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てらまち・ねっと



 大統領候補なのに、「どっちの言っていることが本当??」と判然としないのが特徴・・・そんな異例の今回のアメリカ大統領選。
 最初のテレビ討論会がアメリカ・26日夜、日本時間で昨日27日午前10時すぎから行われる、と注目されていた。

 今朝、いろいろな報道を見てみた。 ロイター★≪ホワイトハウスへの長き戦い クリントン対トランプ 有権者を対象≫

 日本の主流の政治的な関心としては、今回の選挙では、「日本」が触れられること。軍備、核武装、TPPなどか。
 日経★≪双方から「日本」への言及があった。近年の大統領選では経済、軍事両面で存在感を増した「中国」には触れても、日本への言及はない討論会が目立っていた。全米ではプロフットボールNFLの優勝決定戦「スーパーボウル」に匹敵する、過去最多の視聴だったとみられる。≫

 面白いと思った話は次。トランプ氏が過去に税金を払っていない時があっことについてのやり取り。
 ブルームバーグ★≪クリントン氏はトランプ氏に連邦所得税を払っていない時期があると批判。対しトランプ氏は「そのおかげで私は賢くなっているのだ」と応じ、仮に納税していたとしても、「その分も無駄遣いされてしまっただろう」とやり返した。≫

 ともかく、今後については、次が分かりやすかった。
 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版★≪・・・しかし支持基盤を固めて有利とされている州を獲得するだけでは、両候補とも大統領の座にはつけない。最終的に勝利の大きな鍵を握るのは、どちらにも着かずにいる浮動票だ。・・・クリントン氏にとって頭痛の種は、投票先を決めていない層の中に18歳から29歳の若い有権者が多く含まれていることだ。彼らはオバマ大統領に投票した有権者の中核となったグループであり、通常の選挙の年ならそのままクリントン氏の支持に回る層だった。しかし・・・≫

 ということで、今日は以下を記録しておく。
● 米大統領選TV討論、際立つ両者の強み クリントン氏もトランプ氏も持ち味を発揮、有権者の選択肢浮き彫りに/WSJ 2016年9月27日 17:25
●数十年前に所得税を払っていないとクリントン氏が言及 トランプ氏「それで私は賢明に」-所得税払っていないとの批判に/ブルームバーグ 9月27日
●米大統領選、NYタイムズ紙がクリントン氏支持を表明/ロイター 9月26日

●「トランプ大統領」警戒? 討論会前に円乱高下/日経 9/27
●経済・人種・人格…激しく応酬 米テレビ討論会/朝日 9月27日

●初の一騎打ち、激論に=「事実」めぐり鋭く対立-米大統領選TV討論会/時事 9/27
●米大統領選 トランプ氏、誇張や誤り…メディア即座に指摘/毎日 9月27日

●クリントン氏に軍配…論戦を象徴する一言は/日テレ 9/27

●トランプ氏の「日本」連発に警戒感も 政府/日経 9/27
●トランプ氏の「仕事奪う」発言に不快感示す中国、でも本音で嫌なのは…「クリントン政権なら関係必ず悪化」/産経 9月27日

●討論会で劣勢のトランプ氏、元ミス・ユニバース批判で反撃/afp 9月28日
●米大統領選、勝者を決めるのは浮動票 第1回テレビ討論会を経てついに最終ラウンドへ/WSJ 9月27日

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● 米大統領選TV討論、際立つ両者の強み
クリントン氏もトランプ氏も持ち味を発揮、有権者の選択肢浮き彫りに

     ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2016年9月27日 17:25
・・・・・(略)・・・端的に言えば、今回の討論会は荒っぽいものだったが、啓発的でもあった。トランプ氏は相手の話に割って入り、いじめっ子の役回りを演じがちだった。民主党は彼のそういう点を非難している。一方、くすくす笑ったり、うなずいたりしながらトランプ氏の強い主張をかわしていたクリントン氏からは、独善的な一面が垣間見えるような場面も時折あった。共和党が非難するのは彼女のそういう面だ。

