無意識日記
宇多田光 word:i_
 




 とみねえの銀花帳はいつもちゃんと丁寧にHikkiのインタビューへのリンクを貼ってくれてあってありがたい。こうやって毎日Hikkiについて書いていると、まぢな話どこまでがHikki自身が語ったことで、どこからが私が勝手に「恐らくHikkiはこんなことを考えているのではないか」と妄想したものなのかの境界線があやふやになってくるのだ。それどころか、昂じ過ぎて“どこまでがHikkiの考えでどこからが自分の考えなのか”まであやふやになってくる。それはまぁ願ったり叶ったりなので気にはならないが一応区別できるうちはできている方がよいだろう。どうせなら、雑誌のインタビューもオンライン化して参照できるようになったらいいのになぁ、と思う。ラジオの文字起こしについては少しずつでもやっておきたいところだ。(実際にココでもやっているしね)

 で、先週銀花帳に掲載された「歌について(3)」という記事では『今私がもっとも興味を持っているのは、日本語と英語の違い』と書いてくれているが、これは私も同感で、特に今は“Do You”と“Stay Gold”が螺旋状に発表されるという稀有な段階(こういうのは“Blow My Whistle”以来かな。誰願叶もそれに近いといえば近いか。)なので、余計気になるのかもしれない。

 そのHikkiの、日本語と英語の自在な行き来を思わせる歌詞が“Stay Gold”にある。“My Darling Stay Gold”の箇所だ。C1、C2、C4で計5回出てくる(C1のみ1回)。これが、C3では“ねぇダーリン Your Soul”になっているのに注目。まだ歌詞が文字になったものが現存しないため断言は出来ないが、“ねぇ”と呼びかけている以上次にくる「だーりん」はカタカナで書いてある可能性が高い。でないと無冠詞になっちゃうからね、それは英語も母語であるHikkiには、、、案外大丈夫かもしれないけど(笑)、とりあえずi_は現時点では“Stay Gold”と歌う前は“My Darling”と英語で、“Your Soul”と歌う前は“ねぇダーリン”と日本語で、歌っているような気がする。

 とはいうももの、それぞれの箇所を聴き比べてみても言う程違いが感じられないので、あくまで憶測に過ぎない。Keep Tryingではあからさまに「タイム・イズ・マネー」と発音していたりして区別をハッキリさせていたので、もしかしたら「ねぇ Darling」なのかもしれない。

 とにかく、同じ単語を日本語と英語で歌い分けているとすると、これはなかなか見られないことだと思う。特に、いずれにせよその直後に続く箇所が“Stay Gold/Your Soul”とバリバリ英語発音なのが面白い。Hikkiの中には別に「C3のところは日本語で他のところは英語」という意識の区別は恐らくないのだ。語呂と構成を考えたときに、英語と日本語が織り交ざって逐一最適な単語を当て嵌めていってるに過ぎない。それでも、斯様にStay Goldは日本語主体の曲になっている。思い返してみれば、Hikkiの歌には英語交じりの日本語曲や日本語交じりの英語曲はあっても、両方を半々、というバランスの曲はなかった。必ずどちらかに重点がおかれて、その中でアクセントとしてもう片方の言語が現れるという構図なのだ。これは、Cubic U、宇多田ヒカル、Hikaru Utada、UtaDAというそれぞれの名義における音楽的言語的立ち位置を自然体で受け容れて作詞をしているということだろう。恐らく、意図的とまではいかないはずだ。そこらへんのことも踏まえながら、5thアルバムの日本語と英語のバランスや、UtaDAでの日本語の登場など、注目して聴いてみるのも面白いかもしれない。

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