ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

日々是好食…初物が知らせてくれることは

2015年07月12日 | ◆日々是好食
東を向いて笑って食べると福が来るとか、75日寿命が延びるとか、とかく縁起物として珍重される初物。促成栽培やら輸入物やらの大量流通で、食の季節感が麻痺しつつある中でも、店頭にこの文言が踊っている品にはつい、手が出てしまいがちだ。

食は季節ごとの賜物だから、これら諺には所以も根拠も、諸説あるらしい。個々の検証はヤボなので差し控えるけど、初の収穫を恵方を向いて笑顔で感謝しつつ摂取すれば、御食津神様からの福を授かれることだろう。また初物には特に生気が漲っていると捉えれば、取り込むことでその恩恵に給われることだろう。

毎年最初のスイカを食べると、反射的にこの二つの諺を思い出す。甘さはもうひと声ながらも、こちらも初物の夏日にむさぼりかじれば、シズル感あふれる喉越しに頭から足先までヒタヒタに潤うよう。手に取って味わい、季節を感じ感謝すること。初物の効能とは、そんな意識付けぐらいでも充分ありがたいものだ。