 だが実際、今回の討論会は2人の候補者が自身の強みを示して見せた戦いだった。トランプ氏は直感的な言葉で有権者とつながる能力を示し、クリントン氏は威厳ある雰囲気でひとつの話題から次の話題へと滑らかに移る能力を見せつけた。投票日までに残されたあと2回の討論会では、両者とも一歩も引かないだろう。

 彼らは今回、勝利に必要な有権者の心を勝ち取っただろうか? それはよく分からない。両者とも概ね、ほぼいつも通り、かつ期待通りだったため、有権者はすでに抱いている認識を確認しただけで心変わりはしなかった可能性はある。

 ただ少なくとも、今回の討論会ではかなり現実的な選択肢が明確になった。候補者の対照的な流儀や中身、経歴の違いも明確になった。

●数十年前に所得税を払っていないとクリントン氏が言及 トランプ氏「それで私は賢明に」-所得税払っていないとの批判に
      ブルームバーグ 2016年9月27日 15:03
 米大統領選の民主・共和両党候補による26日の第1回テレビ討論会で、民主党ヒラリー・クリントン氏は共和党ドナルド・トランプ氏について、連邦所得税を払っていない時期があると批判した。これに対しトランプ氏は「そのおかげで私は賢くなっているのだ」と応じた。
 
 こうしたやり取りの焦点となっているのは選挙運動中を通じてトランプ氏に付きまとっている問題だ。納税申告書を公表していない同氏は、約40年間にわたる大統領候補の慣習に従わない形となっている。トランプ氏は米内国歳入庁(IRS)の監査を受けているところで、それが終わるまで公開できないと主張。もっともIRS当局者は監査中であっても申告書を公表できないという規則はないと説明している。

  9年分の納税申告書をオンラインで公開しているクリントン氏は討論会で、トランプ氏が申告書を公表しない理由について「何か隠している」と発言。「連邦税を払っていないことを国民に知られたくないのかもしれない」とし、「なぜなら、誰もがこれまで閲覧できた申告書はトランプ氏がカジノの免許取得を目指して州当局に提出せざるを得なかった数年間だけで、それらはトランプ氏が連邦所得税を払っていなかったことを示している」と述べた。

  一方、トランプ氏は討論会で、クリントン氏が約3万通の電子メールを公開したら自身も納税申告書を公表すると語り、これまでの主張を繰り返した。

税金の使い方で応酬
  「できる限り納税額を少なくしようと非常に熱心」に取り組んでいるとABCニュースに5月に語ったトランプ氏。26日の討論会では、クリントン氏の批判に対し、「クリントン氏のような政治家」が税金を無駄遣いしたことで、「われわれは重債務国となっている」と反論した。
  トランプ氏はその上で、米国は全国レベルでインフラ修理を必要としているが、「あなたたちのアイデアの多くに浪費されたため、資金がない」とクリントン氏に語った。
  クリントン氏も「それは恐らく、あなたが何年間も連邦所得税を払っていないためだ」と切り返すと、トランプ氏は仮に納税していたとしても、「その分も無駄遣いされてしまっただろう」とやり返した。

●米大統領選、NYタイムズ紙がクリントン氏支持を表明
     ダイヤモンド (ロイター)2016年9月26日
[ワシントン 24日 ロイター] - 米有力紙ニューヨーク・タイムズは24日、大統領選で民主党候補のヒラリー・クリントン氏を支持すると表明した。米国が直面する難題に対処する上で、共和党候補のドナルド・トランプ氏よりも資質があるとした。

同紙はクリントン氏について「同氏の世代で最も粘り強い政治家の1人」であり、政策や外交の能力に優れ、超党派の協力にも定評があると評価。「現実社会の問題の解決に生涯をかけて取り組んでおり、大統領の資質がある。クリントン氏を大統領にすべきだ」と論評した。

