ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

江戸川スーパー堤防

2010年12月05日 | 社会・政治
 先ほどテレビ番組で、江戸川スーパー堤防の話題が取り上げられていました。

 民主党の事業仕分けでスーパー無駄遣いと評され、廃止とされた事業です。
 しかし江戸川区は、政権交代を見越してか、事業の続行を考えているようです。
 
 江戸川のような大きな川は、氾濫のリスクが高く、ぜひともこの事業を行うべきだと考えていましたが、番組を見て疑問を感じました。
 対象地区すべての建築物を破壊し、町ごと移動させるというのは乱暴ながら人命のためには仕方がないとして、ほんの少ししか工事しないとはなぜでしょう。

 てっきり江戸川全流域をスーパー堤防化するのかと思ったら、篠崎地区450メートルと北小岩地区100メートルだけ工事をするというのです。
 そうすると水害時、対象のごくわずかな地域だけ助かり、対象外の地に建つ家は流されようと浸水しようと知ったことか、ということでしょうか。

 それに江戸川は江戸川区にだけ流れているのではありません。
 寅さんがよく江戸川土手で遊んでいたように、葛飾区にも接していますし、対岸の市川市や松戸市にも接しています。
 江戸川区一人が、しかもそのごく一部が恩恵をこうむるような工事は著しく公益性に反します。
 しかも工事完了に400年かかるなどと、べらぼうなことを言っていました。
 400年前といったら、江戸時代初期です。
 しかも過去、江戸川が氾濫したなどという話は、寡聞にして知りません。

 金がない今の時代にこの無駄な巨大事業、どうも莫大な利権の匂いがします。

 都内でもっとも危険な川は荒川で、「岸辺のアルバム」で家が流されるショッキングなシーンで有名な多摩川がそれに続くでしょう。
 さらに中川、新中川、隅田川、神田川と、都内は川だらけ。
 江戸川のような大人しい川が氾濫するような事態になったら、わずか450メートルや100メートルスーパー堤防にしたところで、あらゆる川が氾濫し、東京中水浸しでしょう。

 リスクに備えることは役所が果たすべき重要な役割であることは間違いありません。
 しかし核兵器で攻撃されたらどうしよう、とか、火星からタコ型宇宙人が攻めてきたらどうしよう、とか、あの世が定員オーバーだったらどこに行けばいいんだろう死体は焼かれちゃったし、とか、考えても無駄なことは無視するものです。
 この事業の空虚さは、そんなレベルです。

 巨大な江戸川に数百メートルのスーパー堤防を作って大災害に備えようなどと、竹槍で戦車軍団に立ち向かうようなもの。
 馬鹿馬鹿しくてお話になりません。
 それよりは、今ある堤防を全域に渡ってもう少し高くするとか、避難経路や避難場所を明確にして避難訓練を繰り返すとか、効率的なやり方があるはずです。

 第一まだ事業決定しておらず、予算の目処も立っていないのに早々と建築物を破壊し始めるとは言語道断です。

 とりあえず、事業を凍結し、江戸川流域に住む人々の声に耳を傾けなさい。

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