ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん…椿山荘の、やまぐちの食と観光フェア

2015年07月17日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

椿山荘で開催の、山口の県産食材・食品を揃えた観光物産商談会に参加した。試食メニューは水産物がメインで、日本海と瀬戸内の両方に面した県らしい豊かさが伺える。加工品では蒲鉾が特産で、ブースには宇部市の「宇部かま」に防府の「杉本利兵衛商店」が並んでいた。宇部かまは以前工場見学もさせてもらい、藁で巻いたレトロスタイルの「新川」焼き抜きでプリプリの「蒲さし」が懐かしい。杉本利兵衛のはグチをベースにイトヨリダイも使うなど、上品で軽くつい手が出てしまう。


ブースの方によると、宇部や防府は水揚げ量の多い水産都市なのだが、全国的にあまり知られていないのがもったいないという。防府のブランド魚の西京ハモは、豊後水道から瀬戸内へ入ってきたところで水揚げするため、量もとれる上に産卵前で脂ものっているそう。かつては大阪や京都へ直送、特に地魚として推してなかったそうだが、近年はその名が知られ出し防府では供する料理屋も増えてきて、「ハモを味わいに防府へ来てもらいたいですね」と笑う。

ライブキッチンではその西京ハモのはもしゃぶを調理しており、ひと椀いただいたらチリチリに花が咲いた純白の身が、シュッと瑞々しい口当たり。淡い香りが口腔に広がり、これは気品のあること。同じ長物ても、関東ではこってり脂ののったウナギが好まれるが、連日の蒸し暑さではハモのさっぱり感の方がうれしくなる。

このほかにも仙崎のアマダイの若狭焼き、瀬付きアジとイサキの握りなど、近海の地魚を存分に味わった。ところで宇部といえば、宇部興産の事業所や鉱山を巡る産業観光が人気とか。漁業も盛んなのなら、漁師や仲買人に案内されて水揚げとセリを眺め、料理人のうんちくを聞きながら地魚料理で朝ごはん、なんてのも、美味しい産業観光になるのではなかろうか。