26日にはクリントン氏とトランプ氏による第1回テレビ討論会が開かれる。クリントン氏の支持率はかつてトランプ氏をかなり上回っていたが、クリントン氏への不信感も根強く、その差は縮まりつつある。

一方、ニューヨーク・タイムズはトランプ氏については「米現代史において、主要政党の候補としては最もひどい」などとこき下ろした。

●「トランプ大統領」警戒? 討論会前に円乱高下
   日経 2016/9/27 12:12 経済部 生田弦己
 「トランプ米大統領」誕生への懸念に市場が混乱している。米大統領選における最大の注目点の一つとも言えるテレビ討論会を前に、27日の東京外国為替市場で円相場が乱高下する場面があった。

 9時15分ごろに1ドル=100円9銭まで上昇したかと思えば、数分後には一気に100円47銭まで下落。いずれもテレビ討論会が始まる前の出来事だ。

 前日の欧米市場で株価が全面安となったことなどを背景に、円はじりじりと上昇し…


●経済・人種・人格…激しく応酬 米テレビ討論会
      朝日 2016年9月27日22時08分 ヘンプステッド=五十嵐大介、宮地ゆう、中井大助
 26日の米大統領選テレビ討論会は、民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏の激しい言葉のぶつけ合いでもあった。

 「今日は私の孫の2歳の誕生日だから、考えることは多い。富裕層だけでなく、みんなのための経済をつくる必要がある」。討論会の冒頭、最初のテーマとなった雇用について問われると、クリントン氏はそう切り出した。

 クリントン氏は、インフラ投資や借金のいらない大学教育、最低賃金の引き上げなどを進めると主張。「富裕層の人にも相応の負担をしてもらい、企業の抜け穴をふさぐ」として、富裕層や大企業への増税でそうした政策の原資をまかなうと訴えた。減税を主張するトランプ氏に対し、「(大企業や富裕層から富がしたたり落ちる)トリクルダウンは機能しない」と批判した。

 一方、トランプ氏は「(クリントン氏は)歴史上で最大の増税の一つを認め、企業を追い出そうとしている」と反論。自身の政策について「法人税率を35%から15%に引き下げる。私の減税はレーガン政権以降で最大のものだ」と述べ、減税や規制緩和で経済成長を目指す考えを示した。

 環太平洋経済連携協定(TPP)などの貿易問題でも、両者は激しく応酬した。

 トランプ氏はTPPからの離脱を主張する。「我々の雇用はメキシコや他の多くの国に流出している。数千の雇用が、オハイオやミシガンを離れている」と強調した。「あなたはTPPに好意的で、承認したいと思っている。かつては貿易協定の『黄金の基準(ゴールドスタンダード)』と呼んでいた」として、オバマ政権下の国務長官時代にTPPを支持しながら今は反対に転じたクリントン氏を批判した。

 クリントン氏はTPPについて「交渉が合意され、内容が出てから反対した」と反論。トランプ氏に「では、オバマ大統領の責任なのか」と問われると、「国や経済にとって何がいいことかについては、異なる見方がある」とかわした。

 トランプ氏は「我々はいま、太って醜いバブルの中にある。唯一よく見えるのは株式市場だけだが、わずかに利上げをしただけで崩壊する」と話した。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長について、オバマ政権のために金利を低くしているとして、「FRBはクリントン氏より政治的だ」と批判した。

 人種間の分断や黒人に対する相次ぐ警察官の発砲、銃規制なども争点となった。両氏はこれまでと同じように意見をたがえた。

 トランプ氏は「不法移民が銃を…

●初の一騎打ち、激論に=「事実」めぐり鋭く対立-米大統領選TV討論会
       時事 2016/09/27-19:19
 【ヘンプステッド(米ニューヨーク州)時事】米大統領選の第1回テレビ討論会は26日夜(日本時間27日午前)、ニューヨーク州ヘンプステッドのホフストラ大学で開かれた。民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(68)と共和党候補ドナルド・トランプ氏(70)は初の一騎打ちで、大統領としての資質や安全保障政策などについて激論を展開した。どちらの主張が「事実」かをめぐっても鋭く対立した

