素直な曲、。あの宇多田ヒカルがここまで"抑えた"歌い方をしているのも驚きだ(ろう)し、昔ながらのシンガー・ソングライター気質の曲調も今迄のレパートリになかったものだし、何より詞に仕掛や構造が皆無。あらゆる意味で凝っていない。誰もが「春の別れの歌」といわれれば納得する(だろう)自然な音。力みや色気がなさ過ぎてこれだけキャッチーなのに商業性を感じさせない。ただ心をありのまま綴っただけの詞。キャリアともプロ意識とも無縁、騒ぎ立てる斬新さや戸惑いもない。トップアーティストとしてではない、1人の普通の女の子としての宇多田光が唱う歌。切なさの向こう側にある曲だ。
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