ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

月給泥棒

2010年12月10日 | 仕事

  日経新聞の調査で、仕事について聞いたところ、 「仕事はお金を稼ぐ手段に過ぎない」と答える割合は、一般社員では44.5%、課長職38.5%、部長職33.9%だったそうです。

 意外に少ない、というのが私の実感です。

  仕事は生活を維持するために仕方なく行うもので、お金を稼ぐ手段にすぎない、と考える人が90%以上いるだろうと思っていましたので。
 しかも役職が上がるほど、仕事は金を稼ぐためだけではないと考えるようになるとは、不思議です。
 役職が高いほど給料も高いのに。
 すると仕事にやりがいやら生きがいを感じている人がヒラ社員でも半分以上いるんですねぇ。
 なんだか羨ましいような。

 就職して19年、仕事が楽しかったとか、やりがいを感じた、という記憶はほとんどないですねぇ。
 
 年度末決算で、締切の日、どうしても数字が合わず、経理部職員全員で徹夜して電卓たたいたり、システムいじったりして、夜が白々と明けてきたときもうダメだ、と思ったらぴったり合った時は泣けてくるほどうれしかったですね。
 それとある部署から異動する時、部長から、「この人がいたから数々のトラブルを乗り越えられた」と言われた時は、お世辞だとわかっていても悪い気はしませんでした。

 そのくらいでしょうか。

 特に精神病を患ってからは、仕事は苦痛でしかなく、給料は我慢料だと思っています。
 私が行っている事務職は完璧に出来て当たり前、失敗したら叱られる、減点法の世界です。
 ですから前例にならって、なるべく新しいことはやらず、無難にこなしていこう、という消極的な思考に陥りがちです。
 でもどこの会社も経理や総務などの管理部門はそんなもんじゃないでしょうかねぇ。
 基本的に誰でもできる仕事ですから、いくらでも替えは効く、という思いがあって、余計無難に、無難に、と思ってしまうんでしょう。
 病気休暇をとった時は、替えが効く職種で良かったと思いましたが、替えが効くということもやりがいにつながらない要因かもしれませんね。

 企業は自律的な欲求充足に加えて、共同的な欲求充足をもたらすことが可能な場である。

 
心理学者、マズローの言葉ですが、それは可能かもしれませんが、そうできている組織は少ないでしょう。
 
 今の私はリハビリ中ということもあり、ただ乗り社員というか、月給泥棒というか、まともな仕事をしていません。
 リハビリ期間が終わって、人並みの仕事を持ったとき、発病前のようにこなせるのか、再発してしまうのか不明ですが、なんだか物足りないですねぇ。

マズローの心理学
フランク・コーブル
産能大出版部
完全なる人間―魂のめざすもの
Abraham H. Maslow,上田 吉一
誠信書房


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強姦致傷事件 懲役27年

2010年12月10日 | 社会・政治

  2007年から2009年にかけて兵庫県で起きた10代の少女ばかりを狙った強姦致傷事件で、32歳の男に懲役27年という厳罰が下されました。
 被害にあった少女は6人にも及ぶとか。
 少女たちの精神的なショックはいかばかりでしょう。
 一生涯、男性を恐怖し続けるかもしれません。

 日本での性犯罪は痴漢や下着泥棒などが7割をしめ、強姦は3割程度と聞きます。
 一方お隣韓国では事情が逆転し、7割が強姦だとか。
 抵抗する女性を無理矢理犯すというのはかなり難しいと思います。
 公園などでは人目があるし、ホテルなどに連れ込むのも困難でしょう。
 しかし、私が想像するに、被害にあった少女たちは、ほとんど抵抗できなかったのではないでしょうか。
 まずは恐怖で身がすくむでしょうし、刃物で脅されたということですから、命の危険も感じたでしょう。

 そして犯人逮捕後、法廷で事件を再現しなければならない苦痛というのは、思春期の少女にとっては耐えがたい苦痛であったことでしょう。

 私は高校生の頃、満員電車で二回、映画館で一回、痴漢にあったことがあります。
 多分少年好きの同性愛者と思われます。
 しかしその時、私は何が起きているのか分からず、ほとんどパニック状態になって、完全に体が凍りついて動かなくなってしまいました。
 「やめろ」とも、「痴漢だ」とも言えなかったのは、私が男子高校生だったため、男のくせに痴漢にあうなんて気持ち悪いやつだ、と思われはしないか、という危惧と、圧倒的な恐怖心でした。
 痴漢は私よりずっと大きく、がっちりした中年でした。
 今でこそ私はでぶの中年ですが、当時は紅顔の美少年だったのです。

 そのことがあってから、私はそれまで以上に性犯罪の被害者に同情的になりました。
 男の私ですら、また、痴漢ですら、恐怖に固まってしまうのですから、強姦致傷となると心の傷は時間とともに軽くなることはあっても、完治することはないんじゃないでしょうか。

 性犯罪は累犯率が極めて高いと聞きます。
 性欲が犯罪行為を嗜好する場合、矯正は極めて困難でしょう。
 その場合、厳罰に処し、出所後は生涯監視の目を光らせなければなりません。
 悲しいことではありますが、元受刑者の人権を制限してでも、被害者予備軍の少女たちを守らなければならないでしょう。

強姦の歴史
Georges Vigarello,藤田 真利子
作品社

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CUBE ZERO

2010年12月10日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜は「CUBE」の続編というか解説編というか、「CUBE ZERO」を観ました。
 「CUBE」はスタイリッシュで美しく残酷な、完成された作品でした。
 
 「CUBE ZERO」では、立方体に入れられる人々を死刑囚とし、死刑執行か立方体に入るかを自らの意思で選んだうえで、記憶を消されて立方体に入る、と説明しています。
 本作の主人公は立方体で苦しむ死刑囚ではなく、それをモニターで監視する下っ端役人。
 顔さえ見たことのない幹部からの命令で、立方体を動かしたり、殺人トラップを仕掛けたりして、さまざまなデータをとります。
 そのデータが何に使われるかは全く分かりませんし、どんな組織がCUBEを運営しているのかもわかりません。
 あるとき、下っ端役人の一人が立方体に無実の女がいることに気づき、自ら立方体に入り、彼女を救出しようとします。
 そのことを発見したホワイトカラーの中堅幹部が初めてモニタールームに現れ、ゲシュタポを彷彿とさせるいかにもな嫌らしい役人風を吹かせます。
 そして、下っ端役人はCUBEの恐ろしさに改めて気付かされるのです。

 前作、「CUBE」で観られたスタイリッシュな美しさはありません。
 シンプルな謎もありません。
 あるのは、カフカ風の不条理な世界。
 「CUBE」に解がほしかった方には良いかもしれませんが、蛇足の感は否めません。
 「CUBE」に続編はいらなかったのではないでしょうか。

CUBE ZERO [DVD]
アーニー・バーバラッシュ
ハピネット・ピクチャーズ

 

CUBE [DVD]
モーリス・ディーン・ウィント
ポニーキャニオン


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