 既成政治の打破を期待されるトランプ氏は、クリントン氏を「話ばかりで行動しない典型的な政治家だ」と決めつけた。クリントン氏は、トランプ氏は気質も不安定で「核ミサイルの発射コードは持つべきではない」と訴えた。

 2人は日本の防衛義務にも言及。トランプ氏が「公平な負担を払わないなら、われわれは日本を守れない」と主張したのに対し、クリントン氏は日米安保条約の尊重を約束した。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討では、クリントン氏が空爆強化といったオバマ政権の政策を継承すると説明。トランプ氏は、オバマ大統領とクリントン国務長官の政策で米軍がイラクから撤退したため、「真空地帯をつくり出し、ISが結成された」と非難した。

 クリントン氏は「すべての国民のためになる経済」をアピール。両候補とも環太平洋連携協定(TPP)に反対だが、トランプ氏は「クリントン氏が大統領に就任すれば、TPPに賛成するだろう」と警戒した。


●米大統領選 トランプ氏、誇張や誤り…メディア即座に指摘
      毎日 2016年9月27日 21時52分
 【ロサンゼルス長野宏美】米大統領選の共和党候補のドナルド・トランプ氏(70)と民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官(68)が直接対決した初めての討論会は非難の応酬になった。米メディアは即座に両候補の発言を事実確認(ファクト・チェック)。ほぼ正確な発言に徹したとされるクリントン氏に対し、「誤りや扇動が多い」と批判されてきたトランプ氏は今回も誇張や誤りをより多く指摘された。

 「間違いだ。間違いだ。私はイラク戦争に反対だった」。トランプ氏はイラク戦争への賛成を指摘されると、初めから懐疑的だったと激しく反論した。だが、ワシントン・ポスト紙は「まったくの誤りだ」と切り捨て、トランプ氏が米国のイラク侵攻前に「反対した証拠はない」と断言した。

 トランプ氏はこれまでたびたび主張してきた在日米軍など同盟国の経費負担について「我々は日本や韓国などを守っているが、彼らは公平な負担をしていない」と持論を展開した。

 だが、政治専門メディア「ポリティコ」は「日本は今年、(在日)米軍基地の直接支援だけで17億ドル(約1700億円)を負担し、基地で働く日本人のコストの90%以上を払っている」と数字を挙げて反論した。

 一方、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を巡るクリントン氏への批判はトランプ氏に軍配が上がった。

 「あなたはTPPをゴールド・スタンダード(最も理想的な基準)と呼んだ」

 労働者層の支持獲得を狙うトランプ氏は、自由貿易協定は米国の雇用を失うなどとして強く反対しており、賛成から反対に転じたクリントン氏を追及した。

 「私の(TPP反対)発言を聞いて、突然反対し出した」とトランプ氏が指摘すると、クリントン氏は「私はそれが良い取引であることを望むと言ったんだ」と反論。だが、ワシントン・ポスト紙によると、クリントン氏は2012年にTPPを「ゴールド・スタンダード」だと明言している。

 クリントン氏は討論会の前半で「私のウェブサイトにはファクト・チェッカーがある。ぜひ見てください。何が真実かわかる」と語り、トランプ氏の発言をうのみにしないよう呼びかけた。

●クリントン氏に軍配…論戦を象徴する一言は
       日テレ 9/27 19:31
 11月のアメリカ大統領選挙に向け、民主党クリントン候補と共和党トランプ候補が初めて直接対決するテレビ討論会が開かれた。  1時間半の激論の後、アメリカメディアの多くが論戦を象徴する一言として取り上げたのが、唯一拍手が上がったクリントン氏の発言だった。

 トランプ氏「私が各州を飛び回る中、あなたは家で準備したんでしょ?」  クリントン氏「討論会の準備をしたという批判なら、ええ準備しましたよ。大統領になる準備をね、それはよいことでしょう」

