621)と形容した時か。理想すら飛び越えて顕れる大きな何かに触れる感覚をよく知ったればこそ、美という言葉とワールド/世界という広がりがシックリハマる。而して、BWでは美の誘う広がりが目前の少年に集約する奇妙な幾何学が成立する。多分、光も自らの美しさをまだ知り尽くしてはいないんだろうな。

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に起きるよ』の"君"を、鏡に写った自分だとする解釈はどうだろう。苦しいのは否定しないが、"君のくれた歌"を直後の"自分の為だけに歌える歌"と捉えれば歌の孤独の度合いが増す気がする。留守電というアイテムがInterludeで登場するが、アレも自分で聴いている場面だと思うと解釈が違ってくる。光は昔"周囲との境界がない感覚"について語っていたが、他者との関わりを唄っていても自己との対話と同じ形式になる可能性があり、その逆もまた然りという訳だ。微妙な境界の周囲を巡りながら孤独の感情を掘り下げてゆく手腕は、10代の頃から今迄一貫して秀逸だ。

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感じた時に聴きたくなるのがForYouだ。ノリがイイ曲では決してないが、詞の沁み方は寧ろUBの頃に近いと感じる。リアルな生活空間に滲む切なさはWINGSっぽい。"ヲウヲオ"と口遊むのが"君のくれた歌"だったら、なんて想像してみるのも面白い。最後の方の"飛びたい時は"の1節と"今飛べ"や"夢見てるよ大空"を並べて聴き比べるのも一興だ。差が出ているのは小道具がフォンか本かという点か。幻想や雄大とは異なる身近で切実な感情を描写したこの2曲、ケンカや誤解の後の蟠りを体験した事がある人ならばきっと共感が持てる筈。手練手管とは又違う光の素直が魅力な2曲である。

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予定されているらしいからもう暫く続く筈だ。理想をいえば、身柄は日本になくとも完成した音源のリリースだけでもあってくれればね。マスタリング済みのモノもある訳だから、もし"お蔵入り中"な理由がタイアップ先の何らかの停滞にあるのなら、本人不在でもプロモは敢行され得る。既にEtDMやBWPbAMで実践した様に相手の作品主体でいけばイイ。よければ、DDのプロモ"来日"に乗じて一緒にヒカルの新曲も宣伝してはどうか。ウタダ同士、仲良くやっていこう。人間1人のカラダを引き裂く様に取り合うよりも相乗効果を狙える体制を築けないものか。特に名案は思い浮かばないのだけどね…;

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詞には共通点が見いだせる。歌の主要なモチーフは"生命の強さ"だ。サクラにホトトギスがとまるかどうかはさておき、何処か和風/東洋風を感じさせる音と言葉の選び方。真ん中のパートには女優とか秋のドラマ再放送とか(ニュースもあるな)。軒並み色々とダブる。ゴングとパンチって両方ボクシングがモチーフだしね。要めとなるのは、両者とも具体的に涙の流れるシーンがある事だ。剛毅とすらいえる人の生命力と裏腹に位置する繊細な詩情。我慢の果てに溢れ出る一滴くの美しさは切なさを的確に視覚化してヒカルの映像的詞世界に聴き手を引き込む1曲目としての役割を共に見事に果たしている。

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普遍的魅力の度合いを語るのに売上の話を持ち出すのは安直だが、然し、07年のFoLの成功はヒカルの名を市場で延命させる大きな一撃だった。空前絶後のDL数も時代性との併走を感じさせた。さてアレから3年。世の中も様変わりしたがEVA&BWの成功やPoLの好評を挟んでの今の空気は大胆な変化を打ち出しても大丈夫、という気がする。浮き足立つ事は何もない。東京事変の様なプロジェクトを打ち出してもサマになるのではないか。唐突な位が丁度イイだろう。問題はUtadaとの兼ね合いの方だろうな。日本でヒカルのライバルといえば、洋楽アーティストとしての"彼女"をおいて他にないわね。

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ステータスを築くには2,30年の時間が必要だろう。"上を目指すには長い道が(It'saLongwayToTheTop,IfYouWannaR&R)"、だ。既にTopに居る、といえるのは日本だけの話だし。"ウタダの名を全世界に轟かせよう"といった野心は、然し、光には皆無な訳で。やはり、"向上心こそが続く秘訣"という側面を信じるならば、光が唄い続けてくれる為に何か目標めいたものが欲しい。果たしてそんなものが在り得るのか。必ずしもソレだけが長続きの理由な訳でもないし、逆に達成した暁にはバーンアウトして引退してしまうかもしれない。未来は誰にもワカラナイが、でもせめて希望は持ちたいよね。

