ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

日々是好食…雨に食せば入梅イワシ

2015年07月09日 | ◆日々是好食
シラス漁を見学したときに、シラスは「海の米」で、シラスのいるところの漁獲は豊穣と聞いた。黒潮の大蛇行やら温暖化やらで、イワシの水揚げが減った時期もあったが、やはりキングオブ大衆魚、ベストオブ青魚のポジションは揺るがない。

銀座のど真ん中の魚居酒屋にて、入梅イワシがオススメと聞けば、頼まずにはいられない。タタキにフライに刺身とある中、オーダーはなめろう。船上や河岸でとれとれをいただく漁師料理だから、旬の味わい方としてはベストチョイスである。

念入りにたたいたイワシに、生姜とアサツキを混ぜ込んで、練り回すことしばし。生のつみれのようなもったり脂甘い味わいは、とれとれの青魚が内包する地力の全面展開だ。ちょんとつまみ、ねっとりトロリと舌にきて、目を閉じ浮かぶは銀輪ピチピチ跳ね回る巻網漁の船上か、群れなすきらめきのまばゆい水族館のイリュージョン展示か。

イワシもアユもハモも、梅雨時の真水を飲んで旨くなるといわれる。しとしと雨続きの長梅雨も、夏場に登場する絶品魚介たちの下地と思えば、傘もて街歩くも期待を込めた楽しさかな。