 トランプ氏は前半こそ感情を抑制して見えたが、後半、自らの人種差別発言や核政策をめぐり攻め込まれると、怒りやいら立ちを隠しきれなくなった。
 アメリカメディアの評価は多くが「クリントン氏の経験が勝った」「トランプ氏を圧倒したように見えた」と伝えるなど、おおむねクリントン氏に軍配を上げた。

 クリントン氏「素晴らしい討論会だったわ」
 トランプ氏「なぜかマイクの調子が悪かったが、全般的にうまくいった」

 ただ、トランプ氏のダメージは決定的とまでは言えず、残り2回の討論会もクリントン氏にとってはまだまだ気の抜けない戦いとなる。

●トランプ氏の「日本」連発に警戒感も 政府
      日経 2016/9/27 20:09
 米大統領選の第1回テレビ討論会で、共和党のトランプ候補と民主党のクリントン候補の双方から「日本」への言及があった。近年の大統領選では経済、軍事両面で存在感を増した「中国」には触れても、日本への言及はない討論会が目立っていた。全米ではプロフットボールNFLの優勝決定戦「スーパーボウル」に匹敵する、過去最多の視聴だったとみられる。

 「Japan」と言及したのはトランプ氏が4回、クリントン氏は2回。トランプ氏は「日本のせいで我々は巨額の資金を失っている。世界の警察官になることはできない。必要な負担を求める」「何百万台も車を売っている経済大国の日本を守ることはできない」などと持論を展開した。クリントン氏は「選挙戦で世界中の指導者を不安にさせている。私は日本、韓国との防衛条約を尊重する」となどと反論した。

 安全保障分野で日本がクローズアップされるのは、米国の地位が相対的に低下したことのあらわれでもある。野上浩太郎官房副長官は27日の記者会見で「次の大統領が誰になるにせよ、日米同盟は外交の基軸だ」と述べた。政府部内でトランプ候補が同盟国に負担増を求める主張のなかで、日本に何度も言及したことに警戒感も出てきた。

 米メディアには「クリントン氏が優勢だった」との分析がある一方、インターネット上での調査ではトランプ氏が勝ったと思う人が過半数を超える結果も出ており、評価は分かれている。次回のテレビ討論会は10月9日を予定している。

●トランプ氏の「仕事奪う」発言に不快感示す中国、でも本音で嫌なのは…「クリントン政権なら関係必ず悪化」
     ライブドア 産経 2016年9月27日 21時4分
トランプ氏とクリントン氏のTV討論会に、中国メディアは高い関心を示した
トランプ氏は「中国などが仕事を奪っている」と中国を名指しして批判
中国メディアの多くは不快感を示していたとのこと

 【北京=矢板明夫】米大統領選の民主党候補、クリントン氏と共和党候補、トランプ氏による第1回テレビ討論会について、中国メディアは電子版で詳報するなど高い関心を示した。

 トランプ候補が冒頭、「米国から新興国へと雇用が逃げ出すのを止める必要がある。中国などが仕事を奪っている」と中国を名指しして批判したことに対し、中国メディアの多くは不快感を示した。「米国の内政問題に関係ない中国を巻き込まないでほしい」といった論評がみられた。

 中国メディアはこれまで、トランプ氏を「大口たたきの人種差別主義者」などと酷評してきた。しかし、政府系シンクタンクに所属する米国問題専門家によれば、中国国内でトランプ大統領の誕生を期待する声もある。軍関係者や保守派の間で特に多いという。

 トランプ氏が中国を批判するのはほぼ経済分野に限られ、人民元の切り上げや安価な中国製品の米国への大量輸出の是非などについて、「米中で話しあえば解決できる問題だ」との見方は少なくない。

 一方、クリントン氏はこれまで、人権問題などで中国を厳しく追及したことがあり、安全保障問題でも厳しい姿勢を示してきた。内向きのトランプ氏と違い、中国の海洋進出に対し、オバマ政権以上に積極的に干渉してくる可能性がある。