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Simpleで在り続ける事がどれだけ難しいか。AC/DCは36年間そのスタイルを崩す事なく只管大きくなり続けた。"ClassicRock"の称号を得るに相応しい貫禄と存在感は、"BackInBlack"(1980)があのMJの"スリラー"に次ぐ史上2位の売上を記録して以降も益々輝き続けた。KingOfPopsに対してKingsOfR&Rと云いたくなる。Young兄弟のお互いへの信頼感が原動力なのだとナマで思い知った。さいたまアリーナの会場はUU06で見た時随分広いなと思ったが彼らのスケールにあっては窮屈そうですらあった。昨日今日でこの威厳は備わらない。拘りをもって"続ける事"の価値を痛感した夜だった。

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ある程度強味としていた。生まれ育った環境は兎も角、普通に学校に通い友達とハシャぎ恋愛をし…そうやって書いた詞だから"オッサンが書くより10代の気持ちが解る"と形容できたのだ。即ち、両親が音楽家な環境&才能と普通の感性のハイブリッドが光の詞の肝だった。ウカツな事は言えないが、然し、今の光に"普通"の出所がどれだけあるのか。ややもすれば音楽漬けの生活になってしまってはないか。勿論ファンタジーや大局観に基づいた詞もグレイトだがPopsを標榜する以上"普通の感性"も又磨くべきだ。婉曲ナシでいえば、27の今どんな恋愛してるか知りたい、ってだけなんだけどねw

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サンクチュアリの衝撃という点に関して未だに整理がついていない。既知の枠組であった筈なのだ、楽曲の構造と内容に関しては。コチラは英語詞を殆ど聞き取れないから詞が原因だとも中々思えない。超越的なレベルで詞が響いてくる事もあるけれど。融合Ver.を1度聴いた身としてはナンダカンダで情熱と聖域は同じ1ッの曲なのだと思える。イヤ、歌詞が捨象される分外国語で聴いた方がこの曲の魅力が伝わり易いというのはあるかもしれない。望ましい出会いという意味では情熱を先に聴いた非日本語圏の人々の方が恵まれていたのかも。類似の例が何かナイか、考えてみるとするか。

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S&Cの歌詞は"光"程ではないにせよ元夫との時期を思い出してしまわないだろうか。A&Cの"永続するには相性がよすぎた"とは自分の恋の事ではないのか。CYKAS?ってあんまドラマ思い出さない。KremlinDuskをボストンで唄う時ポーの魂は頭を過ぎらなかったのか。YMMWTBAMってLAかNYでのケンカの話じゃないのかな。GentleBeastを演る時は是非ギガントで踊ってほしい。On&Onのゲイパレードの先頭はクマチャンで決まりだね。Workoutは出来れば若いうちに1度は踊ってくれ。EasyBreezy唄わなかったのそういや意外だったかも。LMGYMLも聴きたかったなぁ。Liveは遠くになりにけり、だ。

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"宇多田ヒカル"というコンテンツは他の邦楽勢に較べ供給不足需要過多といえる。系統はやや異なるが昔のボストンや今のSADEの様に五輪何回分に1枚という周期でリリースするビッグセールス寡作アーティストも居る。ルーティンの長さをファンに慣れさせてしまった例である。ナゼかヒカルの場合10年7枚というハイペースなのに寡作のイメージがやや先行する。最近の順調な活動もメディア露出は不足気味だ。希少価値のイメージを保ちつつファンは沢山楽しめている、という実はかなりオイシイ展開なのかもしれない。今後も同じペースが続いていけば将来BoxSetをリリースした時初めて皆物量の多さに驚愕するのではないかな。

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当然の様に未だ売上や話題性で上回る作品は現れていない。イマジネーションを刺激する歌詞とインパクト抜群のメロディライン。トークが挙動不審がられたりもしたがキャラのよさも又徐々に浸透していった。だからといってヒカルが多くの人にキチンと理解されてきたとも思えない。サービス精神が実は旺盛である事や表に出ない真摯な創作態度等知名度に比してどれ程浸透しているかを考えるとココ迄誤解されている割合の高い歌手も又前代未聞といえるのではないか。キュートなルックスすらその妨げになってるかもしれない。コミュニケーション方法の多様化が誤解を増大させているとすれば皮肉な事だにゃ。

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サイドプロジェクト、といえばアーティストが気分転換や息抜きで携わるものとのイメージがある。キチンと仕事をしたがる光には向かないかな。コンセプト重視の実験性は、然し、時に歴史を変える事すらある。ガッツ溢れる本職より肩の力を抜いた副業の方が評価されるのは、アーティストとしては不本意かもしれない。"ン~、何が云いたいのかな?"と光に訝られそうだが、要は気楽にカバーアルバムを作ったらオリジナルより売れてしまうかもしれないよ、という話だ。バカにするにも、と言いかけそうだが、神様の御褒美は入り組んだルートで贈られる事が多い。レイドバックして仕事するのも、偶にはいいと思うよ。

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