 「トランプ政権になれば米中関係はどうなるのか予測不可能だが、クリントン政権なら両国関係は必ず悪化する」といった見方が浮上しているという。

●討論会で劣勢のトランプ氏、元ミス・ユニバース批判で反撃
    afp 2016年09月28日 04:49 発信地:ワシントンD.C./米国
【9月28日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は27日、前夜の討論会で民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官が言及した元ミス・ユニバース(Miss Universe)のアリシア・マチャド(Alicia Machado)さんの体重に関する批判を改めて展開した。女性有権者らの反発を招きかねない発言だ。

 ミス・ユニバース大会は昨年まで、トランプ氏が経営する企業が運営していた。1996年にベネズエラ代表として出場し、ミス・ユニバースに輝いたマチャドさんは、トランプ氏から「ミス子豚」や「ミス家政婦」と呼ばれ、大会優勝後の体重増加について公の場で侮辱されたとして、トランプ氏を非難している。

 クリントン氏は26日夜の討論会で、トランプ氏の女性の扱いの例としてマチャドさんの経験について言及。これを受けトランプ氏は「どこでその話を見つけたんだ」とうろたえた様子を見せていたが、翌朝に出演したテレビ局FOXニュース(Fox News)の番組で、「彼女は相当体重を増やした。それは大問題だった」「彼女はこれまでで最悪だった。最悪だ、実に最悪。彼女はあり得なかった」などとマチャドさんを批判した。

 主流政治アナリストの間では、26日夜のテレビ討論会はクリントン氏に軍配が上がったとの見方が優勢だ。ただ、今年の選挙戦はこれまで主流派政治家による予測をことごとく裏切ってきたため、今回の討論会が米有権者らに与える影響をはっきり見通すことは難しい。(c)AFP

●米大統領選、勝者を決めるのは浮動票
第1回テレビ討論会を経てついに最終ラウンドへ

     ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2016 年 9 月 27 日 10:37
 米大統領候補のヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏が初めて直接対決するテレビ討論会を26日に終えると、長かった米大統領選もついに6週間を残すのみとなる。しかし最終局面を迎えてもなお激しい接戦は続き、選挙結果がどちらに転んでもおかしくない予測不能な状況だ。

 その理由の一つが、依然として投票先を決めていない数多くの有権者たちの存在だ。有権者の5人に1人ともされるこの層の中には、単にどの候補者に投票するかを決めていない人もいれば、二大政党以外の候補に傾きながらも最終的には民主党候補のクリントン氏か共和党候補のトランプ氏に流れる可能性がある人もいる。一方で、どの候補者も受け入れがたいと感じ、投票に行くべきかどうか迷っている人もいる。

 この状況はまた、普段はある程度動きを把握できる若者票、マイノリティー票、郊外の女性票、そして大学で教育を受けた白人男性票の動向も予想を難しくする。彼らが今回も通常通りに動くのか、それとも例年とは違ったパターンを見せるのか、あるいは投票を棄権するのか。今まで以上に不確実だ。

 トランプ氏にとって良い知らせは、通常の選挙戦においてこの段階で現職への支持を固めていない有権者は、実はもう現職以外に投票するという決断をしていることだ。今回の大統領選にオバマ大統領は立候補していないのでもちろん現職はいないが、彼が後継者に選んだクリントン氏はある意味その立場に立っていると言えるだろう。これらを踏まえると、一見トランプ氏が有利のようにも思える。

 ただし、今回の大統領選は通常の選挙ではない。そしてトランプ氏のように有権者に不快な感情を何度も持たせてきた候補者が、通常の候補者のように反与党の票を集められるかどうかも不透明だ。

正常化しつつある一面も
 異例続きだった2016年の大統領選も、少なくとも表面的には通常の選挙になりつつある。クリントン氏もトランプ氏もそれぞれの党の支持基盤からの支援を固めてきた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースによる最新の世論調査では、共和党支持者の85%はクリントン氏よりもトランプ氏を支持し、民主党支持者の86%はトランプ氏よりもクリントン氏を支持すると回答。これは過去の選挙戦と比較しても整合性のある数値だ。

 州ごとの投票傾向もここにきて固まりつつあり、民主党寄りとされている州はクリントン氏支持へ、共和党寄りとされている州はトランプ氏支持へと流れができつつある。アイオワ州など一般敵に共和党候補が苦戦してきた州でトランプ氏が奮闘している場所もあれば、民主党候補が苦戦してきたバージニア州でクリントン氏が善戦している例もある。ただしどちらが制するか読めない、いわゆる「激戦州(スイング・ステート)」と呼ばれる州の数は、これまで通り10州程度に落ち着きそうだ。

 しかし支持基盤を固めて有利とされている州を獲得するだけでは、両候補とも大統領の座にはつけない。最終的に勝利の大きな鍵を握るのは、どちらにも着かずにいる浮動票だ。WSJとNBCの調査によると、有権者の9%はリバタリアン党のゲーリー・ジョンソン候補を支持し、3%は緑の党のジル・スタイン候補を支持している。8%は未定か、投票にはいかないか、主要4候補以外に投票すると答えてる。つまりクリントン氏にもトランプ氏にも票を入れない有権者は、全体の約20%を占めている。

 接戦の選挙では、この20%の有権者が流れ込んだ候補者が勝利を手にする。クリントン氏は現時点でトランプ氏に対してわずかなリードを保っているが、これら20%の有権者がトランプ氏に動けば、安全とは言えない。

 二大政党以外の候補に向かう票をどう自分たちに向かせるか。そして投票先を決めていない人をどう取り入れるか。この2点がクリントン氏とトランプ氏にとっては重要な課題だ。

ミレニアル世代とアフリカ系アメリカ人
 クリントン氏にとって頭痛の種は、投票先を決めていない層の中に18歳から29歳の若い有権者が多く含まれていることだ。彼らはオバマ大統領に投票した有権者の中核となったグループであり、通常の選挙の年ならそのままクリントン氏の支持に回る層だった。しかし若い有権者の中にはクリントン氏にもトランプ氏にも投票せず、ジョンソン氏かスタイン氏の支持に回る人が多い。直近の全米および激戦州での世論調査では、ミレニアル世代(1980年代から2000年代前半生まれ)の間の支持率ではジョンソン氏がトランプ氏と同等かまたはリードし、クリントン氏の支持率にも肉薄しているという。

 また、クリントン氏はアフリカ系アメリカ人からの支持も固めてはいない。彼らもオバマ氏が当選する要因となった層だ。アフリカ系アメリカ人が今回の大統領選でトランプ氏に流れることはほぼないものの、過去の大統領選のようにまとまった形で投票をしない可能性もでてきている。

 トランプ氏にとっての課題は、流動票の中でも特に政治的に穏健な立場の有権者から支持を得ることだ。彼らはトランプ氏以外の候補なら共和党を支持したかもしれないが、同氏のスタイルだけでなく、本質的な部分でトランプ氏の支持に回ることを拒んでいる。政治的に穏健な有権者の多くが、今年はどちらかの候補にもつかずにいる状況だ。

 トランプ氏のもうひとつの弱点は、大学教育を受けた白人層のようだ。2012年の大統領選では共和党候補のミット・ロムニー氏が21ポイント差を付けてこの層を奪取した。だが、最新のWSJ・NBCニュースによる世論調査では、トランプ氏は9ポイントの差をつけられて劣勢だ。この層の支持を固められていないことは、都市郊外に住む女性の票を得られていないのと同様に問題になるように見える。

 今年の大統領選のように接戦で支持率の動きが激しい場合、わずかな数の有権者によるちょっとした判断で勝者が決まる可能性がある。
(筆者のジェラルド・F・サイブはWSJワシントン支局長)

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